生涯
誕生~デビューまで
1986年3月25日にアメリカで誕生。
父はヘイロー(キングヘイローの母グッバイヘイローの父)、母はウィッシングウェル(Wishing Well)、
母の父はアンダスタンディング(Understanding)。
生まれた頃は、見栄えのしない容貌で、さらに脚が内側に曲がっていた(人間で言うと内股)ことで推進力がないと見做され売れなかった。
また、父のヘイローと同様に幼少期から気性難であったことも売れなかった原因だった。
生後8ヶ月の1986年11月にウイルスに罹り生死の境を彷徨った。
また、馬運車の運転手が運転中に心臓発作を起こし、サンデーサイレンス以外の馬は全員死亡した。
こんな馬がアメリカのみならず、日本まで多大な影響を及ぼす馬になるとは、まだ誰も知らなかった。
競走馬時代
1988年10月30日にデビューし2着。
翌1989年には、最大のライバル・イージーゴアとクラシックを争った。
アメリカ三冠のうち、ケンタッキーダービー(一冠目)とプリークネスステークス(二冠目)を勝利したが、最後のベルモントステークスはイージーゴアに敗れて2着となり三冠を達成できなかった。
競走馬としては14戦9勝(うちGⅠ6勝)2着5回で、全競走で連対(2着以内)を外さなかった。
これだけでも十分名馬の領域であるが、彼の本領はむしろ引退してからであった。
種牡馬時代
アメリカで買い手が付かなかった中で、1990年に社台グループのオーナー・吉田善哉が買い取った。
購入額は1100万ドルで、当時の日本円に換算すると約16億5000万であった。
吉田善哉自身は産駒のデビューを待たずに1993年に死去してしまったが、彼の目に狂いはなかった。
1994年に産駒がデビューを果たすと、フジキセキが朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯フューチュリティステークス)を勝利し、いきなりGⅠ勝利を達成。
続く1995年には、ジェニュインが皐月賞、ダンスパートナーが優駿牝馬(オークス)、タヤスツヨシが東京優駿(日本ダービー)を優勝し、サンデー旋風を巻き起こした。
その後も産駒が次々と大競走を勝利し、リーディングサイアーの座を死ぬまで譲らなかった。
産駒の日本ダービー優勝数は6度であり、これは戦前の大種牡馬トウルヌソルと並んで最多である。
また、2003年にスティルインラブが牝馬三冠を達成し、2005年にディープインパクトがクラシック三冠を達成したことで、牡牝両方で三冠馬の父になった。(なお、そのディープインパクトもジェンティルドンナとコントレイルが三冠馬となったことで親子2代で牡牝三冠馬を輩出というとんでもない偉業を成し遂げている。)
現在に至るまで、史上最高の種牡馬という評価が揺らいだことはない。
16歳で死亡
2002年に蹄葉炎を発症し、そこから心不全を併発させ8月19日に死亡した。16歳だった。
ラストクロップ(最後の世代)は2003年産まれであるが、フサイチパンドラがエリザベス女王杯を勝利したことで、全世代でGⅠ勝利を達成することとなった。
主な産駒
※競走名及び格付けは開催当時に準じる。
※名前横の☆は、年度代表馬受賞馬
GⅠ勝利馬
1992年産
GⅠ:'94朝日杯3歳ステークス
GⅠ:'95優駿牝馬
GⅠ:'95日本ダービー
GⅠ:'97宝塚記念
1993年産
GⅠ:'95朝日杯3歳ステークス、'96天皇賞(秋)
GⅠ:'96菊花賞
※上記3頭にロイヤルタッチを加えた4頭は、「サンデーサイレンス四天王」(または「サンデー四天王」)と呼ばれた。
1994年産
GⅠ:'98宝塚記念
1995年産
GⅠ:'98日本ダービー、'99天皇賞(春秋)、'99ジャパンカップ
1996年産
GⅠ:'98阪神3歳牝馬ステークス
GⅠ:'01エリザベス女王杯
1997年産
GⅠ:'00桜花賞
GⅠ:'00日本ダービー
1998年産
GⅠ:'00朝日杯3歳ステークス
GⅠ:'01菊花賞、'01有馬記念、'02天皇賞(春)
GⅠ:'02スプリンターズステークス、'03高松宮記念
1999年産
GⅠ:ジャパンダートダービー《》、ダービーグランプリ《》、'02東京大賞典、'03フェブラリーステークス
GⅠ:'04高松宮記念
2000年産
GⅠ:'02阪神ジュベナイルフィリーズ
※史上2頭目の牝馬三冠達成
GⅠ:'03皐月賞、'03日本ダービー
GⅠ:'03/04エリザベス女王杯
- ゼンノロブロイ☆('04)
※史上2頭目の秋古馬三冠達成
GⅠ:'05天皇賞(秋)
GⅠ:'06高松宮記念
2001年産
GⅠ:'04桜花賞、'06ヴィクトリアマイル(初代女王)
GⅠ:'04優駿牝馬
GⅠ:'05天皇賞(春)
GⅠ:'05マイルチャンピオンシップ、'05香港マイル
GⅠ:'05有馬記念、'06ドバイシーマクラシック
2002年産
GⅠ:'05阪神ジュベナイルフィリーズ
- ディープインパクト☆('05/'06)
※史上6頭目のクラシック三冠馬
GⅠ:'05秋華賞
GⅠ:'07高松宮記念
2003年産(最終世代)
GⅠ:'06エリザベス女王杯
ヴィクトリアマイルが創設された2006年時点の中央GⅠ(24個)で勝ったことがない競走は、
芝GⅠではNHKマイルカップとジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)である。
障害GⅠの中山大障害と中山グランドジャンプも勝ったことがない。
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