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戦後、すべてを失った日本。

その無(ゼロ)が、負(マイナス)になる。


生きて、抗え。





※本記事には、一部ネタバレを含みます。

概要

ゴジラシリーズの実写映画第30作。ゴジラ生誕70周年記念作品。2023年11月3日に公開。IMAXドルビーシネマ4DXMX4D版も同日公開。


監督・脚本・VFXは山崎貴。制作は株式会社ロボットが手掛ける。


正式に発表されたのは2022年11月3日だが、それより前から株式会社ロボットのホームページ上(リンク)で、山崎氏が東宝の「超大作怪獣映画」に関わっていることが仄めかされていた。東宝制作の怪獣映画で、なおかつ“超大作”と付けられて大々的に取り上げられるほどの作品といえばゴジラシリーズ以外にまずあり得ないだろうという見方は多く、この時から「ゴジラの最新作の監督は山崎氏になるのではないか?」という予想が一部で噂されていた。

山崎G

発表時点では、アルファベットG(ゴジラのシルエットに近づけたタイポグラフィー)の書かれたティザーイラストのみが公開されていたが、2023年7月12日に正式タイトルと特報映像が発表され、同時に2023年12月1日に北米での公開も決定した。


正式タイトルとなる「ゴジラ-1.0」について山崎氏は、「何もかもを失った戦後日本。そこに追い打ちをかけるような、かつてない絶望を与える存在を描く。そんな意味も込めて『ゴジラ-1.0』というタイトルは生まれました」と語っている。

そのほか、「一番大きいのは、戦後でゼロ状態になっている日本に、さらにゴジラがやってきてさらに悪化するというか、悲惨な状況になっている状況で、人々がどう立ち上がるのかという意味もあります。初代のゴジラよりもさらに前の時代なので、そういう意味での“マイナスワン”もあります。助走のための“マイナスワン”でもありますし、あるいは何かを失う“マイナスワン”でもあります。いろんな意味を感じていただければ」とのこと。


株式会社ロボットのホームページに掲載されていたエキストラの募集ページでは、本作の時代設定を194547年としており、この時代設定は映画本編でもそのまま適用されているため、1950年代を舞台とした第1作『ゴジラ』よりもさらに古い時代を舞台とした作品ということになる。


11月8日には監督自ら執筆した小説版が発売。

あらすじは映画と同一だが、細かい補完や映画とは異なるセリフなどが描かれている。


2024年1月12日からは、モノクロゴジラ-1.0/C(ゴジラマイナスワン/マイナスカラー)が公開。


2024年5月1日にBlu-ray&DVDがリリース予定。

カラー版、モノクロ版に加え、両方を収録した豪華版も発売される。


2024年5月3日にはAmazonプライムビデオにて見放題独占配信予定。


あらすじ

太平洋戦争末期の1945年大戸島の守備隊基地に一機の戦闘機が着陸した。特攻隊に任命されていた操縦士の敷島浩一は、機体が故障したとして橘宗作ら整備兵たちに修理を依頼するが、整備を行った橘は「機体に異常はなかった」と敷島に伝える。命令に背いて逃げてきたことを見透かされた敷島は後ろめたい様子でただ一人、休憩を取りに海の方へ歩いて行った。そこで彼は、海面上に多数の深海魚が浮いている異常な光景を目撃する。

その夜、何処からともなく不気味な咆哮が響き渡り突如として恐竜のような巨大な生物が現れ、基地を襲い始めた。整備兵の一人があれは大戸島に伝わる「呉爾羅(ゴジラ)」ではないかとおびえる中、橘は敷島に戦闘機の機関銃で相手を攻撃するよう依頼する。しかし、整備兵たちを蹂躙する怪物を前にして怯え切った敷島は攻撃することが出来ず、結果として敷島と橘を除いて守備隊基地は全滅してしまう。


