概要 🐴🐎
哺乳綱奇蹄目ウマ科に属する動物。家畜としてなじみ深いことからイエウマとも呼ぶ。生物学的な詳細はウマに記述し、ここでは人間との関わりを中心に記述する。
家畜としての利用は乗用(乗馬)をはじめ馬車の牽引、農耕、食肉、介助など多岐にわたる。ユーラシア大陸やアフリカ大陸では騎兵の乗り物としても使われていた。
馬の飼育に適した草原地帯の遊牧民の軍事力を支えていたが、自動車の普及とともにその優位は失われていった。また、食用にもなり、馬肉は桜肉とも呼ばれる。アメリカ合衆国やイギリスなど食のタブーとする地域も多く、日本でも競馬関係者にとっては馬肉食はタブー(とはいえ、産業動物として生産された全ての馬を生涯にわたって飼い続けることなど出来ないのは、これらの国の人々や日本の競馬関係者なども理解はしている。そのためあくまで「自分達は食べない」が、「食べる人達に食べるのを辞めさせよう」という事はしない)。遊牧民でも「食べるなんてとんでもない」派と「貴重だから大切に食べる」派に分かれている。
道路交通法上は、車輪が付いていない騎馬も軽車両に該当する。
イエウマのはじまり
ウマが家畜になったのは紀元前4000年頃で、家畜化が始まったのは中央アジアから西アジアにかけての草原地帯とされる。イヌやネコ、ブタ、ヒツジ、ウシよりも日が浅い。当初は乗用や使役用というより食肉目的が主体だったと思われる。
ウマの文化は馬具、とりわけハミの発明から急速的に発展した。
馬の頭は前歯と奥歯の間に隙間がある。その隙間に金属製の細い棒を噛ませ、手綱で行きたい方向を伝えることで人類は馬を御することに成功した。
日本の考古学では、奥歯のハミの跡の有無で軍用馬か否かを見分ける。
イエウマの品種
軽種
少しは頑丈だが、主に軽快さに重きを置いた馬。多くはアラブ種を母体にしている。
中種
軽種の軽快さと重種の温厚さを兼ね備える中間的な性質。
重種
農耕や重い物の運搬に使われ、特にヨーロッパでは重装備の騎士を背中に乗せて走り回った。肉量が多いことから食用にも使われる。品種改良によって性格は温厚な傾向(そうでなければ力が強すぎて人間にはとても制御できないため)。
ポニー
肩までの高さが147cmまでの馬の総称である。
頭の形
頚の形
毛色
鹿毛 黒鹿毛 青鹿毛 青毛 栗毛 尾花栗毛 栃栗毛 葦毛 白毛 粕毛 駁毛 月毛 河原毛 佐目毛 薄墨毛 シャンパン シルバーダップル パール ベンドア斑
各言語での呼び名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
ヨーロッパの言語 | ||
英語 | ホース / メア(牝馬) / スタリオン(種馬) / コルト(牡仔馬) / フィリー(牝仔馬) | Horse, Mare, Stallion, Colt, Filly |
アイルランド語 | アハ / アッハ | Each |
ドイツ語 | プフェーアト / ヘンスト(牡馬) / シュトゥーテ(牝馬) | Pferd, Hengst, Stute |
フランス語 | シュヴァル / ジュモン(牝馬) / エタロン(種馬) / オングル(騸馬) | Cheval, Jument, Étalon, Hongre |
スペイン語 | カバヨ / カバジョ / カバリョ / ジェグア(牝馬) | Caballo, Yegua |
バスク語 | サルディ(牡馬) / ベオラ(牝馬) | Zaldi, Behorra |
イタリア語 | カヴァッロ | Cavallo |
ラテン語 | エクウス / エクゥス | Equus |
ギリシア語 | アロゴ / イッポス | Alogo, Άλογο, Ippos, Ίππος |
チェコ語 | クーン | Kůň |
ハンガリー語 | ロー | Ló |
カレリア語 | ヘボ | Hebo |
フィンランド語 | ヘヴォネン / オリ(牡馬) / タンマ(牝馬) | Hevonen, Ori, Tamma |
