曖昧さ回避
- 英語での「虫」のこと。ただし蠕虫(ワーム、Worm)を含まない。
- カメムシの英語名。上記の広い意味での「bug」から区別するように「true bug」と強調される場合もある。
- 機械における予期せぬ挙動。昨今はゲーム、ウェブサイト、アプリ(OS)などソフトウェアに由来するものが多い。ただし語源はハードウェア。
- アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場する兵器。
- かいりきベア氏によるプロセカ書き下ろし曲。→バグ(かいりきベア)
この項目では3および4に関して解説を行う。
予期せぬ挙動
元々はプログラムの発生以前、コンピュータの黎明期(真空管時代)に
機械内部に虫が侵入したことにより意図せぬ不具合やエラーが発現したことが語源となった。エジソンなども恐らくそうであった。
一部ではシェイクスピアの戯曲「ヘンリー四世」にて忌まわしきものとしてこの言葉が使われていた、というデマまで存在したほどである。
現在知られるプログラムとは大きく異なるパンチカードの話になるが、イギリスの数学者「チャールズ・バベッジ」の解析機関にて、そこの所員であるエイダ・ラブレスにより、パンチカードの出し入れ順番の間違いのせいで予期しない計算結果となる危険性が示唆されている。
特にこのバグという言葉を有名にしたのはグレース・マレー・ホッパー海軍中尉である。
開発されたコンピューターに紛れ込んで不具合を起こした蛾を手帳に貼り付けて記述したというエピソードがあり、今日知られるバグという表現はこの蛾→虫→bugから来ている。
※この項目はwikipediaの当該項目およびリンク先を参照した。
ソフトウェアの修正法
その意図しない挙動がどのように発生しているのかを突き止め、それを修正することにより行われる。
しかし特定条件下で発生することもあり、この特定は難しいことも珍しくない。まれにプログラム自体ではなく、プログラムを動かす機械側(ハードウェア)の問題ということもあり得る。
また、「プログラムにバグがない」ということは、いわゆる悪魔の証明にあたり証明不可能なものとして扱われ、丹念なデバッグでちまちま潰していくしかない。
現在ではインターネットを介し、更新プログラムの配信という手段でバグへの対処が確立している。だが、それ以前はメーカー交換をする必要があり、特に生産コストの高いROMカセットを用いる家庭用ゲームソフトだと企業側の負担も大きかった。最悪、仕様だと言い切って、そのバグ発生条件を踏まないよう周知することでしか対処できなかった。
オンラインゲームや通信対戦を行うゲームでも、ユーザーに対し不公平なものになる場合もあるので、大抵はバグ報告フォームが用意されている。
また、アーケードゲームの無限ループなどの問題、もしくはパチスロ機やパチンコ機の特定動作による攻略などが発覚しても、プログラム自体の修正は難しく、それ自体が店の収益に深刻な問題を起こしかねないためメーカーは慎重になっている。
ソフトウェアの余談・補足
- 先ほど触れたチャールズ・バベッジ、エイダ・ラブレス、グレース・マレー・ホッパーの3名について補足。
- 同じく先ほど触れたパンチカードとは、厚手の紙に穴を開け穴の有無や数などで情報を保持するメディア。大昔のコンピュータでは一般的であった。現在でも古い織機や、手回しオルガンなどに使用されている。
- 1970年代に8ビットパソコン用のOSとして代表的だったCP/Mに同梱されているデバッグ用ツールにDDTというツールがあった。実はこれ殺虫剤( 虫(⇒バグ)を殺す )であるDDTとひっかけた名前であったりする。そのため、このツールは「殺虫剤」という俗称がついていたそうである。
- このCP/Mは、8080系CPUのパソコン用のシングルユーザー・シングルタスクのオペレーティングシステム、フロッピーディスクの使用を前提とし、8ビットPCに用いられたが、16ビット版のCP/M-86がIBM PCに公式採用されなかったためそれ以降はマイナーとなった。
CP/MのDDT | Dynamic Debugging Tool |
---|---|
殺虫剤(化学物質)のDDT | Dichloro-Diphenyl-Trichloroethane |
- パチンコやパチスロといった実質上の賭博に使用される遊技機はプログラムアップデートは検定後の不正の原因となるため禁止されており、バグの損害で最悪はシマに設置された機種の停止( 閉鎖 )・問題となっている機種の撤去や総入れ替えといった負担を強いられてしまう。
