「イヤッホー!イェーイ!俺のリフを聴いてくれー!!」
「イェーイ!ダイブイイねー!ブッ飛んでるかーい!?」
登場話数:バクアゲ34「夢を運ぶクルマ」
データ
全高/195cm(ギャーソリン大暴走体/46.2m)
重量/267kg (ギャーソリン大暴走体/633.3t)
エンジン/パンクなエレキギター
スピード/ギターピッキング最速
カスタム/MAXファイヤー
ナンバー/8969
ファーストラウンド(コース/岩山ロード)
ファイナルラウンド(コース/岩山ロード)
概要
ハシリヤンが、パンクなエレキギターに込められた燃えるギタリスト魂をイグニッションし、地球に納車された再建パワー苦魔獣。
過去に登場したギター繋がりの苦魔獣たるアコギグルマーは風来のギタリストの要素が強かったが、こちらは頭部が双眸から噴き出た炎に顔の全面が覆われ、額からユニコーンの如く伸びたギターのヘッドとネックも含め、一本角の悪魔あるいは悪鬼風の物になった。
上半身には捲れ上がったレザーコートにも見える、ギターのブリッジ(ボディ側でギターの弦を張る部位)パーツが集積した様な追加装甲を装着し、アクセントに首元へチェーンを巻き付け何本かを無造作にぶら下げている。
そしてトレードマーク兼メイン武器として、ハシリヤンマークとジャンクパーツ風のモールドが刻印された自前のエレキギターを腰だめ式に保持する。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「8969」。ただし普段は腰だめしたエレキギターの裏に隠れているので視認し辛い。
製造元に違わず、激しいギター演奏で味方の士気を上げ暴走と特攻に駆り立てる煽動役として有用。更にギターのヘッドから火炎ビームを放つ『MAXファイヤー』による弾幕で衝動の赴くまま猛攻も畳み掛ける。逆を言えばエレキギターに主な能力の根幹を依存しているので、敵の攻撃によりエレキギターを壊されるとほぼ丸腰に陥ってしまう。
エレキギターが無くてもエアギターを弾く動作をする事で『エア化ギター能力』を発動し(恐らく公式サイトのコメントから察するに「エアギター→エアー=空気」という連想及び拡大解釈から)、空気化し手近な物体に同化する事で敵から倒され難くする小技を使えるも、所詮は防御を固め相手をやり過ごすその場しのぎに過ぎず、逆に格好の的となってしまうデメリットも大きい。
やや壊れ気味のハイテンションかつ攻撃的なノリで通す、典型的なパンクロッカー。その反面、直接戦闘では場当たり的な行動しか取れないので、好戦的な印象に反して単体の実力は大した事が無い。
また一応、ディスレースより力を与えられた再建パワー苦魔獣の一体なのだが、ギャーソリン収集の要ではなく「再び戦死したマッドレックスの仇討ち」に燃えるサンシーターが直接動かす戦力として、ブンブンキラーカーと共に供与した誕生経緯を持つ。
本編での動向
前話で、マッドレックスはブンブンジャーに再び倒された事を(自分が捨て駒にする仕込みを加えたのは黙った上で)サンシーターに伝えたディスレースは、3人を哀しみに落とした上で甘言を吹き込みブンブンジャーへの復讐戦を挑む様誘導。その上でイターシャにアジト内のエレキギターへイグニッションするのを促した事で、「エレキギター!フォー!今日のセトリに付いて来ーい!!」とのシャウトと共に高台でギターを掻き鳴らしながら誕生した。
納車後は、サンシーターが搭乗するブンブンキラートレーラーの上に陣取り、ネジレッタ達が運転するブンブンキラーオフロード・ブンブンキラーワゴンも引き連れて出撃。岩山ロードで爆走しチャンピオンキャリアーの試運転をしていたブンブンジャーを強襲する。
ブンブンキラーカーらが相手と接敵するや、激しくエレキギターを掻き鳴らし仲間を煽動。MAXファイヤーの連射による先制を皮切りに、デコトラーデの運転によりキラートレーラーとキャリアーがぶつかり合い、「ネジレッタ共、盛り上げろォォ!!」との号令でキャリアーに積載されたブンブンカーを狙ってキラーオフロード・ワゴンが牽引車両に体当たりし、更に荷台へ飛び移ったネジレッタ達がチャンピオンブンブンジャーと交戦する、世紀末の荒野さながらの大乱戦へと発展させる。
