概要
温血種・中間種に分類される馬の品種の1つ。別名アメリカントロッターとも。主な用途は競馬と乗馬であり、競走馬としての需要はサラブレッドに次ぐ規模にある。全速力ではサラブレッドにかなわないため平地競走に使われることは稀であるが、速歩が得意なため主に繋駕速歩競走に使用されている。
特徴
身体的な特徴は体高が160cm付近、体重は450kg程度が標準的。サラブレッドより丈夫で、少しがっしりとした体格をもち、体が長く足が短い。性質もサラブレッドよりは温厚で扱いやすいとされる。毛色は鹿毛と青鹿毛が多いがそれ以外も見られる。品種を特徴付けているのは速歩が得意なことで、これはこの品種の改良目的でもあった。
同じスタンダードブレッドでも、競走馬としては走法の違いによってトロッター(Trotter、斜対歩)とペーサー(Pacer、側対歩)に分けられており、レースでも区別されている。一般にペーサーの方が早く、1マイル(約1600m)において1分50秒を切るタイムが計測されたことがある。
生産状況
繋駕速歩競走又は騎乗速歩競走(フランスなど)の盛んな北米、オセアニア、ヨーロッパなどでは盛んに生産され、世界では毎年5万頭以上生産されている。
日本においてはかつては軍馬として使役され、競馬においても平地競走を含め優秀な成績を収めていた。1971年に速歩競走の1つである繋駕競走が廃止されてからはほとんど生産されていないが、生産されたものは温和な性格を利用して乗馬や当て馬として使役されている。