機動戦士Vガンダム
きどうせんしびくとりーがんだむ
伝説の白きモビルスーツが今、蘇る!
『機動戦士Vガンダム』は、1993年4月2日から1994年3月25日までANN系で全51話が放送された。
主な略称は『Vガンダム』『Vガン』『VG』など。
これまでガンダムシリーズのTVアニメは名古屋テレビによる制作だったが、これより『機動新世紀ガンダムX』までテレビ朝日の制作となる。
アムロとシャアが行方不明になってから60年後の宇宙世紀0153年が舞台。
地球連邦軍が衰退した隙をついて、スペースコロニー群の一つであるサイド2に勃興したザンスカール帝国と、これに抵抗すべく立ち上がった民間レジスタンス組織リガ・ミリティアとの戦いを描いている。
宇宙世紀を舞台にした映像作品(宇宙世紀の正史)としては、本作が劇中時間において最後年代に当たり、歴代の数ある『ガンダムシリーズ』の中でも特に重苦しく陰鬱な雰囲気の作品となっている。
もともと「テレビアニメの原点に戻った、楽しいロボットアニメ」を目指して製作されており、主人公の年齢もシリーズ最年少の13歳と大幅に引き下げられた。
主人公 ウッソ・エヴィンが幼馴染のシャクティ・カリンや憧れの女性であるカテジナ・ルースを守る為にガンダムに乗り込み敵を打ち負かすというストーリーと、子供たちが真似て描くことができるデザインのVガンダムなど子供を意識した製作もなされていた。
これらについては番組放送開始前から積極的に各メディアでアピールされており、バンダイ刊行の『模型情報』1993年3月号では、当時の編集委員だった川口克己氏が編集後記で以下のように記述している。
「視聴者にとって解りやすい設定、世界観によるストーリー展開、またSDガンダムで育った年代にもアピールするため、主人公の年齢設定をガンダムシリーズでは最年少の13歳としている。」
「サンライズの植田益朗プロデューサーによれば『未来少年コナンのような少年像をガンダム世界に導入したい』という。」
しかし、番組のメインスポンサーであるバンダイの意向に不満を示した原作者及び総監督である富野由悠季氏の手による、玩具会社の商業主義に対する皮肉まじりのバイク戦艦の登場(スポンサー側の最高権力者だった村上克司氏は大いに喜んだらしい)、劇中の戦略兵器がもろに放送ギリギリな形状、映像作品において宇宙世紀最後を飾るモビルアーマーが戦闘シーンすらなく爆散、敵味方問わず、登場人物を徹底的に虐殺していく富野演出が炸裂した所謂「黒富野」作品となっている。
これを「金曜日の夕方17時」に「子供向け番組」として放送していた大変素晴らしい時代である。
また、このような残虐な設定の背景には当時苛烈を極めていた現実のユーゴスラビア連邦人民共和国~連邦共和国の崩壊に繋がった内部紛争も裏テーマにしていた(というより当時の時代背景を受けて「自ずとそうなった」との事)ためで、実際に現地ロケも行われている。
こうしたスポンサー側からの圧力や、アニメーション制作時の苦悩と葛藤もあり、「Vでガンダムを本気で潰そうと思った。」と富野監督は後に述懐している。
これは、最終話で主人公を精神崩壊させた1985年制作の『機動戦士Ζガンダム』の時と同じ姿勢である(なおΖほどではないが、Vも終盤で精神が病んでいるキャラクターが多くなっている)。
ガンダムシリーズの看板の一つである「リアルさ」を放棄し、敢えてバイク戦艦を出したりもしたが、それでもサンライズからは「来年も新作ガンダムを」と言われてしまい、富野監督は後進を監督に指名して身を引くのだった。
富野監督は本作の制作終盤から重度の鬱病に陥り、1996年にはサンライズから離れて短編OVAの『ガーゼィの翼』を発表したりもしたが、1998年の『ブレンパワード』でアニメーション監督として本格復帰するまで鬱病の克服と精神的リハビリに専念する事になる。
この、鬱病の発症から監督業復帰までの経緯は、書籍『∀の癒し』で詳細に語られている。
2004年に本作がDVD-BOX化された際には、商品に同梱されたブックレットに収載のアニメーション制作スタッフへのインタビュー記事において富野監督は、「このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!!」という警告のコメントを(買わなければ読めないのに)寄せている。
なお、これは同文中において「本当にそういうポスターを張り出してみると、きっとこのDVDはきっと凄く売れるでしょう。」と締めくくられている。
DVD-BOXと同時期に発売された書籍『それがVガンダムだ』に収載のインタビュー記事で、富野監督は「分裂症寸前を自覚して生きようとしたら、カラッポの理(ことわり)が走る。カラッポの知が走る。それがVガンだ。」と書かれたメモを著者のササキバラ氏に手渡して、本作がリアルタイムで放送されていた時期にインタビューで答えていた発言を「その場しのぎ」だったと断じている。
また、本作のDVDに対しての「買ってはいけません!」発言についても「だから、本来こんなものはDVDにしてはいけない。そういうところに話を落としておくのが、一番正しいのではないかと思います。そして、その上で、こんなものをDVDにしてしまえるというのは、どういうことなのかを考えてほしい」として「【買うやつもおかしいし、売ってるやつもおかしい。だから、これはもう少しなんとかしましょうよ、お互いに】ということです。ならば一体どうしたらいいんだと考える時に、問題点というのは、この『Vガンダム』の中に全部載っているはずなんです。」と述べている。
その11年後の2015年に本作はBlu-ray化もされ、上下2BOXの形態で発売される際に行われたスタッフインタビューの収録時においても富野監督は「何がダメなのか探してください。」と切り出し、「この作品は全否定したいと思っているものです。このような結果になったのは、全て監督の責任です。何かの間違いでこのBlu-rayで見た方は『機動戦士Vガンダム』の何がダメなのかを探してみてください。そこから気付ける人がひとりでもいらっしゃればBlu-rayとして出した意味があると思っています。」とコメントを残している。
