「如何にも、私はガクエンワルド!」
「たった今から、この世界はトジテンド学園となったガクエン。貴様らは我が校の生徒ガクエン!」
登場話:第33カイ!「グレートティーチャー鬼使い!」
データだガクエン
身長/192cm
体重/282kg
世界/ガクエントピア
名物/教師のネクタイ
名産/タイバツ竹刀
概要だガクエン
トジテンドが人間界侵略の為に、学園の世界「ガクエントピア」を閉じ込めたガクエントジルギアをクダックに組み込んで、教育熱心に誕生したワルド。
頭部は大時計の付いた校舎屋上に髭を蓄えた校長先生の顔を落とし込んだ物で、頭頂部には大学帽を模したパーツが付いている他、校舎の窓でもある目の下には涙を模した白いギザギザがあしらわれている。後頭部には赤い裏口のハッチが施されている。
胴体部はホシガキワルドと同じく、白・黒・金で色分けされてビジネススーツを連想させる他、首には先端へトジテンド国章をあしらった紫のネクタイを巻いている。
ガクエントピアの力を悪用し、世界をトジテンドのルールが支配する「トジテンド学園」に変化させる能力を行使する。
この影響を受けた世界は巨大な校舎とその内部施設+校庭という構成に変えられ、範囲内の人間やキカイノイドは生徒になってしまう(ただし学生服のデザインは男性なら学ラン、女性ならセーラー服とセンスが古い)。生徒にされた者は行動が大幅に制限されるらしく、ゼンカイジャーやゴールドツイカー一家も自分達の武器やツールの機能を粗方封じられ(辛うじて過去の戦隊のセンタイギアは使う事が可能らしい)、ほぼ無力化していた。
一方ステイシーやクダイター等、教師や風紀委員役として学園を管理・支配するトジテンド構成員にはガクエンワルドが付けているのと同じ“教師のネクタイ”が支給される。このネクタイを着用していれば反抗した生徒に襲われても、ネクタイのマークが発光してトジテンド国章型のシールドが展開しその身を完全防御してくれる為、生徒(被支配層)側が絶対手を出せない圧倒的に優位なポジションへ立てると言う地味ながらもトジテンド側にとってはとても頼もしい能力となっている。
学園内部で行われる教育は、ボッコワウスを至上として崇める洗脳教育であり、最終的には生徒をクダックとして育成する目的がある(合格者は順次イジルデの手で改造手術を受けさせられる予定だった様子)。
なお、教師クダイターは出来が悪い者を同じく支給された「タイバツ竹刀」で容赦無く叩き、体育の授業ではうさぎ跳び1万3921回を強要されると、肉体的にも精神的にも無意味に苦痛を強いられる事が多い。そしてクダックとなる試験をクリア出来なかった落第者は死ぬまで学校に閉じ込められ、事実上教師の立場を使って横暴を働くトジテンド構成員の玩具にされてしまう。
結局、その実態は学園の体裁をした監獄兼洗脳施設に過ぎず、トジテンド本国の劣悪な管理・選民思想社会を再生産した物でしかない。そしてボッコワウスから見れば、下々が自分に都合の良い人材へと変わるこの施設はとても魅力的で、ガクエンワルドの生み主兼今回の作戦の立案者であるイジルデを珍しく最初から称賛していた。
この生き地獄を作り上げた元凶であるガクエンワルド本人は校長室に陣取っているが、ここへは徒歩で侵入する事が不可能(※カラフルが「駄菓子部」なる部室として学園の一部になっている事から、空間操作によって外部から侵入されない様にしていると考えられる)。入るには「進級テスト」に合格して教師(管理役)にランクアップ、その証であるネクタイを支給して貰う必要がある。但し、テストの問題は全てトジテンドに関する偏向的な物である為、トジテンド以外の外部の人間が挑んでも合格は困難。
その一方で、教師のネクタイはガクエンワルドの能力を他の教師達に分け与える子機端末の様な物らしく、親機であるガクエンワルドのネクタイを外して破壊すれば他のネクタイも消失、教師(看守)と生徒(囚人)の絶対的な上下関係は失われてしまう。
攻撃手段として、爆発するチョークを複数投げる技を持つが、基本が特殊能力特化型のワルドだけに本人の戦闘力は低く、ハカイザーの護衛を必要とする(※世界改変時にハカイザーを生徒側にしてしまうポカをやらかしており、ハカイザーは律義に進級テストへ挑んでネクタイを支給して貰う手間を踏む羽目になった)。
「~ガクエン」と言いつつ、生徒思いの熱血教師のノリと気分に浸りつつ学園の姿をした監獄を安全な場所から監視する、コミカルさの中に傲慢を滲ませた性格の持ち主。