終戦後、復員した敷島は闇市でのトラブルに巻き込まれた事がきっかけで大石典子とその連れ子である明子と半同棲状態になる。2人を養う必要に迫られた彼は儲かる仕事として戦時中に日米双方が近海にばら撒いた機雷を除去する作業に就き、機雷回収船「新生丸」の乗組員である秋津淸治野田健治水島四郎と親交を結ぶ。時折心の深い傷に苦しめられながらも、敷島は新しい生活の中で徐々に立ち直ろうとしていた。


1946年7月アメリカビキニ環礁において核実験クロスロード作戦」を実行。その数か月後、アメリカ海軍太平洋艦隊の潜水艦駆逐艦などが何かに襲われ大破する謎の海難事件が相次ぐようになる。やがてそれを引き起こしているのが謎の巨大生物であることが判明し、アメリカ政府(GHQ)はその存在と巨大生物が日本列島に接近しているという通達を日本に送る。

1947年5月。破壊されたアメリカ軍の艦艇の調査に向かった新生丸。そこで敷島らの前に艦艇を襲った巨大生物がその姿を現した。


それは、敷島が大戸島で目撃した時から更に巨大な姿となった、あのゴジラであった。


キャスト


登場兵器(ネタバレにつき閲覧注意!)










※その他

この他にも、民間船ながら機雷除去作業のために上記の九三式十三粍機銃を搭載した特設掃海艇新生丸」とその同型船の「海進丸」、初実写化された測天型敷設特務艇などの敷設艦、艇級不明の駆潜艇終盤の作戦にて水島の図らいで参戦した多数の民間人所有のタグボートなどの他、アメリカ海軍並びにGHQなど進駐軍側からも、磁気機雷とバラオ級潜水艦のタング(SS-306)、架空と思しき米駆逐艦「ランカスター」などをはじめとした数隻の軍艦やトラックなどの車両が登場したが、後者の軍艦群は映像・音声記録や通信のみの登場に留まり、その悉くがゴジラによって大破させられたことが語られた。なお、序盤のとあるシーンで零戦五二型に搭載された九九式二〇ミリ機銃を発砲しようとしたシーンが存在したが、未遂に終わっている。


スタッフ

製作市川南
プロデュース岸田一晃
音楽佐藤直紀
VFXプロダクション白組
制作プロダクションTOHOスタジオROBOT
監督・脚本・VFX山崎貴
製作・配給東宝

公開後の反応

評価

本作は海外を中心に非常に高い評価を受けており、北米興収が国内興収を大きく上回っていることからもそれが窺える。海外のレビューサイトRotten Tomatoesでは2500件以上の一般レビュー、150件を超える批評家レビューにおいて共に98%という非常に高い評価を維持している。


アメリカにおいても、山崎監督も尊敬するVFXの巨匠でかつ大のゴジラファンとして有名なスティーブン・スピルバーグ氏が「映画を3回観た」と述べたり、さらにはプロモーションのために来日していたジェイソン・ブラム氏(『M3GAN/ミーガン』等の数々のホラー映画のヒット作を手がけていることで有名)が、自作の宣伝はそっちのけでイベントで『ゴジラ-1.0』の魅力を熱く語る等、映像関係者を中心に本作を評価するコメントが相次いだ。

ハリウッド版ゴジラ(モンスターバースシリーズ)の監督を務めたマイケル・ドハティ氏やアダム・ウィンガード氏も本作を絶賛している。


ハリウッドでは、同年に全米映画俳優・脚本家組合のダブルストライキにより制作活動が全面的にストップし、公開の予定されていた作品のほとんどが公開延期に追い込まれる事態となった。

こうした事態に加え、近年では巨額の予算を投じながらも作品の粗が目立ったり、制作費を回収できるほどの興収が達成できなかったりと、映画製作の構造的な問題が指摘されるようになっていた。

そんな中、人員も予算もハリウッドと比べて遥かに小規模()で製作されながらも、それにまったく見劣りしない映像で、大作の公開延期に喘いでいた観客を楽しませた本作は、アメリカの映画ファンや関係者に非常に大きなインパクトを与えたであろうことは想像に難くない。


ちなみに、正確な製作費は非公表であるが、山崎氏曰く「10億円以上」「邦画ではかなりかかっている方」とのこと。1500万ドル以上(≒22億円前後)だとする海外記事もあるが、監督曰く「そんなにあったらねぇ」とのことから、少なくとも10億~22億円の間のようである。現在では15億円程度とする算定が一般的である。


受賞

国内

第48回報知映画賞で監督賞を受賞。その後第66回ブルーリボン賞で作品賞、主演男優賞、助演女優賞の3冠、第78回毎日映画コンクールでは美術賞に輝いた。そして第47回日本アカデミー賞では優秀作品賞をはじめとした最多12部門の優秀賞、その中から決定される最優秀賞においては最優秀作品賞、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞、最優秀録音賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀美術賞の8冠に輝き、2023年の邦画として最高の名誉を得た。『シン・ゴジラ』も最優秀作品賞を含む7冠を獲得しており、実写ゴジラとしては2作連続での快挙となった。


2024年には第55回『星雲賞』のメディア部門にもノミネートされた。後述のアカデミー賞受賞も追い風になるか、注目される。


海外

北米での封切から間もなくして、作品の評価に比例するように、多くの映画賞で受賞・ノミネートが相次いだ。北米では視覚効果面での受賞が多く、本作のVFX技術がハリウッドの大作と比べても見劣りしないことを示している。


その最たるものとして、第96回アカデミー賞視覚効果賞のショートリスト(ノミネート最終候補10作品)に選出、2024年1月23日にノミネート作品が発表され、視覚効果賞にノミネートされた。邦画が同賞にノミネートされるのは史上初


2024年3月11日(現地時間3月10日)の第96回アカデミー賞授賞式において、日本映画としてはもちろん、アジア映画としても初となる視覚効果賞を受賞した

ゴジラ-1.0アカデミー賞受賞おめ😭

視覚効果賞の歴代受賞作品は、『スター・ウォーズ』『ターミネーター2』『タイタニック』『ブレードランナー』『ロード・オブ・ザ・リング』『アバター』と言った有名作品が多く、日本映画界にとっても歴史的快挙になったと言えよう。また、監督自らが視覚効果賞を受賞するのは『2001年宇宙の旅』でスタンリー・キューブリック氏が受賞して以来55年振り2人目。あまり注目されていないが、こちらもとんでもない快挙である。

さらにこの年は、長編アニメーション部門においてもスタジオジブリの『君たちはどう生きるか』が21年振り2度目の受賞を果たしており、日本の長編映画2作が受賞を果たすという史上初の快挙を達成することとなった


この歴史的快挙を受けて、東宝はロングラン上映の実施を決定

公開館数を全国規模でさらに増やして凱旋上映を行うこととなった。

なお、2024年4月26日にモンスターバースシリーズの新作『ゴジラxコング:新たなる帝国』の公開を控えている。東宝レジェンダリー・ピクチャーズの契約では「モンスターバースシリーズの上映期間中には日本で制作されたゴジラを上映しない」という取り決めになっているため、ファンの間では、「大型連休直前の4月25日まで凱旋上映を行い、モンスターバースへとバトンを渡すのではないか?」と推測されていた。

最高のバトン

しかし、今回は公開初日から大分日が経った映画の凱旋上映というイレギュラーな事態であったことや、レジェンダリー側も本家ゴジラシリーズのオスカー受賞の名誉を最大限リスペクトする姿勢を見せたこともあり、日米ゴジラの並行上映が遂に解禁。場所や上映期間によっては、日米のゴジラ映画を同日に両方楽しむことができるという何とも贅沢な楽しみ方もできるようになった。


受賞歴

日本

  • 第48回報知映画賞(監督賞)
  • 第66回ブルーリボン賞(作品賞、主演男優賞、主演女優賞)
  • 第78回毎日映画コンクール(美術賞)
  • 第47回日本アカデミー賞(最優秀作品賞、優秀監督賞、最優秀脚本賞、優秀主演男優賞、優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、優秀音楽賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞)

海外

  • 第36回シカゴ映画批評家協会賞(視覚効果賞)
  • 第27回ラスベガス映画批評家協会賞(外国語映画賞、ホラー/SF映画賞)
  • 第28回サンディエゴ映画批評家協会賞(視覚効果賞)
  • 第28回フロリダ映画批評家協会賞(視覚効果賞)
  • ノースカロライナ映画批評家協会賞(視覚効果賞)
  • 第13回ジョージア映画批評家協会賞(国際映画賞)
  • 第22回ユタ映画批評家協会賞(視覚効果賞)
  • 2023シアトル映画批評家協会賞(国際映画賞、視覚効果賞、悪役賞)
  • 第19回オースティン映画批評家協会賞(国際映画賞)
  • デンバー映画批評家協会賞(SF/ボラー映画賞、非英語作品賞)
  • ハワイ映画批評家協会賞(SF映画賞)
  • ポーランド批評家協会賞(SF映画賞)
  • カンザスシティ映画批評家協会賞(SF/ファンタジー/ホラー映画賞)
  • 国際映画音楽批評家協会賞(ファンタジー/SF映画部門作曲賞)
  • 第96回アカデミー賞(視覚効果賞)
  • 第17回アジア・フィルム・アワード(視覚効果賞、音響賞)
  • 第4回クリティクス・チョイス・スーパー・アワード(SF/ファンタジー映画賞、悪役賞)

興行収入・観客動員

国内

公開初日で前作『シン・ゴジラ』対比265%、公開3日間で興行収入10億円突破を記録しており、『シン・ゴジラ』を上回るロケットスタートを切った。

その後、公開約2週間で20億円突破を果たし、週末観客動員ランキング3週連続1位という快挙を成し遂げている。


公開4週目には2位にワンランクダウンしたが、公開31日目には観客動員数248万人&興行収入38.2億円突破を果たした。物価変動などで単純比較はできないが、これによりミレニアムシリーズ最大の動員数240万人を誇る『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』(GMK)を興行収入(27.1億円)、動員数で共に上回る快挙を為した。


2024年に入り、公開から10週以上が経過しても週末観客動員ランキングのトップ10に入り続けるほどの粘り強い興行の末、公開94日目に興行収入57.3億円を突破。『キングダム(1作目)』を上回り、令和以降公開の実写邦画歴代1位の座を獲得した。


公開から130日にさしかかったタイミングでアカデミー賞を受賞、オスカー獲得の影響はすさまじく、前週比1000%以上という驚異的な数字を引っ提げデイリーランキング2位に急浮上、公開20週目ながら週末観客動員ランキングのトップ10に復帰した。

これにより3月17日までに観客動員420万人を達成し、平成VSシリーズ最大の観客動員数を誇った『ゴジラVSモスラ』と並ぶことになった。

公開150日後には観客動員470万人、興行収入70億円を突破、公開157日後には興行収入73億円に達し、日本映画歴代興収トップ100入りを果たした。


その後の記録

  • 12月21日までの49日間:観客動員数293万人、興収45.1億円突破。
  • 12月24日までの52日間:観客動員数300万人、興収46.1億円突破。
  • 翌年1月3日までの62日間:観客動員数326万人、興収50.1億円突破。
  • 1月11日までの70日間:観客動員数339万人、興収52.1億円突破。
  • 1月21日までの80日間:観客動員数354万人、興行収入54.5億円突破。
  • 1月28日までの87日間:観客動員363万人、興行収入55.9億円突破。
  • 2月4日までの94日間:観客動員372万人、興行収入57.3億円突破。
  • 2月18日までの108日間:観客動員385万人、興行収入59.1億円突破。
  • 2月25日までの115日間:観客動員389万人、興行収入59.7億円突破。
  • 3月3日までの122日間:観客動員392万人、興行収入60.1億円突破。
  • 3月17日までの136日間:観客動員420万人、興行収入64.1億円突破。
  • 3月24日までの143日間:観客動員449万人、興行収入68.3億円突破。
  • 3月31日までの150日間:観客動員470万人、興行収入71.3億円突破。
  • 4月7日までの157日間:観客動員483万人、興行収入73.1億円突破。
  • 4月21日までの171日間:観客動員493万人、興行収入74.5億円突破。


海外

  • 北米:12月1日から始まった北米公開では、実写邦画史上最大規模となる2000館超で公開され、週末3日間のOP興収で約1100万ドル全米の週末興収ランキングで3位にランクインという好成績を記録している。
    • 公開当初は短期間の限定上映の予定であったが、現地での好評を受けて上映期間が延長、公開館数も2500館まで拡大され、そして現地時間12月5日、全米における累計興収が1436万ドルを突破。これにより北米で1989年に公開された『子猫物語』の興収約1329万ドルを塗り替え、34年ぶりに全米での歴代邦画実写作品興収No.1を達成した。
    • さらに12月10日までの公開10日間での累計で興収約2500万ドルを突破。2023年に北米で公開された外国映画ランキング1位を達成した。
    • 1月10日には、41日間で興行収入4974万ドルを記録。なんと『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』を抜き、北米におけるアニメ映画含む日本映画の興行収入で歴代2位となった(歴代1位は『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が記録した8574万ドル)。これにより北米における外国映画の興行収入において歴代トップ10入りを果たした。
    • 1月29日には興行収入5500万ドルを突破。『パラサイト半地下の家族』『HERO(2002年)』を抜き、北米公開のアジア単独制作の実写映画として歴代1位となった。北米公開の外国語実写映画としては歴代3位となる。
    • 2月1日をもって上映を終了。最終的な興行収入は5641万ドルとなった。
    • 流石にモンスターバースシリーズの『GODZILLA-ゴジラ-』(北米興収約2億ドル)や『GODZILLAvsKONG』(北米興収約1億ドル)等には及ばなかったものの、国産ゴジラどころか実写邦画史に残る成績となった。
  • メキシコ:1月19日時点で100万人以上の動員を記録。メキシコで公開された日本実写映画の歴代記録を塗り替えて1位となった。
  • 英国アイルランド:12月15日に公開され、週末で興収約81万ポンドを記録。英国・アイルランドにおける邦画実写の歴代興収1位となった。これまでの記録を初週で塗り替えた形となる。
  • フランス:12月1日からたった2日という超短期間で公開されたが、1月17日より2週間の再上映が行われた。フランス国内のデイリーランキングにてトップ5に日々ランクインする好調なスタートを切った。

全世界

ボックス・オフィス・モジョ調べによると、12月18日時点で全世界興行収入(日本含む)は6400万ドルを突破。日本円換算で約91億円である。


  • 12月22日:全世界興行収入100億円突破。
  • 1月11日:全世界興行収入140億円突破。前作『シン・ゴジラ』の世界興収を上回った。
  • 1月23日:全世界興行収入1億ドル突破。

続編について

詳細はネタバレになるので伏せるが、本作のラストは今後の展開への含みを持たせたかのような不穏な終わり方となっており、さらには上記のように世界的な大ヒットを記録したこともあり、続編制作を熱望する声も多い。


一応、山崎氏自身も続編の構想自体は持っているようで、「仮に制作することになるのだとしたら、戦後日本を舞台に『-1.0』の登場キャラたちがその後どうなったのかを描きたい」と語っている。なお、「ゴジラと昭和は切っても切り話せない」「現代を舞台としたゴジラ映画には既に『シン・ゴジラ』という傑作がある」という理由から、現代を舞台としたゴジラ映画の制作にはやや消極的な姿勢を示している。


余談

  • 本作公開日の11月3日とは、言うだけ野暮かもしれないが、1954年の第一作目『ゴジラ』の公開日でもある
    • また同時にこの日はゴジラ・フェス2023にて『ゴジラVSメガロ』および『オペレーションジェットジャガー』が公開された日でもあるため、人によっては「マイナスワン→VSメガロ→ジェットジャガー」という怒涛のスケジュールを楽しんだ者もおり、フェス参加者の2/3は既に観た事がトークイベント中に判明している。
  • ゴジラによる破壊・人への直接的被害のシーンは『ガメラ3』を参考にしているとされている(参照)。
  • 平成作品ではゴジラ登場や進撃する際に使われることの多かった「ゴジラのテーマ」だが、本作では第一作目同様にゴジラに立ち向かう人間側のテーマとして使用されており、『キングコング対ゴジラ』のテーマ曲(アレンジ版)や『モスラ対ゴジラ』のタイトルテーマが流される。
  • 総監督である山崎氏はゴジラシリーズの大ファンとしても有名で、『ALWAYS続・三丁目の夕日』でもゴジラの登場シーンを演出し、西武園ゆうえんちの『ゴジラ・ザ・ライド』の映像も担当しているなどかなりゴジラに縁のある人でもあり、両作の完成度の高さを知るファンからは「今までにないゴジラをVFXで見せてくれるのでは」という期待の声が上がっている。山崎氏自身も「劇場で『観る』のではなく、『体験』するにふさわしい作品になったと思います。ぜひ最恐のゴジラを最高の環境で体感していただきたいと思います」と『ライド』を意識したかのようなコメントをしており、同時に「僕が今まで作ってきた映画集大成になっていると思います」と自信を覗かせた。
    • 山崎氏の過去作には決して高い評価ではなかった作品もあり、そのことから不安視する声もあったものの、見事に吹き飛ばして見せた。
  • かつてのインタビューでは「もし自分がゴジラを作るとしたらと考えたことがあって、それには昭和は切り離せないと考えた」と語っており、有言実行したこととなる。
    • 山崎氏曰く時代設定を1945年~47年にした最大の理由は重巡洋艦高雄」を出したかったかららしく、史実との整合性を考えた際に違和感なく当てはまる時代がここしか無かったと語っている。
  • また『シン・ゴジラ』が上映された際にコメントを求められた山崎氏は「次やる人のハードルはとんでもなく上がってしまいましたね」と発言しており、まさか本当に自分が監督をやるとは思っていなかっただろうから、見事なフラグ回収である。
    • 公開された本作が『シン・ゴジラ』に次ぐシリーズ2位の国内興収を記録しつつ世界的にも高い評価を受け、映画界最高の栄誉の一つであるアカデミー賞の視覚効果賞を受賞という大変な偉業を成し遂げたことで、山崎氏も次の監督のハードルをさらに大きく上げることになったのは間違いない。
  • 公式Twitterでは「目撃情報」として2016年の『シン・ゴジラ』から徐々に作品を遡って紹介するカウントダウン企画を行っていたため、『初代ゴジラ』を紹介した次の日がXデーではないかと噂されていた。そして迎えた2023年7月11日に正式タイトル・トレーラーの発表日時に関する「予告の予告」が行われ、翌日午前4時に満を持してのお披露目となった。
    • 本作の余波によるものか、公式情報の公開以降Twitter上では『シン・ゴジラ』が小刻みにトレンド入りする現象も。
  • 主演を務める神木とヒロインを務める浜辺は同年放送のNHK連続テレビ小説らんまん』でも共演している。なお、オファー及び撮影は本作の方が先であり、神木は『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に、浜辺は『シン・仮面ライダー』とどちらもシンシリーズ出演している
  • 山崎貴セレクション ゴジラ上映会」にて、山崎貴氏は本作を「『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』(GMK)の影響下にある」と言及しており、実際に作中ではGMKを思わせるような要素も多い。だが、シナリオを製作していた当時の山崎貴氏はGMKの内容をだいぶ忘れており、まるで自分で考えたかのように『-1.0』のシナリオを書いた所、意図せずGMKに似たシナリオになってしまったとの事。
  • 本作の劇場公開期間中に、日本国内のシネコンでは本作の予告をパロった『エクスペンダブルズ4:ニューブラッド』の予告が流れた。
  • 今作をはじめ、数多くの山崎貴作品のプロデュースを担当した株式会社ロボット創業者・顧問の阿部秀司氏は2023年12月11日に死去したため、今作が遺作となった。
    • モノクロ版『-1.0/C』ではエンドクレジットに阿部氏への献辞が追加されている他、アカデミー賞授賞式においても、スタッフは阿部氏の遺影と共に壇上に上がり、スピーチの際には最後に追悼のコメントが添えられた。
  • 本作とアカデミー賞の視覚効果部門を争った作品の1つに『ザ・クリエイター/創造者』があるが、同作を監督したのはモンスターバースシリーズの記念すべき第1作である2014年版『GODZILLA』を手掛けたギャレス・エドワーズ氏であり、さらには、同作にはモンスターバースで芹沢猪四郎を演じた渡辺謙も出演していた。
    • さすがに『ゴジラ-1.0』ほどではないが、本作もハリウッド映画の中ではかなりの低予算で制作されている。下馬評もほぼ拮抗しており、どちらが受賞してもおかしくなかったと言われている。
    • ちなみに、ギャレス氏もまた全作品の映像ソフトを所持しているほどのゴジラシリーズの大ファンとして有名だが…現時点では特にコメントなどは発表しておらず、自作のアカデミー賞受賞をゴジラに阻まれたことをどう認識しているかは不明である。
      • ただ、北米公開前に山崎氏と対談した際には、日本で『ゴジラ-1.0』を鑑賞した上で「私もそうしたかったと思うくらい、ゴジラ映画はこうあるべきだという感覚がありました」「ファンの間で『歴代最高のゴジラ映画は?』とディベートが繰り返し行われている中で、間違いなく『ゴジラ-1.0』は名前が挙がると思います」など、絶賛のコメントを残している。

関連映像

特報映像


予告


関連タグ

ゴジラシリーズ 令和ゴジラ ゴジラ


ゴジラ2023

東宝特撮

山崎貴


ゴジラ-1.0/C


ゴジラシリーズ関連

初代ゴジラ:全てのゴジラ作品の原点であり第一作目。本作をオマージュやリスペクトをしているポイントが数多く存在している。太平洋の架空の島・大戸島鉄道を咥えたり日本劇場を破壊したりするゴジラといった点が共通する。


ゴジラVSキングギドラ:本作と同じくゴジラの前身とされる架空の恐竜が登場する平成VSシリーズ作品。


シン・ゴジラ:初代ゴジラとは違ったアプローチの作品。こちらはもし現代にゴジラが現れたら...という観点で物語が進む作品。瓦礫や民間人等が被災及び亡くなるといった直接的シーンが本作にも存在している。


ゴジラVSメガロフェス・ゴジラ4 オペレーション ジェットジャガー:本作と同日に公開されたゴジラ・フェス2023の短編作品。


シン・ゴジラ←ゴジラ−1.0→???


その他

ガメラ3 邪神覚醒ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃:山崎貴監督に影響を与えたとされる金子修介監督作品。後者は初代ゴジラとの関係性があり、本作においても人類側は超兵器は使わず比較的現実に即した兵装でゴジラに挑んでいる。


OPPENHEIMER:“原爆の父”と呼ばれる物理学者:ロバート・オッペンハイマーを題材とした、クリストファー・ノーラン監督による伝記映画。本作と同じ第96回アカデミー賞にて作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、撮影賞、編集賞、作曲賞の計7部門を受賞。受賞後の記者会見で山崎監督は同作について「映し鏡のような作品では?」と記者から質問され「アンサーの映画を日本人としては作らなきゃいけないんじゃないかな」と答えている。対するクリストファー・ノーラン監督も、『ゴジラ-1.0』について、「とても刺激的で細かいこだわりが感じられ、観る者を引き込む素晴らしい映画だ」と絶賛した。なお、両監督は以前映画『ダンケルク』公開の際に対談を行ったことがあり、互いに顔見知りだったりする。


外部リンク

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