2019年11月2日に行われた『富野由悠季の世界 兵庫会場記念トークイベント』での「富野監督への質問コーナー」において「Vガンダムってなんで見ちゃいけないんですか?」と観客から問われた際に、富野監督は「病気になるからです。」とストレートに返答している(ただし、これは富野監督流のリップサービスであり、会場では爆笑が巻き起こっていた)。
しかし、上記に挙げた様な富野監督による厳しい自己批判とは裏腹に、アニメーション作品としてのストーリーの出来は決して低くはなく、要所要所に陰鬱な描写があるものとして割り切って観れば、かなり振り切った内容で楽しめる。
特に最終盤の第50話で描かれた「リーンホースJr.特攻」のシーンはガンダム史上屈指の名シーンの一つとして挙げられており、しばしば語り草となる。
また、戦闘シーン、メカアクションに関してもΖ~逆シャアの時代まで多用され続けたファンネルによる遠隔射撃描写を棄て、モビルスーツ同士の派手な格闘戦や射撃戦のみならず、地形を活かした戦術に加えて機体の分離変形機構を生かしたトリッキーな戦術やパーツアタック、そして光の翼などの乗機のギミックや特徴を最大限に活かした斬新で変幻自在な戦法など、ロボットアニメとして視聴者を厭きさせない様に最大限の工夫が凝らされており、シリーズの中でも高いクオリティを誇っている。
また、前述の通りモビルスーツの武装としてファンネルの存在こそ無くなったが、オールレンジ攻撃そのものはゲンガオゾのバックユニット等に見られるようにファンネルとは違った様々な形で表現されている。
何かと鬱要素が強調されがちなアニメ作品ではあるが、劇中の経過時間が二ヶ月半と短いのもあって、LM・ザンスカール間で「長期的な裏切り」や「善悪の逆転」が発生するのはカテジナぐらいでしかなく、他シリーズで顕著だった複数の裏切りや対立が重なってストーリー展開が複雑化といった要素はないので、宇宙世紀でも特に戦争の流れが分かりやすい作品という利点もある。
その他の「裏切り描写」はあったとしても話に影響を及ぼさないよう「即戦死」という形で退場させられるため、全編通してほぼリガ・ミリティアの人員はリガ・ミリティア、ザンスカールの人員はザンスカールのままで一貫している。
富野監督が最終話まで鬱病を患いながらも監督した作品ではあるが、これでもスポンサーが要求していた「視聴者の子供達にも分かりやすい勢力図とシナリオ構成」という課題はしっかりクリアしていたりする。
なお、近年ではロシアとウクライナの紛争に端を発した激動の世界情勢の影響によって富野監督の考え方も多少軟化したようで、2023年夏季に発行された『グレートメカニックG 2023 SUMMER』で「機動戦士Vガンダム30周年特集」として行われたインタビューでは以下のように総括している。
富野監督「1番びっくりしたのは『タイヤ付きの戦艦なんか、出したってしょうがねぇじゃねえか』と思っていたのが、どうも作品のなかではそうじゃなかったということ。僕はガンダムはリアルロボットだって信じていた部分があったからタイヤ戦艦はゆるしがたいものがあったんです。」
「でも、しょせん巨大ロボットものでアニメなんだからこれでいいと。確かに見返してみると、ちゃんと出るべくして出るように手順が踏まれていて、それほどひどくなかった。むしろ、それに絡めてのキャラクター論を踏まえた時にギロチンを持ち出した時のような感覚がありました。」
「ギロチンにしても、はじめは嫌だったけど、ファラのキャラクターを最後まで引っ張っていったことを考えると、どちらも意外と悪くなかったらしい。『富野君、落ち込んでいたけど、頑張っていたんだね』というのはわかりました。」
編集者「本当に見返してみると見事に『機動戦士Ζガンダム』から『Vガンダム』を経過して『G-レコ』に繋がっていることがわかります。」
富野監督「『G-レコ』はここから始まっているとわかったという意味では【『Vガンダム』を作ったのは間違いではなかった】と思えます。自分の体感や知識…とまでは言わないけど情報量みたいなものは確実に受け継がれていますから。単純なロボットものじゃないということは、はっきりと言えると思います。」
「また、今回のプーチンの戦争があったおかげで、むしろ『Vガンダム』は『機動戦士ガンダム』よりも、リアルなものがあったと感じられました。確かに手際のいい作品ではない部分もあるんだけど、嫌いでない人もいるというのがわかったのはよかったです。」
この様に、富野監督は本作を観直したうえで作品としての価値を認める旨の発言をしており、インタビューの最後は担当者に促されてシャクティ調に「皆さんちゃんと『見てください!』」と冗談混じりに締め括っている。
第1話冒頭ナレーション
地球を汚染させてしまった人類が、宇宙に移民をして、それに充分なじむ時代となっていた。
しかし人類は、この宇宙でも地球上と同じように戦争の歴史を繰り返していた。
それは、自らの愚かさを直して、新しい環境に適応しようとする人の本能がさせていることなのだろう。
こんな人類でも、宇宙で暮らすことができると信じなければ、人の歴史は余りにも悲しい。
あらすじ
──宇宙世紀0153年、サイド2のほぼ全域を支配するザンスカール帝国は、長きにわたる地球圏統治の末、形骸化、腐敗した地球連邦政府に対し独立を宣言。宇宙における新たな秩序づくりの名の下に地球への武力侵攻を開始する。
それはウッソ・エヴィンとシャクティ・カリンの住む東欧の不法居住区ポイント・カサレリアもまた例外ではなく、ザンスカールとそれに対抗するレジスタンス組織リガ・ミリティアの戦闘に遭遇したウッソたちは、運命に導かれるがごとく戦いに巻き込まれて行く。
周囲の人々を守りたい一心でヴィクトリーガンダムのパイロットとなったウッソは、戦争と言う不条理な現実の中で様々な経験を重ねて行くのだった…。
(TVアニメ公式サイトより引用。)
メインキャラ
リガ・ミリティア
- ハロ、ウォレン・トレイス(CV:松本梨香)
- エステル・チャバリ(CV:達依久子)
- エリシャ・クランスキー(CV:柳沢三千代)
- オイ・ニュング(CV:掛川裕彦)
- オーティス・アーキンズ(CV:坂東尚樹)
- オデロ・ヘンリーク(CV:中田雅之)
- オリファー・イノエ(CV:園部啓一)
- カシム
