概要
競走馬やレース鳩、犬などで血縁関係のあるもの同士を掛け合わせて子供を成させること。
良質だが発現しにくい遺伝子を子々孫々へ継承させるため優れた遺伝子を持つ個体同士で交配を行う。
特に競走馬においては子供から数えて5代前までに両親が共通の祖先を持つ交配をインブリードと呼ぶ。特に4代前の祖先と3代前の祖先が共通の場合を奇跡の血量といい、数多くの名馬を生み出してきた。奇跡の血量の概念はアメリカで考案され、日本ではトキノミノルとトラツクオーの活躍で定着したと言われる。
近親交配は健康面や繁殖面、気性面で難を抱えることも多く、能力・容姿など全てが完璧なのに子を成せなかったり、病気がちだったり、気性が荒すぎたりといった事例も目立つ。
日本で記録に残る馬で最も濃いインブリードを持つのがリトルジャスミンの1994で、トドロキヒホウの1×2、つまり実の父娘で仔を作ったケースがある。これは意図的なものではなく不注意によるミスとのこと。
対義語はアウトブリード。こちらは5代内に血縁関係のない個体同士をかけ合わせて子を成させること。健康な子が生まれるが、能力・容姿などが平凡あるいは見劣りするレベルになる可能性も高い。
競走馬でもアウトブリードの活躍馬は稀だが、血統の閉塞を防ぐ等の目的で遠い血統をつける例もあり、三冠馬ディープインパクトやWBRR世界1位ジャスタウェイなど現代の大名馬がアウトブリードという例もある。