曖昧さ回避
- 同名の漫画、テレビ朝日制作のアニメ、その他メディア展開。本項で解説。
- 同名の主人公。→ドラえもん(キャラクター)
- 同名のファミコン用アクションゲーム。→ドラえもん(FC)
- 星野源による同名の楽曲。→ドラえもん(星野源)
- 同名の日テレ版のアニメ。→日テレ版ドラえもん
概要
藤子・F・不二雄(藤本弘)による国民的な漫画作品。
藤本による漫画は、足かけ28年にわたり執筆された(他者による漫画も含めれば55年以上にわたり執筆が続いている)。
2023年には最初のアニメ化から50周年を迎え、2024年には放送中のテレビ朝日制作のアニメが放送45周年を迎えた。日本で『ドラえもん』を知らない人はまずいないだろう。
世界的にも人気が高く、pixivにも多くのイラストが投稿されている。
pixiv内外を問わずネット上ではネタ絵も多いが、それだけ身近な存在だからだろう。
そして当然のことではあるが、『ドラえもん』という漫画の作品の神髄をついた名作も数多く存在する。
なお、手塚治虫は新人の作品・表現・絵に関して「これなら僕にも描ける!」とライバル心を燃やしていたが、『ドラえもん』に関しては「これは描けない」と言っていたという。
『ドラえもん』の作品数は、大長編を含めると1345話あるとされる。藤本は毎月10年以上にわたり『小学一年生』から『小学六年生』まで、学年ごとに作風や趣向を変えた作品を6作執筆し続けており、その他にも一時は『てれびくん』向けの作品や大長編ドラえもんも執筆していた。
海外展開では、翻訳された原作漫画と吹き替えアニメ版がこれまでアジア圏、中南米、アラビア語圏、ロシアやイスラエルなどで出版・放送されていた。
アメリカやカナダでは、翻訳された原作漫画が電子書籍として流通していたが、アニメはディズニーがテレビ朝日から放送権を取得し、2014年夏に全米デビューが決まった。
ディズニーチャンネルでは、北米版のドラえもんを『DORAEMON』として二ヶ国語版を放送している。
アニメ版
日本テレビ版
1973年4月〜9月にかけて放送された。
諸事情により僅か半年で放送を終了してしまう。
詳細は日テレ版ドラえもんより。
テレビ朝日版
1979年に放送開始。アニメ製作はシンエイ動画。
当初は平日の帯形式で制作・放送(関東地方など一部地域のみ)。これと並行して全国向けとして日曜朝の30分枠でも放送されていた。
1979年から2005年までの26年間をテレ朝1期(大山版ドラえもん)、声優陣を一新した2005年4月から現在までをテレ朝2期(水田版ドラえもん、わさドラ)と区別している。詳細は各項目にて。
1981年に金曜19時枠に移行し、わさドラ版移行後も2019年9月までその枠で放送された。
2019年10月にテレ朝金曜ゴールデン枠の大規模改編が発表され、土曜午後5時枠に移動した。
その際『クレヨンしんちゃん』と共に「ローカル枠格下げで地方によっては早朝深夜の放送か、打ち切りの地域が出るのでは?」という意見もあったが、最終的には全国ネットが維持された。
移行した理由についてはテレビ東京で放映されている作品と同様の理由によるもので、金曜時代末期には特番による放送休止が頻発しており、視聴習慣が育たないという懸念があったことも大きい。
実際土曜移行後は特番による休止が無くなり、ほぼ毎週放送されている(これについては一足先に土曜日夕方に移行した「名探偵コナン」も同様)。
一方、「関西地方では全国高等学校野球選手権大会の影響で『ドラえもん』の放送が休止されることも増えるのでは?」という声も挙がっており、実際その通りとなった。
とはいえ金曜というイメージは根強かったのか、2020年4月3日からBS朝日の金曜19時枠で「クレヨンしんちゃん」と共に放送を開始、半年のブランクを経て金曜夜のドラえもんが帰ってきた(放送内容は地上波放送の6日遅れ)、…のだが2023年9月29日を以てクレヨンしんちゃんと同時に終了。
あらすじ
ある日、勉強も運動も苦手でドジな小学生・野比のび太の元に、机の引き出しから、未来から来たのび太の孫の孫(玄孫)だと名乗る少年セワシと、青いネコ型ロボット・ドラえもんが現れる。
セワシは「このままじゃお祖父ちゃんは悲惨な人生を送ることになる」という忠告と共に、ドラえもんをのび太の教育係として置いて行く。
初めは混乱するのび太だったが、ドラえもんが持つひみつ道具の力を知り、セワシから伝えられた未来を変えるべくドラえもんを迎え入れ、一緒に暮らすことにする。
