超人ハルク
ちょうじんはるく
ルー・フェリグノ主演(ハルク)、ケネス・ジョンソンプロデューサーによって生み出されたドラマで、1977年から1982年まで放映されていた。
日本でも日本テレビ系列で1979年春から1年半ほど放映され、テレビ東京などで再放送されたこともあった。
この為、この表記に親しみを感じる層も多い。
主人公の名は、原作コミックの「ブルース・バナー」ではなく「デヴィッド・バナー」に変更されている。
毎回のストーリーは、デヴィッドが放浪先で、さまざまな人々と関わることで起こる出来事を描くことに主眼が置かれている。しかし、結局はハルクに変身して騒ぎを起こし、マクギー記者の執拗な追跡も受けて長くとどまることができず、また放浪を続けるというエンディングとなる。このパターンは、1960年代のドラマ「逃亡者」の影響を受けている。
科学者デヴィッド・バナー博士は、ドライブ中に起きた自動車事故で、妻ローラを失った過去を持つ。人間は非常時に潜在能力(いわゆる火事場の馬鹿力)を発揮することがあるが、デヴィッドにはそれが起きず、炎上する車から彼女を救出できなかったのだ。それ以来彼は、共同研究者のエレーナ・マークス博士と共に、潜在能力の研究に没頭していた。
やがてデヴィッドは、潜在能力を引き出すためにガンマ線を使うことを思いつき、自らの身体に照射するが、誤って大量に浴びてしまう。その結果、DNAに変調をきたした彼は、激怒すると緑色の大男に変身する体質となってしまった。しばらくすると元に戻るのだが、その間の記憶は残らないのだ。
一方、ナショナル・レジスター紙(シカゴに本社のある1960年創立の新聞社)の記者ジャック・マクギーは、デヴィッドの研究に興味を抱いて身辺を嗅ぎ回っていた。マクギーがデヴィッドの研究所に忍び込んだとき、爆発事故が起きる。エレーナを助けようとしたデヴィッドは、大男に変身。マクギーは、大男が彼女を抱えて外に出るのを目撃する。
エレーナは爆発による負傷のため死亡し、デヴィッドもまた死亡したとされた。マクギーは、大男が二人を殺したのだと思いこみ、「ハルク」と名づけてその行方を追跡することを決意する。生きたまま墓標を立てられたデヴィッドは、自分の身体を元に戻すか、変身を抑制する方法を見つけるため、ハルクを探し求めるマクギーから逃れながら、当てのない旅を続けることになる。