概要
戦争が終わった後の時代や時期を指す言葉や概念で、その戦争を境にその前後で体制や価値観が変わるととくに用いられる単語である。
日本における「戦後」
日本にとっては第二次世界大戦(太平洋戦争/大東亜戦争)終結後の時代を指し、1945年(昭和20年)8月15日の玉音放送によって日本人は日本の終戦を知らされ、これが戦後の始点になったと一般的に見なされている。
終戦した日本はアメリカを中心とする連合国軍のGHQの占領統治を受け、様々な改革が実行され、これにより日本人の生活様式や価値観が大きく変化し、その後は高度経済成長によって世界の経済大国に発展、
1956年に出された『経済白書』で「もはや戦後ではない」という言葉が使われた。1982年に中曽根康弘が「戦後政治の総決算」を掲げて第72代内閣総理大臣に就任、2006年に安倍晋三が「戦後レジームからの脱却」を掲げるなどした。
戦前とは善悪の価値観、実生活共に大きく変わった為に、平成頃からこの戦後期を指して「昭和初期」と言う記述が散見されるが、昭和初期は戦前である為、間違いである。
他の戦後
大戦期の戦災や被害が少ない地域では、大戦以前の大規模戦闘以後を戦後と見なす地域もある。
京都では室町時代の応仁の乱や幕末の禁中の変(蛤御門の変)以後を戦後する場合があり、福島県会津では幕末の戊辰戦争以後を戦後とする声がある。
スイスでは1815年のナポレオン戦争後、ウィーン会議で「永世武装中立」を認められ、両大戦でも今日でも武装中立を維持し続け、スイスにとっては1815年から戦後が続いている。
アメリカでは戦争を繰り返しており、戦後の概念は無い。ある意見では初めて敗北したベトナム戦争以後や最後の内戦である南北戦争以後が戦後ではないかとする見方もある。
フィクションの戦後
物語はほとんどが戦いの最中が舞台となるが、中には戦いが終わった後を物語の舞台にする作品もある。