スペック(全車共通)
車体材質 | 普通鋼 |
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車体幅 | 2,800mm |
全高 | 4,150mm |
電気方式 | 架空電車線方式(直流1,500V) |
設計最高速度 | 160km/h |
営業最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
減速度(常用) | 4.0km/h/s |
減速度(非常) | 4.5km/h/s |
制御方式 | 抵抗制御 |
主電動機 | 三菱電機 MB-3127-A(出力180kw) |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 3.81(80:21) |
制動装置 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ HSC-D 抑速ブレーキ |
保安装置 | 近鉄型ATS |
電算記号(編成記号・番号) | NN01~、NN11~、NN51~ |
概要
近畿日本鉄道(近鉄)の特急形車両、12400系・12410系(及びその狭軌型の16010系)・12600系の愛称の1つ。正面が30000系と似ているためよくビスタカーと間違われるが、こちらは平屋建て。ビスタカーと間違えないよう気を付けよう。
「サニーカー」の名称は鉄道アナリストの川島令三氏が名づけたもので、近鉄側は正式な名称として認めていなかった(当初、12410系は最新エースカー、12600系は最新エースカーⅡと呼ばれていた)が、その後、最新エースカーの名称は定着せず近鉄でも使用するようになった。ちなみに由来は客室全体が太陽のように明るいイメージにするべく、客室内のインテリアに白とオレンジ系の色調を採用してこれを「サニートーン(サニーは英語で日当たり良好などの意味)」と称したためだとか。
2016年からは新塗装へ移行。全車が新塗装化の対象となっているほか、内装材の老朽化が目立ってきたことからB更新工事が順次行われている。また、それと併せて分煙化対策のため、パンタグラフなし先頭車のク12500形・ク12510形・ク12700形に喫煙室を併設する工事が行われている。
近鉄特急汎用車両の例にもれず、22000系、22600系、30000系と併結することも多い。
過去には10400系、11400系、12000系 18400系 12200系等との併結実績もある。
赤幕車は名伊、LED車は阪伊、京奈、京橿、阪奈、京伊の運用に就くことが多いが、当然例外もある。
形式別解説
12400系
スナックカー・12200系の改良型として1977年に登場した。1978年にブルーリボン賞を受賞。
当初は12200系の12257~12259編成として1977年12月竣工のはずだったが、監督官庁から変更点の多さを指摘され、その竣工の僅か1日後に新系列「12400系」の12401~12403編成へ形式変更している。
12200系は2両単位での運用で設計されていたが、30000系ビスタカーの構想が取り入れられて最初から4両編成で設計、新製当初の12200系からいくつか設計変更があったことが背景にあった。
4両編成3本、計12両が在籍。全車が明星検車区に所属している。
余談だが、性能は全く同じだが大幅な車体構造変更が生じた車両は他社だと阪神7801・7901形が存在する。あっちは2度の車体構造変更(片開き→両開きラインデリア→断面拡大&新製冷房)があるにもかかわらず最終増備まで同一形式を貫いている。
前述の通り本形式は元々12200系として作られた為、同形式の実際の製造総数は180両となるが、公式では12400系へ改形式された分を除外した168両となっている。公式発表で12200系が汎用特急車として完全引退した後も健在の改形式された12両はカウントから除外されている。
12410系
当時の名阪特急は2両編成での運用が多かったが、国鉄の運賃値上げの影響で3両編成運用を確保する必要性が出てきたため、1980年にまず3両編成4本(12411~12414編成)が登場している。形態・装備機器は12400系を踏襲しているが、通過標識灯と尾灯の形態、トイレの配置を変更している。
12410系は3両編成運用を基本としているが、中間車サ12560形を挿入した4両編成運用も新製当初から計画されていた。近鉄特急の需要増加に合わせて翌1981年に12415編成が4両編成で登場、その後1980年製の4本とも1983年にサ12560形を挿入、全編成が4両編成となっている。サ12560形は搭載機器類が少なく、冷房4基のうちの半数は重心対策で床下搭載とした。
この他前面の行き先表示が12415Fのみ赤幕に白文字である。
4両編成5本、計20両が在籍。12415編成が富吉検車区に、それ以外の編成は東花園検車区に所属していたが、2020年の80000系増備のため玉突きで明星検車区へ転属した。
12600系
近鉄特急の需要増加と18000系の代替目的で1982年に4両編成1本(12601編成)、1986年に4両編成1本(12602編成)が登場。12400系と同様最初から4両編成で設計したため、12410系のサ12560形のような床下冷房は存在しない。トイレの配置が再度変更されたほか、電制用抵抗器の位置も変更した。
前面の行き先表示が赤幕に白文字である。
4両編成2本、計8両が在籍。新製当初は京奈・京橿運用に就くのが主な目的のため西大寺検車区に所属していたが、富吉検車区に長年所属した後、12410系と同様の理由で現在は明星検車区に所属。
16010系
車両愛称は「吉野特急」で定着しているが、車体はサニーカーのものと同等であるためここで紹介。
南大阪線系統の車両。2両編成1本のみが1981年に製造された。古市検車区所属のY11編成。
少数派となることから吉野特急用の16000系と接客設備を統一(※このため2001年のリニューアル改造までデッキが設けられていなかった上、座席も廃車発生品の流用で済まされている)、また2016年の新塗装移行前の塗り分けも紺色部分が多い12200系・16000系のものへ揃えられていた。
上記サニーカー3系列とは異なり製造当初から側面行先表示器が設けられていない。
1981年にお召し列車として使用されたことがあり、その際対応する改造が行われたことがある(16111に御座所が設けられた)。
前面行き先表示は白幕に黒文字である。