無事に野比家の居候となったドラえもんは、のび太の悲惨な運命を変えるべくひみつ道具で様々なピンチを救い、彼が幸せな未来を歩めるよう奮闘する。
かくして、ネコ型ロボットと少年の2人の友情物語は幕を開けるのだった。
歴史
『ドラえもん』は1969年12月に、小学館の学年誌『小学四年生』、『小学三年生』、『小学二年生』、『小学一年生』、『よいこ』、『幼稚園』の6誌(1970年1月号)で連載が開始されたのがはじまりである。そのため、「第1話」が6つ存在する。作者の藤本によると、前号に新連載の予告を出したものの、締め切りの直前までアイデアがまとまらなかったという。
当時の「藤子不二雄」は藤本弘と安孫子素雄の共通のペンネームで、単独作でも合作でもこのペンネームで発表しており、『ドラえもん』も「藤子不二雄」名義で発表されたが、『ドラえもん』は藤本の単独執筆作であり、安孫子は作品の執筆には関わっていない。
1973年から、高学年向けの『小学五年生』、『小学六年生』で連載を開始。
なお1973年4月には、日本テレビ系列でアニメの放映が開始されたが、半年間で放映を終了している(詳細は日テレ版ドラえもんを参照)。
『小学四年生』1971年3月号と1972年3月号には、ドラえもんがのび太と別れて未来に帰る内容の最終回が掲載されているが、これは当時『小学五年生』にはドラえもんが連載されていなかった為である(詳細は「ドラえもん未来へ帰る」及び「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」を参照)。
読者が進級・卒業していく学年誌である都合上、ドラえもんが未来に帰る最終回のような区切りのエピソードは何度か描かれた。
なお、てんとう虫コミックスの6巻に収録されている「さようならドラえもん」は、もともと次号の「帰ってきたドラえもん」に続く予定で掲載されており、最終回ではない。
1974年から1986年までは、小学生の全学年に向けてそれぞれ内容を変えたものを毎月6作描いて同時並行して連載していた。そのため、各作品を見比べると小学1年生から6年生までの年齢の違うのび太が登場する内容になっていることがわかる。
単行本化にあたり設定が統合されており、漫画においてはのび太は小学4年生ということになっている。
単行本は「てんとう虫コミックス」のレーベルで1974年から刊行を開始し、現在も版を重ねるロングセラーになっている。
てんとう虫コミックスの単行本はあくまで選集であり、掲載順でもなければ連載順でもないため、ひみつ道具や人物の初登場のタイミングがずれるorそもそも収録されていない話が多数ある(収録されなかったエピソードのほぼ全話は『藤子・F・不二雄大全集』で読むことができる)。そのため、ドラえもんの(特に初登場の)豆知識に関して各所で間違いや勘違いされた記載がある場合もわりとあったりする。
一時期は『てれびくん』でも連載を行い、『少年サンデー』の増刊号にも読切が掲載されたことがある。
1979年にはテレビ朝日系列でアニメが放映を開始し、昭和と平成のテレ朝ネットワーク拡大の主力として活躍し、開始時マストバイ局が9局でスタートだったのが15局も増え、最終的にはマストバイ局は24局となった。
更に同年からは映画の原作となる大長編も『コロコロコミック』で掲載され、1980年から映画も毎年春に公開されるようになった。
1986年に作者の藤本が胃癌を患い一時休載(雑誌には過去の作品を再掲)を余儀なくされる。この時期に公開された映画『パラレル西遊記』は、原作漫画の存在しない作品になっている。1988年の藤子不二雄の独立に伴い、『ドラえもん』は「藤子不二雄Ⓕ」名義の作品となった(1989年からは「藤子・F・不二雄」名義)。
1988年から学年誌での連載を再開したものの1991年に藤本が肝臓癌を患い再び連載を休止。1991年4月に発表された「こわ~い!『百鬼線香』と『説明絵巻』」が事実上の短編最終作となった。
以後は大長編に絞って創作が続けられた。1994年には中編「ガラパ星から来た男」が学年誌に掲載されたが、1996年9月に藤本は大長編『ねじ巻き都市冒険記』連載中に永眠した(「ガラパ星からきた男」は単行本最終巻の最後のエピソードとなった)。
しかし1996年1月に藤本は「ぼくは『ドラえもん』をまだ描き尽くしたとは思っていない。徹底的に、あと一滴も絞れないというところまで絞って描いてみたいんです」とインタビューで語っており、まさにドラえもんは藤本のライフワークであったと言える。
