概要
2012年4月27日生まれの牝馬。父キングカメハメハ 母シラユキヒメ。白毛馬でダルメシアンのようなブチ柄という非常に珍しいルックスでデビュー前から注目を集める。
競走能力も十分なものが垣間見え、外見に見合った活躍を非常に期待された馬であったが、ゲート難という厄介な気質を抱えており、それによって出走停止処分とゲート入り再審査が繰り返された。結局この競走馬としてはあまりにも致命的な悪癖は抜けず、最終的に「ゲート入りのための再調教は負担が大きい」としてそのまま引退となってしまうという、実に惜しい馬といえる。
現役時はその特徴的なブチ模様よりも数度の流血シーンが印象に残ってしまうという、負傷的な痛々しさを競馬ファンの脳裏に焼き付けた馬でもある。
ゲート難
このブチコ。前述したとおり気性難で知られた馬でもある。
特に、発馬機(ゲート)が苦手で、たびたびゲートを潜り抜けたり破壊したりして脱走していた。
あまりにもゲートが嫌いなことから、ファンの間では「ゲートをぶち壊すのブチコ」や「レースをぶち壊すブチコ」などと言われたこともある。
彼女の主な破天荒エピソードは次の通り。
- 2016年4月13日マリーンカップ(船橋競馬場)にて、ゲートの前扉に激突して負傷。レースに出走できなくなる。
- 2016年6月4日麦秋ステークス(東京競馬場)で、ゲートを潜り脱走。そのまま走り出して馬場の柵に激突。左前脚を負傷する。なお、この時鞍上のクリストフ・ルメールも左足を骨折してしまった。
- 2017年1月17日雅ステークス(京都9R)でゲートを潜ろうとして破壊。大外枠からの発走となる。
競走成績
2014年10月25日、京都競馬場の新馬戦でデビュー。3番人気5着。
11月16日未勝利戦、4番人気2着。12月13日未勝利戦、1番人気4着。
3戦とも芝1600mのレースで勝ちきれないまま年を越す。
2015年1月10日、京都競馬場ダート1800m未勝利戦、単勝3.0倍の2番人気、先行して直線抜け出し2着に8馬身差をつけて初勝利。
2月1日、京都競馬場ダート1800m500万下条件戦、単勝1.7倍の1番人気、先行して直線抜け出し2着に3馬身1/2差をつけて2勝目。
3月7日、桜花賞の出走権をかけてチューリップ賞(阪神競馬場芝1600m)に挑戦。6番人気、先行して直線伸びず14着。
4月5日、3歳オープン特別伏竜ステークス(中山競馬場ダート1800m)、2番人気、先行して6着。
その後、園田の交流G2兵庫チャンピオンシップ除外、川崎の牝馬限定交流G2関東オークスは補欠1番手、と出走できず。
6月21日ユニコーンSは11/16の抽選を通って出走。5番人気、先行して5着。
第56回宝塚記念のファン投票は79位(988票)。
夏場は放牧に出される。9月5日栗東へ帰厩。
10月4日、阪神競馬場ダート1800m1000万下条件戦、単勝3.7倍の1番人気、先行して直線伸びず8着。
11月1日、北國新聞杯(京都競馬場ダート1800m1000万下特別)、単勝4.7倍の2番人気、先行して直線伸びる、抜け出したメイショウウタゲから1 1/4馬身差、トウケイウインとの競り合いをハナ差制して2着。
第60回有馬記念ファン投票は80位(1650票)。
2016年1月5日、京都競馬場ダート1800m1000万下条件戦、単勝2.8倍の2番人気、中団から抜け出し2着に1.7秒差の大差をつけて勝つ。
1月30日、 北山ステークス(京都競馬場ダート1800m1600万下条件戦)、単勝1.6倍の1番人気、先行するが前2頭を捉えきれず3着。
3月6日、上総ステークス(中山競馬場ダート1800m1600万下条件戦)、単勝2.3倍の1番人気、先行して直線抜け出し2着に3馬身差をつけて1着。収得賞金2400万円となりオープンクラスに。
4月13日、マリーンカップ(船橋競馬場ダート1600m G3)、単勝1番人気だったがゲートをくぐって目元を負傷し競走除外となった。
6月4日、麦秋S(東京競馬場ダート1600m 1600万下条件戦) 、またもゲート入り不良で左肩を負傷、以前の目の負傷以上に痛々しい姿を見せて競走除外となった。
