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オーク

おーく

ファンタジーを題材とした作品において頻繁に登場する架空の種族。多くの場合、彼らは“邪悪の手先”として設定されており。魔王や、強大な魔力を持った悪の魔法使いの率いる軍団の尖兵として、主人公たちの前に立ちふさがり敵対する。
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概要

ファンタジー物の小説ゲームなどに登場する架空の種族
多くの場合、そのキャラクターは“邪悪の手先”として設定されており、魔王や強大な魔力を持った悪の魔法使いの悪の軍団の尖兵として、主人公たちの前に立ちふさがり敵対する。いわゆる“やられ役”“戦闘員”と言った役所が多く、ファンタジー物の“定番キャラクター”である。

同様の存在にゴブリンコボルドなどがあるが、こちらはヨーロッパの伝承などに登場する妖精の一種であり、オークはその由来となる伝承・逸話がないとされ、通例として、原典はファンタジー小説の『指輪物語』とされている。
作者のJ・R・R・トールキンは、ローマ神話に登場する神『オルクス(Orcus)』の治める死者の国の住民に、「オルクスの死人」を意味する『オーク=ナス(Orc-néa)』という呼称があることから、参考にしたとされる。

外見的イメージ?

作品や描き手の解釈によって様々なのは言うまでも無い。
しかし日本では多くの場合「ブタ顔に腹の出た太った体型」という描写をされる事がほとんど。
この「ブタ顔」というのがオークの特徴として紹介される事が多いが、
その原典とされる『指輪物語』でも、
初版の『ダンジョンズ&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons)の中でも
「オークはブタ顔」といった記述は一切無い

「オークはブタ顔」という描写の原典は未だに不明だが、一説には、最古のTRPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons)の改訂版ルールブックの中に描かれたイラストが初出ではないかと言われている。
ただこの時、何故イラストレーターがオークをブタ顔に描いたかは全く不明である。
(orkからporkを連想したのではないかという説がある)

古参のTRPG愛好家の中には、オークのモチーフとなったのはローマ時代の死神「オルクス(Orcus)」で、そのオルクス信仰の祭事の際、祭壇に供物として“子豚”を1頭丸ごと捧げる習慣があり、そこから派生して、

  • 供物の子豚 →豚の神様 →ブタ顔
~となったのだと唱える人々もいるが、やはりこの意見も伝聞推量の域を出ない。

日本の場合に限って言えば、その「オークはブタ顔」というイメージは、当時国内で爆発的なヒットを記録したゲームソフトの『ドラゴンクエスト』から来ている。
ゲーム中のキャラクターやモンスターのデザインを漫画家の鳥山明が担当し、その時のオークのデザインが「イノシシの顔に人間の体」であったため、これ以降の日本国内でのオークの外見的イメージは、ほぼ固定化されたと言っても良い。

原点


しかしこの場合も鳥山明がメディアなどにほとんど露出しないため、如何にしてデザインの着想を得たのかは全くの不明である。

指輪物語でのオーク

原典とされる『指輪物語』では、オークは精悍な戦士として描かれる。
その顔も邪悪な表情ではあるが、ブタ顔などではなく普通の人間かそれに近い外見をしており、イメージとしてはダークエルフに近いとされる。
これは『指輪物語』の中の設定で、オークは魔王サウロンが神々の子孫であるエルフを真似て作ったが失敗した存在またはエルフを捕らえてねじ曲げた存在とされているためである。
この事によって“人間以上、エルフ未満”という存在として定義されている。

ありとあらゆる存在に憎しみを抱き、創造主であるモルゴスにすら憎しみを抱くが、恐怖で縛られているため、それを表に出す事はない。とくにエルフに対する憎しみが強いが、これは自身の不幸が関係しているのだろうか。憎しみが邪魔をして統率力や判断力などを低下させるが、知能に関しては(元がエルフなだけあり)人間に劣らない
ある意味で、世界で最も悲劇的で悲しい生き物であり、モルゴスの台頭による最大の被害者とも言える。

