ピクシブ百科事典

ゴールドシップ

ごーるどしっぷ

2009年生まれの競走馬。GⅠ6勝、2012年JRA賞最優秀3歳牡馬。主な勝ち鞍は2012年の皐月賞・菊花賞・有馬記念、2013・14年の宝塚記念連覇、2015年の天皇賞(春)。またGⅡ阪神大賞典を2013~15年と三連覇した。JRAにおける芦毛馬の最多GⅠ勝利・獲得勝金額を記録している。
目次[非表示]

JRA広告

ヒーロー列伝No.74

「黄金の航路」
見るものの想像を遥かに超える仕掛けと
それを可能にする剛脚で
誰よりも先にゴールを駆け抜ける。
圧巻のロングスパートで、次々とライバル達を抜き去る
ゴールドシップの辿った道筋は、まさに黄金に輝く航路。
それは、ただひたすらに勝利へ向かっている。

名馬の肖像2017年天皇賞(春)

【栄光への航海】
轟音をあげるスクリューが
荒々しいまでの推進力を生み
常識に囚われない操舵が
奔放な航跡を描いていく。

海図もコンパスも無用だ。
潮の流れに逆らい
波濤を押さえ込んで
ただ本能のまま
黄金の船は進む。
ゴールという港を目指して。

誘導

  1. 日本の競走馬種牡馬
  2. ウマ娘プリティーダービー』にて1をモチーフとして登場するウマ娘。→ゴールドシップ(ウマ娘)

当記事では1に関して解説をする。2に関してはリンク先のタグを使用する事を推奨。

概要

誰かが言った。
シンボリルドルフは競馬にも「絶対」があるのだと教えてくれた。
ゴールドシップは競馬が「絶対のない“ギャンブル”」であるのだと教えてくれた。

生年月日2009年3月6日
英字表記Gold Ship
性別
毛色芦毛
ステイゴールド
ポイントフラッグ
母の父メジロマックイーン
生産出口牧場(北海道日高町)
馬主小林英一
管理調教師須貝尚介(栗東)
調教助手北村浩平
厩務員今浪隆利
競走成績28戦13勝(JRA27戦13勝+海外1戦0勝)
獲得賞金13億9776万7000円

代表的な通称はゴルシ」「シップ
強豪犇めく12世代を代表する芦毛牡馬。主に記憶として(記録はジェンティルドンナに、世界的名声はジャスタウェイに取られた)。
威風堂々とした芦毛の大きな馬格に、後方から無尽蔵のスタミナに任せて一気に捲っていくスタイルを得意とした豪快なレースぶり、そしてそんな能力の高さを帳消しにするヤンキーぶり・ネタ馬ぶりから愛された競走馬である。

血統としては父ステイゴールド・母父メジロマックイーンのいわゆるステマ配合の一頭。この配合は当時相性の良い配合とされ、2009年に春秋グランプリを制覇したドリームジャーニーやその全弟にして2011年のクラシック三冠馬オルフェーヴルなどが有名である。
ただしゴールドシップは先述の2頭とは異なりノーザンテーストのクロスを持たない。一方で母系を辿ると宮内庁下総御料牧場の輸入牝馬の一頭「星旗」に辿り着く日本における昔ながらの血統を持つ。

2012年に皐月賞菊花賞有馬記念を制しJRA賞最優秀3歳牡馬を受賞。
2013、14年宝塚記念では史上初の同レース連覇を成し遂げた。
2015年、天皇賞(春)の優勝を以てGIを6勝し、4年連続GI制覇(史上6頭目)も達成。GⅡ阪神大賞典では同一重賞3連覇(史上5頭目)、皐月賞・菊花賞の二冠馬として26年ぶりの古馬GI制覇などもあった。同年末の有馬記念を最後にレースから引退。
芦毛馬のGⅠ勝利数・獲得賞金は2022年現在も歴代1位である。
2016年シーズンから種牡馬となった。

特徴

母ポイントフラッグが大柄だったこともあり、産駒は大柄ゆえの脚の弱さを抱えていた。そのため小柄で頑丈なステイゴールドと配合することで小柄で頑丈な子供の誕生を目指した配合だったのだが、結果として生まれたのはその想定から随分と外れた馬であった。
端的に言うと「小柄で荒くれだが頑丈なステイゴールド」と「大柄で頭の良いが体質の弱いマックイーン牝馬」が合わさった結果、「デカくて頑丈で頭の良い荒くれ」が生まれてしまったわけである。

まず尻尾に「蹴癖注意」の赤いリボン(芦毛なので余計目立つ)が付けられている通り、気に入らない相手なら人間でも馬でも蹴りかかるのは日常茶飯事。気分が乗らない時は騎手が押しても引いても動かず、興奮して騎手を振り落とす事もあれば、落ち着いていたかと思うとちょっとしたことで機嫌を悪くしてしまう。