- 実例として過去にミズホのパチスロ機ミリオンゴッドのマイナーチェンジ機「ゴールドX」の不具合で店舗側がシマ閉鎖を余儀なくされたケースがあった。
バグの創作における扱い
現実世界と同様にゲームやコンピュータにおける予期せぬ不具合といった立ち位置は変わらないが、これらのバグが単なるプログラムの不具合に留まらず、仮想世界から現実世界へと侵食するといった、ある種のパニックモノの要素も含まれている。
また、自我が発生したAIやプログラムが主人公達と友情を育むも、仮想世界の管理者がシステムの調和を保つ為にその存在を「バグ」と認識し、追跡者として敵対するといった展開も存在する。
意識をデジタル化するVRMMORPGが舞台の場合には、バグの影響によってプレイヤー自身が変質してしまい自我を失ったり、死亡してしまうという危険な存在として描写される場合もある。
コンピュータ知識が今ほど一般に普及していなかった時代には、キャラクター化されることも頻繁に行われていた。海外ではテントウムシのような甲虫、日本では芋虫のような姿が想像されていたこともあり、レトロゲームのなかにはモンスターとして登場するものもあった。
ゲームの技術が発達し表現力が増したころには、バグを意図的に発生させる演出なども見られ、システムの一環として取り入れられている事もあった。
バグを題材にした作品・キャラ
キャラクターとしてのバグ
パロディウス:赤いバクの尻に「゛」がついたラスボスとして登場。詳細はこちら。
女神転生:聖獣バクがひっくり返り、身体にBUGと書いてある異常にHPが高い悪魔として登場。初期ロットには低確率でスタッフにデバッグされ消される隠しメッセージがあった。『真・女神転生』には、魔法の名前である仲魔マハラギオンが造りだせるバグがあり、小説「真・女神転生廃墟の中のジン」では設定の中に取り入れられている。
チャイルズクエスト:不定形モンスター「プログラムのバグ」が登場。
独眼竜政宗:激闘の章の2周目に「ばぐキャラ」が登場するイベントがある。このイベントが発生すると自国パラメータのどれか1つが2倍に増える。
百鬼夜翔:電脳世界のバグ妖怪を強化して事件を起こすバグズリーダーという勢力が登場。
仮面ライダーエグゼイド:敵勢力としてバグスターが登場。
ポケモン:ポリゴンの最終進化形態として「ポリゴンZ」が登場。ポリゴンをさらに優れたポケモンにしようとプログラムを修正・更新した結果、プログラムミスによって不具合が発生したというとんでもない設定の持ち主。
リンクの冒険:「バグ」という名前のモブ町人がいる。他の町には色違いのコンパチで「エラー」という人物も登場。両者の関係は不明だが、プレイヤーの間ではジョークで付けた名前ではと言われている。
ゲーム文化の中のバグ
上記のようにコンピュータゲームの制作にはバグは切り離せないもので、テストプレイヤーによってしらみつぶしに探して修正を繰り返し製品化するが、見逃されたものや、納期の関係でどうしても修正がもれてしまう場合があった。
インターネット普及以前はもしこれで「ゲーム進行が止まってしまうような致命的なバグ」が発覚した場合、修正パッチの配信で修正することが不可能であったため、最悪ファイナルファンタジー8のように回収騒ぎが新聞にのることもあった。
またバグを利用して本来の性能では不可能な動作を実現するスクウェア(現スクウェア・エニックス)のナーシャ・ジベリのようなプログラマーも存在した。
ちなみに、上記のナーシャのバグの方法で実現したのはFF3の飛空艇の高速移動のことだがのちにこれはバグではないことが発覚した(DQ3&DQ4のチ-フプログラマー、内藤寛が自身のYouTubeチャンネルでラーミアを高速移動させるためのプログラミングをする動画を公開した。⇒1回目・2回目・3回目・4回目・5回目(最終回))。
現代では、出荷段階であまりにもバグの多いゲームはたとえストーリーや音楽など他の部分が魅力的であってもクソゲーの烙印を押されがちである。
一方、『摩訶摩訶』のように本来のギャグとの相乗効果からか、バグの多さが個性として評価されているゲームも存在する。
裏技
ファミコンなどの家庭用ゲーム機黎明期に存在した概念。
グラフィックの異常や挙動などで笑えるものやプレイヤーに有利になるバグの総称。
当時は開発の不手際やそもそも悪いものと認識されることが少なく、雑誌に紹介されそのことがゲーム自体の人気に繋がるという嬉しい誤算もあった。
インターネットの普及による裏技の消滅
