「は〜いお疲れで〜す♪」 (バクアゲ26)
「強きにスマイル! 弱きをディスる! 侵略テコ入れ成功率、実に100%!!! ハシリヤン再建隊長〜〜ディス……レ~スッ!! 地球に堂々、着任っ!!」 (バクアゲ27)
データ
全高 | 194cm(ギャーソリン大強化体/46.0m) |
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重量 | 233kg(ギャーソリン大強化体/552.6t) |
エンジン | プロデュースコブラ |
スピード | ダウジング最速 |
カスタム | フランク、ウィジャボード、サイキックガード |
ナンバー | - |
ファーストラウンド | コース:ミーティングルーム |
セカンドラウンド | コース:倉庫 |
ファイナルラウンド | コース:宇宙 |
CV | 森久保祥太郎 |
スーツアクター | 村岡弘之 |
概要
バクアゲ26から登場。
マッドレックス、キャノンボーグに続いて地球に来襲してきた、大宇宙侵略大走力団ハシリヤンの再建隊長。『3rd LAP』におけるラスボス。
蛇を模した胸アーマー(その為甲羅状の背面は蛇の後頭部)と、右肩に自前のツチノコ型オカルトツール『フランク』を乗せた外装『プロデュースコブラ』を纏い、頭部はカプセル状のマスクで髑髏の様な顔半分を覆い尽くし、金色のマフラーで構成されたモヒカンが特徴。
フランクはバクアゲ27での戦闘シーンで鎖分銅の様に振り回す武器としていた他、ダウジングペンデュラムの様にも扱われ通信端末(サイズ的にスマホやガラケーよりも古い、昭和後期の携帯電話を連想させる)として使う様子もあり、マッドレックスのハシリ犬の様に独自の意志を持つかどうかは不明だったが、バクアゲ35での最終決戦にて、攻撃を受けた際に悲鳴らしい鳴き声をしている事から少なからず意思を持っていたような描写があった。
また、作戦の前にはウィジャボードとダウジングを用いた占いをした上でタスクを決める奇癖を持っており、妙にオカルトにかぶれた側面も持つ。ただし映像データを転送する機能も披露した様子から、実際は電子科学技術をオカルト風に装っている可能性も出てきた。
人物
いかにもガラの悪そうな外見に似合わず、軽妙かつ意識高い系な横文字を多用した言動も特徴で、前任者のキャノンボーグと比べるとパワハラじみた言動は少なく、怒りはしても割とフランクに接し、ヤルカーには「テコ入れ隊長」と小バカ気味に呼ばれても逆に「良い」と受け入れてもいる。
ズージャ語を使う癖もあり、サンシーターの面々はそれぞれ『トラデコ』『シャーイタ』『カーヤル』と呼んでいる。尚、己の特徴的な口調について自覚している一方、周囲から理解を得られなくても「どうせわからない」と意に介さない。
もっとも、前任の隊長クラスは成果も挙げられずに短期間で2人とも敗死した上、サンシーターも肝心のギャーソリンをほとんど納められていない(キャノンボーグ曰く「0.03%」)実態もあり、自身も少し抜けている彼らを「面倒くさい」と愚痴をこぼす場面もあったが、サンシーターに任務をしっかり与え、時に士気を上げさせるなど、比較的穏やかできちんとリードする場面が散見されている。
ただ、テコ入れの効率を求めて無駄を省きたい性分から、後述の通りマッドレックスを復活させるも、あくまでも戦闘力を目当てに傀儡にしただけ、マッドレックスの自我を取り戻すべく直訴したサンシーターに対し「成果を挙げれば考える(要約)」と答えるも、実際には自我を返すどころか彼が取り戻すや否や自爆させる等々の実態から、キャノンボーグ以上に他者を自分の為にだけ使い潰すブラック上司の本質が露見された。
要約して、独特な言動や行動等で周りを煙に巻いた上で、その隙に自分の都合に良くなる工作を施し、場の主導権をさり気無く握る狡猾な遣り口を得意としているらしく、本質的には他者を道具としてしか見ていない価値観なのだと考えられる。