評価・強み

お眠ゴルシちゃん


先述の通り、競走馬としての最大の武器は母父マックイーンから受け継いだ無類のスタミナであった。
また、奇行や気性難ばかり注目されるがその賢さはレース中にも発揮されており、騎手の言うことを聞かないことは日常茶飯事なのに「かかり」でスタミナを浪費することはなく、サボることは多かれどヘロヘロになるようなことは皆無だった。
また、とにかくそのスタミナの多さを補佐する馬体の頑丈さも有名。競走馬時代においては一切怪我とは無縁であった。
元々メジロマックイーン血統の怪我のしやすさを克服するために頑丈なステイゴールドの血を入れたのだが、その目算自体は当たり、ゴールドシップは現役時代は先の通りほとんど故障知らずで、大小問わずこれといった怪我もせずに現役を終えている。
ある時、脚を気にしている様子を見せたため「脚に何かあったか!?」と心配したところただの筋肉痛で、本人は至って元気にいつも通り気に食わない奴に蹴りをいれようとしていたという逸話や、蹄球炎を発症しても割と元気でしかもすぐに治り春天で走れば勝てると踏んで予定通り出走させた(そして勝った)という逸話もある。
ちなみにこの「体調管理」について、「ゴルシは頭がよかったので、予後不良になる馬がどういう状態かを概ね把握しており、それを避けるためにあえてセーブすることがあったのではないか?」という噂もある。やっぱり50戦を走りぬいた父ステイゴールドと似た部分がある。引退後に馬体を検査すると競走馬とは思えないくらいの綺麗な健康体であったことから「実は現役時代はずっと手を抜いて走っていたのでは?」という疑惑が生まれるほどだった。
さらに、メジロマックイーンの蹄が大きくて頑丈だが不同蹄(左右で大きさが違う蹄)だったのに対し、ゴールドシップの蹄は「マックイーンのように大きく頑丈で、ステイゴールドのように左右対称」という見事な良い所取りだった。これはコーナリングで有利に働き、皐月賞でのゴルシワープや菊花賞での常識破りなスパートも、スタミナだけでなくこの蹄あってこそだったのかもしれない。
健康体で引退したためか、現在でも時折牧場を走っている様子が見られる。引退して種牡馬になってからも現在進行形でネタを提供し続けており、いまだ話題に事欠かない名(迷)馬として輝き続けている。
ちなみに中身はともかく、黙っていれば美しい馬である。

デビュー前

2009年3月5日、北海道沙流郡日高町の出口牧場で誕生。毛色が灰がかり始める前の当歳馬の頃は、父の母ゴールデンサッシュの血を思わせる、顔に大流星のある栗毛だったことが知られている。
ちなみにこの頃は大人しく素直なおぼっちゃまだったそうな。それがどうしてこうなったのか?

その後は同牧場や浦河町の吉澤ステーブルで馴致と育成を受ける日々を過ごす。
デビューが決定すると、デビュー前調整のため当時福島県天栄村にあった吉澤ステーブル福島分場に移動。しかし、ここでゴルシを災難が襲う。
2011年3月11日東日本大震災発生
幸いにもゴルシのいた天栄村は福島県でも内陸部にあり、津波や原発事故の被害を直接被ることはなかったものの、牧場も強い地震に襲われて設備が破損。避難のため北海道に戻ることになってしまった。
その後は、石川県の小松トレーニングセンターに移動し調整を再開。
この時の震災の経験がゴルシの性格形成に大きな影響を与え、知られている通りの気性難になったという説もファンの間ではささやかれている。

また、吉澤ステーブルの社長である吉澤克己氏は、競馬ラボの取材に対して

  • 「せっかく24時間掛けて福島まで来たのに、2週間もたたないうちに馬運車に揺られて、北海道に戻って行きました。北海道から弊社の分場の石川県に行ったりとか、あちこち回りました。そういう意味では僕も須貝先生もあの馬に何も調教していないですよ。あの馬を調教したのは馬運車の会社です(笑)。」
  • 「結果的に、馬運車がゴールドシップを鍛えたのかもしれません(笑)。でも、あの大地震にあってなかったら、もっと言うことを聞かない馬になったかもしれません。地震の大揺れで大人になったのは確かです。」
と答えており、震災がゴルシに与えた影響は大きかったようである。

なお、ゴルシは震災時に何度もサイレンを聞いたせいかトラウマになっているようで、引退後もサイレンの音を聞いて興奮する様子を写した動画が残っている。


(2019年の動画。消防車のサイレンが聞こえるのだが、ゴルシはそれに反応して0:37頃から激しく頭を振っている)

現役時代

潜在能力そのものは素晴らしく、時にその能力を示す破天荒なレースぶりでファンを驚かせた。GⅠ6勝という実績面でもそれは表れているのだが、一方でステマ配合の先輩たちの例に漏れず気性難であり、とにかく気分屋で馬券の予想という点では困難極まりない馬であった。

2歳時

震災などがありつつもゴルシの育成は進み、栗東トレセンの須貝尚介厩舎に入厩。
ちなみに須貝調教師は、騎手としての現役時代にゴルシの母ポイントフラッグに騎乗、同馬唯一の勝利を挙げた人物である。

2011年7月9日、函館競馬場で行わた2歳新馬戦(芝1800m)でデビュー。
2番人気ながらも素晴らしい追い込みを見せ、コスモユッカをアタマ差で封じ、2歳レコードのおまけつきでデビュー勝ちを飾った。
次に挑んだコスモス賞でも、中盤から徐々に上がっていき、最終直線で先頭に立ってデビュー2連勝。しかし、重賞初挑戦の札幌2歳ステークスでは、グランデッツァの2着と惜敗。
ラジオNIKKEI杯2歳ステークスでは、いつものように後方からの競馬となったものの、さらに内から伸びてきたアダムスピークに差し切られ、4戦2勝で2歳シーズンを終えた。

3歳時

2012年牡馬クラシック

3歳の初戦として出走した皐月賞のステップレース共同通信杯ではディープブリランテを差し切り優勝。
本番の皐月賞では、序盤は最後方でシンガリに甘んじていたが第3コーナーでスパートを仕掛け、前方の馬達が荒れた内側のコースを避けて外を回った結果、がら空きになった内ラチ沿いを駆け抜け3番手に。まるで「ワープした」と言わんばかりの追い込みを見せ、ラスト1ハロンで先頭に立ち、見事に1着。(⇒詳細はゴルシワープ
クラシック2戦目の日本ダービーではワールドエースと牽制し合った結果仕掛け遅れてディープブリランテの5着。
秋は同世代のライバルであるディープブリランテやワールドエースが故障で戦線離脱し、目立ったライバル不在となった神戸新聞杯を楽勝、そのまま最後の一冠に挑んだ。
クラシック3戦目の菊花賞は同じく最後方に控えながらも、本来ならここで仕掛けるのはタブーとされる高低差が4.3mもある京都競馬場の第3コーナーで仕掛け、そのままスタミナを切らすことなく一気に抜き去り1着。クラシック2冠を達成した。

