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桜花賞

おうかしょう

本項ではJRA(日本中央競馬会)が阪神競馬場で開催する3歳牝馬限定GⅠ競走を中心に取り上げる。メイン画像はモチーフ馬が2007年に本レースを制したダイワスカーレット(ウマ娘)。
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桜の女王へ。

2013年JRA CM「桜花賞」編より


その他曖昧さ回避編集

 →浦和桜花賞

 →東海桜花賞


その他廃止されたものや他競技も含めていくつか存在。


基本データ編集

開催競馬場阪神競馬場
距離1,600m
格付けGⅠ
フルゲート18頭
出走条件サラブレッド系3歳(牝馬限定、出走馬の所属先:JRA地方競馬・外国厩舎)
負担重量馬齢(定量55kg)
備考5着以内の馬に対し優駿牝馬オークスの優先出走権を付与

概要編集

八大競走の一つで、現在のJRAの3歳牝馬三冠レース(桜花賞・優駿牝馬秋華賞)の第一戦目。

レース名は、と並んで日本の事実上の国花とされているサクラ類のに由来する。


優勝馬は伝統とされる「桜の女王」の称号を獲得できる他、5着馬までに優駿牝馬(オークス)への優先出走権が与えられる。

現在はソメイヨシノ等の開花時期に当たる4月上旬に開催。2000年に高松宮記念が3月開催に整備されるまでは春のGⅠレース開幕戦であった。


ファンファーレは京都競馬場や中京競馬場でも流れる宮川泰作曲の西日本地区のGⅠ仕様曲。

桜花賞での生演奏限定で2010年代中頃までは最後の小節を1音で延ばすアレンジされていたが、それ以降は通常の旋律での演奏に変えられている。


  • 桜花賞アレンジ版生ファンファーレ(2010年)


歴史編集

英国のクラシックレース1000ギニーを手本として、1939年に「中山4歳牝馬特別競走」の名称で創設。

当初は中山競馬場芝1,800mという設定であった。

1947年に桜花賞に改称され、京都競馬場芝1,600m開催に変更。

1950年以降は現在の阪神競馬場での1,600m戦となっている。


1984年のグレード制導入によりJRA基準の旧GⅠに格付けされ、2007年にJpnⅠ表記に変更。

2010年に国際競走としての指定によって外国調教馬・外国産馬が最大9頭まで出走可能となり(外国産馬は2004年以降可能)、グレード表記も国際基準でのGⅠとなった。


トライアルレース編集

桜花賞への優先出走権が付与されるレース。

競走名格付競馬場距離適用着順
チューリップ賞GⅡ阪神競馬場芝1,600m3着以内
フィリーズレビューGⅡ阪神競馬場芝1,400m3着以内
アネモネステークスL中山競馬場芝1,600m2着以内

歴代優勝馬編集

馬の太字は同年の最優秀3歳牝馬(2000年までは最優秀4歳牝馬)受賞馬、騎手の太字は騎手・調教師顕彰者

☆:牝馬三冠達成

★:二冠達成(「樫」は優駿牝馬、「菊」は菊花賞(1969年まで)、「ビ」はビクトリアカップ(1970年-1975年)、「エ」はエリザベス女王杯(1976年-1995年)、「秋」は秋華賞(1996年-)との二冠を、「N」はNHKマイルカップとの変則二冠)


