“私は医師であり、怪物だ”
概要
ソニー・ピクチャーズが展開するスパイダーマンに関連したキャラクターが登場する実写シリーズ「スパイダーマン・ユニバース(SSU)」の3作目となる映画。
原作コミックにおけるヴィラン「モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア」が主人公で、実写映画には(『ブレイド』の未公開シーンを除けば)初登場となる。
主演は『スーサイド・スクワッド』のジョーカー役で話題となったジャレッド・レト。
またMCUの『スパイダーマン:ホームカミング』でヴァルチャー役を演じたマイケル・キートンも同じ役で出演する事が発表されている。
本来は『ヴェノム』に続くSSUの2作目として2020年7月31日に全米公開予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響等で延期を繰り返し、最終的に『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』を挟んで2022年4月1日となった。日米同時公開。
あらすじ
天才医師マイケル・モービウス。彼は幼いころから血液の難病を患っていた。
同じ病に苦しみ、同じ病棟で兄弟のように育った親友のマイロの為にも、一日も早く、治療法を見つけ出したいという強い思いからマイケルは実験的な治療を自らに施す。
それはコウモリの血清を投与するという危険すぎる治療法だった。彼の身体は激変する――
(公式より抜粋)
キャラクター
- マイケル・モービウス / モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア
主人公。
- マイロ
- マルティーヌ・バンクロフト
- エミール・ニコルズ
- サイモン・ストラウド
- アルベルト・ロドリゲス
予告編ではモービウスを「先生」と呼び、囚人服で連行されている。
余談
吹替声優陣
モービウスをメインヒーローの1人・キャプテン・アメリカを長年務めた中村悠一、その少年期を『ブラック・ウィドウ』およびドラマ『ホークアイ』でエレーナ役の田村睦心、彼の親友・マイロを『エターナルズ』でキンゴ役の杉田智和、というようにMCUとの兼ね役が発表当初話題になった。
また中村・杉田両氏の仲を知るファンや、ヒロインの声優も含めて特にあるジャンプ漫画のアニメ版のファンにとっては嬉しいキャスティングになったなんて声も。
どの世界線か
予告編が発表された直後は、映像内の
- ビルの壁に描かれたスパイダーマン
- スーツはサム・ライミ版のデザインだが、上から"Murderer"(人殺し)と書かれている
- (MCUにも)登場していないオズコープ社の社屋
しかし公開直前になって、監督から同じ世界と明言された。
また同時にヴァルチャーについても「MCU版と同一人物」とされ、さらに制作側から
と言及されたことから、彼ら以外にも(スパイダーマンにとっての)ヴィランが登場すると一部では予想されていた。
そして最初の予告編が発表されてから約2年2か月(制作決定からは実に4年弱)、ようやく公開された本編には…
オズコープ社も壁に描かれたスパイダーマンも無かった。
そう、いわゆるフェイクだったのである。
※監督曰く、自分は関与していないとのことで、ソニーの独断と思われる。
これがマイナスとして働いたかは不明だが、公開当初の批評はやや辛口気味。同時期に配信されたMCUのダークヒーローのドラマと比較されてしまったことも大きいとみられている。
ただしアクション、特にこれまでのヴァンパイア(吸血鬼)ものとは全く異なる超音波や飛行の描写については高評価を得ている模様。
ヴァルチャーについては大方の予想通りあの出来事に巻き込まれる形で登場。
こちらも予告編にあったシーンは無く、ポストクレジット以降のみの出演だが、今後の展開を示唆する重要な活躍をしている。
評価
公開第1週で全米1位・興収3910万ドルを記録、日本でも洋画カテゴリーで第1位となり、全世界での興行収入は8400万ドル(約103億1000万円)を記録した。
ただし、関連作品である『ノー・ウェイ・ホーム』や『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』より低い結果となった。
レビューも芳しくなく、Rotten Tomatoesでは17%、IGNでは10点満点中の5となっている。
関連動画