有馬記念2012

同年の有馬記念では、スタートダッシュで出遅れて大きく離されるが、終盤でコーナーの大外から捲り、最終直線で10番手付近からまとめて差し切り優勝した。

この年6戦してGⅠレース3勝を含む5勝を挙げ、文句なしのJRA賞最優秀3歳牡馬に選出された。普通なら年度代表馬にも選ばれておかしくない好成績だったものの、不運にも同じ年に牝馬三冠を達成し3歳馬ながらジャパンカップで現役最強馬のオルフェーヴルを破ったジェンティルドンナが存在しており、彼女に年度代表馬の座は譲ることとなった。

4歳時

明けて2013年、4歳となったゴールドシップ。天皇賞(春)のトライアルレース、阪神大賞典を完勝し、本番の天皇賞では1番人気に支持されるが悲願のGⅠ制覇に燃える同期フェノーメノに敗れて5着。
しかし続く2度目のグランプリ宝塚記念では珍しく先行。大逃げ戦法で知られるシルポートに大きく離されても慌てることなく好位を保ち、直線でのスパートを仕掛ける。ジェンティルドンナがゴルシを止めるべく馬体を併せにきたが(これは前年のジャパンカップオルフェーヴルを下した、ドンナ、というか鞍上の岩田康誠の勝負手である)、牝馬にパワー負けするゴルシではなかった。ジェンティルドンナを逆にはじき返し、彼女やフェノーメノといったライバルたちを置き去りにして圧勝。GⅠ4勝目を挙げる。

かと思えば秋のジャパンカップでは全く見せ場もなく後方ポツンで15着と惨敗。これが原因で共同通信杯以降主戦騎手となっていた内田博幸騎手が主戦を下ろされてしまう。
連覇を目指した有馬記念では鞍上をイギリスの名ジョッキー、ライアン・ムーア騎手に交代して臨むも、これが最初で最後の顔合わせであったオルフェーヴルの圧倒的な強さの前に大きく離された3着と敗れてしまった。

5歳時

年明けの2014年、岩田康誠騎手を鞍上に据えて挑んだ初戦の阪神大賞典はまたも快勝し連覇を達成。ただ、オーストラリアのクレイグ・ウィリアムズ騎手を鞍上に再度挑戦した天皇賞春では一歳下のダービー馬キズナと人気を分け合うが、怪我からの再起を図ったフェノーメノの一年ぶりの快走にまたしても敗れ7着と惨敗してしまった。
しかし横山典弘騎手を鞍上に挑んだ宝塚記念では強さを見せ、史上初の連覇を達成した。このレースでは(いつものように)スタートで出遅れ最後尾も、早くも最初の直線から第2コーナーにかけて大まくりをかけ番手に上昇。周囲にプレッシャーを掛けて得意の消耗戦に持ち込み、最終直線で悠々と抜け出して勝利した。

なお、上記動画サムネイルでも分かる通り、3際の頃は素面で出走できていたものが、年齢と共にレースに対する気難しさが増し、それを補うためにどんどん馬装が増えていった。最終的にはメンコ(覆面、主目的は耳を覆って音を気にしないようにすること)・ブリンカー(目の後ろ半分を覆う弧形の馬具、横や後方に気を取られないようにする)・シャドーロール(鼻に被せる枕のような馬具、足元を見えなくして気にしないようにする)と装着して出走していた。

秋は初めての海外遠征として、僚友ジャスタウェイ・夏の札幌記念でゴルシに勝った3歳牝馬ハープスターと共に凱旋門賞へ向かう。が、本馬場入場で一頭のみ馬列を離れてメインスタンドに愛想を振りまきにいく始末。日本から駆けつけたファンも、現地フランスの競馬ファンにも大ウケであった。……肝心のレースは、終盤でゴルシが追い込みにかかろうかという時、隣の馬の騎手の流れムチを顔面に食らって完全にやる気喪失。14着に敗れた。

帰国後に出走した年末の有馬記念では1番人気に支持されるも、引退レースで最後の底力を見せたジェンティルドンナに及ばず2年連続の3着となった。

6歳時

天皇賞春

現役最後の年である2015年では阪神大賞典を快勝し、このレースでは史上初の3連覇を達成。その後、本番の天皇賞春はまさに最初から最後までゴルシ劇場の集大成とも言わんばかりの暴れぶりとなった。
最初はゲート入りを徹底的に拒み、後ろ向き(ゲート入りを拒む理由に閉所を好まないというのがあるので)で進ませるも失敗し、とうとう目隠しでゲートインし、それだけで観客が歓声を挙げる。
レースは序盤は最後尾だったが、中盤から複数回のスパートをかけて最後尾から一気に上位に捲っていき再び観客を沸かせると、終盤はスタミナでごり押して接戦を凌ぎきり、1着

ちなみにこの日、鞍上の横山典弘騎手は「最内枠にも関わらず直線で大外回りをする」という、”普通の馬”と”普通の騎手”では明らかに不利となる常識外れの戦術をとっている。理由はいろいろ推測されるが、

  • 「観客席の前を走らせ、観客の歓声を聞かせてゴルシのやる気を引き出す」
  • 「力量差がなく、さらに高速馬場の京都ではゴルシの脚でも第4コーナーまでにトップ集団にいなければ追い込み切れないため、コーナーロスは徹底して避ける代わりに、直線にて早めのスパートでトップに差し込んでいき、終盤で得意のスタミナ勝負に持ち込む」
というゴルシの性格と馬場の特徴を考慮した冷静な判断があったとされる。

