概要
モデルとなった車種はハドソン・モーター社(後にナッシュと共にアメリカン・モーターズの母体となる)のファビュラス・ハドソン・ホーネット。
ルート66(旧国道66号線)沿いの寂れた田舎町ラジエーター・スプリングスの住人の一人で、老体でありながらも診療所の医者と判事を務める町のリーダー。
頑固でぶっきらぼうな性格でモータースポーツやレーサーを嫌っており、街に迷い込んできた新人レーサーのライトニング・マックィーンには辛辣な言葉を投げかけては早く出ていけと嫌味な態度を取っていた。
その正体は1951年から53年にかけてピストン・カップで三連覇を果たした伝説の名レーサー「ハドソン・ホーネット」本人(ちなみに元ネタであるファビュラス・ハドソン・ホーネットも1950年代にストックカーレースで好成績を上げている)。
マックウィーン「ドック程の車が、どうして全盛期でやめちゃったの?」
ドッグ「………好きでやめたと思うか?」
すると、ドックは倉庫のライトを付けてみせたのは「クラッシュ! HUDSON HORNET 今シーズン 絶望」という新聞記事だった。
マックウィーン「そうか………54年の大事故……」
ドッグ「俺は捨てられたんだ。修理が済んで戻った時、
歓迎してもらえると思ったら、こう言われたよ。
『お前は終わった』と。皆が新人に夢中になってた、
………俺はまだ走れたのに、チャンスを与えられなかった。
それを飾ってあるのは、二度と戻ろうと思わんようにだ。
しかし、そっちの方から
ノコノコとやって来るとは思わなかった」
最後の大レースでの事故で大怪我を負い、修理を終えて万全の状態で復帰に臨もうとしたが既に新人や若手に出番を取られており、アピールのチャンスを与えられる事もなく引退した。
引退後は公から姿を消し、ラジエーター・スプリングスの仲間にも自身の身の上話をする事なく隠してきたのである。酸いも甘いも嚙み分けた自分と対照的に若さに任せて突っ走るマックィーンに思う所があったのかもしれない。彼の事を当初は快く思っていなかったのも、上記のような過去が関係しているとも言えなくもない。
ちなみに今でもテクニックは衰えておらず、中盤ではダート上で見事なドリフト走行を披露する。
中盤でマックイーンの行方を追っていたマスコミにタレコミして彼を追い出すことに成功するが、いつしか彼が町の住人達と友情を築き、活気づけていた事を知る。
その後カリフォルニアの最終レースでは町の住人と共に急遽駆けつけ、クルーチーフとして彼をサポートする。なおこの時に元ネタに準拠したペイントを施している。最後に優勝を捨ててキングを助ける事を選んだマックィーンを認め、師弟関係となった。
エンディングではマックィーンの活躍の影響で町に立派なドックの記念館がオープンし、彼自身も元気を取り戻したのかファンキーな様子でマックィーンとダートコースを走る光景が描かれた。
英語版の声優を務めた大スターポール・ニューマン氏が2008年に逝去した事を受け、続編のカーズ2ではドックも亡くなったという設定になった。
さらに3作目のカーズ3では回想や過去のレース映像で登場し、生前録音されて編集で未公開となったニューマン氏の音声も流用された。この作品でマックィーンはドックの故郷を訪れるのであるが、ドックが生前旧友に宛てた手紙で「弟子を持った喜び」を持ち、マックィーンを息子のように可愛がっていた事を知る。そしてこの事は物語のテーマでもあるマックィーンの第二の人生にも大きく影響するのであった。
関連項目
ドクマク:弟子との腐向けカップリングタグ。