概要
英語ではマーフォーク(merfolk)。
男性はマーマン(merman)、女性はマーメイド(mermaid)とも。
一般的には、二足二腕の人のようなシルエットをしているが、体の表面は鱗で覆われ、手足には足ひれや水かきが備わっている事がほとんどである。
登場作品によっては、頭部は魚類に近い造型だったり、肘や太腿部分にヒレを持ち、尾ビレまである描写もなされる。
古来より半人半魚の神「オアンネス」「ダゴン」、賢人「アプカルル」が存在しており、これらが原型とする説もある。
サブカルチャーとしては、1954年のアメリカ合衆国のSFホラー映画『大アマゾンの半魚人(Creature from the Black Lagoon)』により、一気に知名度を高めた。「人間の美女に恋してしまった怪物」という悲しき造型は継承され、2017年の映画『シェイプ・オブ・ウォーター』へと至る。
伝承上の半魚人にはインドネシアのオラン・イカン、フィリピンのシヨコイ、南米のヤクルーナなどがある。
各言語での呼び名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
英語 | ギルマン / フィッシュフォーク | Gillman, Fishfolk |
ドイツ語 | フィッシュメンチ | Fischmensch |
スペイン語 | オンブレ・ペス(男性) / ムヘール・ペス(女性) | Hombre Pez, Mujer Pez |
フランス語 | オム・ポワソン(男性) / ファム・ポワソン(女性) | Homme Poisson, Femme Poisson |
タイ語 | マヌッパー / マヌップラー / マヌットプラー | Manut Pla |
ベトナム語 | グォイ・カー | Nguoi Ca |
マレー語&インドネシア語 | マヌシア・イカン | Manusia Ikan |
タガログ語 | タオン・イスダ | Taong Isda |
中国語 | 半魚人(パンユィレン) | Banyuren |
人魚と半魚人の違い
容姿的にいえば、上半身が「人」で下半身が「魚」(主に尾鰭のようになっている)の姿をしたものが人魚と呼称される。
半魚人の場合は前述通り、二腕二脚のヒト型に魚類の要素を取り入れた存在を指す場合がほとんどである。
例外的に男性の人魚は半魚人とされる事が多く、その辺りの線引きは難しくなっている。
そのせいか、英語では男性の人魚と半魚人は「マーマン」と同一に表現されている事が多い。
敢えて区別化する場合は、半魚人をギルマン(Gill-man)と呼ぶ。これは『大アマゾンの半魚人』の作中で登場する造語で、「エラ人間」を意味する。
創作物における半魚人
小説や物語等に登場する半魚人は、その容姿ゆえに他種族から迫害されたり、理性よりも本能に支配され、凶暴な性質を持っているような描写をされることがある。またそれらを理由とし、他種族に対する敵対者としての面が強く描かれることもある。
一方で、その容姿をデフォルメし、親しみやすいキャラクターや、コミカルなキャラクターとして描かれるケースも見受けられる。
一例
- サハギン:創作物においてよく使われる種族名。初出は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』。
- クオトア:『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場する、サハギンとは別の邪悪な半魚人の種族。実は陸でも活動制限はない
- ロキャーサ:『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場する半魚人の種族だが、サハギンやクオトアとちがい邪悪ではなく交渉の余地がある。
- 深きもの、ダゴン、ハイドラ(クトゥルフ神話)
- ゾーラ(ゼルダの伝説シリーズ)
- ツェッド・オブライエン(血界戦線)
- ハンギョドン(サンリオキャラクター)
- 海底原人ラゴン/巨大ラゴン(ウルトラシリーズ)
- ディゴン(ウルトラマンダイナ)
- 幻影怪物・魚人(ウルトラマンガイア)
- アマゾニア(仮面ライダー)
- メ・ビラン・ギ(仮面ライダークウガ)
- バッシャー/バッシャーフォーム/ドガバキフォーム/ドガバキエンペラーフォーム(仮面ライダーキバ)
- 海彦一族(電子戦隊デンジマン)
- エイブ・サピエン(ヘルボーイ)
- デビルレイクバーマ(レスリングシリーズ)
- 魚雷攻撃参謀ギルマー(トランスフォーマー超神マスターフォース)
- オアンネス:バビロニア神話に登場する半神のような存在。
※ 他、「魚人」の記事にもキャラ一覧あり。
半魚人そのものではないが、関連性のあるキャラクター