ちなみに、横山騎手は『(勝利する)秘策がある』といって予定になかったゴルシの出走を口説いたが、後日のあるインタビューでは『実は、乗せてもらえるよう口説くことこそが秘策だった』と嘯いている(つまり走る気になれば絶対勝てるという意識があったということである)。このコンビは文字通り「ウマが合う」のかもしれない。
なお、そんな横山でもゴルシにはだいぶ手こずらされたらしく、春天後の横山のインタビューでは「たまにでもいいから真面目に走ってくれれば」とのことであった。
なお、天皇賞春のように目隠ししてゲートインした場合、レース後にゲートインの再試験が行われるのだが、こちらはすんなりとクリアした(そうでなければ次の宝塚記念は出走できていない)。

事件発生

そしてゴールドシップを語る上で外せないレースの一つが、三連覇のかかった2015年の宝塚記念(通称『120億円事件)である。
これまで阪神競馬場では無類の強さを見せていたゴールドシップは単勝1.9倍のダントツ1番人気だったのだが、前走でも嫌がっていたため目隠しでのゲート入りとなったことがかえって彼を興奮させたか、あるいは隣のトーホウジャッカルが若干騒いだのに触発されたか、スタート直前にゲートで立ち上がり大きく出遅れた
(ちなみにゴールドシップはこの際二度立ち上がっている。一度目はそれを慮ってゲート開放を遅らせており、落ち着いたとゲートを開放した瞬間もう一度立ち上がってしまったのである)
出遅れてもゴールドシップが真面目に加速すればなんとかなりそうなものだが、横山騎手がいくら指示をしても一切言うことを聞かず、見るからに力を抜いた走りを続けた。
一度やる気を失ったゴールドシップを動かすことは叶わず、圧倒的な1番人気ながら15着と大敗約120億円の特大の馬券が一瞬にして紙屑と化した……。ゴール後は横山騎手にツッコミを入れられていたが、当のゴールドシップはしれっとした態度だった。一方で気まずい気持ちはあったのだろうか、須貝調教師を前にすると顔を逸らしている。(馬の視界の関係上、目を逸らしても"見えている"ため、「目を逸らす」という行為を「悪い事をした」時にやるものだと理解してやったのだと思われる。もしかしたら彼なりの反省の態度だったのかもしれない)
120億円事件当時、彼のゲート難に関して、横山騎手、須貝調教師のインタビューでも「彼に聞いてみないと分からない」「(練習では何もなかったのに)本当に分からない」と皆で頭を抱えていた。

宝塚記念でやらかしておきながらなんだかんだと人気は高く、秋のジャパンカップは惨敗してしまうが年末の有馬記念のファン投票は総合1位で選出され、引退レースに臨む事が出来た。

ラストラン

競走馬としてのラストランは2015年の有馬記念。自身4度目の出走となった。
1番人気に支持され、その期待に応えるべくかつてのように大捲りを見せるも、上がり切ることが出来ず終盤で脚色が衰え、馬群に呑まれ8着に終わった。
レースの展開は正にゴールドシップの必勝パターンであり、2013年のジャパンカップ以来久しぶりにゴルシの鞍上に復帰した内田博幸騎手も必死にムチを入れ、本人(馬)もやる気十分であり、首を振りながら全力で走ったにも関わらずこれを完遂できずにいたことに、ファンはゴールドシップが燃え尽きてしまった、これで終わりなのだということを悟ったという。
いついかなる時も好き放題に走り、暴れ、やる気の無い時は惨敗し、本気の時は素晴らしいパフォーマンスを見せた彼のラストランは、

「本気を出した末に負ける」

という誰が見ても納得せざるを得ないモノであった。

自身と同じ芦毛の怪物と言われたオグリキャップや、前年、前々年のオルフェーヴル、ジェンティルドンナのような華々しいラストを飾ることは出来なかったが、レース後の夜に行われた引退式には4万人近くもの観衆が残った。
引退式では関係者のスピーチが行われ、数多くの勝ち鞍やあの宝塚での大失態などの思い出話が話されるなか、最後の鞍を務めた内田博幸騎手が「引退レースに華を飾れずにすまなかった」と話した時、ゴールドシップはまるで「気にするな」と言わんかのように嘶き、内田騎手やファンの涙を誘った。
式が終わり、写真を撮るために厩務員に引かれるが、いつものようにゴネ、拒否するように後ずさる。ターフに立つことはこれで最後になると悟ったのだろうか、何処か名残惜しそうな表情を見せた後に、観客席を見つめて盛大に嘶いた。

ゴールドシップ 引退式


とは言え、レース展開は件の菊花賞のごとく消耗が余計大きくなる大坂でスパートをかけて最後方から順位をあげようとする本来なら無茶苦茶と言われる走り、しかも今までと違い一息入れるタイミングがなくゴールまで追いっぱなし。そりゃバテる。むしろそんな走りでトップに立とうかというところまで追い上げ、その後も沈没せずにゴールしたこと自体がまだまだ十分やれることを示していた。最後まで好き勝手に走るゴルシ劇場だったように思われる。(担当の松井装蹄士は「まだ衰えていない。むしろ磨きがかかっている」とまで評していた。)

生涯戦績は28戦13勝。勝率約5割
そして掲示板入りしなかったレースは7戦。1/4は惨敗であり、同じく勝率約5割のオルフェーヴルが21戦中18戦連対、3着も1回だったのとは実に対照的。
GⅠ6勝馬としては異様に斑のある成績で、やる気のあるなしが此処まで結果に出る馬はそうはいない。
現役時代はコンスタントに出走し、獲得賞金額はおよそ14億。無事之名馬を体現する馬だったと言える(出走数3/4の代わりにコンスタントに入着していたオルフェーヴルに2億ほど負けてるのはともかく)。芦毛馬としては母父メジロマックイーン(10億1465万円)を超える最多獲得賞金と、メジロマックイーン・オグリキャップ(GⅠ4勝)を超える最多GⅠ勝利数を記録した。

