概要
映画ドラえもん第4作。1983年3月12日公開。
深海を舞台に、ドラえもんたちと海底人、そしてひみつ道具の水中バギーが滅亡したアトランティスの野望を打ち砕く物語。
この作品では冷戦や核開発に対する風刺も描かれている。
1995年にはミュージカル版が上映され、1997年には香港でもミュージカル版が上映された。ビデオ化もされている。
世界観・用語
人間から進化した種族。見た目は人間とほとんど変わらないが、水中で無制限に呼吸が可能で、深海の水圧にも耐えられる。
作中では海底で遊んでいたドラえもん達を拉致し、「招かれざる客」としながらも機密保持の為に強制的に市民権を与え、地上への帰還を許さなかった。いざドラえもん達が脱走を図ればやはり機密保持のため死刑に掛けようとした。しかし、鬼岩城の活動が再開されると打つ手が無くなり、エルの進言もありドラえもん達を頼って頭を下げる事となる。絶え間ない地上の戦乱を見届け、自身もアトランティスと長らく戦争を続けてきたこと、また鬼岩城の存在もあってか、やむを得ずとはいえ極端に閉鎖的な面が強い。とはいえ、エルのように救われた恩を忘れず、法廷の冷酷な態度に「同じ海底人として、ぼくははずかしい」と感情を露にしたり、先の国境やぶりについて「一万年も昔に定められたカビの生えた法律」と断じドラえもん達を弁護したりするなど、決して人間らしさのない民族ではないようだ。
ムー帝国を敵視していた海底国家。核開発に失敗し、自らが作ったバリアーの中で放射能が拡散したため千年前に滅亡した。しかし帝国を管理していたコンピューター「ポセイドン」はまだ生き残っている。首都は現在のバミューダトライアングルの真下にあり、この上を通る船や航空機はバリアーに触れて破壊されてしまう。ムー連邦は鬼岩城を無力化すべく七千年以上に渡って侵攻を繰り返しているが、バトルフィッシュや鉄騎隊といった戦力やバリアーの前に為す術なく撃退されている。
- 鬼角弾
レギュラーキャラクター
- ドラえもん
決戦時には、スモールライトを武器とする。
スモールライトが電池切れを起こしながらもポセイドンの許に辿り着くが気を失ってしまう。
- 野比のび太
戦いの最中、ショックガンのエネルギーが切れ、エルと共に窮地に陥った。
- しずか
仲間たちが倒れていく中、彼女が流した涙が1人の勇気を奮い立たせる…
- ジャイアン
戦いの最中、水圧砲を落っことしてしまい、スネ夫と共に窮地に陥った。
- スネ夫
戦いの最中、ひらりマントを落っことしてしまい(劇場版では破損)、ジャイアンと共に窮地に陥った。
ゲストキャラクター
アトランティスの軍事用スーパーコンピューター。海神の名が冠せられた通り、その外見はいかめしい兜をかぶった巨大な生首の姿を取っている。アトランティスが滅亡したことを認めようとせず、海底火山の噴火を誤認して全世界に復讐と称し鬼岩弾を放とうとする。
なお、ポセイドンを演じた富田氏は日テレ版ドラえもんでドラえもん役を演じていた。
- 鉄騎隊
アトランティス防衛用のロボット兵。イルカ型ロボットに跨り、トライデントで攻撃する。
- バトルフィッシュ
アトランティス防衛用の無人兵器。巨大な魚の姿をしている。
余談
この作品では相互確証破壊とムー、アトランティスがネタになっているが、ロシアの「死者の手」(「死の手」とも)システムのように祖国が壊滅しても自動報復するシステムは現実に存在する。
またイギリスの戦略原潜部隊は本国からのBBC放送が途絶したら祖国が壊滅したと判定して報復核攻撃を行うよう指示されていたとか…
海底クッキングマシーンを使っての料理でドラえもんはどら焼き、のび太はお子様ランチ、しずかはパンケーキ、ジャイアンはカツ丼、スネ夫はフィレミニョンステーキレアを注文。各々のキャラがよく表れているがこの影響なのか以降の大長編でジャイアンはカツ丼を食するシーンが多くなった。
山口晋監督は「メインキャラが死ぬのに抵抗がある」「海の中の描写は難しい」という理由で本作のリメイクを打診されるも見送ったと明かしている。
代わりに「宇宙小戦争2021」が創られた。
関連タグ
のび太の南海大冒険、のび太の人魚大海戦、のび太の宝島:同じく海が舞台の映画ドラえもん。前者はポセイドンを演じた富田耕生氏が演じる敵キャラが登場する。
ギガゾンビの逆襲:この作品が登場するゲーム。
のび太と雲の王国:この作品と同様、相互確証破壊がテーマ。
復活の日:スパイによって盗み出された新開発されたウィルスが、スパイが乗った飛行機が墜落事故を起こした事によって流出した事によって世界が崩壊した後を描いた本作の後半で、この作品と同様自動報復装置が地震を敵からの攻撃と誤認した事が引き金となって人類が滅亡の危機に立たされる問題が描かれている。