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名馬の肖像

魔法使い

時折思い知らされる

この世界にはいくつもの

不思議が散らばっていることを

たとえば魔法は実在する

彼が呪文を唱えると

たちどころに海は割れ

森の木々はひざまずくのだ

そうして作られた道を

ひとりの乙女が歩いていく

光を全身にまとったままで

名馬の肖像 2020年桜花賞より

概要

おもな勝ち鞍は1989年の桜花賞ローズステークスペガサスステークス。同年のJRA賞最優秀4歳牝馬を受賞。

武豊騎手に初の牝馬クラシック優勝をもたらし、ファンの一部からは「ユタカの恋人」とも呼ばれた。

経歴

1986年、北海道門別町(現在は日高町)の野島牧場で生まれる。父は後にリーディングサイアーを獲得するリアルシャダイ。母のミリーバードは中央競馬で3勝を挙げている。

6月13日、札幌競馬場の新馬戦で、柴田政人を鞍上に迎えた初戦では2着、2戦目で1着となり初勝利を挙げる。

骨膜炎で休養後、復帰緒戦の条件戦から、デビュー3年目の武豊を鞍上に迎えた。この競走で2勝目を挙げ、続く京都3歳ステークスでも勝利。

次走のラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス重賞に初出走、2着となった。

翌4歳シーズンはエルフィンステークスから始動、2着ライトカラーに5馬身差で圧勝、続くペガサスステークスも連勝し、重賞を初制覇。本命馬として牝馬クラシック初戦・桜花賞に臨んだ。

桜花賞

桜花賞の枠順抽選で引き当てたのは大外18番枠であった。当時の桜花賞が行われる阪神競馬場の芝1600mは、そのコース形態から外枠は圧倒的不利とされていた(現在は解消されている)。

それでも桜花賞当日は単勝2.2倍の1番人気に支持されたが、シャダイカグラは発走前から激しい入れ込みを見せる。

スタートで出遅れ、最後方からの運びとなった。しかしレースがハイペースで進んだため、後方待機の馬が有利となり、シャダイカグラは出遅れたため苦もなく後方でコースの内に陣取る事が出来た。

最後の直線では抜け出したホクトビーナスをゴール直前アタマ差交わして優勝を果たした。

優駿牝馬

次走はクラシック二冠を目指し優駿牝馬(オークス)に出走するも、ライトカラーとの競り合いに敗れ、2着となった。

夏は休養に充て、秋はローズステークスで復帰しこれに勝利。エリザベス女王杯をもっての引退・繁殖入りが発表される。

エリザベス女王杯

エリザベス女王杯に向けての調教が積まれていたが、この頃より両前脚にバンテージが巻かれ、脚部不安のため強い調教ができない状態となっていた。

レース当日、シャダイカグラは単勝2.2倍と依然圧倒的1番人気であったが4コーナーで右前脚の繋靱帯断裂を発症し失速する。

シャダイカグラをマークしていた先行馬達が軒並み沈んでしまう中、大外から躍り出たのは20頭中の20番人気、芝では勝てないと見向きもされていなかった「砂の貴婦人」サンドピアリスで、そのまま1着。

シャダイカグラは最後まで完走する意地を見せたが、結果は最下位となった。

伊藤雄二調教師は、「大丈夫と思って使ったが、こんな結果になってしまいファンに申し訳ない」と謝罪した。

怪我は重傷であったが幸い予後不良は免れ、引退して故郷・野島牧場で繁殖入りした。

引退後

繁殖牝馬としては6頭の産駒を出産するに留まった。

2年目の産駒エイブルカグラがデビュー戦をレコードで快勝したものの故障で引退。その後、エイブルカグラも繁殖牝馬となり、牝馬三冠戦線に駒を進めたアスクコマンダーを輩出している。

2002年、繁殖を引退し、びらとり牧場(平取町)に繋養された。

2005年4月4日、動脈瘤破裂で死去(19歳没・旧20歳)。

武豊とシャダイカグラ

武豊はシャダイカグラについて「(たくさんの馬に乗ったが)彼女が一番の美女です」と言い、最も印象に残っている馬は何ですかという問いにも「牡馬ではディープインパクト。牝馬ではシャダイカグラ」と答えている。

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  • それはご想像にお任せします。

    ミホノブルボンとライスシャワーを中心としたウマ娘SSを書かれているくりふじ様(https://www.pixiv.net/member.php?id=3605113)の作品群に触発されまして、ふっと思いついたお話を、3日ばかりかけて書いてみました。 私はつい3、4ヶ月ほど前まで、競走馬の名前はディープインパクトとハルウララとマキバオーくらいしか知らなかったニワカの身でありますが、最近は気が付けば競馬の歴史をネットで漁る日々を過ごしています。 擬人化モノの良い所は、公式で語られている部分以外について、史実から様々なサイドストーリーを妄想できる点であると思います。よって今回のお話、ウマ娘の世界観ではありますが、登場キャラクターは全てオリジナルですので悪しからず。 主役となりますのは、「ユタカの恋人」シャダイカグラと、「びっくり娘」サンドピアリスの二名であります。

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