概要
武田鉄矢演じる国語教師「坂本金八」が主人公の学園ドラマで、元は『桜中学シリーズ』
の一つとして放送された。TBSを代表する名作中の名作。と、同時に坂本金八を演じてきた武田鉄矢の顔ともいえる。
第1シリーズは1979年10月にスタート、最終となる第8シリーズは2008年3月に最終回を迎えた。
2011年3月27日には4時間スペシャルの『ファイナル』が放送され有終の美を飾った。
チュンソフト製作の『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』と言うゲームも存在する。
過去シリーズの多くの原作および脚本は小山内美江子(おさないみえこ)が、第7シリーズ第11話目以降は清水有生(しみずゆうき)が手掛けた。
第1シリーズ
1979年10月26日放送開始。
以後、基本的にドラマシリーズでは2クール(半年間)放送する事となる。
桜中学校に転任した金八は、学校や生徒が抱える問題を解決していく中、3年B組の女子生徒・浅井雪乃(杉田かおる)の妊娠が発覚。その相手は同組の宮沢保(鶴見辰吾)。この衝撃的な事件に、中絶か出産かで迷う雪乃。金八先生は徹底的に向き合う事を決め、雪乃は産む事を決意。
後の第4シリーズでは彼らの息子・宮沢歩が、SP『ファイナル』では再び夫妻が登場。
15歳の母という当時問題となっていた「未成年出産」をテーマとした衝撃的な内容が話題となり、人気が爆発。最終回では視聴率39.9%という脅威の数字を叩きだして社会現象を巻き起こした。
第2シリーズ
1980年10月3日放送開始。
今作のテーマは校内暴力と教師と生徒の対立である。また、金八シリーズで初めて生徒の逮捕者が出る。
第5話で荒谷二中から桜中学に転校してきた加藤優(直江喜一)は、札付きの不良生徒。学校側が彼を『腐ったミカン』と形容した事に金八は反発する。その後、加藤が前にいた荒谷二中の不良生徒が駆けつけ、自分たちの仲間を警察に引き渡した教師に対する報復を手伝うよう迫ってくる。悩む加藤だったが、自ら荒谷二中へ出向いて教師と話をつけることを決意するが…
不良生徒の存在をみかん箱の中にある腐ったみかんが周りのみかんまで腐らせてしまうという理論で衝撃を与えた『腐ったミカンの方程式』、警察に捕まり連行される生徒の映像と「世情」(中島みゆき)が流れる演出であまりにも有名なエピソード『卒業式前の暴力』はシリーズを代表する神エピソードとして高い評価を受けており、日本のテレビドラマ史に現在でもその名を留めている。
第3シリーズ
1988年10月10日放送開始。第3シリーズのみ1クール(3ヶ月)放送。
金八は桜中学校から松ヶ崎中学校へ転任となったため、舞台を松ヶ崎中学校に移した作品。生徒役に萩原聖人や長野博、森且行などが出演していた。
第1話では、前列に着席している杉浦かよが目薬をさしその後涙を流す場面が映ってしまうハプニングが発生(通称、目薬事件)。
今作は主に目立った場面はなくほのぼのとした作品となったが、生徒一人一人に着目し高校受験までをサポートさせる金八らしさは変わらず出ており、初めて出会う教師達にも一丸となって行動していた。
桜中学が舞台ではないためか、桜中OB総出演のSP『ファイナル』ではスルーされてしまった。
第4シリーズ
1995年10月12日放送開始。
今作のテーマは生徒同士のいじめ問題。
最愛の妻を乳ガンで亡くし文部省で研修を受けていた金八は、久しぶりに3年B組の担任に復帰する。しかし新3B生徒は金八先生に冷たく、クラス内ではいじめが横行していた。第1シリーズの雪乃・保の息子である宮沢歩(橋本光成)もまたそのターゲットにされていた。家庭問題で心が荒んでいた広島美香(小嶺麗奈)は、鬱憤晴らしのために他の生徒に嫌がらせをし、教師には甘い態度で接していた。
第5シリーズ
1999年10月14日放送開始。
今作のテーマは前期よりもさらに度を超えた陰湿ないじめによる支配、引きこもりによる家庭問題、少年犯罪等より多くの問題を抱えていた。そして、第2シリーズ以来二人目の生徒の逮捕者が出た。