- カルルマン・ドゥカートゥス(CV:こおろぎさとみ)
- カレル・マサリク(CV:小林優子)
- クッフ・サロモン(CV:森川智之)
- ジン・ジャハナム ※影武者(CV:松尾銀三)
- スージィ・リレーン(CV:こおろぎさとみ)
- ストライカー・イーグル(CV:藤原啓治)
- ソフィア・イエリネス(CV:吉田古奈美)
- トマーシュ・マサリク(CV:関智一)
- ネス・ハッシャー(CV:折笠愛)
- ハリー・モスト(CV:渡辺哲也)
- ハンゲルグ・エヴィン(CV:堀内賢雄)
- ビゴー
- ブラスタ・イエリネス(CV:柳沢三千代)
- フランダース(CV:こおろぎさとみ)
- マーベット・フィンガーハット(CV:白石文子)
- マルチナ・クランスキー(CV:吉田古奈美)
- ミズホ・ミネガン(CV:吉田古奈美)
- ミューラ・ミゲル(CV:兵藤まこ)
- レオニード・アルモドバル(CV:中田譲治)
- ロベルト・ゴメス(CV:加藤治)
- ロメロ・マラバル(CV:茶風林)
- ワーグマン(CV:藤原啓治)
ザンスカール帝国
- アーネスト・リゲル
- アジス・バギ(CV:山崎たくみ)
- アラルカンド
- アルベオ・ピピニーデン(CV:北島淳司)
- カービン・リチャーズ
- カズー・ミウラ(CV:柴本浩行)
- ガリー・タン(CV:山崎たくみ)
- カリンガ・ウォーゲル(CV:冬馬由美)
- キーラ(CV:富田晃介)
- キスハール・バグワット(CV:梅津秀行)
- キッサロリア(CV: 田中亮一)
- キル・タンドン(CV:森川智之)
- ギンザエフ
- クリス・ロイド(CV:関智一)
- クワン・リー(CV:小杉十郎太)
- ゲトル・デプレ(CV:石野竜三)
- ゴズ・バール(CV:堀之紀)
- ゴッドワルド・ハイン(CV:中田譲治)
- シシリー・フィツィーネ(CV:まるたまり)
- ジム・スティフ(CV:飛鳥井豊)
- シューマッハ
- ジル
- ズブロフ・シモネフ(CV:中博史)
- セナ
- タシロ・ヴァゴ(CV:中村秀利)
- ディ・トランプ(CV:藤原啓治)
- ドゥカー・イク(CV:中田和宏)
- トッリ・アーエス(CV:山形ユキオ)
- トランス(CV:真殿光昭)
- ニコライ・ハンス(CV:太田真一郎)
- ネネカ・ニブロー(CV:横山智佐)
- ノマイズ・ゼータ(CV:梁田清之)
- バクー・チー(CV:坂東尚樹)
- ハズ・カイフ(CV:掛川裕彦)
- パトリック・ブーン(CV:高戸靖広)
- バンド(CV:太田真一郎)
- ファラ・グリフォン(CV:折笠愛)
- フォンセ・カガチ(CV:大矢兼臣)
- プロスト
- ブロッホ(CV:小杉十郎太)
- ヘンリー・ダグラス
- ボーディナム
- マチス・ワーカー(CV:飛田展男)
- マリア・ピァ・アーモニア(CV:篠原恵美)
- ミサキ・アイザワ(CV:坂東尚樹)
- ムッターマ・ズガン(CV:中博史)
- メッチェ・ルーベンス(CV:森川智之)
- ライオール・サバト(CV:子安武人)
- リー・ロン(CV:緑川光)
- ルペ・シノ(CV:伊藤美紀)
- レイ・ブラッド(CV:飛鳥井豊)
- レンダ・デ・パロマ(CV:松本梨香)
- ワタリー・ギラ(CV:立木文彦)
- ガチ党
宇宙世紀146年にフォンセ・カガチが発足した政党。
党が擁立した独自の宗教である『マリア主義』と、腐敗した権力者をギロチンで粛清する反体制思想を主な考えとし、地球連邦を蹴落としザンスカール帝国として独立に成功した。
帝国内でも高い支持率を維持しているが、その実態はマリアのカリスマ性に魅せられ盲目的にマリア主義に賛同する者、ギロチンという腐敗した地球連邦政府官僚への粛清を英雄視する者達で構成されている。
よって多くはマリア主義を「押し付けられている」事と反体制側が莫大な富と名声を得たことで「新たな体制を生んでいる」事実に自覚がない。
帝国が組織した軍隊である『ベスパ』が地球侵略を開始していた本編開始時点では既にラゲーンでギロチンを使った処刑が行われており、オデロ、ウォレン、スージィはその光景を目の当たりにしてしまっている。
- 特別居住区
地球上の地球連邦軍によりアースノイドの居住が認可された場所。
カテジナが住んでいたウーイッグやラゲーンが特別居住区に該当し、ウッソが住んでいたカサレリアは自然環境保護区のため本来居住が認められておらず不法居住扱いとなる。
しかし、ザンスカール帝国が地上用モビルスーツであるゾロとビームローターの開発に成功した事ですでにベスパによる占拠が始まっており、本編序盤間もなくしてウーイッグは焼け野原となった。
ちなみに、後にウッソはムバラク・スターンの働きかけにより地球連邦政府から正式にカサレリア居住を認められている。
- Vプロジェクト
リガ・ミリティアが独自に立ち上げた最新鋭MS開発計画。
戦いに乗り気ではない地球連邦軍の力を宛にせず、LM内の元メカニック陣が集結して、ベスパのMSに対抗できる最新鋭機を独自に開発したもの。
上述通り正規軍の力を借りてないため、ベスパのものと比べジェネレーター出力では負けていたり、種類が二つ(及び各マイナーチェンジモデル)しかないなどの難点もあったが、それでも当時の連邦の最新機に比べれば戦闘力は大幅に上がっている。
レジスタンスらしく各武装や内部構造も共通規格化され、ジェネレータから武装兵器に直接エネルギー供給が行えるハードポイントを各所に設けたことでいかなる形態でも攻撃が可能になっているなど高い拡張性も併せ持っている。
一年戦争が遠い昔となった事によるアースノイドとスペースノイド各々の価値観の変化や地球連邦政府の腐敗により勃発している戦争。
ガンダムシリーズで「宇宙戦国時代」という言葉が最初に出てきたのは本作品からで、そこから逆算して『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズを筆頭に、本作品の時系列である宇宙世紀153年前後に発生した地球圏や木星圏での内乱を描いた宇宙世紀ガンダムシリーズのメディアミックス作品が立て続けに発表されることとなった。
15メートル級に小型化された所謂『第二期モビルスーツ』が抱える問題。
