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'92年、皐月賞。

そのモンスターの名は、「ミホノブルボン」。

常識は、敵だ。

皐月賞が、来る。

(2011年JRA「皐月賞」CM)


通算8戦7勝。

春二冠を達成したが、史上5頭目のクラシック三冠にあと一歩届かなかった。

ニックネームは「坂路(はんろ)の申し子」「栗毛の超特急」「サイボーグ」など。


※現役時代の馬齢は2000年までの旧表記で記載する。

※以下「ブルボン」と表記。

※当馬をモデルとするウマ娘については、「ミホノブルボン(ウマ娘)」を参照。


経歴

1989年4月25日生まれ。

父マグニテュード、母カツミエコー、母父シャレーという血統である。

父マグニテュードはアイルランド生まれの競走馬で、大種牡馬ミルリーフを父に持つ良血を買われ、日本に持ち込まれた。ブルボンの他には1985年に桜花賞を制したエルプスがいる。

馬名は冠名の「ミホノ」にフランスの王朝「ブルボン朝」から名付けられた。


1991年に栗東TC・戸山為夫厩舎に入厩したブルボンは、当時出来て間もなかった坂路の往復調教でメキメキ力を付けていった。

「鍛え抜けば、距離の不安を克服できる」というのが戸山の考えだった。

騎手はデビューから引退まで一貫して小島貞博が務めた。


3歳(1991年)

1991年9月7日の中京競馬場の新馬戦でデビューする。

単勝オッズが1.4倍という圧倒的な支持に応え、1000mという短距離では致命的と言える出遅れをしながらも怒濤の追い込みで勝利した。


2戦目の条件戦も2馬身差を付けて快勝する。


3戦目はGⅠ・朝日杯3歳ステークス

ブルボンは先行策を取って粘り勝ちし、3戦3勝で早くもGⅠタイトルを獲得し、鞍上の小島もこれがGⅠ初勝利となった。

無敗での朝日杯勝利が評価され、JRA賞最優秀3歳牡馬に選ばれた。


4歳(1992年)

ブルボンの4歳戦はクラシック戦線を戦うことに決まり、4歳最初のレースは3月29日スプリングステークス(GⅡ)となった。

そしてこのレースで後に宿敵となるライスシャワー(4着)と初めて顔を合わせ、また短距離路線で活躍するサクラバクシンオー(12着)とはこれが生涯唯一の対戦だった。


短距離馬に多く活躍が出ていた血統面から、ブルボンには常に距離不安が付き纏っていた。

皐月賞当日は雨の影響で不良馬場となっていたが、悪路もなんのその、5馬身差を付けて圧勝。鞍上の小島は騎手生活22年目にして初のクラシック制覇となった。(ちなみにライスシャワーは8着)


そして東京優駿(日本ダービー)。

7枠15番という逃げ馬としては不利な外枠ながら、2着のライスシャワー含む他の17頭を寄せ付けない走りを見せてクラシック2冠を達成。


※以下、残り400mからゴールまでの実況全文。アナウンサーは堺正幸

「ブルボン先頭でまもなく400mの標識を切る!400を切る!ここからはブルボン、未知の世界!

ここからは未知の世界!しかしブルボン先頭!ブルボン先頭であります!

マーメイドタバン!マーメイドタバン!外の方からマヤノペトリュースやって来た!

マヤノペトリュースやって来た!まだしかし2馬身から3馬身!残り200だ!2200を通過した!

ブルボン先頭!ブルボン先頭!ブルボン先頭だ!ブルボン3馬身から4馬身!

おそらく勝てるだろう!!おそらく勝てるだろう!!もう大丈夫だぞブルボン!!

2400、3馬身から4馬身、5馬身リードで逃げ切った!!6戦6勝!!

去年のトウカイテイオーに続いて、またもや無敗の2冠馬達成であります!!」


ちなみに今では信じられないことだが、ライスシャワーはなんと16番人気だったため、馬連は万馬券決着となった。(29580円)

ダービー終了後、ブルボンは放牧に出された。前年のトウカイテイオーはダービー直後に骨折してしまったため、菊花賞には出られなかったが、ブルボンは放牧中に怪我や病気に遭うことなく、無事に夏を乗り切った。


そして迎えた秋戦線。シンボリルドルフ以来8年ぶり5頭目の三冠馬誕生へ俄然ファンの気運が高まっていた。

また、無敗の三冠馬誕生となればそのルドルフ以来2頭目(2005年ディープインパクトが達成)、さらにルドルフは朝日杯に出なかったため、2歳GⅠを含む無敗の4冠達成となれば大偉業であった。(2020年コントレイルホープフルステークスを含む無敗の三冠達成を成し遂げた。)


