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ブルーリボン賞

ぶるーりぼんしょう

賞の名称。日本国内では映画・鉄道車両・海外では船舶に授与される賞がある。ここではそれぞれの賞について記述する。
目次 [非表示]
  1. 日本映画
  2. 日本の鉄道車両の中から選ばれる賞。
  3. 大西洋を最速で横断した船舶に与えられた賞。

ブルーリボン賞(映画)

1950年創設。東京映画記者会(在京スポーツ新聞7紙の映画担当記者により構成)により選出、それぞれの作品、監督、俳優に対して賞が授与される。

創設時は「映画賞」であったが、賞状を青色のリボンで結んで渡したことから「ブルーリボン」が通称となり、その後正式に「ブルーリボン賞」と改名され現在に至っている。

1966年に一度廃止される。これは当時の政界汚職事件に、各新聞社が絡んでいたことが原因とされるが、定かではない。その後若手記者による復活運動もあり、1975年に再開された。


実写に重きを置く映画担当の新聞記者が主催している賞という事もあるのか、歴史がそこそこあるためなのかは分からないが、アニメ映画の受賞機会は概ね少ない。作品賞には2001年の『千と千尋の神隠し』、監督賞として2013年の『この世界の片隅に』の片渕須直氏が受賞している他、『となりのトトロ』『君の名は。』などの作品が特別賞を受賞しているが、数えるほどである。現在の時点で主演男優・女優賞を始めとする俳優賞に、声優が輝いた例は無い。


日本アカデミー賞のように脚本賞やアニメーション作品賞は無い(66年の一時廃止前は、脚本賞の他音楽賞や大衆賞・撮影賞など多岐に渡っていた)。ただし、同賞と異なり、日本で上映された外国作品を懸賞する外国作品賞が存在する。


ブルーリボン賞(鉄道)

1958年創設。日本の鉄道趣味団体である鉄道友の会の会員投票により選出される。対象は前年に日本国内で営業運転を開始した鉄道車両のうち、画期的な車両であり、かつ最優秀であるものに与えられる。ちなみに製造は日本国内に限定しないため、海外から輸入された車両でも受賞する可能性はあるが、2021年現在まで実例はない。逆に製造が日本国内でも海外へ輸出された車両は投票の対象外となる。

なお、得票数と関係なく主に技術面や製作思想への評価などで選考会より優秀であるとされた車両には「ローレル賞」が与えられる。


一般投票という性格上、国鉄(→JR各社)や大手私鉄の優等列車用の車両が受賞する場合が多いが、東京メトロ1000系や阪神電鉄5700系のように、優等列車用の車両の候補が無い・少ない場合は普通列車用の車両が受賞する年もある。


なお、極稀に「該当なし」となる年がある(これまでに1971年・1975年・1994年・1997年に発生)。これは総投票のうち「該当車なし」の得票がその年にノミネートされたどの車両の得票数よりも上の場合にのみ発生する。1997年以降は20年以上に渡って該当例は無い(2005年には受賞車両のJR四国5000系5100形と30票差の次点が該当車なしとなったことがある)。


2021年現在、この賞の最多受賞鉄道事業者は近畿日本鉄道の9回であり、ついで日本国有鉄道(1987年3月31日組織消滅)と小田急電鉄の8回、JR東日本の6回と続く。


主な受賞車両

  • 小田急電鉄3000形電車(初代)(第1回:1958年) - 本賞は「この車両を顕彰する」ことが目的で創設された。
  • 名古屋鉄道7000系(第5回:1962年) - 初めて特別料金不要の車両が受賞した例。
  • 日本国有鉄道0系新幹線電車(第8回:1965年) - 公開されている限りでは史上最高の得票率(70.3%)を得た。
  • 日本国有鉄道EF66形電気機関車(第12回:1969年) - 史上初の非旅客車の受賞(他の例はJR貨物M250系電車のみ)かつ現在まで唯一の機関車の受賞。
  • 名古屋鉄道6000系(第20回:1977年) - 純粋な通勤用車両が初めて受賞した例、
  • 江ノ島鎌倉観光(現江ノ島電鉄1000形電車(第23回:1980年) - 史上初の中小私鉄車両の受賞。(この後、中小私鉄・第三セクター車両の受賞は現在まで4例ある)
  • 近畿日本鉄道21000系電車(第32回:1989年) - この年はブルーリボン賞の候補となる車種の数が公開されている限りでは最多となる62車種にものぼっており、その激戦の中で最多得票を得て受賞した。
  • 東武鉄道100系電車(第34回:1991年) - 総得票数ではJR東日本251系電車に僅差で及ばず第2位であったが、選考委員会での決定で逆転受賞した異例のケース。
  • JR九州787系電車(第36回:1993年)- 九州の車両で初の受賞。
  • JR貨物M250系電車(第48回:2005年)- 電動貨車貨車に属するものでは初の受賞であり、同社としても初の受賞。
  • 富山ライトレールTLR0600形電車(第50回:2007年)- 路面電車LRTで初めての受賞。

