概要
種牡馬引退後、引退競走馬牧場で牧柵をぶっ壊しまくるタニノギムレットに与えられた二つ名。命名は牧場関係者。
破壊神の活躍(?)
競走馬タニノギムレットは、種牡馬引退後2020年からヴェルサイユリゾートファームにおいて、功労馬として余生を送っている。
そのヴェルサイユファームに到着した際、ギムレットは到着早々柵を蹴り壊す。
この時はスタッフも「到着したばかりで興奮しているからで、しばらくすれば治まる」と思っていた。
しかし、その後もタニノギムレットは放牧される場所の牧柵をしょっちゅう蹴り壊している。
そのペースは1日1、2本程。
そのため、牧場運営側としては、牧柵の修理代に日々泣かされている。
「鋼鉄製あるいはゴム製にすれば?」と思う人もいるかもしれないが、サラブレッドは蹴り損ねた、あるいは壊せないレベルの硬い壁を蹴るだけで下手すると予後不良レベルの怪我を負いかねないほど繊細な動物である。馬の健康を考えると木柵にせざるを得ないのである。
3枚から5枚に増量したものの容赦なく破壊された。
その後は破壊神への新たな対策として柵の前にグリーンコーンを6本(1本2万円)植えてみたところ効果はあった模様。
とある来場者の目撃情報によると、いつも通りの蹴りを木に放ったのだが当然柵どころか木もノーダメージ。
壊せないと知るととても不満そうに嘶き、前掻きをする破壊神様であったという…。
だが馬も学習する生物。
その後は木の無い箇所を破壊すればいいと考えたのか、マジで木の無い箇所を破壊しだした模様。
尚、馬が柵を壊すのはだいたい何かの拍子で逃げ出すために行われるのだが、ギムレットに関しては「そこに柵があるから」とでも言わんばかりに逃げ出すこともないし、牧柵破壊を除けば落ち着いた振る舞いをしている。
Yogiboのクッションに対してもアドマイヤジャパンがダメになってる一方で蹴ろうか否か悩んでいるような反応を示している。
最近、放牧場が隣のローズキングダムもタニノギムレットの影響を受け始めたのか、柵を壊し始めた…。
そのため引退馬に対する寄付が彼だけ「牧柵基金」になっている。
ついに商品化
柱1本で3300円、横板1本2300円と交換代金もバカにならない牧柵破壊。
前々からファンたちの間では、「自分の破壊した牧柵代は自分で稼いでもらおう」「いっそのことグッズになるのでは?」という声が上がっていた。
スタッフ達は元々「命に関わる行為の末に出来た産物である為商品化はしない。」というスタンスだったのだが…
折からのコロナ禍に加えて木材輸出国大手のロシア連邦のウクライナ侵攻による木材価格の暴騰で、遂に経営に影響が出るレベルの損害になってきたのでスタッフの矜持さえもへし折ってしまい、2022年5月20日、タニノギムレットを繋養するYogiboヴェルサイユリゾートファームがタニノギムレットが破壊した牧柵でグッズを作ることを公式Twitterアカウントで発表。
製作を担当するのは、札幌に本社を構える河野銘木店。
タニノギムレットの馬主の谷水雄三氏の勝負服をイメージした黄色と水色の2色のレジンが組み合わせられている。
- ゼッケンを模したキーホルダー
- ギムレットのシルエットを模し後ろ脚が回転稼働するアクセサリー
- 5種類の形状のペンダント
- 支柱が柵を蹴り壊す尻っ跳ねのシルエットとなっているスマホスタンド
以上の4種がラインナップされているが、幸か不幸か再入荷の度に短時間で売り切れる人気商品となっている。
他にも牧場のある日高町へのふるさと納税の返礼品として繋養している引退馬のシルエットがワンポイント印刷されたYogiboのクッションが採用されている。
タニノギムレットもローズキングダム、アドマイヤジャパンと共にワンポイントに採用されているのだが、そのシルエットはやはりと言うか何と言うか柵を蹴り壊す瞬間を切り取ったものである。
ちなみにジャパンの方もジャパンの方で「人をダメにするソファでダメになった馬」というキャラクター性を確立しており、クッションに頭を乗せくつろいでいるシルエットが採用されていたりする。
『ウマ娘プリティーダービー』では…
競走馬を擬人化擬女化するクロスメディアコンテンツ『ウマ娘プリティーダービー』にはウマ娘化したタニノギムレットが登場するが、そこでもあいかわらず足で柵を壊しまくっている(因みに蹴り壊した柵は自分で修理している模様)。アニメ『うまゆる』では「ヴェルサイユの破壊神」との異名を頂戴しており、放送後牧場公式Twitter管理者が即反応している。
ちなみに
ヴェルサイユリゾートファームによると、「馬房からいの一番に外に出られなかった際に、イラついて蹴飛ばしてしまう」とのこと。