このMS群が持つサナリィが開発した新型ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉は過去のジェネレーターより小型・高出力という画期的なものだったが、同時にジェネレーターにビームが直撃すると核爆発が生じてしまう
MSの核爆発については『機動戦士ガンダムF91』の頃から描写されていたが、この要素は本作の物語序盤から深刻な問題として語られ、英才教育を受けていたとは言え民間人だったウッソも熟知しており、両軍とも機体の四肢を狙った銃撃やコックピットブロックをピンポイントで狙った接近戦などに頼らざるを得なくなっている。
- ハイランド
静止軌道上に位置する宙域にある太陽電池衛星(太陽光発電衛星)。
劇中の二年前までは、発電した電力をマイクロ・ウェーブに変換して地球に向けて送電していた。
ザンスカール帝国が開発したカイラスギリーの電力確保のため、マサリク家とクランスキー家とイエリネス家の三家族により構成されるハイランド住人の親達は子供達をザンスカール軍により人質に取られていた。
リガ・ミリティアにより救出された後は三家族全員が停戦協定まで、マサリク兄弟とクランスキー姉妹はエンジェル・ハイロゥでの最終決戦までリーンホースJr.部隊にホワイトアークに乗船して協力し、ソフィアとブラスタの幼い姉弟を抱えるイエリネス家は停戦協定後は再び宇宙には上がらずに一家全員でカサレリアに残った。
太陽電池衛星は単なる発電スポットとしてだけではなく、マイクロ・ウェーブをザンスカール艦隊に向け局所的に集中放出させて下痢等の体調不良を誘発させたり、逆光による目眩ましといった戦術兵器としても活躍している。
サイド2に併設されたザンスカール帝国の敷地内国家だが、独自に反ザンスカール活動を行っている。
金銭面では逼迫しているようで宇宙世紀150年代には最早二周りは型遅れのヘビーガンが主力兵器で、補給に来たリガ・ミリティアからもリーンホースJr.ごと保有兵器を掻っ攫おうとしていた。
また、Vガンダムに対して平気でビームを発砲していたあたり、パイロットは第二期モビルスーツの概念すら知らないらしく、住人は浮世離れしている様子もある。
しかし粛清を良しとするザンスカール帝国側が何もしないはずもなく、新しく開発したタイヤ型サブフライトシステムであるアインラッドと専用モビルスーツのゲドラフの試運転も兼ねた最初の標的にされてしまった。
- セント・ジョセフ
月面にある大都市。
スペースコロニー内の人口都市も含めて『世界名作劇場』みたいなヨーロッパの街並みを模したクラシックな景色ばかりが映る本作で最も都会らしい場所。
リガ・ミリティアの秘密工場があるが、同時にザンスカール帝国の秘密警察もおり、ウッソの母親であるミューラ・ミゲルが指名手配されていた。
- アンダーフック
約2万人が住む地球の人工海洋都市。
表向きはリガ・ミリティアに協力的な態度を見せているが、その正体はその上層部の大半がマリア主義の狂信者というほぼザンスカールのスパイで溢れかえってるような場所。
皮肉にもカテジナを追ったウッソによって早期に正体がバレてしまい、マリア主義者だけが潜水艦で避難し、LM討伐のために投入された新型モビルアーマー・ドッゴーラの無差別攻撃によって崩壊の末路を辿った。
避難したマリア主義者達は後に宇宙へと送られて、ザンスカール帝国の最終兵器であるエンジェル・ハイロゥを稼働させるサイキッカーとして利用された。
- 地球クリーン作戦
ザンスカール帝国が提唱した地球を浄化させる作戦。
しかし「浄化」とは名ばかりの、実態は高い剛性を持ったタイヤ型兵器群を使って建築物や地球人を轢き潰し、物理的にクリーン(平ら)にするという非人道的かつ極悪非道な作戦。
この作戦には発案者とされるドゥカー・イクの「地球をバイク乗りの楽園にする(=バイクが自由に走り回れる平地を増やす)」という個人的野望も含まれている。
ベスパでバイク戦艦アドラステアの本格運用とアインラッドの量産態勢が完了すると、クロノクルが艦隊司令に就任したモトラッド艦隊によって執行開始された。
だが、この作戦すら地球連邦軍との停戦協定を結ぶ口実作りの為のミスリードに過ぎなかったことを発案者のドゥカーさえも知らず、真の地球クリーン作戦は停戦の裏で別途に行われようとしていた…。
以下の楽曲は全てキングレコードより発売のサウンドトラック『機動戦士Vガンダム SCORE Ⅰ~Ⅲ』に収録されている。
オープニングテーマ
- 『DON'T STOP! CARRY ON!』(32~51話)
- 作詞:西脇唯
- 作曲:小泉誠司
- 編曲:福田裕彦
- 歌:RD
劇中挿入歌
- 『ひなげしの旅のむこうに』(第31話・第38話・第39話・第42話・第45話・第50話)
- 作詞:井荻麟
- 作曲・編曲:千住明
- 歌:小峰公子(karak)、黒田由美
- 劇中でシャクティが頻繁に歌う子守唄。
- 『いつかまた生まれた時のために』(第30話・第32話)
- 作詞:小峰公子、井荻麟
- 作曲:保刈久明
- 編曲・歌:karak
- ウッソがミューラに自らの戦歴を語るシーンと、オリファーの葬儀のシーンで使用。
- 『生まれてくるものへ』(劇中未使用曲)
- 作詞:井荻麟
- 作曲・編曲:千住明
- 歌:ACEILUX
- ボーカル入り楽曲としては挿入歌として使われていないが、曲の一部がBGMとして劇中で使われた可能性はある。
- 『いくつもの愛をかさねて』(第50話・第51話)
- 作詞:井荻麟
- 作曲・編曲・歌:岩崎元是
- リーンホースJr.特攻シーンと最終回ラストシーンで使用。
『千住明 交響組曲第二番 “THOUSAND NESTS”(機動戦士Vガンダムより)』
- 演奏:ポーランド放送管弦楽団
- 指揮:アンソニー・イングリス
- 作曲・編曲・組曲:千住明
- 『交響組曲第二番 ”THOUSAND NESTS” Ⅰ~Ⅸ』の9曲を収録したCDアルバム。
- 千住氏はこのアルバムを「自身の代表作」として語っている。
- 『機動戦士Vガンダム』の劇中音楽は当時のTVアニメ作品としては珍しいフルオーケストラでの収録を起用しており、アニメーション制作に関わったスタッフはもちろん、自分のアニメ作品の音楽を担当した作曲家を褒めることも殆どない富野監督は、曲の収録風景を見学に行って「幸せだ」と感じたという。