休養後1600万下条件戦を3戦したが、結局ゲート入り再審査を課されてしまう。再調教の際のストレスを考慮するとこれ以上は馬にとって良くないとして無念の引退、繁殖入りを決めた。
年月日 | 競馬場 | レース名 | 距離 | 人気 | 着順 |
---|---|---|---|---|---|
14年10月25日 | 京都 | 新馬戦 | 芝1600m | 3 | 5 |
11月16日 | 京都 | 未勝利戦 | 芝1600m | 4 | 2 |
12月13日 | 阪神 | 未勝利戦 | 芝1600m | 1 | 4 |
15年1月10日 | 京都 | 未勝利戦 | ダート1800m | 2 | 1 |
2月1日 | 京都 | 500万下 | ダート1800m | 1 | 1 |
3月7日 | 阪神 | チューリップ賞(G3) | 芝1600m | 6 | 14 |
4月5日 | 中山 | 伏竜ステークス(オープン) | ダート1800m | 2 | 6 |
6月21日 | 東京 | ユニコーンS(G3) | ダート1600m | 5 | 5 |
10月4日 | 阪神 | 1000万下 | ダート1800m | 1 | 8 |
11月1日 | 京都 | 北國新聞杯(1000万下) | ダート1800m | 2 | 2 |
2016年1月5日 | 京都 | 1000万下 | ダート1800m | 2 | 1 |
1月30日 | 京都 | 北山ステークス(1600万下) | ダート1800m | 1 | 3 |
3月6日 | 中山 | 上総ステークス(1600万下) | ダート1800m | 1 | 1 |
きょうだい
母シラユキヒメは突然変異の白毛馬。子供(ブチコを含むきょうだい)は12頭中10頭が白毛。
生年月日 | 名前 | 性別 | 毛色 | 競走成績 | 現在 |
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2003年2月20日 | シロクン | 牡 | 白毛 | 5戦0勝 | 消息不明 |
2004年3月18日 | ホワイトベッセル | 牡→セン | 白毛 | 17戦3勝 | 死亡 |
2005年3月28日 | ユキチャン | 牝 | 白毛 | 17戦5勝 | 繁殖牝馬 |
2007年3月4日 | ママズディッシュ | 牝 | 芦毛 | 10戦0勝 | 繁殖牝馬 |
2008年2月28日 | シロベエ | 牡→セン | 白毛 | 未出走 | 誘導馬 |
2009年3月23日 | マシュマロ | 牝 | 白毛 | 12戦2勝 | 繁殖牝馬 |
2010年3月22日 | ブラマンジェ | 牝 | 白毛 | 3戦0勝 | 繁殖牝馬 |
2011年4月9日 | マーブルケーキ | 牝 | 白毛栗ブチ | 13戦3勝 | 繁殖牝馬 |
2012年4月27日 | ブチコ | 牝 | 白毛鹿ブチ | 上記参照 | 繁殖牝馬 |
2014年2月13日 | シロニイ | 牡 | 白毛ブチ | 49戦4勝 | 誘導馬(阪神) |
2015年4月22日 | (シラユキヒメの2015) | 牡 | 鹿毛 | 未出走 | 消息不明 |
2016年5月10日 | ブッチーニ | 牝 | 白毛 | 20戦3勝 | 繁殖牝馬 |
繁殖成績
生年月日 | 名前 | 性別 | 毛色 | 競走成績 | 現在 |
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2018年3月8日 | ソダシ | 牝 | 白毛 | 16戦7勝 | 繁殖牝馬 |
2019年3月18日 | ママコチャ | 牝 | 鹿毛 | 13戦6勝 | 現役 |
2021年2月13日 | カルパ | 牡 | 白毛 | 7戦1勝 | 現役 |
2022年2月4日 | エスタア | 牡 | 黒鹿毛 | 1戦0勝 | 現役 |
2023年2月9日 | マルガ | 牝 | 白毛 | - | 若駒 |
2024年2月22日 | ブチコの2024 | 牝 | 白毛 | - | 幼駒 |
関連項目
ブチオ:ばんえい競馬、鹿駁毛の牡馬。ブチコにあやかって命名。ぶち模様なのは先祖にポニーがいるかららしい。
ぷちこ:名前は似ているが、全くの別物。