プロフィール
馬名 | ゴージャス |
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欧字表記 | Gorgeous |
生年月日 | 2022年2月15日 |
性別 | 牝 |
毛色 | 白毛 |
父 | ゴールドシップ |
母 | サトノジャスミン |
母の父 | ウィルバーン |
生産 | 村上欽哉(北海道新冠町) |
馬主 | ローレルレーシング |
調教師 | 四位洋文(栗東) |
概要
父はゴールドシップでゴールドシップ産駒初の白毛牝馬。半姉にオルフェーヴル産駒のラブリネス、1つ下の全妹「ジャジャミン」も白毛の牝馬。2つ下の全弟は鹿毛。
ゴールドシップ同様気が強く、牧場では1歳馬のボスになっていたそうである。映像カタログで見てわかるが、群れを率いていたり、後ろ脚で立って威嚇するなど存分にその血が見て取れる(そしてやはりメイクデビュー後に気性難を心配されていたりもする)。
なお全妹ジャジャミンも同じくボス馬らしい(しかも性格は父父似)。
なお珍名馬とも言えなくもないこの馬名であるが、由来は父・"ゴー"ルドシップと母・サトノ"ジャス"ミンから(参考:JAIRS)。決して宇宙海賊の方からではない。
ちなみによくある名前(?)だけに、同名馬はほかに5頭存在する(1958年産のトサミドリ産駒(サラ系)、1974年産・1988年産・1996年産のアングロアラブ、2001年産のダイナガリバー産駒)。
経歴
誕生に至るまで(1963年〜2022年)
時は1960年代、アメリカ・ケンタッキー州のパッチェンウィルクスファームで、1頭の牝馬が産声を上げた。
父ケンタッキーカーネル(Ky. Colonel)は栗毛、母フィリーオマイン(Filly o' Mine)は黒鹿毛であったにも拘らず、突然変異で生まれつき真っ白な馬体を持つ彼女はホワイトビューティー(White Beauty)と名付けられ、数ヶ月にも及ぶ議論とDNA検査が行われた末に、ジョッキークラブに白毛として認められた初のサラブレッドとなった。
その後、ホワイトビューティーは16戦して2勝した後に繁殖入りし、6頭の産駒を残したが、孫世代で繁殖入りした白毛馬は3番仔ワールドオビューティー(World O'Beauty)産駒のプレシャスビューティー (Precious Beauty)1頭のみ、さらにその産駒で白毛だったのもパッチェンビューティー (Patchen Beauty)のみと一子相伝の状況が続いた。
しかし、パッチェンビューティーが5頭の白毛産駒を残すことに成功し、その内の1頭であるザホワイトフォックス (The White Fox) は種牡馬としてチーフホワイトフォックス (Chief White Fox) など数頭の白毛馬を輩出した。
他にも未出走のまま繁殖入りしたスポットオブビューティー (Spot of Beauty)は、繁殖牝馬としてリステッド優勝馬を輩出したビューティフルデビル(Beautiful Devil)や、その半妹で後にゴージャスの母となるサトノジャスミンを含む白毛馬6頭を産んだ。
サトノジャスミンは2017年に海を渡り、はるばる日本でデビュー。2戦して勝ち星を上げることは出来なかったが、2019年の繁殖牝馬セールで村上欽哉牧場に落札され、村上代表の「いつかは白毛繁殖牝馬ばかりの放牧地を作りたい」という夢を叶えるべく第2の馬生を歩み始めた。
こうして、日米両国でホワイトビューティーの牝系は更なる拡大を続けるかと思われた矢先、悲劇は起きた。
かつてホワイトビューティーを生産したハーマン・K・グッドパスター氏から2009年に牧場の経営を引き継ぎ、牝系を守り続けてきたウォーレン・ローゼンタール氏が2019年10月に亡くなってしまったのだ。
彼が亡くなった翌月、ビューティフルデビルがアメリカの繁殖牝馬セールに出品され15,000ドルで落札されたが、白毛の産駒を残すことなく、2020年にフロリダで栗毛の牡馬を産んだのを最後に消息を絶った。
またサトノジャスミンに先立って来日した半兄のホワイトドラゴンは、未勝利戦を勝ったものの種牡馬になれずに鹿児島県で乗馬となっており、ようやく掴んだ繁栄の兆しから一転、牝系は存続の危機に瀕することとなった。
かくして、図らずしも最古の白毛牝系にとって最後の希望となったサトノジャスミン。
初年度は先述の通りオルフェーヴルを配合したが、生まれてきたラブリネスは非常に小柄な栗毛であった。
そして2年目となる2021年は、アオラキを生産したディアレストクラブの高樽代表の推薦でゴールドシップが配合相手に選ばれた。
世はソダシによる白毛馬初のG1制覇、そして桜花賞制覇により白毛フィーバーに沸いており、父ゴールドシップもウマ娘の影響から再注目されていた存在。
翌年に白毛牝馬として誕生することとなる「サトノジャスミンの2022」、後のゴージャスは、生まれながらにしてアイドルホースとなる宿命にあったのかも知れない……
2歳時(2024年)
メイクデビュー
栗東トレーニングセンターの四位洋文厩舎に入厩。
四位師からは「気難しいところがあるが、真面目で前向き。ゲートも出るし、癖がなくて操縦性が高い。スピードもあってグイグイ走りたがる前向きさがあるね。」と評された。
そして浜中俊を背に2024年9月16日の中京5R、1600mの新馬戦で3番人気に推され出走(なおゴールドシップ産駒で中京1600mを勝った馬は28頭中1頭と言う有様で鬼門中の鬼門だった)。
そのメイクデビューで、後ろからの競馬になったにも拘わらず、徐々に進出して外側からグイグイ伸ばし、まるで父のまくりが如く他の馬を抜き去り、2着アイサイトの急追を凌いで新馬勝ちを果たした。浜中いわく「抜け出すのが早くて1頭になったけど、最後まで集中していた。一生懸命に走るところがいいところ」と評している(が、先述通り気性面も心配されている模様)。
なおこの勝利の際には宇宙海賊の方からもおめレボ☆リューションとツイートされ、勝利から僅か7時間後には『週刊Gallop』2024年9月22日号の表紙に使われる事が発表されるなど、早くも話題になり出している。
ファンタジーステークス
続くファンタジーSでは、パドックで乳歯が抜けた影響で口から出血が見られた他、スタート直前にゲート内で立ち上がった影響で大きく出遅れることとなった。
それでもゴージャスは戦意喪失することなく、4コーナーでは父の皐月賞さながらのワープを見せるも、出遅れによる不利は流石に覆せずダンツエランから大きく離された12着と言う結果に終わった。
鞍上の浜中騎手は「ゲートで我慢できなくて2回ほど立ち上がって。出遅れが全てですね。真面目で頑張り過ぎるのが課題です」と振り返っている。
四位師も「もう1回ゲート練習をやって、大人しくなるようにしないといけない。でも、ジョッキーは“能力はすごくある馬だから”と言ってくれました。次はどこと特に決めずに。体も減っちゃっていたし。ファンの多い馬なので大事にしたい。」と巻き返しを誓うのであった。
ここで収得賞金を積めなかったことから、ソダシ以来2頭目の白毛馬による制覇がかかっていた阪神JFは回避。翌年のクラシックに向け、発覚したゲート難の矯正に励むこととなった。
3歳時(2025年)
白梅賞では5着と言う結果であった。パドックにてゴルシそっくりの顔芸を披露。
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アオラキ:同じくゴールドシップ産駒の白毛馬。