自分の思い通りにならない相手は改造≒自分側から過干渉してコントロールしようとする悪癖のあったキャノンボーグすら、とりあえず身内の在り方などを許容しようとする姿勢があったのに対し、ディスレースはそうした譲渡は皆無で端から相対する者が「役立つか否か」と値踏みし利用し尽くす以外に考えていない、酷薄な功利主義者の本性を持つと見れるだろう。
この為、 敵味方問わず相手の悪態へある程度まで寛容そうに見える振る舞いは、根本的に他者への興味が無いだけに過ぎず、加えて相手の警戒心等を緩めて『自分が付け込める隙=道具』としての価値を探るのに利用出来るから、そのスタンスを取っているだけに過ぎないと思われる。
ハシリヤンの他惑星侵略が停滞した際に、作戦にテコ入れし成功に導く形で功績を積み重ねたらしく、その成功率は「これまでに100%」と豪語している。
これは侵略先の住人を不幸に追いやり苦しませながらも、ぬけぬけと逃げおおせて来た実態を如実に示しており、結果的に無数の人達より憎まれ恨まれている立場であるのも想像がつく。
だが、ディスレース本人はそんな恨みつらみを向けられ続けてもどこ吹く風、むしろ「復讐に来る相手を余興代わりに返り討ちにしてやろう」とばかりに、余裕綽々かつ大胆不敵な態度を保ち続けている。しかし他者を道具としか見ていないとの推測から「目的達成の道具になる」と判断して干渉・破滅させた侵略先の犠牲者の関係者より恨まれているが、その関係者には『道具としての価値』を見出せず無関心を通し、結果自分への報復に現れた関係者へ対しての当事者意識が皆無である のが実態だったとも読める。
ブンオレンジこと振騎玄蕃……もといゲンバード・デ・リバリー二世の故郷である宇宙通販の本拠・惑星ブレキもディスレースのテコ入れが原因でハシリヤンに占領されてしまっており、玄蕃にとっては故郷の母星を乗っ取られた挙句、父親を無実の罪で投獄される屈辱に加え、玄蕃当人は孤立無援の身で地球へ逃げ延びる絶望を味わわされた不俱戴天の怨敵。
地球で彼の姿を見た途端に、いつもの余裕をかなぐり捨てる様に声を荒らげ、ブレキ人本来の姿(瞳孔の形状から猫の半獣人の様な姿)になるや、大跳躍と共にブンブンチェンジアックスで斬り掛かった挙句、近くに居た仲間を巻き込みながらの猛攻を浴びせる暴走に陥ってしまっており、玄蕃の素性・ディスレースとの因縁が端的に表されていた。
しかし、前述の推察からしてディスレース本人は玄蕃が誰なのか全く認識しておらず、「自分のテコ入れで侵略された幾つもの惑星、その関係者である有象無象の一人が恨みを持って自分に復讐しに来た」と、今までに見慣れた光景の一端に過ぎない反応で軽くいなしてしまった。
玄蕃の方も、ディスレースの反応から「自分が怨敵から歯牙にも掛けられていない」扱いなのを認識したらしく、ブンブンジャーを脱退した上でディスレースに接近する隙をうかがって潜み、相討ち覚悟で怨敵の首を狙う算段を画策。ディスレースに自分を再認識させた上で復讐を果たす、自分の存在意義にも固執した〈私闘〉で因縁を清算しよう としたが、対するディスレースからは「今までいた平穏な環境から復讐心に突き動かされて飛び出した挙句、それを自分の意志と勘違いして周りの制止等も振り切り無謀に突っ込んで来た馬鹿」 との程度位にしか思われていなかった模様。これまでに多くの他者を破滅や不幸に追い遣る悪事を完遂しつつ、その反動で起こった報復行為をも悉く切り抜けて来たと思わしきディスレースにしてみれば、復讐心で己を見失い自分のハンドルを握れなくなった相手など行動の先を読み易い、実質自身の掌で踊るピエロ同然 でしかなかったなのだろう。
尚、ハシリヤンから始末を請け負っていた時代のブンバイオレットやビュンディーとも面識はあるが、前者の正体が先斗であるのは知らなかった模様。ただ何度も始末料を踏み倒していたらしく、先斗からも「アイツ、ケチなんだよなぁ」と快く思われていない。
一方、自分の想定内に嵌めた者には、その未来を読んでいるかの如く良い様に翻弄している一方、逆に自分の認識していなかった状況=想定外の事態には弱い節があって、復活させたマッドレックスが自我を取り戻していたのを早い内で気付けずしばし放置した結果、彼が玄蕃に引き留めの言葉を掛けて自滅するのを喰い止め、 ブンブンジャーに復帰する遠因をみすみす与えてしまっている。