種牡馬時代

現在は北海道新冠町のビッグレッドファームで種牡馬となり、亡き父ステイゴールドが使っていた馬房で暮らしている。

日高の種付けマイスター

牧場のスタッフによると、「非常に種付けが上手い」らしい。ちなみにステイゴールドも非常に上手かったようで、こんなところでも両親のいいとこ取りである。
大きくて柔らかい体でどんな相手もしっかり対応し、紳士的かつ丁寧な応対で繁殖牝馬の満足度は高いという。手際よく種を付け牝馬に余計な負担をかけず、ムード作りもしっかりやってるようで相手の牝馬にガチ惚れされてるケースもあるとかないとか

種の質もいいのか受胎率が相当に高い。通常は平均受胎率70%ほどのところ、ゴルシは80%前後。再種付けまで含めれば頭数ベースでの成功率はほとんどの年で90%を優に超える。種付け自体の成功率は非常に高く、2019年の種付け成功率はまさかの99.1%(失敗例1)だった。

  • ちなみに種付けに失敗したのは馬体の小ささで非常に有名な牝馬・メロディーレーン(父オルフェーヴル)の母であるメーヴェ。どうも受胎しにくい体質らしく、2021年現在産駒はメロディーレーン以外では2021年の菊花賞馬タイトルホルダー(父ドゥラメンテ)のみである。
また、「種付けが大好きで、他の種牡馬が種付けに向かうのを寂しそうな目で見送る」そうだ。
自分の種付けと理解するといつもの暴れ馬っぷりが嘘の様に大人しくついてくる(というよりむしろ急かしてくる)とか。
ちなみにどのくらい好きかと言うとインタビューなどで「種付け」というワードが出た瞬間イチモツをボロンと出すくらいには種付け大好きである。
さらにはこれから種付けに行くと察するやいなや何度も飛び跳ねては立ち上がり、これ以上ないウッキウキ状態となる姿がよく目撃されている。


笑い話のようだが、ロリコ…もとい、面食いで種付けが難航したウォーエンブレムや、(馬体が)小さくて種付けに苦戦しているドリームジャーニーとか種付け自体が大嫌いで後年荒んでしまったスペシャルウィークなど、種牡馬として問題を抱えた馬は珍しくなく、その事を思えば、種付け大好きで、選り好みせず(強いて言えば若い娘が好みとか)、スムーズにお勤めを果たせる事は種牡馬としては立派な才能である。

産駒成績

2019年から産駒も競走馬としてデビューを果たし、徐々に結果を出し始めている。
種牡馬デビュー以来、第一世代が古馬となる2021年までに中央リーディング成績は88位⇒27位⇒18位と推移。
現役時の知名度の高さと期待感からの反動ゆえか、一時「ゴールドシップ産駒は走らない」と言われたこともあったが、むしろ3年で既に非社台系種牡馬としては5指に入る存在に上がってきており、今後の推移が注目される。

2021年、産駒のユーバーレーベンオークスを制覇し父としてGⅠ初制覇。1つ年上のステマ配合三冠馬よりはやや遅れたがクラシックホースの親となった。
ユーバーレーベンがオークスを勝利した際、ツイッター界隈などでは2着に入線したアカイトリノムスメ(馬名は母馬の名前アパパネに因む)と、父親の異名「白いの」「アレ」「白いアレ」などをもじって「シロイアレノムスメ」という異名が付けられてしまった。
また1戦0勝のまま故障で登録抹消となってしまったが、トーセンフルヴィアが2歳牝馬らしからぬ筋骨隆々とした肉体で話題となるなどしている。

産駒の傾向としては、やはり父譲りの芝中・長距離でのスタミナ勝負を得意とする馬が多め。しかし距離適性に関しては母系に合わせて柔軟性もあるようで、新潟1000m直線を主戦場にオープン入りしたジュニパーベリーのような、ゴルシのイメージとはかけ離れた産駒も出てきている。
一方、ダート戦線では初年度産駒からマリオマッハーがまずオープン入りしたが、全体としては今のところ芝に比べいまいち。とはいえ、同郷・同馬主で「シップ」繋がりの牝馬、ウッドシップとの間に生まれた全兄妹たちを中心に、少しづつダート適性のある馬も勝ち上がりつつあるので、ダートで重賞勝ちする産駒が出る日も遠くはないかもしれない。

気性面も気になるところだが、父譲りの激しさ・難しさを備えた産駒もいれば、賢い側面を受け継いだおとなしい優等生タイプもいる模様。

その一方、父最大の強みである頑丈な肉体は上手く受け継がれていない模様。
ユーバーレーベンも極軽度だが屈腱周囲炎を発症しており、故障で競走能力を喪失した産駒や、残念ながら予後不良となった産駒もいる。
ただしユーバーレーベンの場合は母方が屈腱炎を起こしやすい血筋(母親も母母も同時期に屈腱炎で引退している)で、むしろゴルシの血が入ったから軽度で済んだという可能性もある。