逆を言うなら危険意識が余りにも低く、学園内で起きた喧嘩騒動へ考えも無しに首を突っ込んで生徒を諫める教師の気分へ浸る、ワルドに見られがちな無駄な野次馬根性を発揮していた。
活躍だガクエン
イジルデの手で誕生して出撃から早々、ビルの屋上から名乗りを上げていた所を介人とブルーンに見付かり、先制攻撃で地上に叩き落される。
「オホン、お早う諸君。只今からガクエンパワーをkぐはぁ!?」
ブルーン「その頭…貴方、学校関係でしょう!?」
すぐさま爆発するチョークを投げまくって相手を遠ざけ、いきなり現れたハカイザーに2人を任せるも、すぐに援軍として駆け付けた残りのゼンカイジャーから袋叩きに遭う。
しかしこれを見兼ねたハカイザーが、交戦していた2人を蹴っ飛ばして残りのゼンカイジャーにぶつけ動きを止めた事で隙が発生。
このチャンスを見逃さず能力を行使し、世界をトジテンド学園に変えてしまった。
≪え~、私ガクエンワルド校長より生徒諸君へ、ありがたいお言葉ガクエン。貴様らはこれからここで、優秀なクダックになるべく、教育を受けるガクエン!落第した者は一生この学園で過ごし、死ぬ事になるガクエン!生きたければ励む様に!!≫
ゼンカイジャーとゴールドツイカー一家を含めた、学園に閉じ込めた人々をクダックに変えるべくトジテンド教育が繰り広げられる中、自身は校長室に居座り安全を確保。その内に生徒側へされたハカイザーも教師に昇格して校長室に移動し、盤石な守りを固めて行く。
その頃校長室を探し回っていたゼンカイジャー達は、教師になったステイシーがハカイザーを教師に昇格させる為に行っていたテストの様子を目撃し、自分達も校長室に行くべくテスト「クイズ DE トジテンド」を受けて合格しようとするが、如何せんトジテンド内部に関する問題には精通しておらず脱落者が続出。
頼みだったブルーンも姿が瓜二つなゴミワルドとリサイクルワルドを見分ける問題を間違え脱落してしまい(但し、問題を出したステイシー自身もどっちがどっちか解からず、ブルーンの回答とは逆の選択肢を正解とするズルを行った様にも見える)、全員不合格に。
困り果てた駄菓子部(カラフル)に戻った一行だが、ここが「学園」である事に目を付けたヤツデのアイデアで2組の不良グループに扮して校庭で喧嘩をして暴れ回る芝居を打ち、「教師」をおびき出すという作戦を実行(尚ジュランは相変わらずのアドリブゼンカイ)。
クダイター「緊急〜!!不良生徒達が喧嘩してるぞ!俺達の手には負えん!」
「何だと!?ガクエンのギアの力を持つ、私の出番ガクエン!!」
結果、手に負えなくなった教師クダイターは呑気にお茶を啜っていたガクエンワルドとハカイザーを救援に呼び出し、熱血教師気取りで喧嘩の仲裁に入ったガクエンワルドは自分を慕う演技をしたゼンカイジャー達に群がれたのに有頂天。
「あぁ!!お前ら、止めるガクエン! お前らは腐ったミカンじゃないガクエン!お前らもやれば…出来るガクエン!」
介人・ゾックス「校長先生…」
「きっと立派なトジテンドの兵隊になれる…私は生徒を信じてるガクエン!(泣)」
ジュラン「校長…そんな事言ってくれた先生、ぶっちゃけアンタが初めてだわ!俺、ラグビーもやるよ!!」
「よしよし、分かってくれたかガクエン。これから一緒に頑張ろうガクエン!」
ゾックス「……な~んて、誰が頑張るかっての!」
介人「お前のネクタイは盗っちゃったもんね~!」
「あっ……しまったァ~ッ!!」
こうして、ジュラン曰くの「劇団ゼンカイジャー・第3回公演」にまんまと引っ掛かったガクエンワルドはこっそりとネクタイを奪われ、それを引き千切って壊された事で絶対防御とゼンカイジャー達の弱体化を解除されてしまった。
セッちゃん「ヤッちゃんの作戦、上手くいったチュン!」
ヤツデ「偉い人を現場に引きずり出すには…“揉め事”よ」
こうなると後は正面対決しか無く「校長命令ガクエン! 行くぞ〜!!」とクダイターと共にゼンカイジャー&ツーカイザーに立ち向かい、騒ぎを聞き付けて出て来たステイシー/ステイシーザーも含めた乱戦に突入。
しかしクダイターはアッという間にスーパーゼンカイザーとスーパーツーカイザーに片付けられ、ハカイザーとステイシーザーはゼンリョクゼンカイキャノンの「果てなき!ギャラクシーパワー」で召喚されたメガレッド・ファイブブラック・カメレオングリーンに抑え込まれてしまう。
この急展開にまごついてスーパーツーカイザーに転ばされた所に、ゼンカイジャーが放った「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター」が直撃し爆散・敗北。