そして、ブンドリオ・ブンデラスが過去のハシリヤンの関係者であるのを悟り本家に報告、裏が取れるやその事実をブンドリオとその仲間の前で暴露し、彼が「裏切り者」として孤立するのを狙う策略を仕掛けるが、ブンドリオとその仲間であるブンブンジャーが落ち着きを取り戻した後に詳細を共有、相互の信頼関係を下地にしたフォローと和解する事態を全く念頭に置いてなかったらしく、直後の人質を取って1人だけ現れたブンドリオを始末する作戦が呆気無く覆され失敗。自分が下に見ていたサンシーターと同レベルの大失態を演じてしまった。
更に「他者を『道具』として徹底的に利用し尽くす」利己主義そのものの考えしか持たないため、目に見える利益を与えるように煽る以外に部下を引率する術を持たない と、要職に就く人物としては致命的な欠陥を抱えており、故に1回でも大きなミスを犯してしまえば、即座に部下から見限られ孤立無援に陥ってしまうと、ブラック上司特有の弱点とも化している。
ボスのワルイド・スピンドーからも、貢献度とは裏腹に「ディスごとき」と文字通りディスられており、評価は低かった様子。
東映HPの文面を抜粋・要約すれば
「再建隊長として、圧倒的な場数を踏んで来たディスレースはその経験値故に、相手の動揺や怒りの感情さえも計算し尽くす、自分の中の必勝パターンを持っている抜け目のない強敵」との事。そしてそれの対として、「“誰かを「信じる」とか「大事に思う」行為は弱さに繋がる”という悪者達の価値観が反映された、ディスレースの世界における限界と常識を超え道理を上回る事が彼に勝つ勝利の鍵」
であったと述べられている。
戦闘能力
役職としてはデスクワーク寄りながら、ブンオレンジやブンバイオレットの連続攻撃を苦もなくいなし、掌打や上記のフランクを鎖分銅の様に振り回すなどの格闘戦で応戦すると、戦闘技術も他隊長以上の物を持つ。
またフランクの鎖を自身の周りへ円錐状に張り巡らせる防御技『サイキックガード』も使える。
格闘技術に加えて空間を限定的に操作する能力を持っており、手をかざして任意の座標に斥力を発生させて攻撃・防御に転用する他、小型のワームホールを発生させて瞬間移動を行ったり、相手の必殺技をそのまま返したりと、多彩で応用の幅が広い護身技を編み出しており、上記の体術と組み合わせた高い戦闘力を誇る。
更に全身を蛇状に変化させて壁をスイスイと高速移動ができ、上記の瞬間移動と組み合わせた回避・隠密行動にも長ける。
また、戦闘以外にも上記のダウジングの他、ハシリ犬等をコアにマッドレックス・フューリーを復活蘇生する等、オカルトともスピリチュアルとも見れる技能も扱える。
更に生成したマッドレックス・Fに定期的な呪術によるメンテナンスを施す事で、遠隔地でも命令一つで戦闘させられるが、強いショックで元の人格と記憶が復活するリスクもある事からメンテナンスの実態は元の自我を封じ込める洗脳処置が主となっている様子。
加えて、洗脳が解けてしまった際の処置として強制的に自我を封じ込めるナンバープレート型(外見はウィジャボードと同じ魔法陣が描かれた赤い呪符風)強化パーツ・『ナンバーディスプレート』も使用する。もちろんナンバーディスプレートのみを壊せば組み込まれた側の洗脳は解けるのだが、これを組み込まれると同時に対象は蘇生時に注入された再建パワーを暴走させられてしまい、火事場の馬鹿力を発揮出来る一方で暴走したパワーが爆発して自滅する寸前の状態になってしまう。つまりは敵対者に差し向けられる鉄砲玉兼、時限爆弾同然の捨て駒へされる、実質の反逆者処刑装置とも呼べる代物である。
この他にもウィジャボードの魔法陣を展開する事で、蓄えていたギャーソリンを自分に供給してのギャーソリン大強化体への変貌、巨大サイズのネジレッタ軍団を召喚するオカルト技も持つ(後者はキャノンボーグの発明品であるビッグネジネジの技術を流用した物とも推測される)。
本編での動向
