概要
X−MENユニバース、MCUに続くMARVELコミックの第三の実写作品群。
正式名称は「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SPUMC)」。
ただし何度か変わっているが、この記事タイトルは昔のままである(後述するように、また変わるかもしれないとかではない)。
ファンからはMCUと同じアルファベット3文字であるためか、都合4番目の略称「SSU」と呼ばれることが多い。
沿革
2021年現在、MARVELのキャラクター達の実写映画制作・配給権はディズニー(MCUのマーベル・スタジオ、X-MENやデッドプールの20世紀フォックス)、ユニバーサル・ピクチャーズ(ハルク)、そしてソニー(スパイダーマンおよびその関連キャラクター)に分かれており、それぞれで実写映画のシリーズが作られている(詳細は、MCUの「権利関係」の項を参照)。
その中でスパイダーマンとそれに関連するキャラクター達は、ソニーが権利を保持しており、これまでサム・ライミ監督による3部作やそれのリブートにあたる『アメイジング・スパイダーマン』が制作・公開されてきたが、『アメイジング・スパイダーマン2』の興行・批評の評価が芳しくなかったために、シリーズは打ち切りとなってしまう。
それに伴い『アメイジング・スパイダーマン3(仮題)』や『シニスター・シックス(仮題)』といった企画が消滅しており、後述の『ヴェノム』もそのあおりを受けてお蔵入り状態だった。
その後ソニーはマーベル・スタジオと提携し、スパイダーマン自身は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でMCUに参入。単独作品となった『スパイダーマン:ホームカミング』は批評・興行の両面で高い成功を収め、監督を務めたジョン・ワッツは、続編及び第3作でも続投した。
その一方で『ホームカミング』の公開前後から、ソニーは独自のユニバースを構築する計画を始めた。これが本項で述べる作品群である。
いわば『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで頓挫した先述の企画のリベンジに当たり、第1作である『ヴェノム』の興行的成功を受け、続編や新規キャラを主役とした作品の製作が次々に決定しており、ユニバースの更なる拡張に期待が高まっている。
名称の変化
『ヴェノム』が公開されてすこし後、ソニーは名前をソニーズ・マーベル・ユニバース(SMU)と発表し、同社内の社員達からはソニーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SUMC)と呼ばれていた。
その後、一部改名されてソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SPUMC)とされたが、『ヴェノム2』とMCUの『スパイダーマン3』(当時の仮題)が発表されたのを機に、ソニーは更にソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)へと改名した。
一方『モービウス』の監督を務めたダニエル・エスピノーサは、一連のユニバースを“ヴェノム・ユニバース”と呼称しており、関係者の間でも呼び名の統一が徹底されていないことが窺える。
そして『モービウス』公開後、ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SPUMC)に戻った。関係者曰く、「スパイダーマンのいない"スパイダーマン・ユニバース"」という意味合いがあるとのこと。
特徴
なにぶん始まったばかりのユニバースなので、明確な特徴はまだ分からないものの、『ヴェノム』はユーモアも交えたホラー・サスペンス調、『モービウス』はダークなヴァンパイア・ムービー、といった具合に、同じマーベル原作のMCUやX−MENユニバースとの明確な差別化を図っており、X−MENのスピンオフ作品のような「このシリーズだからこそ作れる映画」像を模索しているようだ。
現状MCUの「アベンジャーズ」やライバル会社のコレのような、主役達が一堂に集結する作品を作るのかは不明。
しかしMCUでは未だ言及されていないとある一大チームの名前が第3作にて言及されている。
MCUとの関わり
後にディズニーとソニーの間で新契約が結ばれ、マーベル・スタジオのプロデューサーであるケヴィン・ファイギ氏が言うには「スパイダーマンは複数のユニバースを行き来する唯一無二のヒーローとなる」と述べており、トム・ホランド演じるスパイダーマンがこちらのユニバースに出演する可能性が高まった。
そして、『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーンではMCUにおけるある出来事とリンクするシーンが挿入され、ピーター・パーカー/スパイダーマンもカメオ出演。遂にMCUとのクロスオーバーが本格的に始まることが示されている(『ヴェノム』に関して、ソニー側は以前からホーム三部作と世界を共有した作品と独自に位置付けており、同作のプロデューサーであるエイミー・パスカルも「MCUの付属物」と表現していたため、それがようやく実現することになったと言える)。
また、3作目であるモービウスも「MCUと直接繋がる作品となる」と報じられており、ポストクレジットシーンで『スパイダーマン:ホームカミング』でヴァルチャーを演じたマイケル・キートンが登場する(『ヴェノム』でもMCUからのカメオ出演が希望されていたが、最終的にマーベル・スタジオの要望で断念された)。
こうしたこともあり、スパイダーマン単独作品(ホーム三部作)については、MCU作品でもあり、SPUMC作品でもあるという状態になっていると言える。
いずれにせよ、新契約によってMCUとの権利関係の壁がかなり薄くなっている事が窺え、マルチバースが本格的にMCUに導入されたことにより、SPUMC作品群とMCUスパイダーマンの今後のクロスオーバー展開に期待が寄せられている。
作品一覧
No. | タイトル | 全米公開日 | 日本公開日 |
---|---|---|---|
1 | ヴェノム | 2018年10月5日 | 11月2日 |
2 | ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ | 2021年10月15日 | 12月3日 |
3 | モービウス | 2022年4月1日 | (同日) |
4 | マダム・ウェブ | 2024年2月14日 | 2月23日 |
(以下予定) | |||
5 | クレイヴン・ザ・ハンター | 2024年8月30日 | (未定) |
6 | Venom: The Last Dance | 2024年10月25日 | (未定) |
Hypno-Hustler(仮) | 未定 | ||
El Muerto | (無期限延期中) | ||
Silk: Spider Society | 未定 | ||
Spider-Man Noir(仮) | 未定 |
『ノワール』『シルク』は初のドラマ作品で、他にも
シルバー・セーブルやブラックキャットもドラマの企画があるらしい。
(2023年11月現在)
ちなみに
MARVELコミックの大型イベントの1つに『スパイダーバース』があるが、あちらはあくまで色々なスパイダーマンが集結する話であり、現時点ではそのアニメ版といえる『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズも含めて、このシリーズとの関連性はない。
ただし、ソニーが独自のユニバースの構築を始める上で、これらが念頭にあった可能性はある。
またAmazon Prime及びディズニープラス配信での『ヴェノム』のポストクレジットでアニメ版と関係のあるシーンが描かれていること、アニメ第2作『アクロス・ザ・スパイダーバース』にチェンが実写で登場したことから、ファンの間ではさらなる繋がりを期待する声もある。
関連タグ
ヴェノム(MARVEL) モービウス クレイヴン・ザ・ハンター マダム・ウェブ
???(『モービウス』ネタバレ注意)