概要
国民的な長寿アニメであるテレビアニメ『ドラえもん』の劇場版作品。
1980年より毎年3月に子供の春休みの時期に合わせ公開されている(声優交代の行われた2005年と新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年、2021年と番外編を除く)。
映画のみしか登場しないキャラクターも数多くおり、テレビアニメにはない展開や涙を誘う壮大な物語も多い。
各作品名はほぼ「ドラえもん のび太の(と)○○○」となる。原作漫画やTVアニメ版が「何かがほしい欲望の発生~叶えられる~関係が破綻して終わり」であるのに対し、まず「どこかへ行きたい」「何かしたい」という欲望が生まれ、そこへ行くと先住民がいてその中の誰かと仲良くなり、悪者との対決が発生し、通常の生活へ回帰するというフォーマットになる。
ほとんどの映画シリーズの作品設定で共通の鉄則があり、それは「主人公たちが暮らす日常世界に影響が及んだり、痕跡が残らない」こと。物語で何らかの事件や問題が起こっても、それはドラえもんたち以外の日常世界の人々に知られず解決され、ドラえもんやのび太達は日常世界に帰るのがほとんど。世界の滅亡や歴史改変のような事態が起こっても、ドラえもん達が解決するかタイムパトロールなどの力を借りて何事もなく元通りになる物語もある。
映画ドラえもんでよく見られる傾向として、普段はダメな少年として描かれることが多いのび太がここぞという場面で覚醒し、普段は乱暴者のジャイアンが仲間を思いやる勇敢な漢として描かれる(ただし藤子・F・不二雄氏没後は性格が改変されることがしばしばあり、『奇跡の島』でののび太及びしずかの言動や、『南極カチコチ大冒険』でのジャイアン及びスネ夫の言動が問題視される等ということがある)。
しかし肝心のドラえもんは主人公でありながら目立った活躍が出来ないことが多く、その主な原因として四次元ポケットを失くしてひみつ道具が使えなくなったり、自身が窮地に追い込まれたりする。
また、危機的状況が発生した際に大慌てする癖が災いし、ひみつ道具を組み合わせて使う事を思いつかなかったり、或いは存在そのものを失念し、後から気付いて後悔する描写も多い(ただし全ての映画作品でそうなっているわけではなく、『海底鬼岩城』や『日本誕生』及び『新・日本誕生』、『ロボット王国』や『ひみつ道具博物館』等のように、主人公のドラえもんが中心となって大活躍を見せる作品も存在する)。
第1作目から第25作目まで別作品との同時上映がされており、ゴジラシリーズから始まり、同じ藤子・F・不二雄作品、藤子不二雄A作品など。
ドラミちゃんやザ・ドラえもんズなどドラえもん関連作品との同時上映は第10作目から。
第1期は制作協力に大手が多いのが特徴。初期からスタジオディーンやシャフトなど既に元請けの大手だった会社が加わっており、中盤からは京都アニメーションも常連に加わっている。
新作は下請け専門の会社に委託されている。
第1期時代はTVと同じOPで始まり各固有のEDで終わるという構成だった。『宇宙開拓史』まで「ぼくドラえもん」が使われ、アバンパートがなく、東宝の配給アイキャッチの直後にOPに入った。『大魔境』から「ドラえもんのうた」に変更され、アバンパートが追加され、『鉄人兵団』からはOPに入る直前にのび太が「ドラえも~ん」と助けを呼ぶのがテンプレートとなった。F氏逝去後の作品では、のび太以外が呼ぶこともあり、大山のぶ代版最後の『ワンニャン時空伝』や水田わさび版の『ひみつ道具博物館』では逆にドラえもんがのび太の名前を叫んでいる。
主題歌は、かつて藤子・F・不二雄氏の友人でありファンでもあった武田鉄矢が作詞作曲を手がけていたが(『魔界大冒険』は除く)、『ねじ巻き都市冒険記』を製作途中にF氏が逝去した為、武田氏は「僕のドラえもん映画における役割は終わった」と言って前作の『銀河超特急』を最後に降板。以降は各々のアーティストが担当するタイアップ曲となっている。
第1作『恐竜』が作られた当時は、長編アニメ映画はまだ試行錯誤段階だった。本作が興行収入15億円という商業的大成功を収めたことで、長編アニメ映画は定番化した。
なおテレビ版(大山版)が大ヒットしたのに注目した東映が東映まんがまつりにテレビ版のブローアップ短編を要望したのに対して藤子・F・不二雄氏が映画館で見るなら長編でないと、と断ったという経緯があり、長編でのび太の恐竜が制作されることになった。
これを受けて、『宇宙開拓史』以降、制作費が上乗せされ、長編映画では当然となったドルビーステレオが採用された(上映館によっては非対応)。
ナンバーからは外されているが、『ぼく、桃太郎のなんなのさ』という映画が夏休みに公開されている。
『宇宙開拓史』以降、『パラレル西遊記』までは他の藤子作品と同時上映となるのが常だったが、同年に藤子不二雄が正式解散した後は『ドラえもん』のスピンオフ作品の中編が同時上映となった。藤子不二雄A作品との併映は、同年が最後である。
映画の公開と同時期に漫画版も発売されているが、映画と比べて脚本が少し(場合によっては大幅に)異なり、大人でも楽しみるようになっているので、映画を見た人でも一読の価値あり。
一覧
第1期
第2期
2008年から2016年までは1年おきに新規の作品と1期作品のリメイクを織り交ぜていたが、2017年以降では新規の作品が連続している。
『恐竜2006』『新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』など原作の長編が存在する作品は随所にオリジナルキャラクターや展開が挿入されている(『新・大魔境』は原作にほぼ忠実)。
同時上映作は存在していないが、前期作品の内『ぼく、桃太郎のなんなのさ』『帰ってきたドラえもん』『のび太の結婚前夜』『おばあちゃんの思い出』『ぼくの生まれた日』は番組内で中編エピソードとしてリメイクされた。