- 千住氏は「Vガンダムを担当するに当たって、自分のもつ引き出しをすべて出し切るつもりで臨んだ」と語っている。
- 『機動戦士Vガンダム』のサウンドトラックは『SCORE Ⅰ~Ⅲ』が発売されているが、上記の通り富野監督が千住氏の音楽に感銘を受けていたことがあり、『SCORE Ⅱ』と『SCORE Ⅲ』収録曲のタイトルは富野監督自らが名付けている。
- (例:「春に夏の祭典を」、「スカートの裾が床に触れましょう」、「錯覚する予兆(または同性愛)」、「血糊のついた包帯のまま進軍しろという」)
- このため、『Gジェネレーションシリーズ』などでBGM一覧を見ると、本作のBGMタイトルが浮く。
- 千住氏は後に脚本家の野島伸司氏が企画した『人間・失格』や『未成年』といったTBS金曜ドラマシリーズや、日本テレビ制作の安達祐実主演の人気ドラマ『家なき子』等の民放ドラマで数多の劇中音楽を担当し、NHKの大河ドラマでは『風林火山』の劇中音楽を手掛けている。
話数 | サブタイトル | 退場者(斜線は明確な死亡描写のあるもの) |
---|---|---|
第1話 | 白いモビルスーツ | ボイスン |
第2話 | マシンと会った日 | |
第3話 | ウッソの戦い | カルルマンの母、クリス・ロイド、テングラシー・ルース、リー・ロン |
第4話 | 戦いは誰のために | ジム・スティフ、ライオール・サバト |
第5話 | ゴッゾーラの反撃 | ガリー・タン |
第6話 | 戦士のかがやき | バクー・チー、ディ・トランプ、ワタリー・ギラ |
第7話 | ギロチンの音 | オイ・ニュング |
第8話 | 激闘!波状攻撃 | キーラ |
第9話 | 旅立ち | |
第10話 | 鮮烈!シュラク隊 | ゲトル・デプレ |
第11話 | シュラク隊の防壁 | ヘレン・ジャクソン |
第12話 | ギロチンを粉砕せよ | ロブ・オレスケス |
第13話 | ジブラルタル空域 | マヘリア・メリル |
第14話 | ジブラルタル攻防 | ケイト・ブッシュ、メッチェ・ルーベンス、クワン・リー |
第15話 | スペースダスト | |
第16話 | リーンホース浮上 | |
第17話 | 帝国の女王 | |
第18話 | 宇宙艦隊戦 | |
第19話 | シャクティを捜せ | |
第20話 | 決戦前夜 | |
第21話 | 戦略衛星を叩け | |
第22話 | 宇宙の虎 | ゴッドワルド・ハイン |
第23話 | ザンスカール潜入 | |
第24話 | 首都攻防 | |
第25話 | 敵艦と敵地へ | |
第26話 | マリアとウッソ | ペギー・リー |
第27話 | 宇宙を走る閃光 | ジュンコ・ジェンコ |
第28話 | 大脱走 | |
第29話 | 新しいスーツV2 | アジス・バギ |
第30話 | 母のガンダム | |
第31話 | モトラッド発進 | オリファー・イノエ |
第32話 | ドッゴーラ激進 | ブロッホ |
第33話 | 海に住む人々 | |
第34話 | 巨大ローラー作戦 | ミズホ・ミネガン、メルクリン |
第35話 | 母かシャクティか | アドラステアの艦内で洗濯をしていた少女兵 |
第36話 | 母よ大地にかえれ | ミューラ・ミゲル、ゴズ・バール |
第37話 | 逆襲ツインラッド | シシリー・フィツィーネ |
第38話 | 北海を炎にそめて | ドゥカー・イク、レンダ・デ・パロマ |
第39話 | 光の翼の歌 | マチス・ワーカー |
第40話 | 超高空攻撃の下 | |
第41話 | 父のつくった戦場 | |
第42話 | 鮮血は光の渦に | ルペ・シノ、アルベオ・ピピニーデン |
第43話 | 戦場の彗星ファラ | キル・タンドン |
第44話 | 愛は光の果てに | カリンガ・ヴォーゲル、キスハール・バグワット |
第45話 | 幻覚に踊るウッソ | トッリ・アーエス隊 |
第46話 | タシロ反乱 | |
第47話 | 女たちの戦場 | ファラ・グリフォン |
第48話 | 消える命 咲く命 | マリア・ピァ・アーモニア、タシロ・ヴァゴ |
第49話 | 天使の輪の上で | ユカ・マイラス、ネネカ隊 |
第50話 | 憎しみが呼ぶ対決 | ムバラク・スターン、レオニード・アルモドバル、ロメロ・マラバル、オーティス・アーキンズ、ジン・ジャハナム(影武者)、ロベルト・ゴメス、フランチェスカ・オハラ、ミリエラ・カタン、コニー・フランシス |
第51話 | 天使たちの昇天 | ムッターマ・ズガン、オデロ・ヘンリーク、クロノクル・アシャー、フォンセ・カガチ |
漫画版
本作にはTVアニメが本放送されていた当時に発表された、有名な二種類のコミカライズ版が存在する。
- コミックボンボン連載のコミカライズ版
- 講談社の児童向け漫画雑誌の『コミックボンボン』誌上において1993年4月号から1994年3月号まで全12回に渡り連載された、岩村俊哉氏の独自解釈によるコミカライズ作品である。
- ファンからは通称『ボンボン版Vガンダム』と呼ばれて愛されている。
- 破天荒な性格をして、凶悪な目付きの野性味溢れる笑顔がチャームポイントで、後ろ髪を逆立てた暴走族の様な派手な髪形をしたウッソ(しかも個人称も「オレ」)が登場する。
- 児童向け漫画としてアレンジする際に「シャクティ1人にヒロインを絞りたかった」と云う理由から漫画の劇中にカテジナは存在しないのだが、それでも中盤からシャクティが完全に空気になってしまった事実から見て単純に作者の力量不足からカテジナを描くのが面倒臭かっただけである。
- アニメ版では描かれる事はなかった「『未来少年コナン』や『戦闘メカ ザブングル』のような、未来の世界を舞台にした明るい冒険活劇」と云う、バンダイ側が提示した『機動戦士Vガンダム』の番組企画当初のコンセプトをなぞりながらも、児童向け漫画作品として特化した描写により最終的には全く違った印象を与えている。
- いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!