R:レースレコード。

馬名   鞍上  備考
昭和時代1800m戦
第1回1939年ソールレデイ石毛彦次郎後にクラシック馬初の障害転向
第2回1940年タイレイ保田隆芳R 1:56 4/5
第3回1941年ブランドソール阿部正太郎R 1:54 2/5
第4回1942年バンナーゴール宮沢今朝太郎
第5回1943年ミスセフト佐藤勇優駿牝馬はクリフジの2着
第6回1944年ヤマイワイ前田長吉R 1:55 0/5
昭和時代マイル戦
第7回1947年ブラウニー★(菊)武田文吾1:42 1/5 桜菊二冠 ダービー3着
第8回1948年ハマカゼ八木沢勝美R 1:41 1/5 菊花賞2着
第9回1949年ヤシマドオター八木沢勝美R 1:40 3/5 天皇賞(秋)牝馬、鞍上の八木沢は史上初の騎手連覇。
第10回1950年トサミツル境勝太郎
第11回1951年ツキカワ清田十一R 1:39 1/5
第12回1952年スウヰイスー★(樫)保田隆芳R1:38 3/5 菊2着 安田賞連覇
第13回1953年カンセイ森安弘明
最優秀4歳牝馬設置
第14回1954年ヤマイチ★(樫)八木沢勝美菊3着
第15回1955年ヤシマベル清田十一クモノハナの全妹
第16回1956年ミスリラ柴田不二男オークス2着、
第17回1957年ミスオンワード★(樫)栗田勝菊10着 秋天2着
第18回1958年ホウシユウクイン上田三千夫オークス3着
第19回1959年キヨタケ蛯名武五郎R 1:38.3
第20回1960年トキノキロク杉村一馬同期スターロツチ
第21回1961年スギヒメ諏訪真
第22回1962年ケンホウ野平好男
第23回1963年ミスマサコ瀬戸口勉桜花賞史上最高配当 単勝57.3倍
第24回1964年カネケヤキ★(樫)野平祐二菊5着(シンザンと二冠対決)
第25回1965年ハツユキ加賀武見鞍上の加賀は優駿牝馬をベロナで制し、史上初の別々の馬による牝馬二冠ジョッキーとなる。
第26回1966年ワカクモ杉村一馬テンポイント
第27回1967年シーエース高橋成忠
第28回1968年コウユウ清水出美R 1:37.6
第29回1969年ヒデコトブキ久保敏文R 1:36.6 2着トウメイ
牝馬三冠確立ビクトリアカップ創設
第30回1970年タマミ高橋成忠“美少女”
第31回1971年ナスノカオリ嶋田功
第32回1972年アチーブスター★(ビ)武邦彦未登録でオークス回避
第33回1973年ニットウチドリ★(ビ)横山富雄R 1:35.4 オークス2着
第34回1974年タカエノカオリ武邦彦ラストラン(屈腱炎で引退)
第35回1975年テスコガビー★(樫)菅原泰夫R 1:34.9 大差勝ち「後ろからはなんにも来ない!」 VC回避
エリザベス女王杯創設
第36回1976年テイタニヤ★(樫)嶋田功エリ女4着
第37回1977年インターグロリア★(エ)福永洋一オークス14着 77牝馬三強
第38回1978年オヤマテスコ福永洋一鞍上の福永は二人目の桜花賞騎手連覇。
第39回1979年ホースメンテスコ佐々木晶三
第40回1980年ハギノトップレディ★(エ)伊藤清章オークス17着 華麗なる一族ダイイチルビー母。
第41回1981年ブロケード柴田政人どろどろ不良馬場「金襴緞子が泥にまみれてゴールイン」
第42回1982年リーゼングロス清水英次
第43回1983年シャダイソフィア猿橋重利オークス回避し東京優駿(日本ダービー)挑戦17着
グレード制導入
第44回1984年ダイアナソロン田原成貴日本初のGⅠ馬
第45回1985年エルプス木藤隆行
第46回1986年メジロラモーヌ河内洋史上初の牝馬三冠(完全三冠)
第47回1987年マックスビューティ★(樫)田原成貴8馬身差勝ち エリ女2着
第48回1988年アラホウトク河内洋R 1:34.8
平成時代
第49回1989年シャダイカグラ武豊桜花賞史上初の騎手父子制覇
第50回1990年アグネスフローラ河内洋無敗桜花賞馬 オークス骨折2着引退、アグネスフライトアグネスタキオン母。
第51回1991年シスタートウショウ角田晃一無敗桜花賞馬 イソノルーブル落鉄事件。阪神競馬場改修で京都競馬場にて施行。
第52回1992年ニシノフラワー河内洋初の持ち込み馬による制覇。
第53回1993年ベガ★(樫)武豊「花曇りの空に一等星輝きました」 エリ女3着、アドマイヤベガアドマイヤドン母。
第54回1994年オグリローマン武豊オグリコール再び。武豊は3人目の騎手連覇。
第55回1995年ワンダーパヒューム田原成貴R 1:34.4阪神・淡路大震災により京都競馬場で施行。
秋華賞創設
第56回1996年ファイトガリバー田原成貴R 1:34.4(レコードタイ)。田原は4人目の騎手連覇。
第57回1997年キョウエイマーチ松永幹夫不良馬場での勝利。メジロドーベル2着。
第58回1998年ファレノプシス★(秋)武豊R 1:34.0 オークス3着
第59回1999年プリモディーネ福永祐一二人目の桜花賞騎手父子制覇「父よ見てくれ!福永佑一プリモディーネであります!」
第60回2000年チアズグレイス松永幹夫
馬齢改正・最優秀3歳牝馬変更
第61回2001年テイエムオーシャン★(秋)本田優オークス3着
第62回2002年アローキャリー池添謙一
第63回2003年スティルインラブ幸英明R 1:33.9 史上2頭目の牝馬三冠
第64回2004年ダンスインザムード武豊R 1:33.6 のちヴィクトリアマイル初代優勝馬。
第65回2005年ラインクラフト★(N)福永祐一R 1:33.5 3着デアリングハートM.デムーロ。イラスト奥・黄色の帽子) 次走NHKマイルカップを勝利。※2着シーザリオ。15年後、2、3着馬の孫が無敗牝馬三冠を達成し、優勝馬の鞍上は同年誕生の無敗三冠馬の子で無敗三冠を達成。
2005桜花賞〜残り1ハロン〜
第66回2006年キストゥヘヴン安藤勝己アドマイヤキッスではありません!こちらのキスでした!」
第67回2007年ダイワスカーレット★(秋)安藤勝己)オークスは発熱で回避。安藤は5人目の桜花賞騎手連覇。
第68回2008年レジネッタ小牧太
第69回2009年ブエナビスタ★(樫)安藤勝己秋華賞3着
第70回2010年アパパネ蛯名正義R 1:33.3 史上3頭目の牝馬三冠
第71回2011年マルセリーナ安藤勝己ディープインパクト産駒初のGⅠ勝利。安藤勝己最後のGⅠ勝利。
マルセリーナ
第72回2012年ジェンティルドンナ岩田康誠史上4頭目の牝馬三冠(全て2着ヴィルシーナ)。当年年度代表馬
第73回2013年アユサンC.デムーロ同レース初の外国人騎手制覇
第74回2014年ハープスター川田将雅ディープインパクト産駒4年連続優勝。
桜花賞
第75回2015年レッツゴードンキ岩田康誠エルプス以来30年ぶり逃げ切り勝ち。
第76回2016年ジュエラーM.デムーロ2着シンハライトとハナ差
第77回2017年レーヌミノル池添謙一
第78回2018年アーモンドアイC.ルメールR 1:33.1 史上5頭目の牝馬三冠 二頭目の同年年度代表馬九冠馬
令和時代
第79回2019年グランアレグリアC.ルメールR 1:32.7。鞍上のルメールは6人目の桜花賞騎手連覇。
第80回2020年デアリングタクト松山弘平史上初無敗牝馬三冠 テビュー3戦目で制覇(史上3頭目)
第81回2021年ソダシ吉田隼人R 1:31.1 白毛馬初のクラシック制覇
第82回2022年スターズオンアース★(樫)川田将雅二冠牝馬 秋華賞3着
第83回2023年リバティアイランド川田将雅史上7頭目の牝馬三冠 鞍上の川田は史上7人目の桜花賞連覇
第84回2024年ステレンボッシュJ.モレイラ阪神JF2着からの逆襲

