喋ってる方が数字がいい~歌なしじゃうたばんにならないのか~♪
歌・山崎まさよし
概要
とんねるずの石橋貴明とSMAPの中居正広が司会を務めていた音楽番組。
1996年10月15日から2010年3月23日まで、TBS系列にて放送された。
「うたばん」というタイトル通り、番組内容は歌番組である(はず)。
なお、2時間特番の時はタイトルが「とくばん」に変わる。
「良質な音楽番組」を自称しているものの、内容はむしろバラエティ番組に近い。
- ゲスト(おもに嵐の大野智)が持ってくるみやげ物が(たとえハワイ帰りであろうと)ダサいちょうちん一択。
- 当時とてつもなく値が張ったCGを歌のパフォーマンス中にではなく、あくまでトークを面白くするために使う。
- 秀逸なテロップなど。
他の歌番組では見られない、独自の演出やお約束と濃さを持ったカオス番組だった。
アーティストを弄るのを得意とし、なんだかんだで歌番組でしか為し得ない面白さを持っていた。
このような手法は、ほぼ同時期に放送されていたHEY!HEY!HEY!とほぼ似通っていたが、出演アーティスト側もそれぞれの番組でトーク内容が被らないよう、非常に協力的な姿勢だった。
また売りだし中だったモーニング娘。を大きく取り上げ、つんく♂に貢献した番組でもあった。
EveryLittleThingの伊藤一朗こといっくんも、この番組で一気に知名度が上がった他、現在のバラエティでのキャラを確立させた。
番組を見ていた人間なら、伊藤一朗、飯田圭織、そして保田圭は、それぞれ「いっくん」と「ジョンソン」、「保田大明神」と言ったほうがしっくり来るに違いない。
キャラいじり大好きなMC二人の餌食となった三人は秘めていた強めのキャラを爆発させ、番組にも大きく貢献をした。もはや準レギュラーであった、といっても過言ではないだろう。
とんねるずと縁があるためか、松田聖子もかなり頻繁に出ていた。
末期
終盤は視聴率低下や、TBSの編成事情に伴い放送時間・曜日がコロコロ変わり、先述の2010年3月23日にひとまず終了した上で、同年4月20日からは「ザ・ミュージックアワー」というタイトルに変更したが、視聴率は上がらず、2010年9月14日をもってついに終了、14年の歴史にピリオドを打った。
「ザ・ミュージックアワー」の終了直前に、中居が「ゲスト俺!」歌手中居正広として、新アルバムから自らのソロ曲「Memory~June~」をネタ一切なしのガチで歌った。
ひょっとしたら、14年間付き合ってきた、うたばんという、なんとも歌番組らしからぬヒネた歌番組を、歌手として、せめて最期は歌で看取ってやりたいという中居の意思だったのかもしれない。
うたまるくん
番組開始から数年経った頃に作られたマスコットキャラクター。狂人。
アイキャッチ用のアニメに登場するほか、スタジオのセットにも紛れている。
登場人物含めてどことなく他局の国民的アニメに似ているが目つきが悪く、言動はとてつもなくブラックでエグい。
CVは西原久美子。キャラクターデザインは薮内省吾、アニメーション制作はタツノコプロが担当。
その他
- 司会の片割れがジャニーズにもかかわらず、ジャニーズのグループでもゲストライブ止まりでトーク席に中々座らせてもらえなかった状態が一年以上続いた事すらあるというとんでもない番組である。これはモー娘。の当時の勢いが凄まじかったのもあるが、それ以外のゲストも中々の個性派揃いで数字が取れるゲストを優先して呼んだため。どれだけ極端かというと19(ジューク)のようにトーク枠の大半を独占しておきながら一曲も歌わなかったゲストが出演した回すら存在するほど。うたばんの目玉が嵐に移行してからはこの傾向は弱まっている。
- うたばんの構成作家はご存知秋元康である。しかし意外にも彼の看板アイドルであるAKB48やその派生グループは一度もゲストに出たことがない。
- お笑い芸人が歌手ゲストとして起用される時もあるが、石橋・中居の進行により、なかなか素直に歌わせてもらえないというのがお約束で、果てには曲の途中で終了させられてしまう例が出てしまった。因みに余談だが、彼らが披露した曲のいくつかは現在TBSメインで放送しているロボットアニメシリーズと同じ制作会社が手掛けている他局のコメディアニメの主題歌でもある。
- 初期は芸人ではなく、売れてない歌手を複数集めてゲームで勝ち取った時間だけ曲を披露するコーナーなどもやっていた(その中には何とあのポルノグラフィティもいた。デビュー曲が売れていたにもかかわらず)
- また収録が午前0時を越えると、労働組合との取り決めにより強制的にスタジオの照明が落ちるというパターンも度々あった。
- GACKTがゲストの際は専用の照明になり特殊なBGMが流れる。
- 野猿はMCが石橋貴明ということもあって「とんねるずのみなさんのおかげでした」の次に多く出演。ライバル(?)であるモーニング娘。との対決企画も行われた。
- 「(石橋の)強烈なノックを取ることができたら、俺に「ギャランドゥ」を歌わせてほしい」という賭けに勝った木梨憲武が実際にフルで歌ったことがある。
- L'Arc~en~cielのhydeが(当時の)理想の嫁さんと結婚できたのはこの番組がきっかけだったりする。
- 嵐の大野智とは毎回お土産に持ってくるダサいちょうちんをめぐって、悪態をつく大野につかみかかろうとする中居正広を嵐の他メンバーが止めるのがお約束の下克上コントが行われており、石橋貴明が大野になにか入れ知恵をするのもお約束となっていた。
- 人気だった番組での飯田イジりや嵐との下剋上コントのフォーマットは他番組のミュージックステーションでもアドリブで展開されたことがある。
- 番組タイトルロゴの「うたばん」は石橋貴明の娘、穂乃香が書いたものである。
- 0930(おくさま)という、どう見ても素人としか思えない宮崎県出身の女子高校生コンビが準レギュラーとして出演、出演するたびに歌を披露していた。
- アニメ制作会社、ufotableは設立当初に番組のオープニングアニメーションの制作を請け負っていた。
- 2018年11月7日、UTAGEの3時間特番に石橋貴明がサプライズ登場。TBSにて約8年ぶりのうたばんコンビ復活となった。
- 2021年4月2日、中居のTBS冠番組でもある金スマにモーニング娘。とOGが出演するが石橋がサプライズで出演した事で久しぶりにうたばんMCとモーニング娘。が勢揃いした。