解説
2017年11月3日公開で、記念すべき初の日米同時公開された映画でもある。
監督はタイカ・ワイティティに交代。
過去2作は主人公・ソーが現代社会と北欧神話をベースにした世界の2つを行き来するローファンタジーな作風だったが、宇宙を舞台にしたSFかつコミカルな演出が盛り込まれた、今までのイメージを覆す1作となった。
あらすじ
『エイジ・オブ・ウルトロン』後、アスガルド、ミッドガルド以外の7つの世界を巡り、インフィニティ・ストーンを探していたソーは、ムスペルヘイムのスルトを倒し、アスガルドに帰還した。
だがアスガルドはオーディンに化けた義弟・ロキが支配しており、ビフレストの番人ヘイムダルは放逐され、オーディンは地球の老人ホームに預けられていた。
ロキの正体を暴いたソーは地球へ向かうが、オーディンが入れられていたホームは潰れていた。そんな彼らをドクター・ストレンジが助力し、2人はノルウェーでオーディンを見つけるも、オーディンはすでに力を失っており、2人の前で消滅してしまう。
その直後、オーディンによって封印されていた姉のヘラが復活。
ヘラは圧倒的な力でソーとロキを攻撃、慌ててビフレストで撤退しようとするも、ヘラの追撃でソーはビフレストからはじき出されてしまう。
気を失ったソーが目を覚ましたのは、グランドマスターが支配する惑星サカール。
そこでは、かつてアベンジャーズの仲間として共に戦ったハルクが、闘技場のチャンピオンとして君臨していた……。
キャラクター
- ヴァルキリー(ブリュンヒルデ)
評価
コミカル色が強くエンターテインメントに振り切った作風だが実は非常に評価が高い。
Rottentomatoesでは観客87点・評論家93点
imdbでも10点中7.9
ソーの他2作品とは圧倒的に点数が高く、MCUシリーズの中でもトップクラスの点数になっている。
……他の酷評されているエンタメ重視の作品と、どう違うのかニュアンスからはあまり読み取れない。ただ同じカテゴリのはずの次回作の評価は普通という結果になった。
ますます分からない。
余談
邦題について
前々作『Guardians of the Galaxy Vol.2』⇒『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に続いて、原題の「Thor: Ragnarok」から大きく乖離していることが、国内のファンからは多くの批判が寄せられた。
また細かいが、過去2作と異なりスラッシュ(/)がない、という謎の変更もされた。
公式の反応としては、東京コミコンへの出演や日本への在住経験もある繋ぎ役の1人で、本作公開の直後にMARVELコミック編集長へ昇進した幹部のC・B・セブルスキー氏が
「日本では『ラグナロク』は一般的な言葉ではないので、『マイティー・ソー バトルロイヤル』と呼ばれるよ!」
と自身のインスタグラムで発言している。
小ネタ
- ヴァルキリー役のテッサ・トンプソンは「バイセクシャルという想定で演技をした」と発言しているが、彼女の性的指向についての直接的な描写はない。ただし、次回作では、同性愛者かバイセクシャルかは不明だが「女性が恋愛の対象」である事を示すシーンが有った。
- ソーが冒頭で使った「投げたムジョルニアの軌道を曲げて複数の敵を一度に撃破する」技は2010年代半ばにコミックにも出て来たが、最初に使ったのはソー・オーディンソンではなく、一時的にソーの力と名を得ていたジェーン・フォスター。
- 予告映像では「中盤の山場→終盤の山場→序盤の山場」を繋げて一続きのシーンに見せ掛けるという、いわゆる「予告詐欺」をやっていた。
- 闘技場の歴代チャンピオンの肖像はオマージュがされている(参照)。