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コントレイル

こんとれいる

日本の元競走馬・種牡馬(2017-)。主な勝ち鞍は2019年のホープフルステークス、2020年の牡馬クラシック三冠(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)、2021年のジャパンカップ。日本競馬史上8頭目のクラシック三冠馬であるとともに、史上3頭目となる無敗のクラシック三冠馬。
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空に描く衝撃の軌跡。

世界にその名を轟かせた偉大な父・ディープインパクト。そのディープ以来15年ぶり、史上3頭目となる無敗のクラシック3冠。父子無敗3冠の偉業達成で日本競馬の宝へ。

JRAヒーロー列伝No.87「コントレイル」より

プロフィール

生年月日2017年4月1日
英字表記Contrail
性別
毛色青鹿毛
ディープインパクト
ロードクロサイト
母の父Unbridled's Song
競走成績11戦8勝
管理調教師矢作芳人 (栗東)
調教助手金羅隆
装蹄師柿元裕望
馬主前田晋二
生産者ノースヒルズ


2017年4月1日生まれの牡馬20世代)。馬名は英語で飛行機雲」(contrail)を意味する。
ディープインパクトは日本競馬史上2頭目の無敗の三冠馬であり、種牡馬としても大活躍していたが、2019年に17歳の若さでこの世を去った。母ロードクロサイトはアメリカで生まれ、日本に輸入された外国産馬。後にコントレイルを担当することとなる栗東の矢作芳人調教師の元で2012年にデビューしたが、7戦して未勝利のまま2013年に引退・繫殖入りとなった。コントレイルは3番目の産駒に当たる。

主戦騎手は福永祐一。後述するように東京スポーツ杯2歳ステークス(ライアン・ムーア騎乗)以外、コントレイルの全レースで鞍上を務めた。

特徴/強み

脚質は先行~差し。レース中は中団付近で脚を溜め、終盤に差し切る展開を得意としていた。一方で道悪での2戦ではスタート直後のダッシュが鈍り、後方からの競馬になっていた。(福永も大阪杯の敗因に「位置取りが後ろになった」ことを挙げている)
距離適性について、担当していた矢作調教師は「作り方ひとつでは、マイラーになっていただろうなと今でも思います」と語っており、本質的にはマイルから中距離が適正距離で、その高い能力で本来合っていない長距離もこなせたのだろうと推測している。
実際、コントレイルは菊花賞後に目に見えるほど疲弊しきっており、福永騎手は陣営に「長距離は使わないでほしい」と直訴した他、矢作調教師も菊花賞後「もう3000mは走らせるつもりはない」としていた。

また、種牡馬入り後の住みかとなる社台スタリオンステーションの徳武英介氏は、日刊スポーツの取材に対しディープサンデーのいいとこ取りです。体の柔らかさはサンデーで、気持ちの優しさや立ち振る舞いはディープです」とコントレイルを評価している。

なお、妙に可愛らしいエピソードが多く残されている。例えば人参すりおろした物しか食べず(最近になってようやく輪切りのものも食べるようになったとのこと)、他にも注射が大嫌い(担当した金羅調教助手曰く「子供が嫌がる感じ」)などといったエピソードが知られている。

経歴

デビューまで

2017年4月1日、ノースヒルズで生まれる。
産まれたときから額に電話の受話器のような独特の流星があり、これがコントレイルのトレードマークとなった。牧場ではその模様から「もしもし君」のあだ名で呼ばれていた。

生後10日のころ、後に管理調教師となる栗東トレセンの矢作芳人調教師が牧場に視察に訪れており、本馬も見ているが、普通に「いい馬だな」とは思ったものの、正直、そこまで強い印象はなかったという。
その後、1歳の終わりに球節を悪くし、2歳の春までほぼ半年間馴致や調教を行えなくなった。これは大きなハンデキャップであり、矢作調教師も当初は「とりあえずゲート試験だけクリアさせて、デビューは早くて11月、いや12月になるかもしれないな」と考えていたという。

2019年(2歳)

栗東・矢作芳人厩舎に入厩し、2019年9月16日の新馬戦で福永祐一を背にデビュー戦初勝利を飾る。

重賞初制覇


2戦目にして初の重賞となった東京スポーツ杯2歳ステークス(11月16日・GⅢ)では、福永が騎乗停止となっていたため、ライアン・ムーアが代理で騎乗した。
アルジャンナやラインベックといった良血馬が揃う中で単勝2.5倍の1番人気に推されると、2着アルジャンナに5馬身差をつけ、2歳レコードを1秒以上更新する圧巻の走りで重賞初勝利。この勝利で、一躍クラシック戦線の主役に名乗りを上げる。