金八の前任教師であった中野(ラサール石井)が生徒達に暴行を受けて病院送りにされ、さらに葬式用の菊の花(実は造花)を送りつけられあわや自殺に追い込まれるというシリーズ史上最悪のスタートとなった。さらに発覚を防ぐため、力づくで口封じを行う首謀者・兼末健次郎(風間俊介)達によって3B全体がグルと化してしまう。この学級崩壊寸前のクラスを金八は立て直していく事となるのだが・・・
本シリーズから、学園祭でソーラン節を踊るようになった。かなり大変だったとか。
第6シリーズ
第6シリーズ2001年10月11日放送開始。
今作のテーマは下記の性同一障害・犯罪者の家族に対する人権の自由を描いたストーリーである
性同一性障害を抱えた鶴本直(上戸彩)、父が殺人の罪で服役中の成迫政則(東新良和)。この二人の転校生を中心に第6シリーズは展開していく。
なお、鶴本直は第7シリーズで性転換手術を受け、男性となった。
第7シリーズ
2004年10月15日放送開始。
今作のシリーズは麻薬の依存と中学生への薬物蔓延というテーマで史上最も暗いシリーズとなった。さらに第5シリーズに続いて3人目の生徒の逮捕者が出て、そのまま桜中学に戻れず少年院へ送られるという悲しい結末を迎えた。
桜中学に忍び寄るドラッグの魔の手。丸山しゅう(八乙女光)の父親が覚せい剤に手をつけ、家庭が崩壊。母親から虐待を受け、覚せい剤絡みでヤクザに追われ、親友の小塚崇史(鮎川太陽)が飛び降り自殺を図って意識不明の重体となり、精神的に追い詰められていたしゅうは自ら覚せい剤に手を出すようになってしまう。
このシリーズの途中、これまで脚本に関わっていた小山内美江子がスタッフと確執を生み離脱。第7シリーズでは危うく打ち切りの危機となった。
第8シリーズ
2007年10月11日放送開始。
今作のシリーズは人種差別や普及したインターネットを悪用し生徒や教師の誹謗中傷を記載した裏サイトを巡り様々な問題に立ち向かう。
第1話で金八が生徒一人ずつに渡したノートに書き綴られてるは「世界に一つしかないノート」。本シリーズでは、生徒一人一人が主役としてスポットを変え続けていく。
脚本は第7シリーズの途中より引き続き清水有生(原作は小山内)。しかし、第8シリーズでは視聴率が2ケタを切る週が続くなど苦戦を強いられた。そのせいかファンの間では黒歴史とされている程。
3年B組金八先生 ファイナル 最後の贈る言葉
2011年3月27日放送。4時間スペシャル。
素行不良で各中学を盥回しにされてきた不良生徒・景浦裕也(岡本圭人)は、桜中学に転校後も教師に暴力を振るったり、『ハレ晴レユカイ』を踊る生徒にはガンを飛ばし、寝転んでいる生徒にはカツアゲを繰り返し、得た金をゲームセンターで使う日々だった。景浦のせいで受験勉強に支障をきたすと不快に感じた3B生徒達は景浦を裏で排除しようと画策したり直接関わろうとしなくなる。その後、理科の教師に再度暴行を加えた景浦は警察に補導されるが、鑑別所送致で再び3B教室へ戻ってくるも反省の色がまるで見えていない。そんな景浦を見かねた桜中学のOBが動き出す。
その一方で、金八は定年退職を間近に控える中、狭心症で病院に運ばれてしまい…
登場人物
- 坂本金八(さかもときんぱち)
- 大森巡(おおもりめぐる)(演: 鈴木正幸)
良くも悪くもお節介な性格で、何か地域で問題が起きるとすぐに首を突っ込もうとする。
金八を追い掛けようとして自転車から転倒するのがお約束。
175Rの「贈る言葉」や勇者ヨシヒコにもこの役で登場している。
ファイナルでは金八と同じく定年退職を迎えることが明かされ、定年後は交番指導員となって引き続き地域で活動していくと語っている。
生徒達
【第1シリーズ】
- 浅井雪乃(演:杉田かおる)
卒業後はインテリアデザイナーに就職した。
- 山田麗子(演:三原じゅん子)
【第2シリーズ】
- 加藤優(演:直江喜一)
- 松浦悟(演:沖田浩之)
当初は加藤と対立していたが、後に親友となる。中の人は1999年に借金と貧困を苦にして自殺を図りこの世を去った。
【第3シリーズ】
- 水野君恵(演:岸雅)
小学校時代と前の中学校時代に酷いいじめを受けたことが原因でクラスに溶け込むことができず、転入時から保健室登校をしている。
- 山田裕子(演:浦明子)
【第4シリーズ】
- 広島美香(演:小嶺麗奈)
高校入試で厚化粧して乗り込んだことも。2年時の担任にヤリ●ン呼ばわりされていた悲しい過去を持つ。
- 宮沢歩(演:橋本光成)
