曖昧さ回避
- 人間の頭髪などが白いこと、およびそのような人物。現代日本語では老化によるものは白髪、先天的なものや染色によるものは銀髪と呼ばれるのが普通(古語では白髪のことを白毛(しらげ)といった)。pixivタグでは銀髪のキャラクターに中国語のタグとして使われていることが多い。
- 動物の体毛が白いこと、およびそのような個体。様々な色の毛がある家畜(特に毛色が登録される馬)で白い毛を持つ場合に使われ、ホッキョクグマのように全個体が白い場合には使われない。
以下では馬の白毛について説明する。
概要
馬の毛色は14種類(鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、栗毛、栃栗毛、芦毛、佐目毛、河原毛、月毛、白毛、粕毛、薄墨毛、駁毛)、うちサラブレッドには8種類(鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、栗毛、栃栗毛、芦毛、白毛)あるが、このうち「最も白い」毛色。
芦毛は途中で白くなるのに対し、生まれた時から白い体毛である。
日本における白毛の競走馬は、牡馬ハクタイユーを祖とする一族、牝馬シラユキヒメを祖とする一族(シラユキヒメ一族)、ニュージーランドの牝馬The Opera Houseを祖とするカスタディーヴァとその産駒、アメリカの牝馬White Beautyを祖とするサトノジャスミンとその産駒などがいる。
突然変異で生じる毛色なので一族ごとに性質が異なる可能性もあるが、白毛は基本的に他全ての毛色に対して顕性であり、白毛遺伝子を持った馬は必ず白毛になる。(逆に言えば、両親ともに白毛でない馬は再び突然変異を起こさない限り白毛にはならない)。
他の毛色を上書きする力は芦毛より強い。通常、芦毛も両親のどちらかが芦毛でない限り生まれないのだが、白毛の方が優先されるために、シラユキヒメの娘マシュマロ(白毛だが、父クロフネから受けた芦毛の遺伝子を秘めている)は「両親ともに芦毛ではない芦毛の子」を複数出産している。
白毛は「他の毛色遺伝子を機能させず色をつけない」というシステムで発現しており、厳密には白色の毛ではなく「色のない透明の毛」であり、光の反射で白色に見えている。(ただしアルビノとは異なり、目などの色素は他の毛色の馬と基本的に変わらない)。このため、白毛遺伝子が部分的にしか働かなかった場合は「本来なるはずだった」毛色が残ることがある。(一例として、鹿毛のキングカメハメハと白毛のシラユキヒメの交配で生まれたブチコは、白毛の馬体に鹿毛のブチ模様がある)。
シラユキヒメ一族
サンデーサイレンス産駒の白毛牝馬シラユキヒメを始祖とする一族。珍しい白毛の一族だが、重賞を勝つような実力馬も出ている。シラユキヒメの突然変異による白毛遺伝子は「W14」と命名された。
なお、シラユキヒメ自身がサンデーサイレンスの血を持つため、活躍馬はクロフネやキングカメハメハの血筋が多い。
※…白毛ではない馬
シラユキヒメ♀(父:サンデーサイレンス)
├─マシュマロ♀(父:クロフネ)
└─ブチコ♀(父:キングカメハメハ)
├─ソダシ♀(父:クロフネ)
├─ママコチャ♀(父:クロフネ)※
マダムブランシェ一族
カスタディーヴァ一族
ニュージーランド産の白毛馬The Opera House(種牡馬オペラハウスとは別)を祖とする一族。その仔カスタディーヴァは南半球産として日本で初めて出走した白毛馬。
ジオペラハウス♀(父:ザビール)
サトノジャスミン一族
アメリカ合衆国で生産された白毛牝馬の競走馬・繁殖牝馬でアメリカのジョッキークラブに白毛を認めさせたホワイトビューティーを祖とする一族。この一族の白毛遺伝子は「W2」と命名された。
White Beautyの父Ky. Colonelは脚や腹部に大きな白徴を持っており、別の繁殖牝馬との間にも全身がほぼ白い産駒が生まれていることから、W2の祖はKy. Colonelであろうと推測されている。
この一族のファミリーライン(母系または牝系)の6代目として米国で生まれ、日本で調教を受けた外国産馬がサトノジャスミンである。また、わかっている限りでは白毛で最も長い系譜でもある。
White Beauty♀(父:Ky. Colonel)
└─World O'Beauty♀(登録上は粕毛)
└─Precious Beauty♀
└─Patchen Beauty♀
└─Spot of Beauty♀(父:スキップアウェイ)
├─ホワイトドラゴン♂
└─サトノジャスミン♀
└─ゴージャス♀(父:ゴールドシップ)