秋の初戦は菊花賞の前哨戦・京都新聞杯(GⅡ)。迫ってくるライスシャワーを振り切り無敗を維持し7勝目。

「三冠へ向かって視界良し」と叫ぶ杉本清アナウンサー。しかし、徐々に差を詰めてくるライスシャワーにブルボン陣営も一番怖い馬と恐れた。


いよいよ本番の菊花賞。ブルボンの三冠達成を見届けるべく、京都競馬場には多くの競馬ファンが詰め掛けていた。

レースはキョウエイボーガンが宣言していた通り逃げを打ち、ブルボンは2番手を走っていた。

最終コーナーで一時先頭に立ったが、残り100mでライスシャワーとマチカネタンホイザにかわされた。

マチカネタンホイザは差し返したがライスシャワーには届かず、三冠の夢は潰えることとなった。


復帰叶わず引退へ

その後はジャパンカップを目指して調整するが、脚部不安を発症し断念。有馬記念も断念した。

あと一歩まで三冠に迫ったことが評価され、最優秀4歳牡馬および、1992年度代表馬に選出された。


1993年に復帰へ向けて療養していたが次々と怪我を発症し、長期療養を余儀なくされる。

その間の5月29日には調教師の戸山がで死去したため、移籍することになった(戸山は死の直前、面会に来た谷水雄三(のちダービーを勝つタニノギムレットウオッカの馬主)に、「鍛えて馬を作るのはミホノブルボンが限界です。強い馬は配合の時点から作らないと駄目です。」と述べている。)。

しかし、結局ターフに戻る夢は叶わず1994年1月19日に引退を表明した。


引退後

引退後は種牡馬となり、ミヤシロブルボンをはじめとする地方馬に活躍馬が出たが、中央の重賞勝ち馬は出せなかった。

2015年のブルボン(当時26歳)。

種牡馬引退後は功労馬として余生を過ごしていたが、2017年2月21日に老衰のため28歳で死去した。


なお、主戦騎手を務めた小島貞博はその後調教師に転じ、GIホースも管理するなど成功していたが、2012年に厩舎の経営問題を苦に自殺という最期を遂げた。


強さについて

歴代の二冠馬の中でも最強または上位に来ることが多いブルボンだが、1歳上のトウカイテイオーや1歳下のビワハヤヒデなど前後の世代との対戦経験がないまま引退してしまったため、正確な強さを推し量ることを難しくしている。


また、父マグニテュードは短距離に実績のある血統(※)で、本質的にミホノブルボンはマイルから2400mまでの中距離が得意距離とされるため、3000mの菊花賞は血統的に不利だったこと、またミホノブルボンを破ったライスシャワーはその後天皇賞・春を2回勝利し、しかもそのうち1回は当代随一のステイヤー・メジロマックイーンを破っての勝利という、長距離の申し子だったことから、相手が悪すぎたという見方もある。


※マグニテュード自身は両親共に欧州の芝2400でGI勝利しており、特に短距離血統というわけではないが、産駒はマイル戦までの活躍馬がほとんどである。


第53回菊花賞の光と影

クラシックの最後の一冠をミホノブルボンに勝利したライスシャワーであったが、このレースでの評価は勝った馬ではなく、ミホノブルボンを負かした馬として悪役(ヒール)扱いされた。

それは翌年天皇賞・春でメジロマックイーンを破ることでピークに達し、もう一度天皇賞・春を制するまで悪役イメージはつきまとっていた。


そしてもう一頭、悪役(ヒール)扱いされた馬がいた。

逃げ馬、キョウエイボーガン

ミホノブルボンの楽逃げを阻止する形となったためこちらも中傷を受けた。

「ミホノブルボンの3冠を阻止したのはライスシャワー。だが、邪魔をしたのはキョウエイボーガン。」

16着で惨敗という結果もあり競馬ファンやマスコミに散々なバッシングを受ける事となった。


そんなキョウエイボーガンも数奇な運命を辿り、やがて「愛される馬」となるのだが、それは彼の記事にて…。


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ヒーロー列伝No.35

スパルタの風。

愛すればこそ、信ずればこその、戸山式スパルタトレーニング。

その過酷な調教に耐え、身につけた強靭な肉体と強い精神力。

影をも踏ませぬスピードは、

分厚い筋肉のしなやかなうねりとともに加速して、

観るものを圧倒した。


名馬の肖像2020年日本ダービー

信念の鎧

誰かが叫ぶ

お前には無理だと

大声が響く

お前にも限界があると


他人の勝手な

思いこみや決めつけなど

弾き返してやれ


今日まで鍛えあげてきた

信念という名の鎧を

身にまとって


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競走馬 二冠馬 92世代

コダマメイズイ:ブルボンと同様に春に二冠を達成しながら菊花賞で敗れて三冠を逃した。

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