だが、ここまでに数多くの激闘を潜り抜けたブンブンジャーは取り付いて来たネジレッタを難無く掃討し、前に回り込んだキラーワゴンをキラートレーラーとで挟み撃ちにして撃破。
直後に敵諸共断崖絶壁へ突っ込みそうになるが、咄嗟にチャンピオンブンレッドがハンドルを切った事でキラートレーラーがキャリアーに弾かれた為、ちょうど放とうとしたMAXファイヤーの狙いが狂い先回りしていたキラーオフロードに着弾。これで上空に跳ね上がったキラーオフロードのキラードリルが、キラートレーラーの上に居る自分に向かって飛んで来て「ドリルキター!!?」と慌てるも、そのまま避けられず直撃。ほぼ自滅する形で吹っ飛んで敗北し、キラートレーラーも崖より落下しながら爆散(サンシーターは空中に投げ出されながらも脱出している)。
対するキャリアーは牽引車が落ち掛けるが何とか持ち直して転落を回避した為、地獄のカーチェイス戦はブンブンジャーの勝利で幕引きとなった。
その後、地獄のカーチェイスを辛くも潜り抜け一息ついていたブンブンジャーの前にディスレースが姿を現し、ブンドリオ・ブンデラスとハシリヤンのボス、ワルイド・スピンドーの関係を暴露する衝撃の展開の後、ヤルカーのハイウェイ光線でギャーソリン大暴走体化を果たした状態で再出現。
「オーディエンス共よ!ジャジャジャジャーン!! アンコール行くぜー!!」との挑発に答えた、ブンブンジャーがブンブンジャーロボサファリカスタムを繰り出したので、夕焼けの岩山ロードで対峙。「俺のワンマンへ、ようこそ!!」と言いながらギターのボディで殴り掛かりバクアゲクローを中腰スライディングでかわしてギグるも、背後からの反撃と挑発を貰ったのでMAXファイヤーで火炎放射を仕掛ける。
だがギターが攻撃の要であるのに気付いたレッドの指示で、「もうお前のヘボ演奏は終わりだ!」と切り返したブンブンがギターの弦を切断。演奏を封じられ一転して丸腰になるや、ギターを投げ捨てつつ「一旦、ハケるぜ!」と捨て台詞を放ってエア化ギター能力を発動、手近な岩と一体化して防御を固めやり過ごそうとする。
しかし見逃されるはずも無く、ブンブンの手で牽引車両を重ねられ重武装モードとなったチャンピオンキャリアーにブンブンも跨って一緒に突撃。「今俺は、エレぇキ合いが入ってんだぜぇ!」との決め台詞と共にキャリアーから光弾の弾幕を浴びせられ、その重量によるパワフルな体当たりで岩諸共粉砕され爆散。
「ド派手なフィナーレ、サンキューー!!!」と〆のシャウトを残してフィニッシュした。
イトコのエレキグルマー・ボヴィ
「イトコのエレキ・ボヴィ!」
「イッツ・マイ・ライフ!!」
CV:野津山幸宏
スーツアクター:榮男樹
データ
全高/195cm
重量/297kg
エンジン/イトコのエレキギター
スピード/単独ライブ最速
カスタム/ウェイウェイビューイング、V8サウンド
ナンバー/5310
ファーストラウンド(コース/市街地)
概要
バクアゲ38に登場。
ヤルカー族のエリート・ウェイウェイ・ヤルカーがイトコのエレキギターに込められた燃えるミュージシャン魂をエリートイグニッションし、再納車されたエリート苦魔獣。
外見はプレートのナンバーが「5310」になっている以外は初代と同じでアニキのアコギグルマー・ジョンと共に爆奏兄弟ジョン&ボヴィと言うデュオを組んでいる。
ジョンと共にウェイウェイが走らせた『ウェイウェイビューイング』(本編では『ハイウェイビューイング』)を浴び腰だめしたエレキギターから大音量の『V8サウンド』を放つ。この音の範囲は日本全国に及び、騒々しいライブで地球人から大量のギャーソリンを放出させる。そしてそれをウェイウェイが回収し、一度に相当量のギャーソリンを稼ぐという寸法である。
戦闘でもV8サウンドで攻撃するが、攻撃手段はこれの一点張りで音を遮断されると為す術なく反撃を貰ってしまう。
