ヒーローの次は、悪党の出番だ!
概要
2016年8月5日全米公開(日本では9月10日に公開された)。
バットマンシリーズを含む様々なDCコミックのヴィラン(悪役)たちが一堂に会し、チームを結成して(させられて)悪人たちと戦うという予想の斜め上を行く映画。
正に「悪人たちの祭典」とでも言うべき映画である。
チーム名を直訳すると「自殺部隊」。
これは、「自殺に等しい無謀なミッションに放り込まれる」という意味と、政府側がいざとなったら切り捨てるつもりの存在=「死にに行く部隊」という意味がかかっている。
監督・脚本はデヴィッド・エアーが担当。
『S.W.A.T.』などのアクション映画や、異色の戦争映画『フューリー』などを手掛けてきたが、スーパーヒーロー映画を撮るのは初である。
「DCエクステンディッド・ユニバース」の作品の1つであり、マン・オブ・スティール、バットマンVSスーパーマンとも世界観を共有しており、BvsSでブルース・ウェイン / バットマンを演じたベン・アフレックも同役で少しだけだが登場する。
2021年にリブート作品『ザ・スーサイド・スクワッド』が公開。
あらすじ
バットマンをはじめとするヒーローたちの活躍により投獄されていたヴィランたち。彼らは終身刑や死刑を言い渡され、悶々とした日々を送っていたが、ある日、彼らは政府の秘密機関に召集され、減刑と引き換えに危険なミッションを遂行するよう依頼される…。
前回の戦いでスーパーマンが戦死し、アメリカ政府はいずれ世界を脅かすであろうメタヒューマン(超人)への対策を迫られていた。
そんな中、政府高官アマンダ・ウォラーは、特殊技能を持った犯罪者のチームを対メタヒューマン部隊に仕立て上げるという狂気の「タスクフォースX計画」を実行に移し、アーカム・アサイラムに収容されていた元精神科医ハーレイ・クインや、娘を人質に取られ政府の犬となった暗殺者・デッドショットなど、候補となるヴィラン達が秘密裏に集められていた。
だが候補者の一人である呪術師エンチャントレスが禁術を使い脱走。自分を封印した人類への復讐を開始した。とても公に出来ないこの事態に対し、アマンダはタスクフォースXの出動を命じる。過酷なミッションに失敗したら死、逃げても殺されるという状態に置かれたヴィラン達は、自らを「自殺部隊(スーサイド・スクワッド)」と呼んだ。
同じ頃、ハーレイを奪還するためあの最凶ヴィランもまた動き出していた。
登場人物
ヴィランズ
キャラクター名 | キャスト | 吹き替え |
---|---|---|
フロイド・ロートン / デッドショット | ウィル・スミス | 東地宏樹 |
ジョーカー | ジャレッド・レト | 子安武人 |
ハーリーン・F・クインゼル / ハーレイ・クイン | マーゴット・ロビー | 東條加那子 |
キャプテン・ブーメラン | ジェイ・コートニー | 江川央生 |
チャト・サンタナ / エル・ディアブロ | ジェイ・ヘルナンデス | 佐藤せつじ |
ウェイロン・ジョーンズ / キラー・クロック | アドウェール・アキノエ=アグバエ | カズレーザー |
エンチャントレス | カーラ・デルヴィーニュ | 沢城みゆき |
クリストファー・ワイス / スリップノット | アダム・ビーチ | 志村知幸 |
山城たつ / カタナ | カレン・フクハラ | 福原かれん |
ヒーロー
その他
評価
ヴィランを主役にしたある意味異色のアクション映画である本作だが、興行的には成功したものの、映画としての評価は散々なものであり『アルマゲドン』の再来とも言われる状況となっている。
ファンや批評家からの評価は様々で、第89回アカデミー賞においてメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しているなど、キャラクターデザインやサウンドトラック、マーゴット・ロビーらの演技などは好意的に受け入れられたもの、ジャレッド・レトとデヴィッド・エアーはラジー賞の最低助演男優賞と最低脚本賞にそれぞれノミネートされる、ローリングストーン誌やウォール・ストリート・ジャーナルに「本作はとにかくひどい。醜くて退屈」「一言で言えば、本作はゴミだ。二言で言えば、醜いゴミだ。」「エンターテイメントという概念全体に対する全面的な攻撃に等しい。言わば「恥知らずの迎合」の産物だ」と本作への激しい批判が寄稿されるなど、酷評も少なくない。
監督のデヴィッド・エアーは、ディレクターズカットの公開を主張している。
余談
- pixivでは、『スーサイド・スクワッド』関連のイラストは、ハーレイ・クインのものが圧倒的多数を占めている。まぁ、外見や恰好がアレだし、仕方ないね。
- しまいには公式が「最強悪カワヒロインと10人の悪党」「ハーレイ・クインが率いる最凶悪党」と言い出すなど、スーサイド・スクワッド=ハーレイとその手下のような扱いをしている。一応リーダーはフラッグ大佐である。
- 実は、MARVEL側も以前、『スパイダーマン』に登場するヴィランを集めた映画、「シニスター・シックス」を製作する予定であった(映画内で伏線も張られていた)が、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズが興行面で失敗したために企画がお流れになってしまうという憂き目にあっている。
- なおシニスターシックスは反スパイダーマン同盟であって別に政府の犬などではなく、MARVELにおいては「サンダーボルツ」が相当する。
原作等
- 「スーサイド・スクワッド」という名前のチーム自体は1959年の「ブレイヴ&ボールド」にて登場したが、この時点では単に「スーパーパワーを持たずに怪物と戦う集団」でしかなく、ヴィランの連合チームではなかった。
- 映画で描かれる「恩赦を目指して戦うヴィランのチーム」は1986年に登場し、この段階でデッドショットやエンチャントレスなどの主要なメンバーが揃った。
- 2011年にDCの主要なコミックがリブートされた際に、満を持してハーレイ・クインが加入して現在に至っている。
- なおジョーカーは正式に部隊に参加したことはなく、主にハーレイ絡みで外部から引っ掻き回すのが仕事である。映画での扱いも大体そんな感じ。
- ドラマ「ARROW/アロー」でもスーサイド・スクワッドが登場するが、デッドショット以外のメンバーは異なっている。
関連イラスト
関連映像
公式予告動画第1弾
本予告
BGMはQueenの「ボヘミアン・ラプソディ」。
日本語字幕版
『スーサイド・スクワッド』秘密結社 鷹の爪 特別ムービー
関連項目
スーサイドスクワッド SuicideSquad:表記ゆれ
ワイルド7:「アメコミ版ワイルド7」と言えば一言で説明できるぐらいには共通点がある
アルマゲドン:興行的には大成功し、キャラクター造形やサウンドトラックなどは高く評価されたが肝心のストーリーや映画の内容そのものは酷評だらけであるという点、また興行収入で好成績を収めた為に映画に詳しくない一般人が勘違いを起こし名作扱いを受ける珍事が多発している点などが共通している。
外部リンク
『スーサイド・スクワッド』ディレクターズカット版の存在が判明 ─ 『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットの製作決定で公開求める声広がる
以下ネタバレ
結末
エンドロール後、アマンダはブルースと会食し、ブルースにメタヒューマン関連の資料を渡す。
ブルースは資料に目を通した後、アマンダに「あの部隊は解散させろ。俺達に潰される前にな」と警告を送っており、独自のメタヒューマン対策を考えているようだが…。
……のはずであったが、前述の展開がのちに大人の事情で有耶無耶になる事が示唆されてしまい、本作の続きは『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』で描かれる事となった。