バクアゲ26
トイレグルマー・リミテッドが倒され事態が収集した直後、「ランラン♪ ラランラン♪」と歌いながら総合理化学研究所からスキップしつつ登場。
内藤が大也に頼んでまで、極秘扱いで届けさせたケース(その中身は大也すら知らない)の存在を知りピンポイントで強奪すると、登場早々軽い言動からは推し量れない底知れなさを見せる。
バクアゲ27
怒り狂う玄蕃を見るも「やだねェ~。お前、ダッサ」と小バカにしつつ、どこ吹く風の飄々とした態度で彼をいなすディスレースは、その体術と空間操作で玄蕃/ブンオレンジを圧倒し、強奪したケースを燃やして中身を取り出すや「俺、疲れてんだわ。こいつのおかげでずぅ〜っと寝てねェし」と漏らしつつ文字通り煙を撒く様に撤退。
尚、理化学研究所からの物資(マフラーの様なパーツ)強奪には、I.S.A本部長・常槍の介入があった事実が明かされた。
「あのなァ……地球だけギャーソリンの納品が少ねぇからさァ? 本家からどうしてもって言われて俺、頼まれちゃったワ・ケ・よ!!」
ヤルカー「再建隊長というより、テコ入れ隊長カー?」
「いいねェ、それ! 侵略ってのはさ~、効率的なターゲティングとマーケティングがなきゃぁ、 刺さるトコに刺さんねェ!!」
デコトラーデ「……はあ、たーげ…てぃんぐ?」
イターシャ「まーけ…てぃんぐ……?」
「まっ、お前らに言っても分かんねェよ」
撤退後サンシーターと合流したディスレースは、彼等の失態を言及しつつもアジトを即席のミーティングルームとし、簡単に新体制の説明を終えると、丁度ハシリヤン通販で購入した荷物も(アジトの天井を突き破って)到着。
「おお~っ、きたきた!! 流石ハシリヤン通販! 惑星ブレキを乗っ取った甲斐があったぜ……」と自分の過去の功績もとい悪行を思い出しつつ、いつの間にか用意したベッドと抱き枕で爆睡した。
翌日、サンシーターが自身の荷物(カーペット)を勝手に開封すると同時に、ディスレースは覚醒するや小言は漏らすも「(地球に)一番乗りしたのはリスペクトしている」と飴と鞭の言葉通りに接した上で、早速「今日のタスク」としてイターシャにハシリヤンイグニッションキーの使用を指示、カーペットグルマーを納車させた。
「おおっ、やってるやってる、いいねェ~!!」
バイオレット「てめェ、この星で何企んでやがる!?」
「ハシリヤン最高のイノベーションマネジメントで、地球をプロデュ~ス!! って、ワ・ケ・よ!」
バイオレット「何言ってんのか分かんねェよ!!」
「どうせ言っても分かんねェだろう?」
そのカーペットグルマーがギャーソリン大暴走体となって暴れる様を現場から離れた位置で監視していた所で、先斗/ブンバイオレットに発見されたのでディスレースは交戦。
だが、余裕な態度でバイオレットを翻弄した後、カーペットグルマーがギャーソリン暴走体と化してそのままブンブンジャーに敵わず敗北したのを確認するや、ディスレースは「今日のタスクは終了だ」と宣って再び煙を巻く様に撤退する。
結局カーペットグルマーはあえなく撃破されたが、ディスレースは素体となったカーペットをサンシーターに回収させており、かつてのソードグルマーと同様の転用を目論む様子を見せる。そして、その手には地球来訪時に最優先で手に入れた、あのマフラー状のパーツが握られていた。
バクアゲ28
どこかの公園でサンシーターに密かに生き残っていたマッドレックスの愛犬・ハシリ犬を見つけさせ連れて帰らせた。
その後カーペットグルマーの素材に使った絨毯に蓄積されたギャーソリンと、捕獲したハシリ犬と回収したパーツ=マッドレックスの破片を使い、マッドレックス・フューリーとしてマッドレックスを復活させると、事前にイターシャから預かったハシリヤンイグニッションキーに強化を施して返還、それで誕生したネオングルマーを納車させた。
その後、ネオングルマーに集めたギャーソリンをハイウェイ空間を介して直接ハシリヤン本家へ送らせていたが、折悪く錠と未来にその悪行が露見されてしまうも、ディスレースは焦らずマッドレックス・フューリーにブンレッドを相手にさせて、彼と残るメンバーの分断に成功した。