また、どうやら白毛の牝馬に種付けをすると白毛の仔が生まれる確率が高いらしく、これまで2回白毛馬に種付けし



  • 2022年に白毛の米国産馬サトノジャスミンとの間に、これまた白毛の牝馬が誕生。


と、両方とも白毛の仔を出す結果となった。

まだ未出走で実力は未知数であるものの、ハクタイユー系、シラユキヒメ牝系に続く日本で3例目、4例目の白毛血統として注目を集めている。

日常生活

引退後の様子が映された動画ではかつての担当厩務員・今浪隆利氏が顔を見せに来るとやたら構ってもらおうとする可愛げのある場面も見せている、というかなんとかして柵を破壊できないか考えているようにも見える。最近は破壊しようとすると今浪氏に嗜められるからか、穴を掘ろうとし始めるらしい………潜る気だろうか?
今でも嫌なことはひたすらゴネれば何とかなると思っているとか、取材が入るとカッコつけたポーズを取ったりとか、根本的な性格は変わらないようである。しかしもう調教を受けなくてよくなったためか、現役引退後はあまり暴れなくなった模様。ステイゴールドを担当したスタッフから「本当にあいつの息子か?」と思われるほどだという(ステイゴールドは隙あらば襲いかかってきたらしい)。
引退後 見学に来た子どもたちの前でもいつもの調子なゴルシ

ゴルシがよくやる二足歩行は「馬が興奮している証拠」であり、危険信号なのだが、ゴルシの場合は「ウケるパフォーマンス」としてやっている節があり、子供が来ると興奮しているとは思えないのに何度か立ち上がって得意気にしているとか(上の動画にて18:11~18:25の間に、子供たちの前で立つパフォーマンスをやっているが、決して子供たちを巻き込むこともなければ、そのあとも暴れる様子はない)

現在同じビッグレッドファームにいるアドマイヤマックスとは犬猿の仲だが、後輩のウインブライト(同じステイゴールド産駒の芦毛だが気性は大人しい)とは仲良くやっているようで、一緒に走ったりもしている。また大先輩グラスワンダー(2020年に種牡馬を引退し別の牧場へ移動)がいた頃は、グラスの馬房の前を通る度に立ち止まって挨拶していたという。

また、父ステイゴールドや同じ父を持つオルフェーヴルが、自分の糞を嗅いで悶絶したような声を上げた一方、ゴールドシップは自分の出した糞を嗅ぐと、何故か小便をかけた。これは妙なところで血の繋がりを感じさせてしまった珍場面として有名である。
さらに牧草を水に浸けてふやかしてから食べたり、そうして風味の着いた水を飲むのが好みのようだが、これもステイゴールド譲りの癖のようで、オルフェーヴルやドリームジャーニーもやっている。
馬なのでフレーメン反応もするが、ウケがいいことが分かっているのかわざとらしく、しかもカメラ目線でやることも。

また、2021年12月現在は、引退馬した競走馬の近況についての広報や、牧場見学などを中心とした各牧場への連絡の仲介等を行っている、「競走馬のふるさと案内所」というサイトでは各ページのヘッダー画像に採用されており、どのページを見てもゴールドシップの顔を拝むことができる。

ゴルシの伝説的エピソード集

その気性難から様々な伝説を残している。

  • 調教は基本的にやる気がない。気分が乗らなければ全く走らないかなりの気分屋。
  • 蹴り癖が酷い。とかくボス馬気質が強く、人、馬問わず気に入らないやつは蹴る。特に他厩舎のボス馬だったトーセンジョーダンは見つけ次第蹴りに行く
    • なのだが、今浪隆利厩務員にはデレデレ。(ただ機嫌が悪いときはお気に入りな今浪でも手が付けられない)
    • 逆に須貝尚介調教師は嫌いなのか、一緒に写った写真はどこか目が死んでいるように見える。2015年の春天のレース後でも今浪厩務員にデレデレな一方で須貝調教師を拒んでいる様子が見られる。
    • 一連のエピソードを統合すると「今浪厩務員は自分の身の回りの世話や遊び相手をしてくれる良い人、須貝調教師は調教や競走など、自分のしたくないことを強制する嫌な奴」と理解し、好き嫌いをはっきり表していたのであろうと考えられる。
  • 性格も荒々しく、近づいてきた馬はほぼ必ず威嚇する。こんな性格なので、ゴルシが近くを通っただけで他の馬が怯えたり、レース中でも並走した馬がビビって失速したりと謎のプレッシャーを与えていた。
    • 2014年春天ではゲート内でフェノーメノに対し馬とは思えない声(例えるならが吠える声のそれに近い)で威嚇し、周囲を驚愕させた。この出来事についてはゲート前レポートを担当した細江純子、参戦したジョッキーなど複数のヒト属の証言が残っている。いわく「えっ、ここ馬しかいないのに?」「馬が吠えるのを初めて聞いた」
  • 坂路調教で登りきった後、立ち上がってUターンして後ろから来る馬を迎え撃つ
  • 厩舎に帰ってきただけで隣の厩舎の馬がザワつく。
  • 調教中に出会った他厩舎の馬がすごい勢いで逃げようとする。
  • 勝った後の口取り写真の撮影は露骨に嫌がって、長時間ゴネる。
  • レース時のパドックでは大人しくしているが、本馬場入場前にロデオの暴れ馬が如く暴れる。
  • 人にチヤホヤされるのが大好き。凱旋門賞では入場時に勝手に列を離れ、観客に愛想を振り撒きに行った事もあった。
    • なおそのレースでは、他馬の流れムチが偶然顔に当たり、やる気をなくして14着と惨敗。そのためゴルシはジャスタウェイ、ハープスターと共にパリ観光へ行ったと揶揄される事も…
  • 調教中に北村浩平調教助手を振り落とし、右肩脱臼で病院送りにする。
    • それでも北村助手はデビューから引退まで一貫してゴルシの調教を担当し続け、「芦毛の怪物の背中を最も知る男(サンケイスポーツ)」と呼ばれた。なお、北村助手は騎手からの転身組であり、メディアの取材では現役時代ゴルシに乗れなかったことを悔いとして挙げるとともに、もし乗るなら大逃げの戦法を取っていたことを述べている。
  • 担当の須貝調教師をストレスで円形脱毛症にした。
    • ちなみに、須貝師は円形脱毛症になった部分を調教師仲間にマジックペンで黒く塗ってもらっていたらしい。そんな隠し方しなくても……
    • なお、ゴルシを扱い切ってしまったがために、須貝厩舎には癖馬の入厩申し込みがよく来るようになったらしい。須貝調教師の苦労は続く……
  • 血筋に倣って非常に頭がよく、人間が言っていることを概ね理解した受け答えをしたり、自分で応答に関する優先順位をつけていた
  • デビュー戦のために函館競馬場に入厩した際、競馬場スタッフに「常に二足歩行する化け物みたいな芦毛が入厩してきたぞ、みんな気をつけろ」というお触れが出されていたという。
  • 引退式に日本歌謡演歌界の重鎮北島三郎を前座にしてしまった馬。これは、ラストランとなった有馬記念に北島氏が事実上の馬主のキタサンブラックも出走していたことから実現。3着で終わったものの、この後控えていたゴールドシップの引退式までの時間が余っていたため、用意していた持ち歌「まつり」をカラオケ付きフルコーラスで大熱唱。その場にいたのが、キタサン騎乗後ゴルシの勝負服に着替えていた横山典弘と引退式待ちのゴルシファンだったため、見ようによっては前座みたいなことに。引退式でまた新たな伝説を作ってしまったのであった。
  • そのひょうきんな顔芸や素っ頓狂な行動などから頭がおかしいのではないかと言われることもあるが、関係者からはほぼ一様に「ゴールドシップは(ズル)賢い」と言われる。例えば舌をベロベロ出す場面がよく取りざたされるが、どうやらゴールドシップは舌を出すこと=挑発、煽りであることを理解しているらしい。
  • 2021年のネット流行語100競走馬(しかも当時は種牡馬)として唯一5位に入選。
    • なお、ウマ娘の方は2位で見事にダブル入選となった。
    • ちなみに、43位には120億円事件もランクイン。これで三冠達成という声もあるとか……。
      • これによってゴールドシップという競走馬そのものの知名度も急上昇。今や2010年代の競走馬でキタサンブラックアーモンドアイと並び、競馬に詳しくなくても知っている一般人は多いだろう。