【第5シリーズ】
- 兼末健二郎(演:風間俊介)
最終話で審判の結果無罪となり家族仲も修復され、クラスメイトたちにこれまでのことを心から謝罪し和解する。その後は教師になるために大学に進学した。
- 小野寺良輔(演:香川佑太朗)
【第6シリーズ】
- 鶴本直(演:上戸彩)
- 成迫政則]](演:東新良和)
ファイナルでは法律事務所の弁護士を務める傍ら景浦に勉強を教えていた。
【第7シリーズ】
- 飯島弥生(演:岩田さゆり)
お菓子作りが得意で後にその才能を生かすためにパティシエととして就職。
「みんなと一緒」が口癖。
- 丸山しゅう(演:八乙女光)
【ファイナル】
- 景浦裕也(演:岡本圭人)
父の死をきっかけに中学生になってからグレ始め、やがて暴行や恐喝をする問題児となっていった。
電流実験でクラスメートを庇い理科教師に暴行を加え、警察に連行される。
受験勉強を条件に復学し、金八と同居する事となるが歴代卒業生らの助けにより徐々に更生していく。
小さい頃は亡くなった父と同じくゴルフが趣味だった。
その他
- 池内シカ((演:都家かつ江(第1シリーズ、スペシャル1)、千石規子(第2シリーズ)、大路三千緒(スペシャル2)))
第1シリーズと第2シリーズで金八が下宿をしていた雑貨店の「池内商店」の経営者で、池内友子の母親。
第2シリーズとスペシャル2の演者が別人なのは、都家女史が病気療養中で降板した為。
スペシャル2の放送前に都家女史が死去した為、スペシャル2~スペシャル3の間に死去した設定となった。
- 道政利行、道政明子(演:山木正義(利行)、大川明子(明子))
妻の明子(旧姓:大川)は第2シリーズの卒業生で結婚前は看護婦をしており、ある時入院した利行が明子に惚れて結婚した。
夫の利行も桜中学の卒業生である(明言されたのは小説版のみ)。
- 安井院長(演:柴俊夫)
ファイナルでは娘のちはるも同病院の医学療法士となっており、第6シリーズでは第4シリーズで桜中学の体育教師だった三宅範正(第7シリーズ以降は未登場)が、同病院の院内学級の教師となって勤務していた。
兼末健次郎の母方の伯父が高校の同級生だったことが縁で兼末家と家族ぐるみで付き合いをしており、兼末家の子供達のことも幼い頃から知っており、第5シリーズ時の兼末家の家庭事情を知る数少ない人物だった。
第6シリーズでは悪性リンパ腫を発症した金八の息子の幸作の治療に全面協力し、第7シリーズでは覚醒剤事件で逮捕された丸山しゅうの体内から覚醒剤を抜く治療を引き受けた他、桜中学で行われた緊急保護者会に出席して、未成年者の薬物汚染の現状についての説明を行い、ファイナルでは金八の狭心症の検査を担当した。
- 兼末雄一郎(演:須藤公一)
東大に現役合格するほどの秀才だったが、入学後に人間関係の悩みや家族との関係悪化も影響して部屋に引きこもり、家庭内暴力を振るうようになってしまい、この事が健次郎の心に大きな影を落とす一因となった。
深夜になるとジョギングをする為に度々家を抜け出して町を徘徊しており、その姿を見た大森からは「怪物」と呼ばれて追われており、周囲にはアメリカに留学していると語られていたが、ある時大森に追われている最中に道政夫妻が運転する軽トラックと交通事故を起こして顔を見られ、嘘であることが露見してしまう。
退院後に家を出て一人暮らしを始めようとするも、息子を手放したくない一心で心中を仄めかして包丁を持ち出した母と揉みあいになり、止めに入った健次郎が誤って母親を刺してしまう結果となってしまった。
事件後家族と和解して新聞配達のアルバイトをしながら、服部肇が園長を務めるフリースクールを手伝うことになり、本来は弟思いの優しい性格の持ち主だった為、フリースクールの子供達からも慕われていた。
第5シリーズと第6シリーズの間に制作されたスペシャル10と第6シリーズにも登場しており、東大に復学した後もボランティアでフリースクールの手伝いを続けている様子が見られた。
成迫政則が父親の事件に関与した悪質な出版社を相手に名誉毀損の訴訟を起こすことを決めた際には、自身の体験を成迫に話し、服部達と共に彼を応援することを快諾していた。
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