これを以って学園の姿をした監獄は消滅し、人々は支配から“卒業”したのだった。
残されたガクエントジルギアは「お久しぶりのクダイテスト様だ!旧式とか言うなよ!」と言いながら現れたクダイテストが取り込み、ダイガクエンワルドが誕生した。
その際ブルーンに「今日はニュークダイテストでは無いのですね?」と質問されたが、直後イジルデがニュークダイテストは量産が出来なかったと明かしている。
余談だガクエン
- 学校や先生ネタを使う戦隊は多く『宇宙戦隊キュウレンジャー』の短編『ハイスクールウォーズ』に登場したスクールインダベー一家以来だが、ストレートに学校その物をモチーフとした怪人ならこのガクエンワルドが初。
- 先生っぽい顔、と言うオーダーだったが、センセイワルドにならぬ様学園モチーフでデザインしつつ、博士帽や某熱血のイメージの涙やネクタイ等で教師感を出している。(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.116)。
- 演じた浦山氏は東映特撮には『仮面ライダー龍騎』でエキストラとして出演した経験があるが、声優としては今回が初。忍たま乱太郎で学園長を演じている事から東映側のオファーを受けて今回の起用となった。ちなみ学園長の初代声優はワンガワンガの声を担当していた辻村真人氏。
- 体育の授業で兎跳びをやらされているシーンがあるが、兎跳びは膝に悪影響を与えたり肉離れを起こす可能性があるので現在では廃れており(某番組で立証済み)、それを1万3921回もやらせるトジテンドの黒さが見てとれる(単に東映が知らなかっただけかもしれないが)。
- 今回ゼンリョクゼンカイキャノンで召喚したギャラクシーパワーの3人メガレッド、ファイブブラック、カメレオングリーンだったがこの3人は学校や先生に強い共通点(メガレッド:元高校生で卒業後、教師に転向、ファイブブラック:兄弟先生、カメレオングリーン:先生になるべく勉強中の女子大生)がある。
- 因みにブルーンはファイブマンギアを使用すべきだと提案したがセッちゃんから教育が違うと言う理由で却下されてしまった。
- 最初の駐車場で戦う場面には『獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場する軽トラ「まるふく号」が駐車されている。
関連タグだガクエン
GTO:今回のサブタイトルの元ネタ。
バカンスワルド:一時的に世界を支配したワルドの前例。
スクールインダベー一家、リジチョウインダベー:前述の通り、学校関係者モチーフ戦隊怪人の直近例。「催眠装置で学園丸ごとを覆って生徒へ洗脳教育を施し、組織の都合の良い人物に仕立て上げようとした」、「基本は戦闘力皆無で、装置の影響で弱体化した戦隊でなければ対処が出来ない」、「校長を務める一家の1人が竹刀を武器にする」等の類似点も多い。
マナビル:同じく『キュウレンジャー』に登場した先生怪人で、首領を英雄視する偏向した内容の教育を人々に押し付けていた。
デーボ・キビシーデス:準幹部の再教育目的で生み出された先生怪人。武器の一つがチョークを発射するガトリング銃でもある。
カマイタチ、アラクネーマイナソー:歴代学校に閉じ込め人々に洗脳教育を施した戦隊怪人。
ベンキョウヅノー、TTテルリン:こちらは逆に生徒に学校教育で追い込んだ生徒モチーフの怪人。
レインディアサンタ:こちらは学校教育では無く人間をダイレクトで戦闘員に変貌させた戦隊怪人。
バクダン邪面:同じく登場エピソードにまるふく号が駐車されている。
地球鬼:次回作に登場した学校繋がりの怪人。
キョウシイ:アニメ『星のカービィ』に登場した魔獣。同じく住民たちを都合のよい教育を押し付ける教師の怪物繫がり。こちらは帽子に化けており、教師をする人が被る事によりその効果を発揮する。
魔教師エルシオン:教育の力で生徒を苦しめた教師のモンスター。
伊達健太:怪人では無い(それ所か戦隊レジェンドである)が、10年前の記念作品の戦隊に学園生活をさせた張本人(但し強要等では無く、大いなる力を与える為の条件としてであるが)。因みにこの回の脚本家も香村純子氏である。
ドック・ハドソン:中の人繋がりのキャラ(どちらかと言えばこちらは師匠である)。主人公にダートでのドリフトを伝授した。
オールマイティセイバー:別シリーズの味方に自身の強力な能力をそのまま付与出来る存在。