余談編集

牝馬三冠のクラシックレースの一冠目であり、掲示板圏内であればオークスへの優先出走権が与えられる本レースであるが、優勝馬が怪我や病気でもないのにオークスへ進まないケースも珍しくはない特徴がある。これは「距離1,600mと短いため、スプリンター適性のサラブレッドであっても優勝できる」からと推察され、ニシノフラワーのように短距離路線に進む者もいたり、特にNHKマイルカップ発足後はラインクラフトやグランアレグリアのように変則二冠を狙いに行く者も出るようになった。

また、それだけに競走馬のレベルが上がった近年では三冠牝馬の勝ち鞍のうち唯一苦戦を強いられたり一番人気を譲ったりすることもあったりする。


その他編集

1986年~1996年までの11年間のうち、ちょうど中間にあたる1991年を除くと武豊、河内洋、田原成貴の3人で10勝を挙げている(前後の1年を挟むとグレード制が導入された1984年以降の15年間で8割の12勝がこの3人となる)。

また2006年から2011年までの6年間で安藤勝己騎手が4勝している。


関連項目編集

競馬 JRA GⅠ 重賞 阪神競馬場


JRAの3歳牝馬クラシック三冠レース

桜花賞 優駿牝馬(オークス) 秋華賞

JRAの3歳クラシック三冠レース

皐月賞 東京優駿(日本ダービー) 菊花賞


JRAの牝馬限定GⅠ

阪神ジュベナイルフィリーズ:2歳牝馬限定レース

ヴィクトリアマイル エリザベス女王杯:牝馬限定の古馬混合レース

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