Pixivサービス開始後の受賞車両


余談

  • 小田急ロマンスカーは第1回以来30000形(EXE)を除き全車両が受賞している。
    • 小田急はこれまで特急車の得票で同年の他の車両を下回ったことが無いが、30000形は「該当なし」票を下回ったことから受賞していない。
    • 小田急の通勤電車は過去に一例だけ次点になった(9000形)。
  • JR九州の在来線特急形電車783系以外全車両が受賞している一方、JR北海道は自社新製車両による受賞が未だにない(唯一の受賞例は国鉄の改造車両を継承したもの)。
  • JR東海300系以降、新幹線車両でブルーリボン賞・ローレル賞を総ナメしていたが、在来線車両においてはHC85系で初の自社単独での受賞となった。
  • 大手私鉄で受賞歴がないのは東急電鉄(←東京急行電鉄)、相模鉄道京阪電気鉄道西日本鉄道の4社。ただし4社ともローレル賞の受賞歴はある。
  • 近畿日本鉄道は上述の通り歴代最多の9回受賞しているが、ローレル賞の受賞回数4回・受賞車両6種(シリーズ21の3車種の一括受賞)も私鉄では最多。
  • ちなみに新幹線電車の受賞は0系、500系(第41回:1998年)、N700系、E5系、E7系・W7系の5例にとどまっている。100系・200系・800系は得票数で次点であった。
  • 夜行列車に使用される寝台列車用の車両は過去に4回(581系285系14系E26系)受賞している。
    • 寝台列車」の一種であるクルーズトレインはブルーリボン賞・ローレル賞候補にノミネートはされるものの、現在まで受賞歴はない。
    • 実際トワイライトエクスプレス瑞風87系は得票数1位でありながら、1票差の2位であった同じJR西日本の35系客車が受賞している(JR東日本のE001形トランスイート四季島は更に1票差の3位)。
    • これについては”クルーズトレインは「一般人が気軽に乗れる列車」というカテゴリーからは外れるため”とも言われているが定かではない(JR九州のななつ星は2014年の第57回で次点となっている)
    • 他には、2018年はJR西日本でワンツーフィニッシュだったためかクルーズトレイン同士での格差が生まれないよう忖度した可能性もある。
  • 上述の通り1991年と2018年の受賞車両は得票数で2位の車両が受賞しているが、規定上「僅差」の場合は選考員による協議で(僅差となった車両同士から)受賞車両を選定することが出来るとされている。
  • 前年に日本国内で営業運転を開始した鉄道車両であっても、「新系列ながら既存車からの変更点が少ない、あるいは類似車両が他社にいる」とみなされ、ブルーリボン賞・ローレル賞の受賞候補にノミネートされない車両も多数存在する。相模鉄道11000系東京都交通局8900形南海電気鉄道8300系などがその例。
  • 受賞対象は新製車両だけとは限定はしてしないものの、これまで既存車の改造車が受賞したのは1984年(第27回)の14系700番台「サロンエクスプレス東京」、1987年(第30回)のキハ83・キハ84形「フラノエクスプレス」の2例だけである。

ブルーリボン賞(船舶)

国際的な船舶賞として1860年代に創設。大西洋を最速で横断した船舶に授与される。西回り航路(欧州始発・北米州到着)と東回り航路(北米州始発・欧州到着)がある。

最初に綬章(遡及授与)した船は1838年に記録を達成した『シリウス』、当初はマストに青いリボンを流すことを認められたためこの名がある。

1930年代頃までは同賞の獲得も目指した大型高速客船の開発が活発となり、1938年に東西両回り二冠を達成した初代「クイーン・メリー」は全長300m強・達成時速度31.69ノット(東回り)に達している。日本の商船・旅客船が長距離国際航路廃止時まで全長200m・速度25ノットの壁を越えられなかったことを考えると驚異的なものと言えよう。


20世紀半ば以降は欧州各国の国力衰退に加え、高速輸送の役割を航空機に譲ったこともあり、この賞を狙う船舶も激減していく。

「クイーン・メリー」以降長距離高速移動に長けたオーシャンライナーの建造は停滞し、第二次大戦以前からの客船の使い回しが各所で見られ、それらの船舶が沈没・引退するなどした国は大西洋航路そのものから撤退する例も多々見られた。

1952年にアメリカによって客船「ユナイテッド・ステーツ」が建造されると、速度35.59ノットという驚異的なスピードで「クイーン・メリー」の記録を14年ぶりに塗り替えたが、これを最後に長らく記録更新は途絶え、1969年以後定期航路を持つオーシャン・ライナーはイギリス「クイーン・エリザベス2」のみとなり、他の船舶は引退するか速度を必要としないクルーズ客船への転換を余儀なくされた。


1990年に双胴高速船「ホバースピード・グレートブリテン」によって「ユナイテッド・ステーツ」の記録は38年ぶりに塗り替えられたが、これは東回り航路のみ(36.6ノット)の記録である。

以後は同様の双胴高速船によって速度がより出しやすい東回り航路のみ速度更新が行われたが、1998年の「キャットリンク5」(2日20時間9分、速度41.3ノット)以後受賞船舶はない。また、西回り航路の記録は現在も「ユナイテッド・ステーツ」が保持しており、70年近くに渡って更新が無い状態にある。

オーシャン・ライナーとしては唯一保有を続ける英キュナードが21世紀初頭に「クイーン・メリー2」を新造しているものの、クルーズ客船兼用なこともあり、全盛期の船舶のような30ノットを恒常的に越える運用を組んでおらず、更新の可能性は低い。


関連項目

映画 鉄道 鉄道友の会 船舶 ブルーリボン ローレル賞

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