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タニノギムレット

たにのぎむれっと

1999年生まれの日本の元競走馬・種牡馬。2002年の日本ダービー馬だが、猛ローテの代償にダービー後に故障引退。種牡馬としては牝馬64年ぶりの日本ダービー制覇・顕彰馬選出のウオッカを輩出した。
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誘導編集

2022年5月5日に実装告知がされたウマ娘プリティーダービーウマ娘。→タニノギムレット(ウマ娘)


プロフィール編集

名馬の肖像

『祝杯をこの手に』

過信と油断はなかったが

運もまたなかった。

悔しさが、無念が、怒りがつのる。

勝利の美酒をあびるのは

自分だったはず、と。


今日こそは酔おう。

感情を余すことなく

全力で芝に叩きつけよう。

すべてを出し尽くした先には

きっと祝杯が待っている。

【2017年日本ダービー


生年月日1999年5月4日
英字表記Tanino Gimlet
性別
毛色鹿毛
ブライアンズタイム
タニノクリスタル
母の父クリスタルパレス
生産カントリー牧場(北海道静内町)
馬主谷水雄三
調教師松田国英(栗東)
主戦騎手武豊四位洋文
競走成績8戦5勝
主要勝鞍日本ダービースプリングSシンザン記念アーリントンC(2002)
獲得賞金3億8601万円

戦歴編集

2001年横山典弘鞍上でデビューし、2002年シンザン記念で重賞初制覇を飾り、アーリントンカップも圧勝する。

その後鞍上の武豊が負傷したため、スプリングステークスでは四位洋文に乗り替わりとなったが、テレグノシスローエングリンを差し切り3連勝。


1番人気に支持された皐月賞ではただ1頭後ろから追い込んできたが、大外を回った際のロスが響きノーリーズン3着に終わる。


その後は松田調教師の判断でNHKマイルカップへ出走することとなり、鞍上は急遽復帰した武豊に戻る。

同じく1番人気を背負って出走したが、直線で二度も不利を受けて3着となり、武豊は激怒したが優勝馬のテレグノシスは降着にならなかった。


再び1番人気で迎えた日本ダービー時の小泉首相も観戦する中(44年ぶりの内閣総理大臣の来場)、レースでは豪脚で直線を一気に駆け抜け1着。当時の実況は「武豊ダービー3勝、やっぱり強かったタニノギムレット、今度こそ、今度こそ、今度こそGI制覇」であった。

武豊騎手に史上初のダービー3勝をプレゼントし、ついにGⅠ馬となった。

このときの2着は後に2年連続年度代表馬となるシンボリクリスエス、5着は後のダート王者ゴールドアリュール、6着も後のダート王者アドマイヤドン、7着にも後の重賞7勝馬バランスオブゲームという豪華メンバーだった。


春GⅠ3連戦の過酷なローテーションを耐え抜いて走りぬいたが、9月に故障し引退。種牡馬となる。


引退後編集

種牡馬時代編集

種牡馬としては初年度に生まれたウオッカが64年ぶりの牝馬のダービー馬となり、父娘でのダービー制覇という前代未聞の記録を達成し、さらにGIを7勝した。

ちなみにウオッカがダービーを勝ったときの枠番は、奇しくもタニノギムレットと同じ2枠3番だった。

その他にも重賞を3勝したスマイルジャックなどを輩出したが、当たり外れが大きく牡馬の大物は出なかったため、サイアーラインの存続は現状厳しい(GI勝利もウオッカ1頭のみに留まっている)。

それでもブライアンズタイム産駒の多くが種牡馬として振るわない中、ウオッカを輩出した時点で成功した方である。

母父としては2024年のヴィクトリアマイルをブービーの14番人気で制したテンハッピーローズを輩出した。

功労馬時代編集

現在は種牡馬も引退しヴェルサイユリゾートファームで功労馬として繫養されている。

老いた今もとにかく非常に元気で、興奮した拍子に牧柵を蹴り壊してしまうことが度々あり、牧場スタッフからは「牧柵破壊王」「柵破壊神」の異名をとっている。その破壊力たるや同牧場に繋養されているローズキングダムエタリオウがびびってしまうほど。

牧柵を破壊する名馬

またやった

そして破壊するものは牧柵に限らないようで、牧場スタッフによると飼い葉桶や馬房の壁も何度か破壊している模様。

このように暴れん坊なエピソードに事欠かない馬だが、破壊以外になると案外大人しく、来客からは思いの外人懐っこいと好評らしい。ただ関係者いわく大人しくしていると見せかけて噛み付いたりしてくるとか。油断も隙もない。

本エピソードについては「牧柵破壊神」の記事に詳しい。


馬のおやつとして定番であるリンゴ嫌いとして知られていたが、2021年の3月になって初めてリンゴを食べたことがヴェルサイユリゾートファームの動画にて報告された。


眼を怪我してしまい一時期眼帯メンコを付けられていた。


2023年1月にアグネスフライト、2月にウイニングチケットが死亡したことにより、存命最高齢および20世紀生まれのダービー馬で最後の生き残りとなった。


エピソード編集

カントリー牧場の救世主編集

タニノギムレットが生産されたカントリー牧場は多数のGⅠ勝利馬を輩出した名門牧場であったが、牧場規模に対して過剰な馬を抱え込んだことで牧草地の土地痩せを招き、1970年代後半に入るとかつての隆盛は見る影もないほど没落していた。それでも散発的に重賞を制する馬は出ていたが、牧場に来ていた武田文吾調教師に土地痩せの原因を指摘され、且つ「馬に可哀想な事をしてはダメだ」と諫められた事によりついに繁殖牝馬の整理や土壌改良などの改革に着手。これらの改革はすぐに結果が出るものではないが、地道な努力がようやく実を結び当牧場の生産馬として28年ぶりのGⅠ制覇を果たした馬がタニノギムレットであった。

輪眼編集

タニノギムレットの外見上の特徴としてよく語られるのが、左目の輪眼(りんがん、白目が大きくはっきりしており、睨みつけるような目つきに見える馬の目の特徴)である。右目は黒目がちなごく普通の馬の目であるため、顔の右半分と左半分では、ずいぶん表情が違って見える。前述の「柵破壊王」のエピソードもまじえ、ギムレットのやんちゃな性格を象徴するものとして、ネット上では左側から撮影した写真が多くみられる。他にも同じような目を持つ馬に、ダービーで激戦を繰り広げたシンボリクリスエスの名ライバルであるタップダンスシチーがあげられる。

また、2023年に緑内障を発症し、現在左目の視力はほとんど喪われている。

関連タグ編集

競走馬 02世代

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