第2期時代に入ってからは、TVOPは原則使われていない。
2期が地上波で放映される際、放送尺の都合でエンディングは必ずカット、しずかが裸になるシーンに規制が入る、お風呂に入るシーンが丸々カットなどの処置が取られている。
番号 | タイトル | 公開年月日 | |
---|---|---|---|
26 | のび太の恐竜2006 | 2006年3月4日 | |
27 | のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜 | 2007年3月10日 | |
28 | のび太と緑の巨人伝 | 2008年3月8日 | |
29 | 新・のび太の宇宙開拓史 | 2009年3月7日 | |
30 | のび太の人魚大海戦 | 2010年3月6日 | |
31 | 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~ | 2011年3月5日 | |
32 | のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜(のび太と奇跡の島) | 2012年3月3日 | |
33 | のび太のひみつ道具博物館(ひみつ道具博物館) | 2013年3月9日 | |
34 | 新・のび太の大魔境 | 2014年3月8日 | |
35 | のび太の宇宙英雄記 | 2015年3月7日 | |
36 | 新・のび太の日本誕生 | 2016年3月5日 | |
37 | のび太の南極カチコチ大冒険(南極カチコチ大冒険) | 2017年3月4日 | |
38 | のび太の宝島 | 2018年3月3日 | |
39 | のび太の月面探査記 | 2019年3月1日 | |
40 | のび太の新恐竜 | 2020年8月7日 | |
41 | のび太の宇宙小戦争2021 | 2022年3月4日 | |
42 | のび太と空の理想郷 | 2023年3月3日 |
番外編
番号 | タイトル | 公開年月日 |
---|---|---|
― | ぼく、桃太郎のなんなのさ(映画「21エモン」との併映) | 1981年8月1日 |
― | STAND BY ME ドラえもん(シリーズ初の3D作品) | 2014年8月8日 |
― | STAND BY ME ドラえもん 2 | 2020年11月20日 |
コラボレーション
2015年公開『宇宙英雄記』から2020年公開『新恐竜』までは、スマホゲームモンスターストライクとのコラボイベントを行っていた(2021年及び2022年は行われていない)。全キャラクターが無料で入手できる上に、性能も優秀で運極にする事も可能。ただし、他のコラボとは異なり半年でボイスが消える。
また、再コラボしても前の年のコラボキャラクターは復刻していない。実際に『新・日本誕生』コラボでは、『宇宙英雄記』のキャラクターは復刻していない。
ただし『新恐竜』では過去のコラボキャラクターがほぼ全て復刻されている上に、上方修正も入っている。その際、一時的ではあるもののボイスも復活した。
ちなみに入手出来るキャラクター達のストライクショットは全員既存ものな為、ガチャありコラボのように特別な演出はない。
2021年にはスマホゲーム『グランブルーファンタジー』とコラボを行うことになった。コラボタイトルは映画作品の基本形である「ドラえもん のび太の(と)○○○」に、グラブルにおける「空」等のワードを加えた「ドラえもん のび太の空飛ぶ船」。
イベントの開催は12月8日~12月20日。
ドラえもん(水SSR)、のび太(光SSR)、しずか&ジャイアン&スネ夫(光SSR召喚石)、空気砲(水SSR格闘武器)がそれぞれ実装。ストーリーをクリアでキャラクターを、イベントボスから取れるトレジャーを収集して召喚石と武器を手に入れられた。
初心者からデバッファーとして活躍出来るドラえもんと、初心者からアタッカーや控えの追撃要員として活躍出来るのび太と、どちらも無料配布されるキャラクターの中ではガチャ限に匹敵する性能を持つ。
2022年には『ぷよぷよ!!クエスト』にて『宇宙小戦争2021』とのコラボが実施。今作から事実上モンストの他に映画ドラえもんでのコラボを開始した作品が登場する。コラボキャラクターはいつもの五人(ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫)に今作のゲストキャラクターであるパピとロコロコ。いつもの五人にはボイスも付いている。
ただし今回のコラボは通常コラボに存在する「限定まんざいデモ」や「魔導石ガチャ」がなく、その代わりにマルチクエストで限定ストーリーが見られたり、コラボイベントでチケットが必ず1枚は貰えるようになっていたり、ガチャについては「ドラリス」、「どら焼き(強化素材)」、そしてコラボキャラのいずれかが当たる専用のチケットガチャになっている。その為、他作品のコラボよりもガチャが多く引けたり、コラボキャラを当てられる確率が高くなっている。
関連タグ
ドラえもん 映画 劇場版 アニメ映画 大長編ドラえもん 春映画
劇中登場キャラクター
ピー助 ロップル チャミー ペコ エル バギー 美夜子 パピ リルル ザンダクロス/ジュド ピッポ バンホー リンレイ ククル チッポ ニムゲ総長 ミクジン パルパル サピオ タップ トリホー ビタノ エモドラン 車掌さん キー坊 熊虎鬼五郎 リアン ゴロゴロ フレイヤ ティオ クク テムジン フー子 ポコ ジャンヌ グースケ イチ/ハチ シャミー ネコジャラ ズブ
映画ドラえもんを題材とした派生作品
ドラえもん(FC) ギガゾンビの逆襲(エポック社)
ゲームドラえもん(フリュー)