だが、錠の気迫の奮闘によりネオングルマーが敗北してしまった……が、ブンブンジャーロボの正体に気付いた様で……。
バクアゲ29
アジトで前回と同様にダウジングをしていると、自分達を全く覚えていないマッドレックス・Fの詳細を尋ねようと現れたサンシーターに対し、ディスレースは悪びれずに「そりゃそーよ! 記憶なんてゴミ! 要らね」「俺が欲しかったのはコイツの斬込パワーだけ!」と断言した後、イターシャに「今日のタスク」としてゴンググルマーを生成・納車させた。
バクアゲ30
「これでメンテよしっと! また俺の用心棒として、コミットしてもらっちゃおうかな~っと♪」
マッドレックス・F「テール・トゥ・ノーズ…」
前回の戦闘で、頭への攻撃により元の自我が復活したマッドレックス・Fにメンテナンスもとい再洗脳を施したが、その様を見て恩人が無惨な扱いをされているのに憤慨したサンシーターがマッドレックスの自我を呼び起こそうと暗躍を始める。
「マッドレックス様にシーメーを食べさせたい」との名目でサンシーターがマッドレックスを連れ出すも、そんな見え見えの嘘は承知とばかりにマッドレックス・Fを介してサンシーターを監視。やがて届け屋への依頼との格好で大也/ブンレッドとマッドレックス・Fが引き合わされたタイミングを持って、「ハハハッ、サンシーターちゃん達、コソコソやってんなぁ? ま、いーんじゃない? デーハーに、バトっちゃいなっ!」と攻撃命令を下して戦闘に突入させた。
また、同時にハシリヤン本家に電話をしており、そこでブンブンジャーロボポリスの映像データを送信した。
結局、遠回しにそっちの思い通りにならないとサンシーターに思い知らせた上で、マッドレックス・Fが自分の元へ帰還したのを持って今回の件は片付いたと判断したディスレースだったが、マッドレックス・Fの左腕になったハシリ犬が「パラリラパラリラ」と鳴いたのには気付いていなかった。
バクアゲ31
前回の戦いでマッドレックスの記憶が戻った事は露知らず、いつもの様に用心棒として側に置き、「今時のビジネスってのはやっぱタイパだよな、タイパ」と時間も効率的な業務をすべきと呟くディスレース。
すると、マッドレックスに元に戻すために御膳立てしようと、『タイパ』を『タコパ』の要領で『たい焼きパーティ』と勘違いしてたくさんのたい焼きをディスレースに差し入れしたサンシーターに、「タイパ」のいろはを叩き込もうと、近くの棚にあった古時計へイグニッションする事を促し、トケイグルマー・セカンズを納車。
トケイグルマー・Sの能力による早送りタイパによる調理時間と客の回転率を短縮したカレー屋・『ハシリ屋カレー』を開業し、勝手に時間を速められていくら食べても満腹にならない不満感と、自身の呪いを込めたカレーによる中毒性による齟齬によってギャーソリンを発生・ハシリヤン本家へ納品。しばらくはサンシーターだけでも作戦を進められると判断し、呪いを仕込むお膳立てを整えた上でマッドレックス・Fを連れてアジトへと帰還した。
アジトの奥の場所で横になって休んでいたが、血眼になって自身の潜伏先を突き止め、マッドレックスに道を譲られた玄蕃/ブンオレンジが潜入。怒りに任せて飛びかかられるが咄嗟にバリアを張って攻撃を弾き返す。
「フン!またお前か。しつこい奴は嫌われんぞっ?」
それでも、立ち向かってくる相手に容赦ない攻撃を浴びせ、「圧倒的にスキルが足りねぇんだよ?スキルがよぉ!」とこき下ろし、フランクから放つ衝撃波で壁に激突させて変身解除。一切の攻撃の隙を与えず、完膚なきまでに叩きのめした。
バクアゲ33
マッドレックス・Fを元に戻そうと奮起し、熱くて硬い2体の苦魔獣コンビ・ストーン兄弟を使ってブンブンジャー分断作戦を独自に展開するサンシーターの様子を「へぇ〜。アイツら、足りない頭で頑張ってるねぇ」と呟きつつウィジャボードを介して傍観。
すると、以前に本家に依頼したとある調査の報告に動揺しており……。
「あァ、シモシモ〜?どうだった?……え?リストに該当ナシだとォ!?ンなバカな!