ロシア語 | ローシャジ / ローシャチ / ロッシャチ | Loshadi, Лошадь |
オセアニアの言語 | ||
インジバルンディ語 | ヤワルダ | Yawarda |
ウィラドゥリ語 | ヤラマン | Yarraman |
カウルナ語 | ピンディナント | Pindi Nanto |
カミラロイ語 | ヤラーマン | Yarraaman |
グーグ・イミディル語 | ヤラマン | Yarraman |
グニヤンディ語 | ディマナ | Dimana |
サモア語 | ソロファヌア | Solofanua |
ダルク語 | ワニュワ | Wanyuwa |
チューク語 | アルス | Arus |
ディヤリ語 | ンハントゥ | Nhantu |
ハワイ語 | リオ | Lio |
フィジー語 | オセ | Ose |
ヤガラ語 | ヤラマン | Yarraman |
ヤニュワ語 | ヤラマン | Yarraman |
ンギヤンバー語 | ヤラーマン | Yarraaman |
パーカンティ語 | カーンカル | Kaangkaru |
マオリ語 | ホーイホ | Hōiho |
マトゥイフニラ語 | ニンクルルウィンパリ | Nyingkurluwinparri |
アメリカの言語 | ||
アイマラ語 | カワル | Kawallu |
アラバマ語 | チチョバ | Chichoba |
イヌピアック語 | トゥットゥクパク | Tuttuqpak |
カインガング語 | カヴァル | Kãvãru |
ガリフナ語 | シュヴァル | Xuval |
グアラニー語 | カヴァジュ | Kavaju |
クナ語 | モリ | Moli |
クリーク語 | ラッコ | Rakko |
ケチュア語 | カワル | Kawallu |
コマンチェ語 | プーク | Puuku |
シャバンテ語 | アワル | Awaru |
チェロキー語 | ソーグィリ | Soquili, Sogwili, ᏐᏈᎵ |
チカソー語 | イッソバ / ソバ | Issoba, Soba |
チャミクロ語 | カワリ | Kawali |
チョクトー語 | イッスバ | Issuba |
ナバホ語 | シー | Łį́į́ʼ |
ホピ語 | カワヨ | Kawayo |
ミクマク語 | テーシポウ | Te'sipow |
ラコタ語 | タシュンケ / シュンカワカン | Tȟašúŋke, Šúŋkawakȟáŋ |
アフリカの言語 | ||
ウォロフ語 | ファス | Fas |
オロモ語 | ファルダ | Farda |
ガンダ語 | エンバラーシ | Embalaasi |
クワニャマ語 | オンガンベ | Onghambe |
コサ語 | イハシェ | Ihashe |
コプト語 | フト | Hto |
ショナ語 | ビザ | Bhiza |
スワヒリ語 | ファラシ | Farasi |
ソト語 | ペレ | Pere |
チェワ語 | ハチ | Hatchi |
ハウサ語 | ドキ | Doki |
バンバラ語 | ソ | So |
マー語(マサイ語) | オルパラシ | Olparasi |
マダガスカル語 | スアヴァリ | Soavaly |
ヨルバ語 | エシン | Ẹṣin |
ルヒヤ語 | エファラシ | Efarasi |
アジアの言語 | ||
アラビア語 | ファラス | Faras, فرس |
ペルシア語 | アスブ | Asb, اسب |
アゼルバイジャン語 | アト | At,آت |
ウイグル語 | アト | At, ئات |
中央クルド語 | エスプ | Esp, ئەسپ |
北クルド語 | ヘスプ | Hesp |
トルコ語 | アット | At |
トルクメン語 | アト | At |
ウズベク語 | オト | Ot |
キルギス語 | アト | At, Ат |
タジク語 | アスプ | Asp, Асп |
カザフ語 | ジュルク / アット | Jylqy, Жылқы, At, Ат |