…など、彼にまつわるエピソードは書ききれないほど多い。こうしたレースでのエンターテイメントぶり(奇行とも言う)もゴールドシップが人々に愛される所以の一つと言えよう。

親友のジャスタウェイ

2013天皇賞馬(秋)とゴールドシップ


そんなゴルシと仲が良かったのは、別ベクトルでネタ馬なジャスタウェイ。同じ厩舎で馬房も隣同士だった。
2頭は同い年だが得意な距離が違う(ゴルシは2000m〜3200m、ジャスタは1600m〜2000m)ため一緒に出走したレースは2012年の東京優駿と2014年の凱旋門賞と有馬記念だけではあったが、調教で2頭で並走する時はゴールドシップもやる気を出していたようである。
人や馬の好き嫌いもテンションの上下も激しいゴールドシップとウマが合う珍しい存在で、たいへん仲がよかった。しかし性格は真逆で、例えるならゴールドシップは「天才暴走ヤンキー」、ジャスタウェイは「真面目優等生委員長」のようなタイプ。

引退後はそれぞれ別の厩舎に移ったがジャスタウェイは他の芦毛馬を見かけるたびに反応しているため、芦毛フェチ疑惑あり
ゴルシもジャスタウェイの居た馬房に別の馬が入ると威嚇して脅すなど何やら特別な思い入れを抱いていた様な様子を見せていた。

「Number競馬ノンフィクション傑作選 名馬堂々。」という雑誌ではジャスタウェイとゴールドシップが「暴れん坊と優等生、最強のふたり」というキャッチフレーズの元紹介されている。
そこで現役時代にゴールドシップの担当厩務員だった今浪隆利「能力が近かったので、一緒に上がっていき、強くなれたのでしょう。どちらかが欠けていたら、そうはならなかった」と語っていた。

それほどまでにお互いの存在は大きく、だからこそ親友と呼ばれるのだ。

また同じく須貝厩舎にいたタイセイモンスターアグネスデジタル産駒)とも仲が良かったというが、こちらも大人しい性格だった。
引退後に知り合ったグラスワンダーやウインブライトもそうだが、性格が正反対の大人しい馬と相性が良い模様。
ゴルシは単にプライドが高いだけではなく神経質な一面もあるため、自分の気に触ることをしない馬を気にいるのかもしれない。
タイセイモンスターが2013年に引退した際も、ゴルシはショックのあまり体調を崩したという。

異名

人気馬だけに異名も多い。
現役時代からの競馬ファンからの最も一般的な通称・愛称は「ゴルシゴールドシチーゴールデンシックスティと被るとの声も)。また、須貝厩舎では「シップ」と呼ばれていたことから、この呼び名で呼ぶファンもいる(それはそれでルーラーシップと被るが…)。因みに担当厩務員だった今浪氏は、馬の方のゴールドシップは「シップ」、ウマ娘の方は「ゴルシ」と呼び分けている模様。
一方、馬券を買う立場からは予想が難しい馬であったため、白毛馬を差し置いて呆れ・諦めを込めて「白いの」とも呼ばれていた。果ては「猛獣ゴルシ」「暴れん坊将軍」「日高の白い悪魔」「アレ」など馬なのかどうかすら怪しい呼び名も頂戴している。UMAかもしれないが。
また、某競馬マンガの似た者同士から「芦毛のベアナックルと言われたりもしていたらしい。

