「はっ!ん?ん?いやいやいや…何がどうなったンカー?」 (バクアゲ1)
概要カー
大宇宙侵略大走力団ハシリヤンの構成員の一員(匹?台?)
現場監督に相当する「サンシーター」の一員として地球での侵略行為に従事する、小型の車型エイリアン。
同じサンシーターのイターシャからは「ヤルちゃん」の愛称で呼ばれている。
所謂マスコット枠に類するキャラクターであるが、各種武装など実戦向きな能力も複数持ち合わせており、同時にそれに絡んでサンシーターの中でも謎を秘めた存在でもある。
人物カー
デフォルメされた6輪のスポーツカー、あるいは小動物のような見かけの持ち主で、口調も一人称が「カー」で、語尾にも「カー」と付くなど、別作品のマスコットめいた愛嬌があり、他サンシーターからは(たまに理不尽な扱いを受けながらも)マスコット的扱いで可愛がられている。
一方で、警告色めいた黄色と黒基調の体色、それに(つぶらながらも)鋭い目つきや牙など、どこか剣呑な要素も同居している。
また毒舌かつ歯に衣着せぬ物言いが特徴的であり、戦死したマッドレックスの後任としてキャノンボーグが送り込まれ対面、彼の名乗りを見た際は2度も目の前で「マッドレックス様よりダサいカー」「自分で切れ者言うカー?」、その後任であるディスレースと初めて対面した際は2度も目の前で「(ズージャ語を使うのは)ダサいカー」「再建隊長と言うよりテコ入れ隊長カー」とズバズバと言い、いずれもデコトラーデとイターシャに大慌てで諌められていた。
後述の巨大化状態で我を失っている状態では、一人称が「オレ」になると共に口調の「カー」もなくなり、非常に荒々しくなる。
かと思えばブンブンジャーとのカーチェイスでは、相手が横断歩道で歩行者を見つけて一時停止した際に、自らもちゃんと一時停止する律儀な一面(?)も持ち合わせている。
能力カー
普段は、イターシャに小脇に抱えられる程度の小サイズであるが、ギャーソリンを体内に貯蔵する機能を持つとともに、状況に応じトラック並のサイズへと巨大化し、デコトラーデとイターシャをルーフに載せて移動する。
さらにブンブンジャーとの戦闘で苦魔獣が倒された際、暴走したギャーソリンを吸い取り、数十メートルクラスにまでの巨大化することも可能(これらの巨大化能力そのものは、マッドレックスのギャーソリン大強化体と同様と思われる)で、その際にはハイウェイ空間を爆走しつつ、追跡車を排除するようになる。
取り込んだギャーソリンは、通常空間に戻った後に元のサイズに戻りながら吐き出すことで、撃破された苦魔獣を再生・巨大化させることもでき、いわゆる巨大化担当としての役目も兼ね備えている。
この暴走状態のギャーソリンが、ハイウェイ空間を経由して巨大化することはブンブンも言及しているものの、それがヤルカーの能力に由来するのか、別の要因によるものなのかまでは判然としていない。
巨大化状態では、眉間や口元の6本のマフラーから球形の爆弾・ヤルヤルボムや、弾頭が自身の顔となっている小型ミサイル・ヤルヤルミサイルを吐き出したり、目から放つ光線で敵への攻撃が可能な他、三連ホーン(珍走団や暴走族がよくやるパラリラと音を鳴らす奴)らしき音を掻き鳴らしながらの6つの車輪(あるいは足)を駆使した荒々しい走りも得意とし、身体をブンブンカーにぶつけるバンプ(カーレースでの車体を体当たりさせること)のような名前に違わぬラフプレー(或いは煽り運転)なども見せる。その様はまさしく走り屋そのもの。
初回にてブンブンジャーと繰り広げた、ハイウェイ空間でのデッドヒートに際しても、ブンブンワゴンを道路の壁に押し付けスピードダウンさせるなど猛威を振るうも、初変身ながら早くも抜群のドライブテクニックを発揮したブンピンクには、ギアを落として壁に押し付けられた勢いを利用し側転宙返りで脱出されてしまった。
一方、“巨大化状態では我を失っている”ことが公式に言明されており、作中でもそれを表すかのように、巨大化の際には目の色が通常の水色から赤へと変化する他、元のサイズに戻ってからのヤルカーには記事冒頭に示した台詞にもあるように、ハイウェイ空間で暴走していた間の記憶が欠落しているかのような素振りも見られる。
以前より付き合いがあろうデコトラーデとイターシャでさえ、どうやら「ヤルカーの巨大化現象」は地球に来てから初めて目にした(バクアゲ8では「隠し芸」と表現した)らしく、両者共に当惑した様子を見せているなど、この巨大化についてはどこか不可解な部分もない訳ではない。
