みせてやる、僕の力を―
解説
2017年7月7日全米公開、日本公開は8月11日。監督はジョン・ワッツ。
通称「ホムカミ」。
MCU全体では16作目で、3作前『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にて初登場した、トム・ホランド演じるピーター・パーカー / スパイダーマンの初単独作品。
ロバート・ダウニー・Jr.演じるトニー・スターク / アイアンマンなど、おなじみのキャラも登場する。
スパイダーマンの実写映画としては6作目。過去作と同じくソニー・ピクチャーズ制作・配給だが、製作はマーベル・スタジオが担当している。
これまで何度も映画化してきたため、「特殊な蜘蛛に嚙まれて能力に目覚める」などといったお決まりの展開を極力省略しており、『シビル・ウォー』でアベンジャーズに出会ったピーターが、彼らに憧れての暴走を経て、真の「親愛なる隣人」となるまでが描かれる。
よって本作はオリジン(誕生秘話)が描かれない単独映画第1作となっている。
(同様のMCU映画としては、同じく『シビル・ウォー』が初登場の『ブラックパンサー』がある)
既存のキャラクターの人種やキャラクター性が大幅に変更されたことも特徴で、メインヒロインはリズだが、MJに相当するキャラもいる。
興行収入は、本国アメリカ内でこそサム・ライミ版三部作には届かなかったが、世界全体では『3』に次ぐ成績に。
批評面でも成功を収めたので、晴れてシリーズ化となり、2019年にジョン・ワッツ監督が続投した第2作『ファー・フロム・ホーム』が公開された。
ストーリー
ニューヨーク州クィーンズに住む、工学が得意な冴えない高校生、ピーター・パーカーにはある秘密がある。
それは、最近NYで活躍するようになった謎の覆面ヒーロー「スパイダーマン」の正体が自分であることだ。
そして彼は憧れの大富豪ヒーローである、アイアンマンことトニー・スタークに助っ人として呼ばれ有頂天だった。 トニーによって開発されたスーツを貰い、「親愛なる隣人」として、街の犯罪行為を阻止するための活動に勤しむピーターは、自身の片思い相手であるリズが所属するアカデミック・デカスロン(学力コンテスト)の部活動参加を疎かにしていた。
一方、かつてニューヨークで行われた戦いの後、瓦礫撤去を任されていたエイドリアン・トゥームスは、トニー・スタークと政府が設立したダメージコントロール(損害統制局)によって職を奪われてしまう。行き詰まったトゥームスは政府に未提出だったチタウリの残骸を再利用してハイテク兵器を作り、犯罪者に密売することで利益を得るという悪事を思いつき、8年後にはハイテク兵器密売を行なっていた。
そんな中、ピーターはチーム「アベンジャーズ」への参加など、ヒーローとしての大きな活躍を願っていたが、お目付け役のハッピーからは返事すら貰えない。
そんなある日、街で見たことのないようなハイテク兵器を使うATM強盗団に遭遇し、翌日には成り行きからリズのパーティーで不自然な発光を目にし、現場に直行する。
そこで犯人達を追跡して捕らえようとしたところを、バルチャーとして飛来したトゥームスに阻止される。上空から落とされ、スーツに備えられていたパラシュートに絡まりながら湖に落水。トニーに遠隔操作されたアイアンマン・マーク47が助けに来る。事態の収拾を訴えても聞く耳を持たないトニーに対して、ピーターはさらに不満を募らせる。一方、これまで順調だった兵器密売を邪魔されたトゥームスはスパイダーマンに対し殺意を抱き始めていた……
キャラクター
- ネッド・リーズ
- リズ
- ミシェル・ジョーンズ
- ユージーン・“フラッシュ”・トンプソン
- シンディ・ムーン
- ベティ・ブラント
- エイブ・ブラウン
- ジェイソン・イオネッロ
- ロジャー・ハリントン
- モリタ
- エイドリアン・トゥームス / バルチャー
- ジャクソン・ブライス / ショッカー(初代)
- ハーマン・シュルツ / ショッカー(二代目)
- フィニアス・メイソン / ティンカラー
- マック・ガーガン
余談
- タイトルについて
副題の「ホーム・カミング」は卒業生などを招いて行われるアメリカのハイスクール・大学における伝統的な催しのことであり、作中でも開催される。
また英単語として「帰郷」を意味する言葉でもあり、ソニー傘下のもとMCUとは別の世界観で映画シリーズが展開されていたスパイダーマンが、マーベル映画の本流ともいうべき世界に合流し「帰郷」したことを意味するダブル・ミーニングにもなっている。
- 小ネタ(こちらも参照)
ヴァルチャーはとある人物の父親という設定だが、これは実現しなかったサム・ライミ版『4』にて、ピーターの父親がヴァルチャーになる予定だったことと似ているかもしれない。
トニー製スパイダースーツに搭載されたAI「カレン」の声を担当したジェニファー・コネリーは、ヴィジョン役のポール・ベタニーの妻で、アン・リー版『ハルク』のベティ・ロスを演じていた。
カレンの日本語吹替を担当した井上喜久子は、後にドラマ『ホークアイ』にてケイト・ビショップの母エレノアも担当している。
ミッドタウン高校の教師ロジャー・ハリントンは『インクレディブル・ハルク』にも登場していた(当時は大学生。俳優も同じ)。
またミッドタウン高校の校長モリタは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に登場したジム・モリタの子孫(俳優も同じ)。