概要
2010年3月6日に公開されたドラえもん映画第30作にして第二期第5作。
連載開始40周年記念作。
96年の『のび太と銀河超特急』以来14年ぶりに武田鉄矢が挿入歌「遠い海から来たあなた」を担当したことで話題となった。
あらすじ
スネ夫のダイビングの自慢話を羨ましがったのび太から「自分もダイビングをしたい」と頼み込まれたドラえもんは、ひみつ道具で街を架空の水で沈め、疑似体験を行う。だが、魚を呼び込むために現実の海とつなげていたため、予想だにしない者が海から街へとやってきて……?
レギュラーキャラクター
ドラえもん
主人公。ひみつ道具「架空水面シミュレーター・ポンプ」で街を架空水で沈め、のび太と共にダイビング体験をする。その後も「おざしきつりぼり」で現実の海と空間を繋げ、「架空海水まきぞえガス」で海の生き物を架空水内に招き入れたのだが、凶暴なサメまで街中にやってきて大騒ぎになってしまった。
その後はのび太達やソフィアと共に海底へ行き、そこで降りかかる問題をひみつ道具で解決していく。中盤では攫われたしずかの救出に貢献し、クライマックスでもとあるひみつ道具を使用してブイキンに立ち向かう。
のび太
ドラえもんに頼み込み、町でダイビング体験をする。その後はソフィアと仲良くなり、終盤でも追い詰められた彼女を励ます。
しずか
中盤で敵に攫われてしまい、「テキオー灯」の効き目が切れかかる窮地に陥る。
ジャイアン
中盤で敵に捕らわれてしまった際、自慢の歌声で敵を苦しめた。
スネ夫
ジャイアンの歌を間近で聞いてしまい苦しんでいた。
ドラミ
序盤でドラえもん達に人魚の伝説についてを解説する。また、中盤からも「スペアポケット」の中を通ってドラえもんの元に現れたことで冒険に加担する。
ゲストキャラクター
人魚族
アクア星から地球へと逃げてきた宇宙人。外見はほとんど地球人と変わらない。
だが、直射日光にあたり続けるのはよくないらしく、ソフィアは気を失っている。
彼らが着ている服には魚のしっぽのように変形する仕組みがあり、それで泳ぐ姿は伝説通りの人魚の姿そのものである。(しずかの推測によれば、その姿が昔の人々に目撃されたのが人魚伝説が作られた要因だったとの事)
ソフィア
声 - 田中理恵
人魚族の王女。アクア星に帰ることを夢見ており、海底の都市を抜け出して地上までやってきた。
海を越えた地上のさらに上にアクア星があるとしか理解してなかったようで、空や太陽といった概念を知らなかった。
オンディーヌ
声 - 真矢みき
ソフィアの祖母。人魚族の現女王。息子夫婦はアクア星で怪魚族との争いに敗れて亡くなっている。
故郷であるアクア星に帰ると主張するソフィアに、できるわけがないと窘めている。
漫画版と映画版で容姿がまったく異なり、漫画版では老婆だが、映画版では年若い。
その厳しい物言いから誤解されやすいが、ソフィアを深く愛しており、ソフィアからも同じく深く愛されている。
ハリ坊
声 - 飯塚雅弓
王家の近衛兵隊長に属する兵士。天才的な口の悪さで、そのすさまじさは、相手を怒らせることにかけて右にでるものがいないと評されるほど。
その口汚さは瑣事をあまり気にしないブイキンでさえ激怒させ、冷静さを失わさせた。
怪魚族
アクア星で暮らしていたもうひとつの種族。外見は人間と深海魚が混ざり合った容姿の者が多く、某海賊漫画の魚人族と雰囲気がよく似ている。
かつてはアクア星で人魚族とも仲良く共存していたらしいが、ブイキン率いる怪魚族が一方的に人魚族を攻撃してアクア星の支配権をもぎ取った。
ブイキン
声 - 山野史人
怪魚族の王。全宇宙を支配するという野望を持った野心家で、あらゆる生命の源である水を支配する力が宿っている伝説の人魚族の剣と鎧を求めてアクア星での大戦を起こす。その際、鎧は手に入ったが、剣が見つからなかったため、アクア星から逃げた人魚族の行方をずっと探していた。
映画版と漫画版で容姿が大きく異なり、映画版では仮面をかぶった引き締まった肉体の人物だが、漫画版では醜悪な容姿をしている。
映画版と漫画版の大きな違い
- 映画版ではアクア星の支配権をめぐって人魚族と怪魚族が争ったのは遥か昔の先祖の時代とされているが、漫画版ではソフィアやハリ坊たちの親の世代の頃であり、人魚族の時間間隔ではけっこう近い時代の話である。
- 上記の事情から映画版ではソフィアの両親が健在である可能性があるが、存在すらまったく言及されないため不明。
- 映画版ではアクア星での戦いで怪魚族に抵抗を続けた英雄としてソフィアと同じ名前の人物がおり、彼女が剣と鎧を用いたとされているが、漫画ではそんな設定がなく、人魚の剣はその頃から所在が不明だった。
- 漫画版ではアクア星の位置が終盤で判明し、ソフィアたち人魚族は故郷に帰るべく地球を旅立つが、映画版では海底に戻るだけである。