調教師の矢作は、次走は当初は朝日杯フューチュリティステークスを予定していたが、皐月賞と条件が同じホープフルステークスへと切り替えた。

ホープフルステークス


ホープフルステークスでは福永が復帰し、単勝2.0倍の1番人気の期待に応え、GⅠ初勝利。
当年のJRA賞は、同じく無敗で朝日杯を優勝したサリオスとの争いを制し、最優秀2歳牡馬に輝いた。(コントレイル197票:サリオス77票)
なお、ホープフルステークスの勝馬が最優秀2歳牡馬を受賞したのはこれが初めてである。

2020年(3歳)

皐月賞


前年のサートゥルナーリア同様に、前哨戦を挟まずに皐月賞に直行した。
ここで最優秀2歳牡馬の座を争ったサリオスと初めて対決する。
折からの新型コロナウイルスの感染拡大により、皐月賞は無観客での開催となった。

稍重の最内枠ということもあってそれまでより後方からの競馬となったが、4コーナーから外からまくっていき、最後の直線で集団から抜け出すと、内から抜け出してきたサリオスとの一騎打ちとなり半馬身差で勝利。前年のサートゥルナーリアに続いての無敗の皐月賞馬で、ディープインパクト産駒としては初めてだった。

日本ダービー


続く第87回日本ダービーは、単勝オッズ1.4倍の圧倒的人気に推される。
新型コロナウイルスの影響で1944年以来76年ぶりの無観客開催となった日本ダービーは、再びサリオスとの2強対決に注目が集まった。父や先代の三冠馬と同じ3枠5番からスタートすると、最後の直線で力強く抜け出し、2着のサリオスに3馬身をつける勝利で、二冠を達成した。
無敗の二冠馬は父ディープインパクト(2005年)以来15年ぶり、さらに2歳GⅠを含む無敗の二冠達成はミホノブルボン(1992年)以来28年ぶりの快挙となった。
ちなみに、皐月賞と日本ダービーの1・2着馬が同じだったのは、1983年のミスターシービー・メジロモンスニー以来37年ぶり(奇しくも1着馬は後の三冠馬)で、鞍上の福永はワグネリアン(2018年)に続く2年ぶりダービー2勝目を挙げた。

神戸新聞杯から菊花賞へ

秋は神戸新聞杯で始動。単勝1.1倍の人気にこたえ勝利。

令和初の三冠馬を目指して出走した菊花賞では最後の直線でアリストテレスをクビ差で振り切り勝利。
上述の父ディープインパクト以来15年ぶり史上3頭目の無敗の三冠馬(牝馬三冠を含めると同年のデアリングタクトが先に達成してるため4頭目)となった。
また、2歳G1(朝日杯FS・阪神JF・ホープフルステークス)を制した上での無敗三冠は史上初であった(それまでは上述のミホノブルボンの成し遂げた「2歳G1王者からの無敗二冠」までだった。ナリタブライアンは朝日杯FSを制した上での三冠だったが、こちらは無敗三冠ではなかった)。

ジャパンカップ



菊花賞後、陣営は次走にジャパンカップを選択。菊花賞馬が次にジャパンカップに出走するのはオウケンブルースリ(2008年)以来12年ぶり、三冠馬ではシンボリルドルフ(1984年)以来36年ぶりとなる。

  • 当初矢作調教師は菊花賞のレース内容からジャパンカップを回避することを考えていたが、福永騎手とジャパンカップと有馬記念の出走について話していたところ、福永騎手から「中山の2500mというのは東京の2400mと100mしか距離が変わらないのに、急に長距離レースになる」「菊花賞で苦戦したのは適性ではなかったからで、もうそういう長距離的なレースは使ってほしくない」と有馬記念回避を要望され、矢作調教師自身も「(コントレイルも)有馬記念に適性がない」と考えていたため、ジャパンカップ出走・有馬記念回避を決断したという。
既に出走を表明していた同期のデアリングタクト、そして2018年三冠牝馬で天皇賞で芝GⅠ8勝の新記録を打ち立てたアーモンドアイが引退レースとしてジャパンカップに出ることが決まり、マスコミは「三強対決」と大いに盛り上げた。

レースは中団から様子を窺う形で脚を溜め、最後の直線で脚を伸ばすも、先に抜け出たアーモンドアイを捉えられず、1馬身1/4離された2着となり、デアリングタクト(3着)と共に初黒星を喫した。