- 『MS SAGA』や『DYNE』等のバンダイが発行していたアンソロジーコミックス向けにことぶきつかさ氏が執筆していた『機動戦士Vガンダム』を題材にしたパロディギャグ漫画全4篇を含めた、ガンダム関連の漫画作品ばかりを纏めた単行本のタイトルが『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』である。
- 単行本は1994年にメディアワークスより発売されており、2012年には改訂新装版の単行本が『ことぶきつかさ短編集 いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』と改題されてKADOKAWAより発売された。
- メディアワークスの旧単行本には1994年当時のことぶきつかさ氏が「当時、何の考えもなく書き殴っただけ」と云う「自分の漫画作品に関する裏話」と「ガンダム作品に対するコメント」のページが載っていたのだが、「関係者に喧嘩を売っていると誤解されてもおかしくなかった内容」だとKADOKAWAの編集者から指摘されており、「痛コメント」だと反省した本人の意向により改訂版の単行本では当時のコメントが載っていたページは「あとがき」を残して全て削除されている。
- また、旧単行本の巻末に収録されていた、庵野秀明氏と鶴巻和哉氏を筆頭にうたたねひろゆき氏や園田健一氏といった数多の超豪華ゲスト陣が1994年当時に寄稿した祝辞ページは削除されることもなく、KADOKAWA版でもそのままである。
- ちなみに、KADOKAWA版の単行本で削除されてしまったコメントページの内、『機動戦士Vガンダム』という作品に対して語っていた頁では「唯一気に入った『黒い女の人』がマーベットさんだった。」「もう今更この作品に関して語ることは何もない。マーベットさんに始まりマーベットさんに終わったのである。ただそれだけ。」と辛辣に評していた。
- KADOKAWA版の単行本用に新規収録された対談コメントでは「旧単行本が出た後にVガンダムを何度か観返してるんですが、当時解らなかった味が徐々に見えてくる訳ですよ。なのにその作品の良さに気付けなかった鈍感な頃の自分の言葉しか旧単行本には記録されていない。」とことぶきつかさ氏は過去の自分の発言をかなり後悔していた。
- 基本的に本作のアニメ本編劇中の台詞やストーリーをそれなりになぞってパロディ漫画化してはいるが、当時のことぶきつかさ氏はファースト原理主義者で「『0083でもギリOK』とか生意気言ってた頃」だったので『1stガンダム』から70年後と云う時代設定の『機動戦士Vガンダム』に対しては全く興味が持てず「ストーリー物から逃げたくてギャグ漫画にしたけど、それまでギャグ漫画は描いたことが無く、結局やり方が分からずにブラックに弄るしかなかった」と述懐している。
- しかも漫画執筆中には度重なりバンダイとサンライズ側からキャラクターの台詞チェックが入り、何度も漫画中の過激な台詞の訂正を求められてはバンダイの担当者と「表現の自由」に関して揉めており、最早やる気の欠片すらもなくなった後半は投げやりで暴力的な描写が目立つ様になり、大半のキャラクターがアニメとはかけ離れた破天荒で残虐な性格をしている内容となった。
- ことぶきつかさ氏は現在でこそガンダムのアニメ作品にキャラクターデザインや総作画監督として大きく関わっているが、これらの若気の至りで書いた当時の漫画作品やコメントを見て「そんな人間がコミックスのあとがきで『今後のガンダム作品でデザイン参加とかしたいなぁ』とか言ってる(笑)ナメとんのかと(笑)」と回想し苦笑いしていた。
- なお、「カテ公」「これ…母さんです…」といった『機動戦士Vガンダム』関連でよく語られるパワーワードはこの漫画から発生したものである。
- 最終話でシャクティがワッパのオートコンパスだと偽り時限爆弾を仕掛けてカテジナを爆殺したシーンは「視聴者の1年間の鬱憤を晴らしてくれた」とファンからは称賛された。
それ以外に有名な漫画作品
- 長谷川裕一氏によるガンダム漫画シリーズ
- 直接『機動戦士Vガンダム』を題材として描いた作品としては角川書店から発行の『少年エース』の前身雑誌であった『少年キッズ』誌上に読切り漫画として掲載された、『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』(連載当時のタイトルは『機動戦士Vガンダム外伝 脱出計画編』)がある。
- こちらは『機動戦士Vガンダム』劇中エピソードの「何処かの間に起こった事件」という設定で描かれた、所謂サイドストーリー的な作品であり、内容も原作である本作のアニメ本編の途中に挿し込んでもストーリーが矛盾して破綻しないように、公式設定に沿ったものとなっている。
- 一方でとあるガンダムシリーズの主人公のその後とおぼしき人物やとあるガンダムを改修したと思われるMSが登場しているのも特徴である。
- 劇中に登場するゲストヒロインであるカムイ・ギアン(外見はシャクティに瓜二つ)が搭乗した全身にブルーの塗装が施されたV2ガンダムは、変形合体機構のテストとMS形態でのバランス検証が目的の試作機(所謂FAZZの様な機体ではあるが、こちらは分離変形が可能)でありミノフスキー・ドライブは搭載されていない。
- 敵キャラクターであるスケイル・サープリス少尉が乗る金色のモビルスーツ・ジョングはザンスカール帝国軍が旧ジオン公国軍のジオングに着目して開発したニュータイプ専用機である。
- スケイル(鱗衣)、サープリス(冥衣)、カムイ(神衣)と云った様に、ザンスカール側のキャラクターの名前は聖闘士星矢に登場する鎧が元ネタになっている。
- 本作品以降は『機動戦士Vガンダム』を題材として描いた作品はコミカライズに恵まれていなかったが、2010年代になると変化球ではありながら、『機動戦士Vガンダム』の時代を舞台として描いた『機動戦士クロスボーン・ガンダムゴースト』が長谷川裕一氏によって執筆されている。これに関しては上記作品名リンクを参照していただきたい。
ウエダハジメ氏の作品
『物語シリーズ』のEDアニメーション等で有名な、イラストレーター兼漫画家のウエダハジメ氏は本作の大ファンで知られており、過去に『機動戦士Vガンダム』関連の同人誌を描いたり、本作のDVD-BOXのブックレットにも『Vガンダムの楽しみ方 ― how to fun of V GUNDAM』として2ページのイラストエッセイを寄稿している。
- 幸福である『Vガンダム論』
- 『∀ガンダム』の放送中である2000年1月に徳間書店より発行された『ロマンアルバム GaZOスペシャル ガンダムミレニアム』に収載された描きおろしイラストエッセイ作品である。
