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概要編集

ロバとは、哺乳綱奇蹄目ウマ科ウマ属ロバ亜属の総称である。

ウマより小さく、が長い種が多い。寿命は約30年ほど。古代人が中東から北アフリカに生息していたノロバ(野驢馬)を飼い慣らしたもの。


ウマに比べて従順さや社交性に欠けるが、頑健で粗食に耐えるため、古来より荷役用の家畜として飼われてきた。一応、乗ることも出来るが、小さく従順でない事もあって、あまり乗用に向くとは言い難い。中国においては、ロバは一般的な食材のひとつともなっている。馬と比べて扱いにくいのも上述の頑健さの代償である(馬よりも厳しい環境の生き物である為)。「くまのプーさん」に出てくるイーヨーが後ろ向きな性格なのもこれが理由なのである。


一応、乳や肉など馬と同様に食用として飼育される事も少なくはない。


純粋な野生種はアフリカ大陸に住む「アフリカノロバ」のみであるが、ハワイ島では元家畜のロバが野生化しており、現地ではロバ注意の看板も見られる。


近代以前の日本にも大陸からたびたび持ち込まれてはいるが、全体的に温暖で飼い葉も豊富に採れる日本ではロバの頑健さや粗食に耐える性質はあまり大きな意味を持たなかっため、ロバより従順で扱いやすいウマや力が強いウシが荷役で活躍しロバの出る幕はなかった。そのため日本でロバは家畜として全く普及せず、ほとんど大陸由来の珍獣扱いであった(同様の事が温暖湿潤な気候に馴染まないヒツジにも言える)。また、昭和時代中頃(戦後)には、ロバの牽く屋台でパンを販売する「ロバのパン屋」というものが存在していたが、衛生面の観点から姿を消していった。(ただし、当時曳いてた馬の大半は小型のウマである木曽馬ポニーであった。ウマの方が扱いやすいため、ある意味当然ではある)


また、同じウマ属のウマとの間に雑種をもうけることが出来るが、この雑種は生殖能力がないため一代限りである。特にメスのウマとオスのロバとの間に出来た雑種はラバと呼ばれ、ロバ同様に頑固な性質を持つが、ロバの頑健さとウマの体格を併せ持つため重用された(逆の組み合わせでケッティと呼ばれる雑種が生まれるが、こちらはラバより小型で虚弱とされるため、ほとんど生産されていない)。


以上からも、ロバのイメージは凡そ良いとは言えないのだが、スイスドイツといった欧州では、なんと護衛犬の代わりとして利用される事が多く、どういう訳なのかロバはオオカミといったイヌ科動物に対して攻撃的な姿勢を見せるとされている。

また、かの有名な聖母マリアがエジプトへ逃走した際もロバに跨っていたとされており、その子であるイエス・キリストが聖地エルサレムの城へ入場した際も騎乗していた動物がロバであったとされる為、特に敬虔なキリスト教徒からしてみれば実はとても神聖なイメージを持った動物なのである。故に、キリスト教信者の前で迂闊にロバを馬鹿にする様な事を言えば、「イエス様への侮辱」と思われてもおかしくない為、注意すべきである。

一方で、近年ではその鈍間で非社交的なイメージからなのか、七つの大罪の一つである『怠惰』を象徴する動物としても扱われていたりする。


ロバに関する逸話編集

英名の「ドンキー(donkey)」には馬鹿者という意味もあるように、古くから愚鈍な動物とされ、後述の昔話にも多数登場する。しかし、中にはロバを飼育し、あまつさえ愚鈍とまで言い放った人間を逆に皮肉る説話もある。ストーリーは次の通り。


ロバを売る親子編集

ある村に親子がおりました。親子は生活に困窮していて、大事なロバを市場に売りに出かけなければなりませんでした。けれども、市場までには長い距離があるものですから、二人はロバの背中に乗って行く事にしました。そんな二人を見かねたおばさんが親子に向かってお説教を始めました。


「ちょっとそこの方!ロバに無理させるなんて何を考えてるザンスか!?まったく…動物愛護の観点が…(クドクド)」


あまりに通行人がクドクドと説教を垂れるので一番重い父親が背中から降りました。しばらくして通りすがりの男がこんな事を言い始めました。


「坊主、年取った親父さんを歩かせるなんてこんな酷な事はないぜ。ロバの背中に乗せて親孝行してやんな」


普段から真面目な父親を尊敬していた子供は父親をロバの背中に乗せてあげました。それからしばらくして女の子がお父さんに注意しました。


「ちょっと、おじさん!こんな小さい子に歩かせて自分だけ楽しようってわけ?なっさけないわね…せめてロバの背中に乗せてあげるとかしないワケ!?」


息子の厚意だったとはいえ、まだ小さい子供に無理をさせようとした自分を恥じて、子供を背中に乗せてあげました。さらにさらにしばらくしてエラくマッチョな通行人が


「ロバに乗ってたら体が鈍っちゃうぜ?ロバを棒に括り付けて持ち上げれば筋肉付くよ?騙されたと思ってやってみなよ。」


と言うものですから二人はマッチョな通行人の言う通りにロバを運びました。やがて橋に差し掛かりましたが、ロバは体勢が苦しくなってきたのか暴れ始め、うっかり棒を離してしまいました。第一、年老いた男と小さな子供では運ぶのには無理があったのです。脳筋マッチョにはそれがわからんのです。


ロバは川へ転落、親子はそのまま貧しい生活を余儀なくされるのでした…(完)


(※注:内容は元の話から大幅にアレンジしてあります)


いわゆる付和雷同を戒める為の寓話として度々引き合いに出される話である。作中で登場したロバが社交性に欠ける頑固な生き物に対し、人間は群れて生活する生き物であり、周りの意見に左右されやすい特徴を持っているのはなんとも皮肉である。


トムとジェリーの昔のギャグで頻繁にネタにされたりする。


競馬編集

ウマ科の中では最も小型であり、速度が劣ることもあって競走馬には不向きであると思われがちだが、パキスタンカラチでは、ロバのみに参加資格のある競馬が毎年開催されているレースは公道で一般車と混じって行われ、横からバイクで接近して疾走するロバに餌付けするファンも多い。

賭博を厳に禁じる回教文化圏のため、馬券は発券されず、聴衆から集めたお金運営マージンを引いた全額が優勝者(であるロバを所有する飼い主)に対し、報酬として贈与されるため、聴衆への還元はない(そのため、集めた金は賭け金ではなく協賛金といえる)



登場作品編集


ロバがモデルのキャラクター編集

神話・伝承編集


漫画・アニメ編集


特撮編集


ゲーム編集


その他編集


関連タグ編集

シマウマ 動物 アフリカノロバ 家畜

オノケンタウロス(ケンタウロスのロバ版) ロバ耳 馬耳

ラバ(雄のウマと雌のロバの雑種)


諸葛瑾:三国志で有名な諸葛孔明の兄。ロバに名前を書くことで馬面をからかわれた逸話がある。


別名・表記ゆれ編集

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