ジャパンカップ後

ジャパンカップ終了後は有馬記念には出走せず放牧に出され、翌年は大阪杯を目標とする予定であると発表された。

2020年のJRA賞では最優秀3歳牡馬に輝いたものの、年度代表馬はアーモンドアイになった。
JRA発足前のセントライトを除いて、これまでの三冠馬はクラシックシーズンで年度代表馬を受賞していたが、コントレイルは初めて年度代表馬の座を逃した。

2021年(4歳)

古馬になってからの初戦、陣営の予定通り大阪杯から始動。単勝1.8倍に推されたが、雨によって重馬場となり、それが影響したか、レイパパレから4+3/4馬身離れた3着に敗れ、初めて連対を逃した。その後、宝塚記念に登録。デアリングタクトも登録しており、三冠馬対決再びと思われたが、疲労や脚部不安もあり回避した(デアリングタクトの方も怪我によって回避している)。

  • 後に矢作調教師がテレビ番組のインタビューで明かしたところによると、この時コントレイルは軽度ながら繋靭帯炎を発症していたという。そのため天皇賞・秋に間に合うよう治療に専念していた。

秋は天皇賞・秋から始動。このレースはコントレイルの他に、ダービーで無念の2着に敗れたエフフォーリア、そして大阪杯以来の対決となるグランアレグリアで三強を形成。その中でも1番人気に推される。雨が降っていた時間もあったが、レースは良馬場で行われた。ジャパンカップ同様中団で脚を溜め、直線で仕掛けたが、エフフォーリアを差しきれず2着に終わる。

有終の美


その後はジャパンカップに出走。天皇賞・秋以前より、このレースで引退を表明しており、奇しくも初黒星となったレースで最後を迎えることとなった。このレースはダービー馬シャフリヤールワグネリアンマカヒキも出走を表明しており、史上初のダービー馬4頭の共演となった。
アイルランドからジャパン(武豊騎乗)とブルーム、フランスからグランドグローリーと外国馬3頭も来日し、引退レースとして恥じない相手の中、1番人気に推される。
レースはキセキが最後方からの競馬になる中、今まで通り中団で脚を溜める。そして直線で仕掛けた。
「これが本来の姿だ!」「一筋の消えない思い出を残してターフに別れを告げます。さらば!コントレイル!」(ラジオNIKKEI 米田元気アナウンサー)
「空の彼方に最後の軌跡!コントレイル有終の美を飾ってみせました!他馬を圧倒完封です」(フジテレビ:倉田大誠アナウンサー)
唯一上がり3F33秒台の末脚を見せ、2馬身差で1着。
彼自身、1年ぶりの勝利と共に鞍上の福永騎手に初のジャパンカップ勝利をプレゼントし、有終の美を飾った。
レース後、鞍上の福永祐一騎手が観客席にお辞儀をすると、まるでコントレイルもお辞儀するかのように首を振り、検量室へと向かった。

ジャパンカップ後、日の暮れた東京競馬場のパドックにて、コントレイルの引退式が行われた。
引退式ではダービーでつけたゼッケンを装着し、矢作芳人調教師を背に登場。
福永騎手や馬主の前田晋二氏などが思い出を語る中、ダービーの時とは変わって人が満員のパドックを周回。応援してきたファンに別れを告げ、ターフを去った。

通算成績11戦8勝、2着2回、3着1回。連対を外したのは道悪に泣いた大阪杯のみであり、生涯複勝圏内を逃すことは無かった。
コロナ禍で鬱屈とした時代に現れた無敗の三冠馬。その競走馬生活は、まさに青空にたなびく飛行機雲のようなものだったと言えるだろう。

2021年はジャパンカップでの勝利が大きく評価され、最優秀4歳以上牡馬に選出。しかし、年度代表馬はエフフォーリアが選出。引退まで年度代表馬にはなれなかったが、彼はデビューから引退までの3年間、JRA賞を受賞した。

引退後

引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入りすることがすでに決定されており、種付け料は繫殖牝馬の受胎確認後に1200万円。なお、シンジケートは種付け料発表翌日に満口になったとのこと。
そして、12月2日に住み慣れた栗東トレセンを出発し、翌3日13時半ごろに社台スタリオンステーションに到着。先日亡くなった父、ディープインパクトの後継種牡馬として期待されている。

花嫁候補についてノースヒルズの前田幸治代表は、スポニチアネックスのインタビューに対し、「欧米から輸入して準備している。コントレイルに負けず劣らずの馬を出して欲しい」と語っており、順調にいけば2025年夏に最初の産駒がデビューを始めることとなるだろう。