- シャクティ・カリンの口調を真似た、やや過激な放送禁止用語混じりな文章と、才気に満ち溢れたイラストで綴られた、「Vガンダム愛」に満ちた内容である。
- 「幸福である。幸福であるのです。Vガンダムを愛でる人々よ。二十周年という事で溢れ返る、様々なメディアの総括企画。カッコー良ろしい切り口だったりするそれら全てが、もう一回、全てが!Vガンダムをシカトこいて下さる現状を前にすれば、戸惑うことかも知れませんし、傷つきもするでしょう。」
- 「ハリで楽になる前の、トミノヨシユキが、おそらく最も死に近かった時の創作であり、凶暴な危険球であることは、明らかであります。そこに、MS忌諱というかMS好き忌諱といったものも、相っ変わらず匂い、が、だからこそ、その粗野な誠実に、我々は、それこそチ○コいじっているのと同じくらいやってきたガンプラ遊び(どう体裁繕おうが連中の本質はそれでありましょうよ。)よりも、強い快を得られたのですから、これは、幸福であります。」
- 「Vガンダムを愛でる人々よ。我々は弾かれた存在でありましょうが、幸福であるのです。我々は知っているのです。オデロ・ヘンリークが健やかであったと。千住明、理性の楽曲奏でられるならなか展開する、乗用車を思わす心優しい形のビクトリーと、トミノメモへのアンサーを用意しなかったような石垣おもしろメカとの、凄絶なバトルを。」
- 「だから、Vガンダムを愛でる人々よ、カテ公と呼んで整理するしかない人々を許し、Vガンダムという作品をつくり得た方々(一部除く)に、感謝の祈りを捧げましょう。」
- 上記した文章は全文ではなく一部の抜粋であるが、非常にセンスに溢れた文章であり、『ガンダム20周年』当時の「ガンプラ至上主義で物語やキャラクターの魅力が顧みられない状況(これは現在も大して変わっていない)」を痛烈に皮肉っており、ページ内にギッシリと描かれたサイケデリックかつ繊細で秀逸なイラストと相まって一度読むと脳裏にこびりついて離れないのである。
- この前ページに掲載されている、「富野ガンダム特有の金髪ヒロイン達」に的を絞ったイラストエッセイ『我等がトミノ御大の大宿業「金髪さん」の系譜』は古参のガンダムファンならば必見の内容である。
- このタイトルにより『∀ガンダム』放送終盤の2000年1月の時点で、既に富野監督がファンの間で「御大」と呼ばれていたことが判る。
- こちらでは『機動戦士Vガンダム』を代表する「金髪さん」としてカテジナ・ルースのイラストが描かれており、「ラストをイロモノとされがちだが、歴代ヒロインでもっともか弱く運のない小娘だったのじゃないか。」「ナベクミの発見」とコメントを書いている。
- このイラストの上には『カテジナさんの男運のなさ』としてクロノクルとウッソの小さいイラストが、さらにイラストの横には『クズとしての父親ら』としてデングラシー・ルースと『機動戦士ガンダムF91』のシオ・フェアチャイルドが小さく描かれている。
TVゲーム
- 『機動戦士Vガンダム』(スーパーファミコン・12メガビットロムカセット)
- バンダイより1994年3月11日に発売された、本作を原作とするスーパーファミコン用ゲームソフトである。
- ジャンルはアクションシューティング、開発元はトーセ。各ステージ間には『ビジュアルストーリー』と称する大雑把なデモシーンによるストーリー解説が挿入される。
- TVアニメの番組放送終了直前に発売されており、アニメ版の第39話をモチーフにしたデモシーンからは一気に最終決戦へとなだれ込む。
- アニメ終盤の設定画の提供が間に合わず、エンジェル・ハイロゥの色がアニメと違う変な色だったり、ザンスカール帝国側のMSが極端に少なく、リグ・コンティオもゴトラタンも登場せずノーマルタイプのコンティオがラスボスになっている。
- ゲーム内では何故かプレイ中のステージ数とステージ名は画面に一切表示されない。
- 難易度の設定変更が可能で、ビームライフルの残弾数やコンティニューの回数、クリア後のエンディング内容が変化する。
- ゲームプレイ中は単調でやたら長い戦闘ばかり強要され、テンポが悪く操作性も良くないため爽快感とは無縁のゲーム内容である。
- プレーヤーの自機はVガンダム(途中の宇宙ステージではVダッシュガンダム)、ステージが進むと後半はV2ガンダムになる。
- 移動方法は歩行、ダッシュ、飛行の三形態があるが、歩行はやたらと移動スピードが遅いため、常にダッシュか飛行ばかり使うことになる。
- 通常攻撃は頭部バルカン砲とビームライフルがあり、頭部バルカン砲はアニメ劇中での設定をガン無視して弾数は無制限。ビームライフルは十字キー操作で射撃方向を三方向に変えることもでき、威力も強いがこちらは律儀に弾数制限がある。
- ビームサーベル攻撃は十字キーとボタン操作の組み合わせでダッシュしたままで突撃したり、鍔迫り合い中に格闘ゲームのようなコマンド入力で特殊技が出せるようになっている。
- 防御はビームシールドを展開して、こちらもアニメの設定を無視してあらゆる攻撃を防ぐことができるばかりか、展開中は何故か頭部バルカン砲でのみ攻撃ができる。
- 前半の宇宙ステージでは自機がVダッシュガンダムになり、ビームライフルがメガビームライフルに、頭部バルカン砲がオーバーハングパックのキャノンに変化するが、何故かビームサーベルは使用不可になる。
ムック本
- ニュータイプ100%コレクション21『機動戦士Vガンダム VOL.1 ÜSO'S BATTLE』
- ニュータイプ100%コレクション23『機動戦士Vガンダム VOL.2 SHAHKTI'S PRAYER』
- 1994年2月と6月に角川書店より発行されたムック本である。
- 月刊ニュータイプに掲載された本作の様々なカラーイラストと、カトキハジメ氏による新規描き下ろしカラーイラストが収載されている。
- 本作のファン必須の資料本であり、キャラクター設定画とモビルスーツ及びメカニカル設定画の掲載量は他の関連書籍の追随を全く許さない程である。
- VOL.2に掲載の富野監督へのインタビュー記事はやや少なめだが、後述する『機動戦士Vガンダム大事典』に収載のインタビュー記事と併せて読むと1994年当時の富野監督の作品制作に対する考え方が改めて理解できるだろう。
- 劇中本編で未使用に終わったボツ設定や企画段階のラフ設定画まで載っており、宇宙世紀の用語解説等、至れり尽くせりの内容である。
- ラポートデラックス 機動戦士Vガンダム大事典
- 1994年5月にラポート社より発行されたムック本。
- 設定画の掲載量は上述の『ニュータイプ100%コレクション』には劣るが、逆に本書にしか載っていない設定画もあり、お互いに補完し合っている関係と言える。
