『デンジ・スパーク!!』
「デンジレッド!」
「デンジブルー!」
「デンジイエロー!」
「デンジグリーン!」
「デンジピンク!」
「見よ! 電子戦隊デンジマン!!」
概要
1980年2月~1981年1月にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ第四作。
●登場キャラクターがバラエティ豊富。
●巨大ロボに初めて変形機能を導入。
●マスクの目にゴーグルを採用。後の戦隊において定番デザインとなる。
●レギュラーのマスコットキャラクター・デンジ犬アイシーが登場。
などなど後の戦隊シリーズの方向性を決定付けた作品であり、「戦隊」の呼称も復活、名前が再び色分けされるなど『秘密戦隊ゴレンジャー』に原点回帰したかのような要素が散見される(色構成も全く同じ)。
また敵の首領・ヘドリアン女王は、人気が出て次の太陽戦隊サンバルカンにも登場する。
登場人物
電子戦隊
詳細は「デンジマン」の記事を参照。
悪の組織「ベーダー一族」
全宇宙を汚染しようとたくらんでおり、3000年前にデンジ星を滅ぼした異次元からの侵略者。
ヘドロなど汚いものが大好きで、人類とは真逆の美観を持つと言われている。
戦隊シリーズでは珍しく、幹部全員が全員顔出し俳優によって構成されており、また戦闘用の怪人体等も存在しない。一方、変装して人間社会に入ってくることはやたらと多い。
演:曽我町子
デンジマン、ひいてはスーパー戦隊の悪役を語る上でなくてはならない人物。
強力な超能力を持っており、呪いや妖術を得意とするが、後述のバンリキモンスには劣るようである。というより、物語を通じてほとんど戦闘には参加していない。
倒された怪物の墓(?)を作って「痛かったろうムササビラー、苦しかったろうシャボンラー」と語りかけたり、特攻しようとするヘドラー将軍に「犬死には許しません!」と言ったりと身内にはやたらと優しい。ただし、戦闘員ダストラーの扱いに関してはかなり悪い。
後の戦隊シリーズの悪役にあるアットホームな雰囲気を最初に創った人物とも言われる。
ちなみにスリーサイズはB:98、W:98、H:98
演:香山浩介
ベーダー一族の戦闘司令官。女王に絶対の忠誠を誓う、部下からの信頼も厚い武人である。バンリキ魔王の反乱時にバンリキ魔王と互角に渡りあうほど実力の持ち主であり、女装を含めた変装も巧みで、自ら作戦指揮を執ることもある。物語の終盤では、デンジレッドを除く4人のメンバーを拘束。が、手下のカラクリラーの邪魔が入り、あと一歩のところでデンジレッドを倒せなかった。バンリキ魔王との確執の末、遠回しに戦死を命じられ、デンジマンとの決着をつけるため女王から授かったベーダーの剣を用い自らをベーダー怪物化(外見は特に変化しない)してダイデンジンと戦い、電子満月斬りの前に敗れ去る。その死は敵であるデンジマンからも礼をもって弔われた。
第49話では、テニスウェア姿を披露、かなりのイケメンであった。
女王に忠誠を誓う女スパイ。ヘドラー将軍とともに変装して、人間を罠にはめようとすることも多い。
左右で非対称の体をしており、また内臓を彷彿とさせるグロテスクなデザインが目立つ。
また、腰には通し番号の入ったバックルを付けている(劇場版に登場したアンゴラーのみ固有のバックルを付けている)。基本的に番組で生まれた順なのだが、十数年前に生まれたはずのビーダマラーも番組に出た順の通し番号がふられていた。
保管されていた卵を、専用の孵化機に投入することで、怪人となって登場する。孵化機に入れる前に油で揚げるといったバリエーションも見られた。ウミツラーが「デンジ星を滅ぼしたベーダー怪物の子孫」と呼ばれていたことから、怪物内でも家系のようなものがあるようだ。
名前はムササビラー、ケンダマラーというように、「モチーフ+ラー」というものが多い。タイヤジコラー、ルパンカメラー、ヒゲキタコラーといったユニークなネーミングもあり、中にはチカゲリラーのように、何がモチーフなのか全く分からない怪物も存在。
巨大化は本人の意思で自由自在に行うことができ、巨大化に伴うリスク等も特に見られない。
へドリアン女王と合わせ、今なおカルトな人気を誇る怪人である。
第三勢力
演:大前均
物語の中盤から登場する宇宙の流れ者。外見は地球人と似ている。
巨大化や瞬間移動といった超能力を持ち、戦闘では槍や両腕に装着された剣を使う。
ベーダー怪物の卵や、戦闘員ダストラーを珍味と言って食していた。
ベーダー城に住み着き、終盤までは傍観者として振る舞うが、実はベーダー城を奪う機会を虎視眈々と狙っていた。
へドリアン女王やヘドラー将軍のことは奴隷のごとく扱うが、配下のバンリキモンスのことは、酒瓶を割っても「この悪戯者め」と言っただけと、可愛がっている。
バンリキ魔王の配下で、単独でデンジタイガー、ダイデンジンを破壊し、また必殺技デンジブーメランを跳ね返す等、攻守ともに隙がなく驚異的な戦闘能力を有する。唯一の弱点は尻尾。魔王が毒入りと気付かずに飲まされそうになった酒瓶や杯を割る等、感覚面も優秀と思われる。
魔王と仲良く釣りをしているシーンもある。
デンジマンの関係者
