曖昧さ回避
- MARVEL出版のアメリカンコミックに登場するキャラクター。⇒Enchantress
- ショベルナイトのキャラクター。⇒エンチャントレス(ショベルナイト)
※元々の意味は「魔女」「魔法使いを意味する単語の女性形」を表す一般名詞の1つであり、例えば「美女と野獣」で王子を野獣に変えた魔女もディズニー版の英語のセリフでは「Enchantress」になっている。
概要
本名:ジューン・ムーン(June Moone)
ボブ・ハニーとハワード・パーセルによって創造され、1966年に登場した。
コミックに初登場した頃は魔術を使う魔女っ娘スーパーヒロインとして描かれていた。後に、魔術に囚われた人物としてスーパーガールのヴィランとなって再登場する。その後は1987年の「スーサイド・スクワッド」に登場し、アンチヒーローとして描かれるようになった。
現在の設定ではジューン・ムーンはイラストレーターであり、本人は悪人というわけでは無いが、エンチャントレスになると魔力が暴走し多大な被害を出すことがあるため監視下に置かれている。主な能力はその膨大な魔力だが、呪文のモノローグがやや長いことが欠点となっている。魔法を苦手とするスーパーマンには特に効果的で、直接パンチで殴り飛ばしたこともあった。
また、スーサイドスクワッドがファントムゾーンから脱走したゾッド将軍と戦闘になった際にはキラークロックに救われており、それ以降キラークロックとエンチャントレスは良い感じになっている。(Suicide Squad #20)
映画
DC Extended Universe
『スーサイド・スクワッド』(2016年)
演じたのはカーラ・デルヴィーニュ。
本作のジューン・ムーンは考古学者で、スーサイド・スクワッドを指示・監視する軍人フラッグの恋人。
誤って古代の洞穴に落ちたことで、封印されていたエンチャントレスの魂に体を乗っ取られた。
邪悪な古代の魔女に乗っ取られそうになりながらも、必死に自分を保とうとする。
ムーン博士を乗っ取ったエンチャントレスは、彼女を完全に乗っ取り、現代に復活することを目論む。
しかし、儀式の道具として分離されていた「魔女の心臓」がアマンダ・ウォラーの元にあるため完全には表に出ることができず、ムーン博士が「エンチャントレス」と唱えることで表に出ることができる。そして、アマンダが心臓にダメージを与えることで、ムーン博士は元に戻ることができる。
ムーン博士自身は金髪だが、エンチャントレスが表に出ると、黒髪で露出の高い衣装へと変貌し、目の周囲は黒ずんでいる。
普段は黒い霧のような姿であり、心臓を潰すことでしか殺すことはできない。最も得意とする憑依の他、ありとあらゆる呪術を使いこなす。
アマンダにより悪人部隊「タスクフォースX」、通称「スーサイド・スクワッド」の候補に選定される。だがアマンダに従うフリをして、心臓を取り戻すために暗躍しており…。
前宣伝ではスーサイド・スクワッドの一員として戦うように言われていたが、実はスクワッド結成前に脱走して人類に牙をむくため、その実態は最初から最後まで本作のメインヴィランである。
脱走後は、衣装が南米アステカ文明を思わせるデザインになり、目の周囲の黒ずみはなくなっていた。
ゲーム
DCコミックスのキャラクターで戦う対戦型格闘ゲーム。エンチャントレスもプレイアブルキャラクターとして登場している。
アニメ
『異世界スーサイド・スクワッド』(2024年)
声:伊藤静
本作開始の時点では、A.R.G.U.S(アーガス)長官アマンダ・ウォラーの手によって軟禁、幽閉されていた模様。
その後、スーサイド・スクワッドのメンバーが異世界へと転移した後は敵対国である帝国側についており、シンカーと結託して王国軍側のオークとオーガを全滅させ、オークやオーガたちと信頼を築いていたハーレイたちの怒りを買う事となる。
物語の終盤、黒幕であるアンデッドキング・リッチ(以下リッチ)の指示で護衛として呼ばれ、なぜか反抗的な目で彼女を睨みつつもハーレイ&デッドショットとの再戦に挑む。
上空からの遠距離攻撃とバリアで両者を苦戦させるが、ハーレイになついていた子ドラゴンのアーサーの支援や、ハーレイの胸元に入っていた魔法石を仕込んだ銃で形勢が逆転、足を撃たれ屋根に落ち、ハーレイに銃を突きつけられる…しかし、突如、ハーレイはエンチャントレスの不可解な行動を問いただし始めたのだった。
黙秘を続ける彼女、そして彼女を見た目からハーレイは1つの結論に達する。
注意:ここからは本作におけるエンチャントレスについてのネタバレを多大に含みます。
話はリッチが先発隊としてスーサイド・クスワッドよりも先に異世界へ来ていた黒幕エンペラーが先遣隊3人(シンカー、ラットキャッチャー、キラークロック)に命じて、幽閉されていたエンチャントレスの本体(ジューン・ムーンの肉体)を強奪した事に遡る。リッチは強制的にエンチャントレスの魂を蘇らせた後、アンデッド(スケルトン)化したドラゴンの腹の中に彼女の本体閉じ込め、半ば人質に近い状態にした彼女を手駒として使っていた。
つまり直接異世界へと転移した前述の先遣隊の3人やスーサイド・スクワッドのメンバーに対して、エンチャントレスは異世界で半ば強制的に生を与えられたものと思われる。
そのため本来の彼女は戦闘に乗り気ではなく、前述のスーサイド・スクワッドとの戦闘でシンカーが撃った銃弾も彼女が意図的に体スレスレで止めていた(それがハーレイが感じた矛盾の正体)。
その後、リックとクレイフェイスと戦っていたカタナの誘導で白骨化したドラゴン(リックによればおそらくアーサーの親の骨を利用したもの)と彼女の本体(ジューン・ムーンの肉体)を発見したことにより、本作における彼女の真相が発覚した(同時にカタナも彼女の肉体救出のためわざと誘導したと思われる)。
そしてリックとクレイフェイスが本体を奪還、彼女の元に返却するが、彼女の肉体が跳ね飛ばされると自分のダメージがフィールドバックされるという問題が発覚さすがにちょっと切れて攻撃してしまった(そしてダメージも残るためちょっとギャグっぽく見える)。しかし、クレイフェイスが泥で肉体を包み転がって持ってきてその後肉体と本来の冷静さ()を取り戻しリッチと完全に縁を切り(クレイフェイス曰く『ふむ、安心していい。これは照れ隠しだな。ツンデレという属性で…』)、殺されてしまったシンカーへの敵とハーレイへの借りを返すべく雑魚のスケルトン達の一掃に協力した。