担当した矢作調教師もnetkeibaのコラム「心残りを吐露させてください。それは、海外のレースに使えなかったこと。」と書き、「いつかコントレイルの子供で海外のレースに挑戦したい」と期待を寄せている。

注意書き(ジャパンカップまでの古馬における評価について)

戦歴を見ればわかる通り、生涯馬券圏内を外すことは無かった。しかし、彼は三冠達成後、引退レースとなるジャパンカップまで勝ちからは遠ざかっていた。
さらに同期である20世代の馬たちが古馬G1戦線において全く結果を残せなかったことや大阪杯にて彼を下したレイパパレもその後は勝てなくなってしまったことで「強い同期に囲まれた中で三冠馬になった」と見られなくなってしまった。
それに加えて彼が三冠馬になってから陣営側が自信に満ちた発言を繰り返した上、脚部不安という理由を隠して宝塚記念を回避したことで「クロノジェネシスから逃げたのでは」と邪推されるような動きをしてしまったせいで余計に評価を落としてしまうことに。
ジャパンカップで有終の美を飾り、天皇賞秋で彼を下したエフフォーリアがその後の有馬記念で完勝したことから評価はそれなりに持ち直したものの、「無敗の三冠馬と言う肩書きが重すぎたのでは」「二冠馬だったほうが競走馬としての評価は高かった」「競走馬としての能力は間違いなく高いが三冠馬として見ると…」と評されることも少なくなく、最後まで三冠馬という肩書きの重さと陣営の対応のまずさに振り回されたと言えるだろう。

しかし競走馬はあくまでも動物であり、何の罪も無いことを忘れてはならない。
そもそもG1を勝つ馬ですら限られてくるのに、彼は5勝した。G1を5勝もすれば、間違いなく名馬の領域である。また、オグリキャップのように競走馬として有終の美を飾れた。それで十分ではないか。
また、彼は引退後種牡馬入りするということも判明しており、亡き父の後継種牡馬の筆頭ともいえる。大きなケガをした訳でもなく、競走馬としてまだ成長途上であるにもかかわらず早期引退することとなった道筋は、父ディープインパクトがサンデーサイレンスの後継種牡馬となるために歩んだ道と瓜二つである。種牡馬としても父や祖父同様の成功を収めるべく(父、祖父ともに競走馬の寿命より10年近く若くして亡くなった点を除いては)祈念したいところである。
確かに文句を言いたくなるような負け方をするもいるにはいるが、競馬がギャンブルである以上は馬券で儲かるも損するも自分の責任である。 

なお、先述の通り、本馬は「2歳G1を含んだ無敗三冠」を史上初成し遂げたわけだが、全戦3着以内を成し遂げた史上初無敗三冠馬でもある(父・ディープインパクトは凱旋門賞を失格になっており、初代無敗三冠馬であるシンボリルドルフも海外進出直後、レース中に怪我発症したことで6着に敗れている。また、同期で史上初となる無敗牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトは現役だが復帰戦となるヴィクトリアマイルで6着に敗れたため、現時点で全戦3着以内は叶わなくなっている)。

関連イラスト

コントレイル号三冠達成
ジャパンカップ観てくれ


いざ、父と同じ頂へ



オリジナルウマ娘

ウマ娘「コントレイル」
どこまでゆくの、コントレイル


飛行機雲さん
✈️☁️



関連タグ

競走馬 20世代 三冠馬 
ディープインパクト:父親。史上2頭目の無敗の三冠馬。
デアリングタクト:同世代の無敗三冠牝馬。直接対決は2020年のジャパンカップのみ。 
シンボリルドルフ:史上初の無敗三冠馬。歴代3頭いる無敗三冠馬の中で唯一5歳時(当時表記6歳)まで現役だった(ただし、一回出走して直ぐに怪我で引退になったが)。
トウカイテイオー:上記シンボリルドルフを父に持ち無敗で二冠を達成したが、故障し菊花賞は回避。親子でジャパンカップを制したことや、ラストランで劇的な復活を遂げたことも共通。そのためコントレイルはテイオーのif扱いされることも。
エアシャカール:二冠馬になったものの、その後は勝利することができなかった。このことからコントレイルは一時期「エアシャカールが三冠馬になったif」と揶揄されていた。
ロゴタイプ:2歳GⅠ・3歳クラシック・古馬GⅠを全て制した牡馬はこの2頭のみ(あちらは朝日杯FS皐月賞安田記念)。

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