また同じ作者であるトールキンの小説『シルマリルの物語』の中では、
「魔神モルゴス(サウロンの上官)がエルフを長い年月牢獄に繋いで拷問にかけた結果、
その容姿と精神が破壊され歪んでしまった存在」とされている。
ここでオークは元々がエルフだったものという設定が確立していると言ってもいい。

また『指輪物語』にはオークの上位種として「ウルク・ハイ」と言う種族も登場する。
こちらについてはその由来や生まれなどは不明とされている。
作品中で「忌むべき手段を用いた」とされているので、一般には「人間とオークを交配させた種族」と解釈されている。
ここから後のファンタジー物の作品の多くに「ハーフオーク」と言う概念が登場する様になった。

なお、ゴブリンはホビットの言葉でオークを翻訳したものとされている。つまり、トールキン作品においてオークとゴブリンは同一の存在を指している。

余談であるが、一時期『指輪物語』の中でのオークの描写は人種差別ではないか?定義がなされた。しかしトールキンは信仰に厚く親亜的な人道主義者であり、これらの説は明確に否定している。
(それ以前にトールキンの作品の中ではオークは=エルフであり人種差別とは言いがたい)

尚、オークの英語表記は“Orc”が一般的であるが。トールキンは“Ork”と綴る事を好んだ。これは言語学者であったトールキンが語尾が“C”で終わる場合、「Orcish(オーク的な)」という単語などの発音が“S”と混同される事を避けるためである。綴りがOrkであれば、“オーク的な”という単語は「Orkish」となるので発音が間違われる事は無くなるため。

ファンタジー内でのイメージ

前述の様に“やられ役”“戦闘員”と言ったポジションの事が多い。
いわゆる大部屋俳優のように、ただただ主人公側に切られ倒されていき、個性の無い存在としてしか描かれる事がほとんど。
“ご同輩”であるゴブリンには茶目っ気や可愛げが付加されている場合もあるが、そういった事も殆どない。
良くも悪くもその発祥である『指輪物語』における「兵士」のイメージに縛られているという事かもしれない。

また作品や描き手の解釈によってその知的水準も様々。
単にブヒブヒとしか言えない、正にブタ並みの知性しか持たない場合もあれば、それなりに言葉も喋りコミュニケーションも可能な場合もある。
これらは主に「ブタ顔」イメージが原因である。

因みに前述の「ウルク・ハイ」は極めて頭が良く、且つ恐れを知らない究極戦士として描かれている。

JRPGや海外でのイメージ

特にTRPGでの扱いは、近年になって急速に向上している。
今まではただの敵役でしかなったオークであったが、最近になって発表されるTRPGではほとんどの場合、プレイヤーが使用可能な種族に入っている事が多い。
となれば当然、邪悪な種族ではなく、エルフドワーフなどと同様に様々な設定が施されている。

その際、今まで固定化されていた“ブタ顔”のイメージから変化し、人間の顔や体に耳の部分だけが動物のようになっている、“ケモノ耳”が施されている場合が多く。これは「女の子+小動物」をモチーフにした、主として「猫耳」に代表される様な「ケモノ耳萌え」と呼ばれる嗜好が背景にある事は否めない。
既存の小説やゲームなどで描かれてきた“オーク的な側面”は完全に消失している場合も多い。

オークちゃんブヒッ
Orc girl


ただしこのケモ耳は日本特有の和製RPGにのみ見られる特徴で、海外産のRPGなどには見られない。

また、ソード・ワールドRPGでは「オーク」の名が「(英語ではオークと呼称、但しスペルはoak)」に通じる事から「樫の木の小枝に魔法をかけて作り出す簡易ゴーレム」として設定されている。トールキンの指輪諸作品には「狼乗り」と呼ばれる劣等オークが登場するが、ソードワールドのルールブックには最初期「狼と仲が悪い」と言う設定であるゴブリンの「ウルフライダー」がいた。後改変された。

