曖昧さ回避
概要
近鉄特急は近畿日本鉄道の特急。名阪や阪伊などが有名である。
新幹線の開業前は名阪間の直結需要は優位に進めていた。このころは特急愛称が今より多く、「かつらぎ」「あすか」「おわり」などの「車両愛称ではない、便名としての列車名」だった。
新幹線の開業後は伊勢志摩方面など観光特急としての側面も強くなっていった。そして京都線を買収したことなどもあり、京都発着特急が誕生。伊勢志摩方面への特急(京伊特急)は山陽方面からの新幹線や北陸方面からの在来線との接続の要素も加わった。
新幹線開業と同時に客が減って一時期名阪特急の単行や2両編成への減車まで検討された程だが、昭和55年頃から新幹線(というか国鉄)の運賃値上げで近鉄に客が戻り始め、デラックス化も進んでいく。アーバンライナー登場直後は再び優位になるものの、現在では「速い新幹線、安い近鉄」の棲み分けができており、ある程度の客層がある一方、定期の湯の山特急が廃止されたり、伊勢志摩方面の特急などでは利用者が減少傾向にある。また、長年続いた名阪ノンストップ特急も2012年に廃止されている。
特急券の販売・料金体系
対キロ制を採用。40km、80km、140km、180km、181km以上で料金区分され、利用区間によってはJR在来線の自由席特急券より高くなる場合があるが、遠距離では近鉄が安い。
伊勢中川や橿原神宮前といった特定の乗換駅で特急同士の乗継は30分以内であれば同一料金で通算される。
特急券売機は近年改札外設置のみシートマップに対応し任意の席を選べるようになったが、改札内は大まかに窓側or通路側の二択で任意の席や号車を選べない。
しかし2020年現在、特急券売機に不具合(バグ)が存在する。一部の列車や着駅が表示されず(平日は表示されるが土休日は表示されないパターンも)、券売機購入が不可能となっている。該当列車及び着駅への利用は途中駅まで買って車内で乗越精算するか、窓口購入となる。
特に多い事例を以下に挙げておく。改札外設置の特急券売機で確認済。他にもあるが細か過ぎるので割愛。
- 朝と夕方以降の名古屋45分もしくは50分発名伊特急から伊勢中川で上本町方面への乗継
- 大和八木(一部)・鶴橋・上本町・難波(難波行)が表示されない
- 名張・榛原・大和高田・布施は表示される(一部停車は該当便のみ表示)
- 上本町45分もしくは50分発、難波6時40分発、休日夕方の難波10分発阪伊特急から伊勢中川で名古屋行への乗継
- 難波(上本町)10分発の一部を除いて津と名古屋が表示されない
- 上記2駅の間にある白子・四日市・桑名は表示される
バグが発生している該当便は何れも伊勢中川で乗継中に「ひのとり」の通過待ちをする便であり、追加料金を回避するのに(乗客だけでなく駅員や車掌も)余計な手間が増えている。名阪甲特急が乙特急と同額だった頃はあまり気にならなかったが、追加料金の発生で露見した格好である。
※チケットレスサービスについては利用していないので不明。ご存知の方加筆お願いします。
主な特急形車両の愛称
引退済み
- 「レクリエーションカー」:2200系モ2303(元・参宮急行電鉄デトニ2303)
- 「ビスタカー」「旧ビスタカー/ビスタⅠ世」:10000系
- 「ビスタカー」「新ビスタカー/ビスタⅡ世」:10100系
- 「エースカー」:10400系(旧エースカー)、11400系(新エースカー)
- 「スナックカー」:12000系(旧スナックカー)、18400系(ミニスナックカー)
- 「スナックカー」:12200系
現役特急(格上)
- 「アーバンライナー」「アーバンライナーplus」:21000系
- 「アーバンライナー」「アーバンライナーnext」:21020系
- 「さくらライナー」:26000系
- 「伊勢志摩ライナー」:23000系
- 「しまかぜ」:50000系
- 「青の交響曲」:16200系
- 「ひのとり」:80000系
- 「あをによし」:19200系
現役特急(汎用特急)
- 「吉野特急」:16000系、16010系
- 「サニーカー」:12400系、12410系、12600系
- 「ビスタカー」「ビスタⅢ世」→「ビスタEX」:30000系
- 「ACE(エーシーイー)」:22000系、16400系