……むゥ……もしかしてェ……?もしかするとォ……?もしかするゥ……?」
その後、サンシーターから「マッドレックスの記憶を戻して欲しい」と言われ、「頑張ったら戻す事を考えてやっても良い」と話に乗るが、彼らが任務に向かった後……
「……ったく、アイツらめんどくせえなぁ。あぁ、いっそアイツらも操り人形にしてやるか?」
本人は記憶を戻すつもりをは毛頭なくむしろサンシーターも自分の操り人形にしてやろうと考えていた。他人を道具としか見ていない彼に怒りを抑えられず拳を震わせていたマッドレックスを見て、記憶が戻っていた事を見抜き、すかさずフランクで拘束する。
「へぇ〜、お前記憶戻ってたんだ? 勝手はさせねぇよ?お前、俺のオモチャだろーが」
そう言い放つと、マッドレックスに特製のナンバーディスプレートを取り付け、理性を失った戦闘マシーンにした上でブンブンジャーに差し向けた。
あわよくばナンバーディスプレートの副作用で再建パワーが暴走するマッドレックスを自爆させ、ブンブンジャーを一網打尽にしようと目論んでいたが、自我を取り戻したマッドレックス自らが被害の及ばない宇宙へ飛んだ事で失敗に終わった。
バクアゲ34
前回の戦いでマッドレックスが二度目の死を迎えた事を未だ知らず、未だ帰って来ないから探しに行こうとするサンシーターに、本人がブンブンジャーとの戦闘で戦死した事を告げる。
「マッドレックスなら、もう戻って来ねぇよ。奴は2度目の死を迎えた。ブンブンジャーがやりやがったって、ワ・ケ・よ」
マッドレックスの二度目の死の原因が自分である事を隠し、全てをブンブンジャーの所為にした上で敵討ちとサンシーターを煽り、イターシャにエレキギターグルマーを納車させて出撃させる。
サンシーターと苦魔獣が戦っている間、自身は予てより調査を依頼していた本家からの報告を受ける。
「シモシモ〜?おう、例の件、分かった?あっ、そうそう……いや!俺、処刑者リストまで見てくれって頼んだじゃ〜ん!?」
そして送られて来た立体映像を見て、確信を得たディスレースは「ほーう、後は、俺やるわ」と返して自ら出張る。
一方、サンシーターとエレキギターグルマーらの襲撃をなんとか掻い潜り、洞窟にチャンピオンキャリアーを駐車していたブンブンジャーの前に出現。
「生きていたとはな、ブンドリオ・ブンデラス!」
そしてブンドリオの映像を見せながら、本人とブンブンジャー達の前で衝撃の真実を告げる。
「コイツを見た時、俺は思ったねぇ〜“どっかで見た”ってな。まさか、処刑済みのリストにあったとはな!」
「お前は俺を知らねぇだろうが、俺は知ってんぜぇ?我らがボス、ワルイド・スピンドー様付きの裏方で、開発のスペシャリスト!ボスのお気に入りだったよなぁ。お前は?」
「お前の大切な仲間とやらに教えてやれよ。“自分がハシリヤン”だったと!」
なんと、かつてブンドリオがハシリヤンに所属し、スピンドーお気に入りの開発担当と言う中枢メンバーだった事を暴露する。
ブンドリオと苦楽を共にして来た大也の怒りを買い、そんな事でブンブンジャーは揺るがないと強く反論される。
大也「もう喋らないでくれるか……!ブンブンは俺が惚れ込んだ仲間だ! あんたが何を暴こうが、何を企もうが、ブンブンジャーは決して揺るがない!!」
「ハッハッハッハッ!最高のプレゼンになったぜぇ! 今の話はぜ〜んぶ、本家に筒抜けだ。これから眠れねぇ夜が続くなあ? ブン・ドリ・オ!」
無論、大也の言葉を受けてもディスレースはまるで意にも介さず、逆にこの一連の遣り取りが全て、ボスのスピンドーの知る所となった事を告げて退散。
その後、巨大化したエレキギターグルマーを撃破するブンブンジャーだったが、この一件でビュンディーはブンドリオが信じられなくなり、先斗を強引に連れて離反。
更には本家=宇宙のどこかの監獄惑星にいるスピンドーからもブンブンジャーは目を付けられ、単なる地球の現地抵抗勢力どころか、組織の中枢にいた裏切り者を匿い擁する明確な敵へと認識が改まる格好となってしまった……。
全てを弄ぶ傀儡師、他者を認め合う者達の前に散りぬ (バクアゲ35)
「俺の読みじゃあ~、ブンブンジャーの5人組は、裏切り者の発覚で仲間割れのバランバランよ! 今こそやっちまえば、俺もお前等も、大出世のWin-Winよ!! ハハハッ、乗るか?」
