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きく

キク科の草花のうちキク属の園芸種の「キク」などを指す呼称。ここでは「キク」を含むキク属植物全般について取り扱います。

概要

狭義ではキク亜科キク属(クリサンセマム属)の園芸種の「キク」という種を指すが、キク科の植物で「○○菊」などとして菊と呼ばれる種類は多い。筒状花と舌状花から成る頭状花序の構造は多くのキク科植物に共通しており、八重咲き化した種類も多い。写真やイラスト中の花が「キク」ないしキク属植物であるか、その他のキク科植物であるかの判別はしばしば困難である。

pixivでキクについて検索しようとしても「菊」という名前のキャラクター(後述)の大量のイラストに埋もれてしまうので、「菊+花」の完全一致で検索するなどした方がよい。

園芸植物の「キク」

狭義の「菊」はキク科キク属の「キク」という園芸種を指す。非常に多くの品種があり、大輪の「一輪菊」や、多くの小さな花をつける「スプレー菊」など、様々な形態の花を咲かせる。本来はに開花するが、初夏に咲く春菊(食用のシュンギクとは別)、盛夏に咲く夏菊、に開花する寒菊などの変種もある。

人為的に作り出された品種群であるが、シマカンギク(Chrysanthemum indicum)をはじめとする非常に多数の野生種が交雑した複合体であるため、一定した学名がない(Chrysanthemum × morifolium とかChrysanthemum × grandiflorumなどと表記される)。おびただしい雑種や変種のどこまでを「キク」と捉えるべきかも定説がなく、分類学上はわりと難儀な種である。

他のキク科植物と区別して「イエギク」とされることもあるが、観賞用に栽培されるキク科植物はヤグルマギクヒナギクデイジー)やマーガレットなど多岐にわたるので、混乱を招く呼称である。

一輪菊(フエゴダーク)

一輪菊(管菊)

ポンポン菊(ピンポン咲き)

日本文化における扱い

本種は日本産の野菊から独自に栽培化されたものではなく、中国から伝わったものである(ただし、伝来後に日本産ノジギクなども交配された)。読み方も中国語の読み方(ju2ジュ)を日本語にしたもので、つまりキクは音読みである。

天皇皇室を表す紋章(十六八重表菊)に由来する日本の(慣習上の)国花として扱われる。パスポート表紙50円玉刻印されている。

日本では葬儀の際の献花には菊が用いられることが多いため、生きている人(特に病床の入院患者)に菊の花を贈ることは「死ね」と言っているに等しく、タブーとされている(あくまでも日本特有のマナーに過ぎない)。

花言葉

高貴」「高尚」「高潔」「清浄」

「女性的な愛情」「破れた」「私を信じて下さい」「真の愛」

「キク」以外のキク属植物

キク属の植物は日本在来の「野菊」ではノジギクリュウノウギクイソギクなどが含まれる。

いずれも草丈20cmから1mぐらいまでの一年草または多年草である。これらの種の多くは観賞用としても栽培され、園芸種の「キク」に交配され多くの品種の原種ともなっている。

北アフリカ原産の「クリサンセマム・ムルチコーレ」は今では植物学上はコレオステフス属のミコニス種ということになっているが、園芸上は今でも「クリサンセマム」と呼ばれている。シュンギクもかつてはキク属に含まれていたことがあった。

関連人物・キャラクター

「菊」という名前の実在人物

「菊」という名前のキャラクター

「お菊」という名前のキャラクターについてはお菊を参照。

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