その他、以下のような異名で呼ばれていた。

後年この馬を紹介する時によく使われる二つ名はこれである。「不沈艦」は強さ・しぶとさ・頑強さなどを備えた存在に対して用いられるが、船に関する馬名と、馬群後方に沈み、これはもう負けた、と思われた展開からの逆転勝利(2012年皐月賞・有馬記念、2015年天皇賞春など)を度々見せたことから。
……現役後半はムラのある成績で「しょっちゅう沈没してんじゃねえか!」とツッコまれていたが、怪我で轟沈しないという意味合いもあるのだろう。あるいは、自分の気分で沈浮上していることから、彼は艦は艦でも潜水艦だったのかもしれない。
気性の荒さと気分屋であることに関するエピソードは枚挙に暇がない(しかも頭がよく人間の考えていることを分かっている節があり、簡単に丸め込めない)。結局、同じく暴れ馬で知られた父ステイゴールドの異名を見事に襲名することになってしまった。
ただ、ステイゴールド並びに他のステイゴールド産駒は文字通りの暴れ馬だがかかり知らずのゴールドシップはメジロマックイーン由来の頑固な面が目立つという声も。
白っぽい馬体に灰色~黒の斑点が細かく浮かぶ馬体からの連想。これはゴールドシップに限ったことではなく芦毛馬に普通のことで、成長ごとに体毛に白い毛が混じって灰色がかり、やがて白くなっていく。よって若い頃の異名であり、種牡馬になった後はほぼ白馬になっている。
なお、愛着と揶揄の入り混じった後述の「苺大福」と異なり、成績にムラの出てきたゴルシに対し「こんな奴もう不沈艦じゃねえ!ただの豆大福だ!」的に使われていた異名なので、使い所には注意。
2つ由来があり、ひとつは白い馬体の上に赤い勝負服&尻尾に赤いリポン&ピンクの鼻先と、赤い要素が多いことからの見立てによるもの。(このピンクの鼻は他の馬とゴルシを見分けるポイントのひとつ。ゴルシは鼻から上唇にかけ、数字の「3」のような形のピンクの斑がある。)
もうひとつは1着か5着しか取らない時期があったため。2012年2月の共同通信杯から、2013年10月の京都大賞典まで、10戦連続で1着か5着だった(特に2013年は1・5・1・5着)。やっとジンクスが破られた2013年11月のジャパンカップ15着だったので、見事なオチがついたというべきか。

総括

これまで書かれてきた様々なネタから「(こんなにムラっけのある)ゴルシを買う奴は馬鹿。(これだけ強い)ゴルシを買わない奴も馬鹿」と言われ、競馬の中でも特にギャンブル性の高い馬だったようである。その気まぐれさはファンにも知れ渡っており、前述のように特にギャンブル性が高いことを意識して馬券を買っていた。
120億円事件では当然怒り心頭の人間も居たが、その怒りはほぼゴルシに向けられており、横山騎手やゴルシの関係者はむしろ同情を買い、更にその怒りも多くの競馬ファンから「ゴルシを信じる奴が悪い」と一蹴され、「やる時はやり、やらかす時はやらかす馬」と評された。ゲート難自体はルーラーシップブチコ等もっと酷い馬もいるのだが、ここまでネタにされる馬もそうそういない。
なお、ゴルシは勝つときも勝つときで一筋縄ではいかず、ロングスパートによるスタミナゴリ押しのレース展開にした結果2着以下にもスタミナ自慢な気薄を連れてくることが多く見られた。そのためゴルシ軸で馬連や3連単狙いの馬券師はしばしば悶絶させられており、そっちの意味でもギャンブル性が高い馬として扱われていた。

総じて言うならば、「迷馬にして名馬」の代表格。それがゴールドシップという馬である。

関連イラスト

ゴールドシップ
ゴールドシップ


グランプリゴルップ
阪神大賞典 3連覇 ゴルシ様


ごーるどしっぷ
ゴールドシップさん


ゴールドシップまとめ2019
宝塚記念の目隠しを外された直後のゴルシ



関連項目

JRA
ゴルシ
須貝尚介:現役時代のゴールドシップの調教師。乗せようとしなかったり、目を合わせようとしなかったりと何故かゴールドシップから嫌われている。だが暴れ者で終わりかねなかった馬をGⅠ6勝まで導いたのは、間違いなく須貝調教師の功績である。
ジャスタウェイ:現役時代に厩舎の隣の馬房にいた馬。ゴールドシップと性格は正反対だけど仲が良かった。雑誌の特集で仲良しタッグとして一緒に紹介されることがたまにある。
ユーバーレーベン:産駒初のGⅠ勝利馬。
ヴェローチェオロ尾花栗毛のゴルシ産駒。
ロータスランド:同馬主の重賞勝ち牝馬。ゴールドシップの許嫁。

ベアナックル:漫画「みどりのマキバオー」に登場する競走馬。名馬かつ迷馬つながり。
マロン号:漫画『銀の匙』に登場する騎乗馬。北海道生まれの元競走馬、サービス精神旺盛で知性も気位も高い暴れ馬の白馬という共通点から、モデルにしているという説がある。ちなみに「ギンノサジ」というゴールドシップ産駒が存在する(2018産)。
ラニ:主にダートを得意とする芦毛馬。彼もまたゴルシに似たりよったりな距離適性や脚質、手の付けられない暴れっぷりで、ファンからは「砂のゴールドシップ」と呼ばれたこともある癖馬。
カブトシローエリモジョージ稀代の癖馬
レインボーアカサカ:平成元年の札幌記念(ダート1700m、芝コースは翌年より使用開始)でガチガチの1番人気を背負って大出遅れをやらかした大先輩。
無事之名馬:健康なのが一番(?)

外部リンク

関連記事

親記事

二冠馬 にかんば

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivで「ゴールドシップ」のイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで「ゴールドシップ」の小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 33821655

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました