プロフィール
生年月日 | 2018年3月29日 |
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英字表記 | Veloce Oro |
性別 | 牡 |
毛色 | 栗毛(尾花栗毛) |
父 | ゴールドシップ |
母 | プレシャスライフ |
母の父 | タイキシャトル |
生産 | 千代田牧場(北海道新ひだか町) |
調教師 | 須貝尚介(栗東) |
戦績 | 16戦4賞 |
獲得賞金 | 8027万1300円 |
ゴールドシップの2世代目産駒の一頭。
栗毛の馬のなかでも、たてがみや尾が金色に輝いて見える尾花栗毛を持つが、突然変異ではなく血統的な裏付けがある。
父系からはステイゴールドの母(=ヴェローチェオロの父父母)である名繁殖牝馬・ゴールデンサッシュ。そして母父の名マイラー・タイキシャトルも尾花栗毛である。
直接的にどちら側の遺伝子が発現したのかは確かめようもないが、父系・母系双方の尾花栗毛の血が重なった先に生まれた毛色ということである。
姪(半姉シーブリーズライフの子)に2021年の阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬・最優秀2歳牝馬サークルオブライフがいる。
同い年のステラヴェローチェは馬主が同じ大野剛嗣氏で、須貝尚介厩舎の同僚。普段から調教で併せ馬を行い切磋琢磨する仲の良い友人同士である。また、白毛GⅠ牝馬として有名なソダシも同い年の同厩。
なお、主戦騎手については父以上に変遷が激しく、現状では不定としか言いようがない。2歳・3歳の計13戦で9名の騎手が乗っている。
経歴
2018年3月29日、北海道新ひだか町の千代田牧場で誕生。父も母も芦毛馬なのだが、上述の通り両親の血統に伝わる尾花栗毛の毛色をもって生まれた。同年のセレクトセールで1,674万円で落札され、その毛色と父の名からイタリア語で「速い(Veloce)」+「黄金(Oro)」を意味する「ヴェローチェオロ」と命名された。
そして、父が現役を送った須貝尚介厩舎に入り、デビュー準備を進めることとなった。
2歳(2020年)
2020年8月30日、札幌競馬場の新馬戦(芝1800m)にて吉田隼人騎乗でデビュー、中団からの末脚を繰り出し新馬勝ちを収める。
すると、そのまま札幌に滞在し連闘で翌週の札幌2歳ステークス(GⅢ)に突っ込むというローテが課された。しかし疲労は否めずか、新馬戦のような末脚は繰り出せず同厩ソダシの5着に甘んじた。
その後、1勝クラス百日草特別でエフフォーリアの3着、東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)ではダノンザキッド(父の僚友ジャスタウェイ産駒である)の5着など、2歳は5戦1勝で終えた。
3歳(2021年)
クラシック三冠戦線を目指し収得賞金を積んでいきたいところだったが、2021年も年始から条件戦でもたつきが続き、皐月賞出走を逃す。
4月10日のひめさゆり賞(新潟芝2000m)で2勝目を挙げ、日本ダービーへの逆転出走を狙い5月8日の京都新聞杯(GⅡ)に挑むがこれも5着止まり。ダービーへの道は閉ざされ、夏場の休養に入った。
菊花賞滑り込み出走
復帰したのは、菊花賞に向けたトライアルのセントライト記念も神戸新聞杯もとっくに終わった10月10日の三田特別(2勝クラス・阪神芝2200m)。ミルコ・デムーロを鞍上にこの復帰戦に勝利したヴェローチェオロは、収得賞金を1500万円とし滑り込みで菊花賞の出走圏内に食い込んだ。(この2021年菊花賞は皐月賞馬エフフォーリアやダービー馬シャフリヤールの回避もあり、3勝クラスの収得1500万円馬は登録全頭出走可、2勝クラスの収得900万円が5分の1当選の抽選だった。)
菊花賞までは中1週しかない。こんなタイミングの出走決定では騎手の確保に難渋するところだが、テン乗りに定評のある幸英明を迎え、10月24日、父の制した菊花賞に突っ込んだ。なお、同厩の僚友ステラヴェローチェと同じレースを走るのはこれが初だった。
しかしレースは横山武史の駆るタイトルホルダーが絶巧の大逃げ。追いかけた先行集団は大半が潰れ、後方の差し追い込み勢は遠すぎて届かないという展開で、オロは追い込みをかけるも6着に敗れた。
だが、前走から中1週で菊花賞6着は健闘と受け取られたことと、GⅠレース出走でその血統や尾花栗毛の外見が知られたこともあり、静かにオロの人気は高まっていった。同年の有馬記念ファン投票では、83位にランクイン。重賞未勝利どころかオープン入りもまだの馬としては大健闘で、オロより票を集めた条件馬はソダシの叔父シロニイ(56位)くらいのものであった。
オープン入り
12月最終週、オロは有馬記念に出走する同僚ステラヴェローチェと共に、中山競馬場へと遠征する。そして、有馬前日の土曜メインレース、有馬と同じ芝2500mのグレイトフルステークス(3勝クラス・ハンデ戦)に出走。
2番手追走から最終直線で抜け出し先頭に立ったオロ。すると、文字通りの舐めプと言わんばかりに舌をベロベロさせつつ疾走、1着入線。土曜メインレースのためテレビ東京『ウイニング競馬』などを通じて多くの競馬ファンがこのレースを見ており、父からの血の継承を大いに印象付けるレースとなった。
(映像3:20付近~。先頭を駆けながら舌を出しているのが確認できる。)
ともあれ、これにて3歳のうちにオープン入りと相成った。
なお、自分のレースが終わったのだから普通はさっさと馬運車で栗東に帰るのだが、大レースを前にオロがいないとステラが寂しがるという理由で帰厩を遅らせる判断が下された。中山滞在を1泊延ばして、有馬記念を4着で終えたステラと共に栗東への帰路についた。
4歳(2022年)
古馬初戦は2月のダイヤモンドステークス(GⅢ)から始動。3番人気に推されたが、テーオーロイヤルの5着に敗れた。
続いてはドバイワールドカップのドバイゴールドカップ(G2)に出走したが7着。鞍上のミルコ曰く「直線で諦めていた」そうな。
が、レースよりも海外記者がツイッターに上げた「日本代表の馬たちが現地で訓練する中、父を彷彿させる変顔をしながら画面を横切るヴェローチェオロ」の姿を収めた動画の方が話題になった。(詳しくは下記の関連動画を参照)
長期休養
ところがドバイワールドカップから帰国後、宝塚記念のファン投票が始まった5月19日、競馬ファンの間にちょっとした話題が走った。ファン投票の対象から、ステラヴェローチェ・ヴェローチェオロの2頭が外れていたのである。これは、2頭が宝塚記念には出走不可能な状態である(何らかの故障や疾病を抱えている等)ことを暗示していたが、理由については何のリリースもなく、ファンの心配を誘った。
以降はステラヴェローチェと共に情報が途絶えたが、8月頃に生産である千代田牧場がTwitterに公式アカウントを開設したと同時にヴェローチェオロの近況を画像で上げた事で消息が判明した。
牧場の人曰く「毎日、若い女の子(馬)にブヒブヒ言ってて元気にしてます」との事。
その後千代田牧場の11月のツイートで、実はドバイで足を痛めており、同牧場で復帰に向けた調整が進められていることが明かされた。
5歳(2023年)
2023年2月18日、2年連続の出走となるダイヤモンドステークスで復帰。結果は15着のブービーに終わったが、11ヶ月振りにレースへの復帰を果たした。
……だが、これがヴェローチェオロのラストランになった。
3月12日の金鯱賞に登録していたが出走を見送り、3月11日付でJRAの競走馬登録を抹消された。怪我からの完全復活や重賞制覇を果たせず、また僚友ステラヴェローチェの復帰を待たぬままの、無念の引退となった。
今後は、馬事公苑で誘導馬となる予定である。
関連動画
ステラヴェローチェと一緒に作られたファン製作の応援ソング
2014年凱旋門賞の父と同じように欽ちゃん走りしながらカメラ目線をするヴェローチェオロ
https://twitter.com/AdolphsonRacing/status/1505197085011890182?t=bEGJu5lXQDBgwB1aRchxjg&s=19