ハカス語 | アト | At, Ат |
モンゴル語 | アドー | Aduu, Адуу |
カンナダ語 | クドゥレ | Kudure, ಕುದುರೆ |
コンカニ語 | トクリ | Tokli |
ディベヒ語 | アス | As |
ヒンディー語 | ゴーラー | Ghora, घोड़ा |
ベンガル語 | ゴーラ | Ghora, ঘোড়া |
タイ語 | マー | Ma, ม้า |
ラーオ語 | マー | Ma, ມ້າ |
ミャンマー語 | ミン | Myin, မြင်း |
ベトナム語 | グア | Ngựa |
タガログ語 | カバヨ | Kabayo |
インドネシア語 | クダ | Kuda |
マレー語 | クダ | Kuda |
ジャワ語 | ジャラン | Jaran |
アイヌ語 | ウンマ | Umma |
韓国語 | マル / スマル(牡馬) / アンマル(牝馬) / シマル(種馬) | Mal, 말, Sumal, 수말, Ammal, 암말, Ssimal, 씨말 |
中国語 | 馬(マー) | Ma |
エヴェンキ語 | ムリン | Murin, Мурин |
女真語 | ムリ | Muri |
ジンポー語 | グムラ / グムラン | Gumra, Gumrang |
満州語 | モリン | Morin |
ヤオ語 | マーズ | Maaz |
人工言語 | ||
アルカ | パブ | Pab |
アルベド語 | フヤ | Fuya |
インターリングア | カヴァロ | Cavallo |
ヴォラピュク | ジェヴォド | Jevod |
エンテ・イスラ語 | トクジェ | Tokje |
オーレー語 | アベハバケディ | A-behabaqedi |
グモソ語 | アンプフ | Ampf |
グロンギ語 | グラ | Gura |
ソレソ語(ソルレソル) | ファレソルド | Faresoldo |
トキポナ | ソウェリ / ソウェリアンパヤン | Soweli / Soweli Anpa Jan |
ひんたぼ語 | エミ | Emi |
メルニクス語 | アイディスン | Aidisun |
リパライン語 | ドドル | Dodor |
ロジバン | ヒルマ | Xirma |
馬が関連とする神話・伝承
詳細は名馬に参照。
馬をモチーフとしたキャラクターや諸作品等
文学・漫画アニメ等
- スーホの白い馬
- 玉龍(西遊記)
- 早射ちマック
- みどりのマキバオー
- マイリトルポニー
- ウマゴン(金色のガッシュベル!!)
- 風雲再起(機動武闘伝Gガンダム)
- 午の十二神皇エグゼシード→超・十二神皇エグゼシードF(バトルスピリッツ)
- 黒王号(北斗の拳)
- ドナテルロ(星銃士ビスマルク)
- ヤマナミさん(アニマル横町)
- ウマ怪人(仮面ライダーEVE)
- ブルズアイ(トイ・ストーリー)
- ぐんまちゃん
- ゆうまちゃん
- ウマ娘プリティーダービー
特撮
スーパー戦隊シリーズ
昭和戦隊
21世紀平成戦隊
仮面ライダーシリーズ
平成一期
令和
その他特撮
ゲーム
馬に限りなく近い何か
馬と言われる人物
余談
市販されている「動物の描き方」の類の本のなかで最もページ数を割かれている(=解説に力が入れられている)ことの多い動物は馬である。
本によっては犬や猫を中心としている場合もあり、その際はこの限りではないが、それでも大抵は次点で情報が多かったりする。
世界各国で人間にとって身近な動物であることの他に、戦場を描いた絵や宗教画といった場面で古くから絵画での登場機会に恵まれていること、犬猫ほど形態が多様化しておらず短毛なため筋肉の視認が容易で応用が効き、動物画の入門として適しているといった理由があるのだろう。
関連タグ
表記ゆれ・馬の種類
近縁の動物
pixiv Spotlight
- 【講座】「馬」の描き方10選【骨格、ポージング、装飾】 2015年10月13日