ちなみにギャーソリンがある現場にいないと上述の状態にはならない模様。
バクアゲ8ではマッドレックスとデコトラーデの活動により人々から出たギャーソリンを吸い取ったが、この時は何故か巨大化せず目も赤くなっていなかった(実際イターシャ達も「今回はいつものやつ出てないわね?」と不思議がっていた)。
なお集めたギャーソリンは、マッドレックスが無理矢理ヤルカーを押し潰して絞り出すという凶行(しかも2話続けて)により巨大化に用いられた(あまりの事態にデコトラーデとイターシャは悲鳴をあげており檻が破壊されたあと救出に向かっていき、バクアゲ9では「またギューされるのイヤカ〜〜!!!」と嫌がっていた)。
バクアゲ17ではこれらの手間を省くためか、キャノンボーグにハイウェイ空間と同じ効果を持ちながら空間を通らずともギャーソリンを活性化させ苦魔獣暴走態を作れる「ハイウェイ光線」を吐き出すよう魔改造されてしまった。
ちなみに車型生命体らしく、猛暑の中にいるとオーバーヒートなのか尻のマフラーから炎を吹き出してしばし暴走してしまう。
過去カー
元々は、惑星ヤルカーに生まれた疾走生命体・ヤルカー族の1人(匹?)で、本来は一族の証である頭に炎を増したリーゼントのような器官『トサカー』を持っていた。
同族のウェイウェイ・ヤルカー曰く、元気すぎて誕生してすぐ惑星を飛び出した後、流れ星か何かに激突しその影響でトサカーを失った挙げ句記憶喪失になったと言う。
しかし、トサカーを失ってもハシリヤンとして東奔西走している姿は同族の中でも名が知られている。
巨大化させる際に見せた豹変ぶりは記憶を失う前のヤイヤイ・ヤルカー本来の性格である事が闖える。
数年前は単独で暴走を働いていたが、(ヤイヤイにとっては)つまらない荷物ばかり運ばされて、走る意味をいつしか見失っていた。
そんな折、同じような理由で人生のどん底を味わっていたデコトラーデ(自慢のデコトラをレッカーされた)とイターシャ(スリのくせに所持金をスられた)に出会い、『失うものは何もない同志』としてサンシーターを結成するに至った。
余談カー
- CV担当の諸星氏はスーパー戦隊シリーズ、ひいては特撮テレビドラマへは初出演となる。
- 巨大化担当の構成員は『機界戦隊ゼンカイジャー』のクダイテスト/ニュークダイテスト以来3年振りで幹部に絞れば『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のゴーシュ・ル・メドゥ以来6年振りとなる。
- 名前については、「やいやい、やんのか~」的な意味である と明言されている他、ファンの間ではその語感や見た目の近似性から、「ストップモーションアニメ『PUIPUIモルカー』を意識したのではないか?」との指摘も多数見られる。
- 『PUIPUIモルカー』は映画化したため、(幹部達は皆車系の映画から名前が来ていることもあって)ヤルカーも幹部に昇格するのではないかと言われている。
- 上記の巨大化担当についてだが、現状はもっぱらギャーソリンを吸収したことで通常より気分が高揚しているようにも見える。なおギャーソリンを吸収→走行→最終的に吐き出すという一連の流れからそれを揶揄しているのは明らかだろう。
- バクアゲ8では巨大化しなかったが、通常との相違点としては今回は苦魔獣によって発生したギャーソリンでは無かったくらいである。苦魔獣の倒された後に残るギャーソリンでないと暴走状態にならないのだろうか?
- 車に目と口が付いているフォルムから先輩ジャーの車系の相棒達を思い出す視聴者もいた。実際ゴーオンジャーとのコラボ回であるバクアゲ12にてスピードルが登場しイターシャがスピードルとヤルカーを見比べ「ちょっと似てる?」と言及するが、本人は「似てないカー」と返す。
- バンコレからポーチなどが発売されており、公式でバクアゲ8、9での押し潰しになぞらえた商品説明がなされていた。
- バクアゲ15において、野良運送会社「三下 矢留加」の偽名を名乗った場面もある。
- 夏の劇場版の入場特典として配布されたライドケミートレカ(同時上映の仮面ライダーガッチャード側の収集アイテム群)の特典パック第二弾に、ライダー側の重要キャラクター達と共にヤルカーのカードが封入された。
- 第一弾に封入されていたブンブンジャーキャラのカードはブンドリオだった事を考えると大躍進と言える。