概要
属名はラテン語で「犬の歯」を意味する。基本的には肉食だが、種類によっては雑食や植物食へと進化した種も多い。
初期の種類は比較的小型で、ゴルゴノプス類などに隠れ、穴居生活をしながら魚や昆虫を食べていたらしい。しかしペルム紀末期のP-T境界の大絶滅でゴルゴノプス類を含む生物の9割が絶滅していった中、生き残って多様化を遂げていった。彼らがP-T境界の大絶滅を生き残れた理由としては、絶滅の原因とされる大規模な地球温暖化と低酸素な環境となってしまっても、穴居性で生活の大半を地下に潜って過ごしていたことから影響があまりなかったためと推測されている(地下は気温変化の影響をあまり受けない上、もともと呼吸がそがれやすい環境である)。同様のことがディキノドン類でも言える。
三畳紀には生態系の空白を埋めて一気に多様化していき、種類によっては腹部の肋骨を退化させて腹式呼吸を行うことができる横隔膜を獲得した種もいた。また一部の学者は、既に体毛を生やしており、孵化した子供に母乳を与えていたとも唱えている。その為、1980年代後半辺りからの想像図では、「全身毛におおわれる」上に耳介も描かれることが多い。
しかし三畳紀末からジュラ紀初期にかけて起きた絶滅事変で衰退し、更にその後の恐竜などの大型化・多様化の影響を受けてその数は激減。以降は派生系統である哺乳類と共に細々と生き続けていたが、白亜紀前期の石川県に棲息したトリティロドン類を最後に哺乳類以外のキノドン類は絶滅した。哺乳類の祖先にあたる系統は三畳紀にここから派生している。