ジョンと同じく、初代より超が付く程のハイテンションな性格の持ち主。そのテンションぶりからか、チャンピオンブンブンジャーに押されつつも気合で粘ってしばらく持ち堪えてもいた。
本編での動向
ワルイド・スピンドーが地球に来訪すると知り、大掃除に明け暮れていたサンシーターの前にヤルカーをスカウトしに来たウェイウェイが登場。
エリートを名乗る自身の仕事ぶりのデモンストレーションとして、市街地でライブをしていたストリートミュージシャンコンビの持っていたエレキギターにハシリヤンイグニッションキーを打ち込んで装填、ジョンと同時に誕生させた。
納車してすぐ、ウェイウェイビューイングを浴びてテンションMAXになり、相方と共にV8サウンドを奏で大騒音のリサイタルを敢行。更にライブ映像を日本各地に飛ばして広範囲の人々を苦しませ膨大なギャーソリンを捻出、それをウェイウェイが各地を掛け回って回収した。
だが程無く、案の定騒ぎを聞き付けたブンブンジャー5人に妨害され交戦。惜しまずチャンピオンブンブンジャーになった相手へV8サウンドで音波攻撃を仕掛け一旦は圧倒するも、チャンピオンブンブルーがブンブンマリンをカスタマイズして発生させた水ドームにより音波は減衰され封殺。更に水ドームを内側から破裂させて生成したサメ型散弾で反撃されてしまう。
そのまま相手のペースに持ち込まれ、ブンブンサファリをカスタマイズしたチャンピオンブンピンクから錐揉み回転アタックを貰って転倒。
トドメを刺されようとした直後、スピンドーに先んじて地球に到着したハシリヤン大番頭・グランツ・リスクが上空より出現。ジョンに続いて「もしくは、俺の熱烈なファン…」と発言するも、五月蠅さがボスの機嫌を損ねると判断したグランツに遮られた上、「リスクは、避けねば…」の一言と共にイグニッションを解除され消滅・リタイア。跡にはエンジンになったエレキギターとイグニッションキーが残った。
なお、爆奏兄弟が捻出したギャーソリンはウェイウェイがワルイドへ直接献上しようとしたが、気まぐれでサンシーターの奮闘を見物していたウェイウェイがしばし無駄な時間を過ごした事で撤収時を狙ったスピードルに正面衝突される失態を晒してしまう。
これで吹っ飛ばされた時にウェイウェイが撒き散らしてしまい、無駄になった模様。
余談
- 演者の野津山氏は『機界戦隊ゼンカイジャー』のマンガワルド以来のスーパー戦隊シリーズへの出演となる。
- 炎を噴くエレキギターを持つのは、洋画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場するドゥーフ・ウォーリアーが元ネタと思われる。砂漠をカーチェイスしつつ激走する違法改造車(風のブンブンキラーカー)の上でエレキギターを弾き火炎を噴き出す光景はもろにドゥーフのオマージュで(大型トレーラー同士のカーチェイスという点では『2』がより元ネタに近いか)、当作品が元ネタとなったハシリヤン斬込隊長マッドレックスの消滅の翌週に「弔い合戦」の苦魔獣に抜擢されたことを考えるとなかなかニクいチョイスである(公式サイトでも「マッド○ックス!!(レックスじゃない方!!)今回のエレキギターグルマーも、トレーラーVSトレーラーを撮るところから逆算してモチーフが決められました。」と触れられている)。
- ボヴィの名前の由来はジョンと共にアメリカのロックバンド・『BonJovi』(ボン・ジョヴィ)から来ており、ボヴィの記事冒頭二番目の台詞は同ロックバンドの楽曲である。ちなみにボン・ジョヴィは日本レーベル公式把握済み。
- バクアゲ38で素体となったエレキギターの持ち主はどう見ても高見沢俊彦にそっくり。おまけにグループ名はアルフィーならぬナシフィーで、曲も「危険なリンゴ」ならぬ「危険なギター」とスケッチブックに書かれていた。
関連タグ
兄弟怪人(ボウィ)
アコギグルマー:こちらはアコースティックギターモチーフの苦魔獣。性格も同じくテンション高めだが、全体的な雰囲気は真逆。後に前述の通り、別個体同士が共演を果たした。