ネタ切れの懸念があったことから1980年代前半からアニメオリジナルエピソードが登場するようになった。そのアニオリも原作漫画を翻案したものから感動系や時事ネタ、更にカオス&シュールと多岐にわたる。
なお、倫理的な観点から現在もアニメ化が見送られている原作エピソードも少数ながら存在する。
藤本の没後もテレビアニメは放映を続けていたが、2001年に大山のぶ代が重度の直腸癌を患ったことをきっかけにドラえもん役の降板を表明。その後2005年には声優陣を一新してリニューアルが行われた。
映画も前述のリニューアルが行われた2005年と、COVID-19の影響で公開が延期された2020年・2021年を除き、毎年春に公開されている。
ちなみに、一時「ドラえもんがバッテリー切れになって動かなくなってしまい、そこからのび太が一念発起してロボット学者になりドラえもんを治す」というストーリーが「ドラえもんの最終回」として広まったことがあるが、これはあるファンの作成した二次創作であり、原作者及び公式が発表した正規のストーリーではない。
人気
大筋としては、のび太が引き起こした事件やのび太達の周りで起こった事件を、ドラえもんがひみつ道具を取り出して解決する話が大半を占める。
恐らくそれが人気の一番の理由である。しかしそれだけではなく、環境問題や種族を超えた愛と友情、社会に対する痛烈な皮肉など、大人が読んでも考えさせられる内容であることも理由としてあげられる。
ドラえもんと教育
F先生が環境問題に興味があったこともあり、連載後期になると啓蒙色が強い内容が多くなる。その為、それらの要素が注目されたり、トヨタCMシリーズや『STAND BY ME ドラえもん』公開以降は感動要素やのび太達の成長がテーマにされることもあるが、雑誌掲載時のキャッチコピーや下記の原作者の発言を見れば分かる通り、本作はギャグ漫画であり、教育漫画ではない。
のび太にひみつ道具を与えて甘やかしてしまうドラえもんや、すぐにドラえもんやひみつ道具に頼るのび太に対する「子供の教育に悪影響だ」という批判の声は原作漫画の連載当時から上がっており、映像化されてからもより一層根強い声として残っているが、これは本作を教育漫画と捉えた為に起こった問題である。
原作者もこれらの批判について「『ドラえもん』は主人公が取り出すひみつ道具が日常生活に及ぼす影響を描く生活ギャグ漫画であり、のび太は読者が目指すべき理想像として描いていない。四次元ポケットから道具を取り出すのは効率的手段であり、効率的であることが悪いことだとは思わない」「のび太がマイナス要素を多く持っているお陰で、それを救うドラえもんをヒーローのようにカッコ良く描くことが出来る」と反論している。同時に「のび太は僕自身なのです」とも述べている。
のび太が精神的に成長する様子が描かれているエピソードも一定数存在するが、実際にはひみつ道具の楽しさを描いたエピソードや、のび太や他の人物、時にはドラえもん自身がひみつ道具を使用して調子に乗ったりミスによって痛い目を見るエピソードが大半を占めており、のび太の成長が描かれたエピソードはむしろ少ないと言える。
そもそも『ドラえもん』はのび太の成長を描く話ではなく(作品の一要素ではあるが決してそれがメインテーマでは無い。実際に原作者が1981年のインタビューで「のび太は連載11年にも及ぶのにいささかの進歩も無い」と述べている)、上記の通りドラえもんがひみつ道具を取り出してのび太(=読者である子供)達の願いを叶える物語であり、「のび太がドラえもんを頼るのは作品テーマから考えて当然」という意見も存在する。
サザエさん時空問題
アニメ放送はテレビ朝日版から数えても2019年をもって既に四十年を超える程の長寿シリーズであり、原作連載時の価値観と現視聴者の価値観との乖離が問題視されている。
例えば、原作版ではのび太の一ヶ月分の小遣いは500円なのだが、それを貰う際は既に発行されていない五百円紙幣だったり、のび太のパパが戦時中に生まれ育ったことを前提としたエピソードが描かれているが、後の時代においてその設定を引き継げばパパは既に80歳を超えてしまうことになる。
これは戦後間もない日本を舞台にした『サザエさん』にも言えることで、現代よりも数十年以上も昔に作られた古い作品である以上、サザエさん時空と化してしまうのも仕方ないことではある。
現在放送されているアニメシリーズでは、初期こそのび太のパパが戦争を経験している設定で描かれたエピソードが放送されていたものの(2005年版「白ゆりのような女の子」)、2007年5月11日の放送からはのび太達の服装や電気製品等を現代(放送時期)のものに合わせる措置が取られるようになった(参考)。