ファイナルファンタジー11では敵対勢力である獣人の一種族として登場。生まれついての戦闘民族で、巨大な帝国を有する。作中で登場するオークの軍勢ですら一地方の方面軍に過ぎない。人間の騎士に感化されて騎士道を志し始めた者や、その片目を射抜きながら現在では戦友となっている者など、固有の設定を与えられたオークも多い。

海外産のRPGでは性格のみが中立化され、外見的特徴は前段で述べてきた「醜悪な外見の人間型生物」という伝統は踏襲している。

押し迫る終焉


「ブタ顔」と言う日本に見られる特徴は無く、専ら「土色や緑色の肌をした力の強い人間型生物」という本来のオークに近い姿として登場する。
Warcraftシリーズは海外でもネタにされるくらいオークの扱いが良く、特にWorldofWarcraftはもはやオークが主役、人間が脇役というレベルである。

The_Elder_Scrolls」シリーズにおけるオークは、筋肉質の体つき・緑~灰色の肌、つぶれた鼻、下唇から突き出すイノシシのような二本の牙という特徴を持つ。魁偉な容貌から謂れなき迫害を受け、苦難の歴史を歩んできた種族だが、実はエルフの一種である。
総じてオークは「迫害されし者の守護者」デイドラプリンス・マラキャスの庇護を受けており、忠誠と勇気を示す事で直接加護を受けられるほど愛されている。その反面、少しでもヘタれた所を見せると、一族単位で呪いをかけられてしまう。
シリーズ5作目「Skyrim」では人里離れた場所に要塞を築いてひっそりと暮らしており、一族の中で最も強い族長と、それを支える賢婦人の下、狩猟や採掘で生計を立てている。部外者に対しては閉鎖的で容赦しないが、ひとたび恩義を受けると仲間として迎え入れてくれる。
鍛治に優れた才能を発揮し、特に男は優れた狩人であり、死を恐れない戦士として知られている。年老いて死ぬよりは戦いの場で死ぬ事を選ぶほど勇猛な性格。また女性も働き者かつ多産である為、人間の中にも「オークを嫁にしてもいいかもな」と言うものがいる。
一方で全てのオークが脳筋という訳ではなく、魔法大学の図書館長を勤めるもの、皇帝に招かれるほどの料理を提供する美食家もいる。

この様な一種の“悪役”をプレイヤーが使用可能なゲームは、TRPGでは1975年発表の『トンネルズ&トロールズ(Tunnels & Trolls)。コンピュータRPGでは1985年発表の『ファンタジアン』が最初だと思われる(前者はトロール、後者はハーフオーク)。

ポルノ作品でのイメージ

一方、ポルノ作品(アダルト作品)の中に登場する場合。オークはその“ブタ顔”という外観から連想される、

  • 汚らしい動物
  • 好色で性欲が強い
  • 見境無くセックスを求める
~といった、一種の動物的なイメージを存分に発揮出来る存在となる。

主に“囚われの姫”などのヒロインを陵辱するキャラとして登場し非道の限りを尽くす。これは「清らかで穢れ無き美少女×汚物にまみれた野獣」と言う対比構図を生み出す事で、見る人の性的興奮をより高める効果を狙う意味があり。また創作者側の創造意欲を大きく掻き立てるモチーフとしても重要であるためである。そう言う意味では「異種姦」と言うジャンルでは主役級であるとも言える。
最近はこのポルノイメージのオークが根付いたせいか、それを逆手にとって「実は無茶苦茶いい人(オーク)なんだけど理不尽に誤解されたり、女の子から襲うことを求められたりする」といったネタも散見される。

なお『指輪物語』の時点で「繁殖力が強い」と言う設定は一応あり、なんとか戦争で越滅寸前まで行ったあと、ある数復活した描写はある。ただ「このあと滅茶苦茶セックスした」と言う描写と、なにより設定上存在する「雌オーク」が全編にわたって登場しない。


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