サンシーター「Win-Win! 乗る~、のるのる~! テール・トゥ・ノーズ!!」
前回の暴露で仲間内に亀裂の走ったブンブンジャー。その展開を見越して地球ナワバリ化作戦の再建事業の裏で、ブンドリオの過去を裏取りする下準備を経て真実を突きつけたディスレースは、かつてと同じく周りから拒絶されてハシリヤンに下った時の様にブンドリオが孤立すると予想。
この瞬間を狙えばブンドリオとブンブンジャーを一網打尽して大きな功績を獲得、大出世も夢じゃないとの甘言でサンシーターも動かし、一人黄昏ていたビュンディーを拉致。彼を人質にブンドリオを誘き出して始末し、芋づる式でブンブンジャーも誘き出しての抹殺を画策する。
だが、デコトラーデからの脅迫通信を範道邸に送っている最中、これから人質交換の条件を出そうとした瞬間、自分達の居る倉庫へ人質をとる卑劣な相手のルールに従うつもりなどさらさら無いブンブンジャー5人とブンドリオが強襲。
それに「おいおい!巻き進行にも程があるぞ!?」と驚いている内に背後から先斗/バイオレットがサンシーターを蹴散らし、ビュンディーも解放されてしまう。
確かに前話で明かされた真実は、ブンブンジャーにとって大きなショックにはなった。しかし彼等が時間を掛けて積み上げた信頼関係は一度落ち着いてブンドリオから詳細を聞くという流れを自然に導いており、そこでブンブンジャーはブンドリオはビュンディーを巻き込まないよう一人ライセンス剥奪を受け入れた事、最初からハシリヤンに嵌められる形で自分の技術を売り渡してしまい罪悪感に苦しんでいた事実も把握していた。
しかも先斗のさり気ないフォローにより、ビュンディーもブンブンコントローラーの通信機能で話を聞いていた為ブンブンジャー間の心理的な溝は既に埋められており、この状態で誘拐作戦を実行しても失敗するのは素人目にも明らかだった。
そしてそんな展開を、他人を道具程度にしか考えず絆を軽んじていたディスレースが予想出来る訳がなかったのである。
「裏切者の発覚は、必ずや分裂を招く物。 …なのに何故お前達は、バラバラにならない!?」
大也「アンタの世界でならそうだろうな」
射士郎「だがブンブンジャーは違う」
未来「握ると決めたハンドルからは、手を離さないもんね」
錠「ブンさんを、信じるというハンドルです!」
玄蕃「仲間の危機には、全力で答えてあげたくてね」
ブンブン「どうだい、これがブンブンジャーだ! 俺の最高の仲間を見たか!!」
ビュンディー「まさしく、バクアゲだな!!」
バイオレットに叩きのめされたサンシーターに対し、「お前ら、寝るなぁッ! クビだぁ!!」とこれまでの余裕ぶった態度をかなぐり捨てた罵声を飛ばすも、逆にディスレースの底を悟ったかサンシーターは「お疲れサンシタ~」と言い残してそそくさと逃走。
すぐに意識をブンブンジャーに切り替えて自らの持論と疑問をぶつけるが、あっさりと論破されたので魔法陣よりネジレッタ軍団を召喚してぶつけるも、チャンピオンブンブンジャーになった5人とブンドリオもといブンブンの相手にはならず蹴散らされる。
そして乱戦の内に、チャンピオンブンオレンジ=玄蕃の接近を許し再度のタイマンに突入。だが以前と違って心に余裕のあるCオレンジは斥力ガードの隙を突いての反撃を浴びせ、フランクの鎖分銅が伸び切った隙で鎖を踏んで抑え込みそこを他の4人が攻撃する連携も披露、劣勢に追い込まれる。
そして因縁に決着を付けてこいと、文字通りに背中を仲間達に押されたCオレンジの発動したバクアゲチャンピオンドライブに対し、サイキックガードに立て籠もって抵抗し「惑星ブレキは、まだハシリヤンの物だ!」と告げて動揺を誘おうとするが、「取り戻す…、必ず…!!」と短くも確かな決意の返事と共にCオレンジが放った縦一閃で防御は崩壊。更に続けざまの横一閃が直撃し屋外に吹っ飛ばされた。
ブンブン「おいっ!最後にこれだけは言っとくぜ! 俺はもう、逃げないッ!!」
「裏切者がッ…! 何処までもその烙印は消えんぞ!? セカンドプラン、発動ッ!!」