他にも2011年版「ウルトラリング」以降のエピソードでは、これまで野比家の居間に置かれていたブラウン管テレビが薄型液晶テレビに変更されている。
令和からは「シンセキの巨人」、「キメテの包丁」、「スッパイファミリー」など原作掲載時にも見られた放送当時に流行った作品が元の漫画やテレビ番組名が使われるとSNSなどで反響が大きい、「うる星★ケニア(原作ではうる星ケニヤ名義)」という原作の由来の物も相変わらず登場するが放送された2023年08月12日の前年度と来年度でネタ元のアニメのリメイク作品が放送しており原作由来なのに先述の3作品同様にタイムリーなネタだったりする。
アニメ版の作風の差異
大山版初期は作画が安定しなかったが、1985年頃からキャラクターデザインが固定化、大山版と聞いて思い浮かべるあの絵柄が完成し、最終回までこのデザインが維持された。
2005年のリニューアルにあたっては原作準拠のキャラクターデザインやお色気描写の大幅な減少、服装の現代化など大きな変化があった影響で、初期には大山のぶ代版アニメ派と水田わさび版アニメ派によるファン同士の対立が激化、その後も少なからず発生している。
また、人気キャラクターであるドラえもんズが事実上リストラされた部分も大きく、復活を求めるファンも多い。
登場人物
詳細はドラえもんの登場人物一覧を参照。
劇中劇
雑学
- グリーンドラえもん
名古屋テレビとタイアップしたグリーンキャンペーンのマスコット版ドラえもん。青の部分が緑に変更されており、『魔界大冒険』公開時に缶バッジが配られた。
- トラえもん(大山のぶ代版アニメオリジナルキャラクター)
原作版では確認されていない。シンエイ動画、大山のぶ代版アニメでも初期に放送されたエピソード。ドラえもんと同じ形だが黄色地にトラ縞が入っていて性格が悪い。
虎ノ門ヒルズのマスコットキャラクター。同じ会社(森ビル)の運営による六本木ヒルズにテレ朝本社が入っていた事から、藤子プロ協力の下でデザインされた。ドラえもんよりも100歳年上とされる。設定上はネコ型ビジネスロボット。
1970年代前半にピープロ社長だった鷺巣富雄氏が直々に企画書を書くもお蔵入りとなる(詳細はリンク先を参照)。
関連タグ
藤子・F・不二雄 藤子不二雄 コロコロコミック SF(すこし・ふしぎ) ギャグ漫画
ドラえもんのエピソード一覧 ドラえもんのカップリング一覧 ドラえもんのコラボタグ一覧 ドラえもんパロ
表記揺れ
評価タグ
ドラえもん100users入り ドラえもん500users入り ドラえもん1000users入り ドラえもん5000users入り ドラえもん10000users入り
代表的なひみつ道具
タイムマシン タケコプター どこでもドア もしもボックス スモールライト/ビッグライト 四次元ポケット タイムふろしき
派生作品
日テレ版ドラえもん ザ・ドラえもんズ ドラベース ドラれおん
ゲーム版ドラえもんシリーズ
詳細は「ドラえもんのゲーム一覧」の記事を参照。
映画作品
一覧は「映画ドラえもん」記事を参照。
ドラえもん誕生日スペシャル
- 2007『ドラえもんが生まれ変わる日』
- 2008『ドラえもんの青い涙』
- 2009『ドラえもんの長い一日』
- 2010『決戦!ネコ型ロボットVSイヌ型ロボット』
- 2011『走れドラえもん!銀河グランプリ』
- 2012『アリガトデスからの大脱走』
- 2013『真夜中の巨大ドラたぬき』
- 2014『地底100マイルちょっとの大作戦』
- 2015『のび太特急と謎のトレインハンター』
- 2016『天才のび太の飛行船ゆうえんち』
- 2017『謎のピラミッド!?エジプト大冒険』
- 2018『クジラとまぼろしのパイプ島』
- 2019『未来の迷宮おかし城』
- 2020『ウルトラミキサー』、『ムードもりあげ楽団』、『のび太の恐竜』
- 2021『どら焼きが消えた日』
- 2022『ドラヤキ星人の逆襲!?』『さがせ!野比家のへっぽこご先祖さま』『勝利を呼ぶチアリーダー手ぶくろ』
「春一番!日本一のアニメ祭り」で共演したキャラクター
坂本あっこ:ハーイあっこです
アニメで登場した他番組(アニメ以外)
ゲーム作品とのコラボ
太鼓の達人、モンスターストライク、牧場物語、グランブルーファンタジー
テレビシリーズ主題歌
日本テレビ版
(記事が作成され次第、追記をお願いします)
テレビ朝日版
関連外部リンク
アスキーアート
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