- 「Ace(エース)」:22600系、16600系
補足
ビスタカーは2階建て車つきの車両である「10000系」「10100系」「30000系」の愛称であって、編成全体が平屋建ての車両はビスタカーではない。間違って認識している鉄道ファンがたまにいるので注意。
列車愛称としての使用
過去に使われていた愛称も含む。なお、臨時列車については一部のみ記述。
名称 | 読み | 愛称名の由来 | 運行系統 | 愛称設定時期 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
すずか | - | 鈴鹿山 | 名阪 | 1947年~1960年 | 名古屋線区間のみ |
かつらぎ | - | 葛城山 | 名阪 | 1947年~1960年 | 大阪線区間のみ |
あつた | - | 熱田神宮 | 名阪・名伊 | 1952年~1960年 | 名古屋線区間のみ |
なにわ | - | 大阪の別称 | 名阪・阪伊 | 1952年~1960年 | 大阪線区間のみ |
おわり | - | 尾張国 | 名阪・名伊 | 1955年~1960年 | 名古屋線区間のみ。最終便がこの愛称だった(「終わり」と掛けている) |
あすか | - | 飛鳥(奈良県の地域名) | 名阪・阪伊 | 1955年~1960年 | 大阪線区間のみ |
いすず(初代) | - | 五十鈴川 | 阪伊 | 1952年~1953年 | 短命に終わった愛称名 |
さくら | - | 吉野山のサクラ | 吉野 | 1951年 | 当時の南大阪線特急はすべて臨時列車 |
かもしか | - | 吉野山のカモシカ | 吉野 | 1960年~1961年 | 臨時。なお、愛称名は1959年に決定。当初は快速 |
パールズ | - | 真珠の英語表記。なお1950年代には近鉄パールスというプロ野球球団があった | 阪伊甲・名伊甲 | 1970年~1978年ごろ? | |
名阪 | めいはん | 名古屋と大阪 | 名阪(甲・乙) | 1970年~1978年ごろ? | |
はまゆう | - | ハマユウ | 名伊乙 | 1970年~1978年ごろ? | 名古屋~賢島間 |
とば | - | 鳥羽 | 名伊乙 | 1970年~1978年ごろ? | 名古屋~鳥羽間 |
いすず(2代) | - | 五十鈴川 | 名伊乙 | 1970年~1978年ごろ? | 名古屋~宇治山田間 |
ゆのやま | - | 湯の山温泉 | 湯の山 | 1970年~1978年ごろ? | 名古屋~湯の山温泉間 |
アーバンライナー | - | 21000系の車両愛称 | 名阪甲 | 1988~1990年ごろ? | 当該列車は「アーバンライナー 〇〇号」と呼称していた |
しまかぜ | - | 50000系の車両愛称 | 名伊・阪伊・京伊 | 2013年~ | 他の名伊・阪伊・京伊特急より格上の列車 |
青の交響曲 | あおのシンフォニー | 16200系の車両愛称 | 吉野 | 2016年~ | |
湯の山温泉サマーライナー | ゆのやまおんせん- | 夏季限定での運転であることから | 湯の山 | 2008年~ | 不定期かつ夏季限定 |
ひのとり | - | 80000系の車両愛称 | 名阪甲ほか | 2020年~ | 他の名阪特急より格上の列車。座席予約などで「ひのとり 〇〇列車」の案内が使われる |
あをによし | あおによし | 19200系の車両愛称 | 京奈ほか | 2022年~ |
運行系統
名称 | 読み | 運行区間 |
---|---|---|
名阪特急 | めいはんとっきゅう | 大阪難波・大阪上本町~近鉄名古屋 |
阪伊特急 | はんいとっきゅう | 大阪難波・大阪上本町~賢島など |
名伊特急 | めいいとっきゅう | 近鉄名古屋~賢島など |
京伊特急 | けいいとっきゅう | 京都~賢島など |
京橿特急 | けいかしとっきゅう | 京都~橿原神宮前 |
京奈特急 | けいなとっきゅう | 京都~近鉄奈良 |
阪奈特急 | はんなとっきゅう | 大阪難波~近鉄奈良 |
吉野特急 | よしのとっきゅう | 大阪阿部野橋~吉野など |
湯の山特急 | ゆのやまとっきゅう | 近鉄名古屋~湯の山温泉※臨時運行 |