これで自分が追い詰められていると判断したか、「セカンドプラン」と称して魔法陣から発生させたギャーソリンを取り込み、ギャーソリン大強化体に変化。「ブンドリオ!宇宙までは追ってこれまい!」との捨て台詞を吐きながら地球を飛び立ち(斥力発生能力を応用した物だろうか)、宇宙空間に逃走して仕切り直しを目論む。
だがビッグバングランプリに向けての準備を着々と進めていたブンブンジャーは、チャンピオンキャリアーにブンブン/ブンブントレーラーとブンブン水素カーを連結、惑星の重力圏を振り切るロケットにして乗り込みディスレースを追跡。そしてディスレースに追い付いた時点で優勝爆上合体を発動、ブンブンジャーロボチャンピオンを完成させた。
相手と共に月面に降り立ったディスレースは正面からぶつかるも、「俺達に限界なんて無いんだぜ!」と意気揚々に叫ぶチャンピオンに押され、魔法陣から呼び出した巨大ネジレッタ軍団もブンブンカーの連続換装で一蹴されてしまう。
その勢いでバクアゲドライバー&ソードの二刀流攻撃も浴び、フランクを弾き飛ばされながらも「まだだ、まだ俺の出世の望みはある!!」と妄言を吐くが、ここで因縁に決着をつけると決めたCオレンジ=玄蕃の思いも込めた必殺技『バクアゲチャンピオン・ブンブンゴールイン』が直撃。
「ブンドリオ……!スピンドー様は……お前を許さない! 必ず地球に来るぞォォォッ!!」
瀬戸際で不吉な予告を呪詛の如く喚きながら敗北・爆死、無数の悪行の上に築いた侵略テコ入れ100%の実績は打ち砕かれ、出世の道も己の生涯ごと閉ざされる、因果応報のフィニッシュを迎えたのだった。
ブンブン「来い、スピンドー! 俺はもう、逃げない!!」
自身の出世の為使える者だけを重宝し、己の野心の為に人々の心を弄んだディスレース。そんな人々の繋がり=絆の力を嘲笑う悪党にはブンブンジャーの団結力は計算外であり、そしてそれを推し測れずに負けたのであった。
しかし、これまで苦魔獣が集めたギャーソリンをハイウェイ空間に介して本家に直送する事にほとんど成功しており、さらにブンドリオの生存を本家に報告した事、自身を含め隊長達が送られてきた地球のデータをスピンドーが拝見した事で、地球へ来襲する切っ掛けを作る事になり、ブンブンジャー、そして地球に史上最大の危機が迫ろうとしていた………………。
余談
- 名前の由来は2008年に公開されたアメリカの映画『デス・レース』に、「軽蔑する」等の意味があるネットスラングの「ディスる」を組み合わせた物と思われる。
- 武器であるフランクの由来は、同作に登場する伝説のレーサー・フランケンシュタインの愛称から。
- ちなみにディスレース登場前の2024年5月9日、上記作品の原作となった『デスレース2000年(1975年公開)』の製作を手掛けた『B級映画の帝王』ことロジャー・コーマン氏が98年の生涯に幕を下ろした。
- CVの森久保氏は『獣電戦隊キョウリュウジャー』のVシネマ『帰ってきた獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場したアースレバン以来の戦隊出演であり、地上波では初登場となる。30分前に他局で『逃走中グレートミッション』で主人公・トムラ颯也役として出演しており、ハシゴでの出演となる。
関連タグ
グローディ・ロイコディウム:前作に登場した幹部怪人で、同じく死者を操る。
ハイネスデューク_ラセツ、有明の方、ガチレウス:二番手である頭脳派の幹部の次に登場した歴代の第3の幹部。
幻獣バジリスク拳サンヨ:見た目に反して軽い言動・態度が目立つ幹部。また、爬虫類モチーフなのも共通している。ちなみに戦い方にも類似点が見られる。
リューグ・タマテバッコ:外見が酷似している一般怪人で、こちらはギャング組織の一員。また、ディスレースと同じ蛇モチーフの一員もいる。
バングレイ:軽い調子に見えて残忍な無法者の幹部格怪人。こちらは読み取った記憶からの再現だが、ディスレースと同じく死した怪人を使役する能力も持つ。
ヨドン皇帝:侵略組織のトップだが“絆の力”を「弱さ」であると軽んじ、自分の周りに居た他者を尽く切り捨てた結果、決戦の場で己の盾にし得る者が雑魚しか残っていなかった蛇。
城茂/仮面ライダーストロンガー:2つ目の冒頭台詞、名乗り時に取ったポーズの元ネタ…と見受けられる。左右逆であるのは敵側がパロディしたからか。