しかしインターネットが普及すると、バグは配信される修正パッチを用いて修正されるようになった。つまらない時代になったと言いたいところだが、通信環境が整ったことでバグにより生まれた不正なデータが病気のごとく伝染するようになってしまった上、またインターネット越しにPvPが容易になったことで対戦者間の公平性を厳密に保たねばならなくなったので仕方がない。
グリッチ
従来の裏技。バグ(と不具合)を意図的に利用して有利な状況を作り出すこと。
最初に言っておくとオフラインでの一人プレイでない限り、グリッチはいかなる理由があろうと不正行為である。特にMMOやソシャゲなどで意図的に利用すれば軽くて処罰、最悪現実で逮捕もありうる。
話を戻すと一例ではニコニコ動画においてヒテッマン氏により意図的にチート行為によりバグを起こさせ、画面やテキスト・BGMなどが奇妙になった「チートバグ」と呼ばれるゲームプレイ動画が人気を博しており、氏自身は引退したがヒテッマンリスペクトとして引き継いだものもいる。
ただし、これらの動画は意図的に異常な現象を起こしているため厳密にはバグではないのだが、便宜上バグと呼ばれることも多い。
主な種類を挙げるなら
などがある。
TASにおけるグリッチ
一方、「理論上で実現可能な動作」を容認するTASでは平然と利用される。
もっとも、これも他人を巻き込まず個人で完結させ、それを動画などの形で公開する部分によるところが大きいが。
機動戦士ガンダムF91
「鉄仮面」カロッゾ・ロナおよびジレ大佐の推進する余剰人口粛清計画「ラフレシア・プロジェクト」の要となる無人機動兵器。クロスボーン・バンガード旗艦ザムス・ガルの一部「ガル・ブラウ」内に秘匿されている。
この兵器は大型の「親バグ」内部に、小型の「子バグ」が多数搭載されている。親バグがモビルスーツとの戦闘、シェルターなどの構造物の破壊、広い場所など人間が密集する場所での殺傷にあたる。子バグが人間一人一人を補足して攻撃、または人家など親バグの侵入できない場所に入り込み、銃撃による殺傷を行う。
モビルスーツのように迎撃能力を有する敵が存在する場合、複数のバグが同時に攻撃を行うなど臨機応変な行動に優れている。
円盤状の本体周囲にブレード(親バグは破壊力のあるチェーンソー)が配置され、ロケットモーターの推力で本体ごと回転しMSの装甲すら切り裂く破壊力を持たせる。また、シェルターなどの破壊用にビーム兵器を搭載し、子バグは最終的に自爆する。
このように、人間ないしモビルスーツのみを徹底的に破壊・殺戮し、コロニー内部構造物を最低限の破壊で済ませる。目的はおぞましいが純粋に完成度が高い。
カロッゾ曰く「誰も良心を痛める事のない良い計画」だそうだが、良心どころの問題じゃない。
これは設定上の言い訳に過ぎず、実質的にはカロッゾ・ロナ、ひいては富野監督の狂気を体現したものとの見解を示すファンは少なくない。
「数クールかかるアニメを90分で纏めろと言われればこうもなろう」
人間の殺戮描写は映画版ではアングルの駆使、レーザーや自爆などによる画面効果で直接の描写を避けているが、コミックボンボン版では、手足は千切れ飛び内臓が吹き飛ぶR-18Gな描写を平気でやっていた……一応児童誌である。
「バグを放て! フロンティアⅣの1千万市民を皆殺しだ!」( ボンボン版での鉄仮面の台詞 )
ゲーム
ゲーム作品においては、直接戦う相手として登場することは少ない。本来は別々に運用されていたラフレシアに、攻撃武装として搭載されていることが多い。
EXVSシリーズではベルガ・ギロスの武装として登場しているが、演出上はベルガ・ギロスが呼び出したわけでは無く勝手に飛んできた、というものになっている。後に両肩にバグを搭載したジレ専用ベルガ・ギロスも出現している。
SFC「ガイアセイバー」では終盤に登場し、コロニー中の人々を殺傷するとともに、ショッカーの残党を一掃した。
その後
小説版「機動戦士Vガンダム」ではウッソ達を昔使われていたビットやバグと思われる兵器が襲っているが正体は不明だった。
漫画版(曽我篤士版)、小説版の「∀ガンダム」にも登場した。漫画版ではハロに偽装されるなど、より凶悪なものになっている。
アニメ「ガンダムビルドファイターズトライ」では、カリマ・ケイの制作したラフレシアに武装として搭載されていた(作中でも「設定では、ラフレシアに搭載されていないはず」と言われたりもした)。
関連タグ
無限増殖バグ 処理落ち コンピュータ プログラム オーバーフロー デバッグ パッチ 差分
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非関連タグ
バク:こっちは動物の一種。