演:酒井ゆきえ
演:安藤聖一
演:安保幸宏
演:後藤忠勝
演:柿原栄一
演:杉本華恵
各話リスト
音楽
作詞:小池一夫/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:成田賢
OPテーマ。OP映像でデンジマンが街を駆け抜けるシーンは安心戦隊ALSOKのTVCMでパロディされた。
作詞:小池一夫/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:成田賢
EDテーマ。スクライドにおけるマーティン・ジグマールのセリフのパロディ元になったと思われる。
獣拳戦隊ゲキレンジャーにて成田氏が27年ぶりに歌唱した戦隊ソング(挿入歌)「1-2-3-4(ヤーイーサンサー)激気正義!」は、歌い出しの詞がオマージュとなっている。
挿入歌
- 戦う電子戦隊デンジマン
作詞:八手三郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:成田賢、こおろぎ'73
- 星からきた超兵器
作詞:八手三郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:成田賢、こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会
- ひとりぼっちの青春
作詞:江連卓/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:内田直哉、ザ・チャープス
- 輝け!デンジマン
作詞:上原正三/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:内田直哉、こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会
- ゴーゴーデンジタイガー
作詞:上原正三/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:成田賢、こおろぎ'73、ザ・チャープス
- 銀河ハニー
作詞:上原正三 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:中尾隆聖
作中に登場する歌手吹雪豪の代表曲という設定であり、商品化は2001年までされていなかった。
- ザ・マジック
作詞:伊藤アキラ / 作曲:都倉俊一 / 編曲:田辺信一 / 歌:朝風まり
作中に登場するマジシャン朝風まりがマジックを披露する際に歌った。曲自体は1978年にリリースされている。
関連作品
1980年7月12日公開。東映まんがまつり内にて上映された本作の劇場版作品。
2011年6月11日公開。本作から青梅大五郎/デンジブルーが登場。
2012年1月21日公開。上記の『199ヒーロー』に続いて青梅大五郎/デンジブルーが登場。
余談
- ヘドラー将軍役の香山浩介氏は、過去に東映版スパイダーマンの主人公である山城拓也(スパイダーマン)を演じていた。
- 電子戦隊の「D」のマークが2つに分かれているので「エコ」という風に見えることは有名な話。(特にダイデンジン)
- OP時に黄山純が化学実験をやっていて、スポイトから薬品を滴下した瞬間爆発するというお約束のカットがあるが、何故かこのとき薬品を滴下した試験管から「ボン!」と噴き出る爆発ではなく机の上にあった別の実験器具が爆発するという不思議な現象が起こっている。しかし、その点についてツッコんではいけない。おそらく振動に弱い液体が入っていたのだろう。
- 企画段階での仮称は『電子マン・トリッガー』。実際の作品ではデンジ姫が担った「ベーダーに滅ぼされた異星の生き残り」という役が、ヒロインのクリスタル/トリッガー5にあてられていた。決定名称の『電子戦隊デンジマン』はプロデューサーの吉川進が命名。
- バトルフィーバーJに続く東映とマーベル・コミック・グループの提携作品。マーベル・ヒーローのシルバーサーファーやハルクを用いた企画も存在したが、『バトルフィーバーJ』の後番組もチームヒーロー作品とすることは早くから決まっており、これら単体ヒーローの作品が実現することはなかった。
関連イラスト
関連タグ
海賊戦隊ゴーカイジャー:劇場版で青梅大五郎が登場。
ナビィ:EDの歌詞が口癖に使用されている。
死を司る女神ヘラ:ヘドリアン女王のモデルであるアメコミのキャラクター。
その他の出演者
三原順子[現:三原じゅん子](第4話、第21話)
高橋利道(第18話)※第29話で別役として出演。⇒後に『大戦隊ゴーグルファイブ』でデスギラー将軍役。
中田博久(第28話)⇒後に『超電子バイオマン』でメイスン役。
山田隆夫(第30話)⇒次作で途中からレギュラー(矢沢助八役)。
朝風まり[現:二代目・引田天功](第31話)※本人役。
高原駿雄(第31話)⇒『秘密戦隊ゴレンジャー』で江戸川権八総司令役。
春田純一(第40話)⇒後にゴーグルブラック、ダイナブラック等を演じる。
飯塚昭三(第46話)
バトルフィーバーJ → 本作 → 太陽戦隊サンバルカン