概要
パスポート(英語:Passport)は、国境を越える移動に必要な国際身分証明書。その人物・国籍を示す身分証明書で、国境を越えた履歴を記録する機能がある他にもICチップを内蔵しており、スタンプ・査証(ビザ)を記録するページを有している手帳型である。国際的な身分証明書である事から、その者の国籍を保証する為に各国の政府が発行する。日本では外務省が発行する事になっており、出入国管理は法務省が実施する。
国境を越える移動に必須なもので、徒歩や乗り物の手段を問わない。鉄道や航空機などの交通機関に関する書類だと誤解されやすいが、あくまで出入国管理を実施する上で必要な国の書類である。政府が発行する国際的な身分証明書なので、免許などの国内向けの身分証でも同じ事が言えるが、犯罪としての悪用を防ぐ意味で後述の発行の書類審査は厳格になる傾向にある。
特殊な事例
ヨーロッパ諸国
ヨーロッパ連合加盟国(一部)とその他の国では、域内での人間の自由な移動を実現するシェンゲン協定を締結し、域内の国境管理を無くしている。
ロシア連邦
自動車で数時間に及ぶ国内の移動であっても、国内パスポートによる証明が必要である。
香港・マカオ
中国に返還された後もイギリス・ポルトガルにそれぞれ統治されていた経緯から、中国本土とは実質外国である為、出入国管理があるのでパスポートが必須である。
国家元首
大統領・君主などの国家元首は外国の移動にパスポートが必要無い。
日本のパスポート
「一般旅券」は5年(表紙は紺)もしくは10年有効(表紙は臙脂色)で、各自治体の役所に戸籍謄本や顔写真などの書類を添えて申請・取得する。2023年(令和5年)3月27日より、更新のオンライン申請も可能になり、新規の申請も順次対応している。
表紙には菊紋が描かれている。旅行中に紛失・盗難したなどの事情で再交付を受ける場合、1年有効の「緊急旅券」(表紙は紺)が発行されることがある(広義には「一般旅券」の一部)。
「公用旅券」は原則5年有効(表紙は緑)で、国会議員や国家公務員、公的機関の職員(青年海外協力隊員など)などが、政府の公務で出国する際に発行される。通常は指定された国との1往復しかできないが、公務によっては数往復分まとめて発行したり、周辺国への渡航も可能になっていることもある。
「外交旅券」(広義には「公用旅券」の一部)は原則5年有効(表紙は茶)で、三権の長(内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官)および閣僚、外務公務員(外交官、防衛駐在官)、皇族(天皇・皇后除く)が政府の公務で出国する際に発行される。使用条件は「公用旅券」に準じる。「公用旅券」「外交旅券」は公務として所属機関から直接申請するため、個人で申請することはできない。
なお国家元首の免除に関しては、日本では天皇・皇后が該当する。ちなみに世界では日本のパスポートは盗難の被害に遭いやすい。これは日本は多くの国と友好関係にあり、ビザが無くても入国できる国が多いからである。
曖昧さ回避
株式会社パスポート:日用雑貨やファンシーグッズなどを販売している。
関連タグ
ITパスポート:日本の国家資格の1つ。名前にあるパスポートは日本から世界に行く時に「パスポート」が必要であるように、IT化が進んだ世界に羽ばたく為に必要な基礎的能力を有している事を国が証明する試験(パスポート)という意味であり、これとは全く関係無い。
スパポート:別府八湯温泉道におけるサービスで、パスポートに見立てたスタンプ帳。