- アニメック編集者の小牧雅伸氏による富野監督へのロングインタビューは後述する『それがVガンダムだ』のものと比べると、小牧氏の私見を極力挟まずに上手く富野監督の本音を引き出しており、当時の制作状況や作品とキャラクターに対する本音が詳細に語られている。
- 「僕は名作ものがやれそうだ」と富野監督が語っているように、インタビューが行われた1994年2月22日、作品のフィルム作業が終了して声優によるアフレコを残すだけとなった時点では本作の出来に対してはある程度の満足感は得ており、それほど嫌悪感を抱いていなかった事が解る。
- 巻末には本作のメインシナリオライターである桶谷顕氏のインタビュー記事も収載されており、当時の制作状況が窺い知れる。
- オマケの『宇宙引越公社』の企業ポスターは必見である。
ガイドブック
- それがVガンダムだ ──機動戦士Vガンダム徹底ガイドブック──
- フリー・ライターのササキバラ・ゴウ氏による本作のガイドブックである。
- 2004年1月に本作のDVD-BOX発売に併せて銀河出版より発刊された。
- 本作のファンの間ではバイブルとも言える書籍であり、徹底したストーリー解説と的確な文章は初心者にも解りやすく、『機動戦士Vガンダム』というアニメーション作品のガイドブックとしてはもちろん、評論本として、そして貴重な資料本しても非常にレベルが高い一冊となっている。
- ストーリー解説に多少はササキバラ氏の私見が入り交ざってはいるものの、読者が『機動戦士Vガンダム』という作品を曲解することがないよう誇張表現を用いず冷静に、そして個人的で極端な色眼鏡や忖度なしに分析して解説する内容はまさに本書の帯にあるとおり「決定版」であろう。
- 本作品に本当に興味を持ったのならば、YouTubeやニコニコ動画で切り抜き動画や解説動画を観たり、それら罵詈雑言だらけのコメント欄を見て作品内容を知ったかぶるよりは、まずは本書を片手にDVDなりBlu-rayで全話を通して観るのがベストだと言える。
- 42ページにも及ぶ富野監督とササキバラ氏の対談記事は一読の価値ありである。
- 『機動戦士Vガンダム』製作当時の裏話や事情だけでなく、『ブレンパワード』から『∀ガンダム』、そして『OVERMANキングゲイナー』を経た当時の富野監督の本心が垣間見える内容である。
- 本作は勿論のこと、富野由悠季作品を掘り下げて楽しむ為にも貴重な一冊となっている。
イラストエッセイ
- 極私的黒歴史考
- 『神様ドォルズ』等の作品で有名な漫画家やまむらはじめ氏によるガンダムシリーズを独自の視点から語る自伝的イラストエッセイ作品。
- 当作品はKADOKAWAが発行しているガンダムエースの創刊号から数回に渡って不定期掲載されており、最初期は『極私的黒歴史行』と云うタイトルだった。
- 2001年6月発売の『ガンダムエース創刊号』の第1回掲載分ではカテジナについて少しだけ見解が書かれており、2003年3月発売の『月刊化記念特別号・ガンダムエース5月号増刊』の掲載分では『もう少し此処にいてもいいですか?─Vガンダム考─ 願 DVD化!!』と銘打って『機動戦士Vガンダム』について丸ごと取り扱っている。
- 「ソーカントク本人が『∀』『キングゲイナー』と次のステージに移行されている現在、観客の側が過去の作品に固執し続けるという行為は建設的ではない」と前置きしながらも「尋常ではないボルテージでマイノリティな人々の荒んだ心のヒダを乱暴に、けれども細かになぞってくれた」「全編これ悪意の塊というようなタイトなフィルムは決して多くのヒトを楽しませる類いのものではありません。」「同時に重度の中毒者を生み出す事も事実ですが、問題はそういうもんはあんまし商売にはならん、とそういうことでしょうな。」「いくらバイク戦艦を阿呆かと笑おうが、そのタイヤで都市は蹂躙され、核融合炉が爆発すれば大地は核汚染されてゆくし、セクシー姉ちゃんもビームサーベルで焼かれ、蒸発してゆく。つまり表現の陳腐さがどうであれ本質は何ら変わりがないのです。」「ガンダムの嘘っぱちを自ら暴き立てるという荒業」「そのようなソーカントクの捨て身のテロ行為もテレビの前の視聴者は総無視」と本作に対して数々の私見を述べている。
- 『数あるトミノOPフィルムでもトップクラスに好きなVのOP(無論最初のバージョンね)』と題して描かれたイラストの横では「サンドージュのデザインを見て『何だこりゃ?』とか思ってた時期があった訳で、後のモトラッド艦の事を思えば前哨戦にもなってなかったですなぁ。」とコメントをしている。
- この様に、やまむらはじめ氏は『機動戦士Vガンダム』と云う作品を「あまりにも直線的で破壊的な〈暴力(バイオレンス)〉のメタファー」だと総括し、一般的には「マイノリティ向けの商業的に失敗した作品」だとしており、富野監督を指して本文中では「ソーカントク」などと茶化した表記をしてみたり、何かと著者の「自己陶酔と傲慢さ」が随所に透けて見える内容である。
- また、シャクティ・カリンを「この作品の真に悪質なところ」「全ての物事の元凶」だと断言し、「反省してもまたすぐ同じ行為を繰り返す」「やがて行為はエスカレート」「雪ダルマ式に状況を悪化させ、より多くの人死にを招いていく」「この娘の前ではカテジナの狂乱など可愛いもんだ。」と辛辣に評している。
- これに対して、カテジナ・ルースは一貫して「男運がなかった」「ウッソが大人ならカテジナは狂わなかった」「環境に狂わされた被害者」「小さな魔女(=シャクティ・カリン)に最後の救済の機会まで剥奪された」と悲劇性を強調しており、「小説版の強化人間設定は蛇足」だとして「彼女の変化の変遷に外からの物理的な強制的要因が介在した、とする理由付けはドラマの展開としてどうにも甘いやり方と思えますので。」と批判している。
- このカテジナに対する「男運がない」という見解は上述したウエダハジメ氏のイラストエッセイ内の記述とも似通っており、富野監督も「カテジナは不幸な子」だと過去のインタビュー記事で発言している。
- しかし、やまむら氏はシャクティ・カリンと云うキャラクターに関しては全く良い思い入れがなかったらしく、極めて個人的な主観によって『機動戦士Vガンダム』アニメ本編での劇中描写を曲解しており、挙げ句に極端に片寄った誇張表現まで用いて「捏造」と言っても差し支えない程にまで悪し様に語っている。
- なお、メカニックに関しては「メカアクションにおいて新作ごとに常に新しいキーイメージを提出してくるソーカントク。」「本作の【斜光器型の目が上下に開き赤く光る】+【その中のネコ目】とゆーのは結構不気味でいい新イメージだと思う。が、それ程強調して描かれることもなく、大して定着もしなかったようだ。」「それは引いてはゾロ系のMSにも言えることでザク系のシルエットを踏襲しつつの新機軸という点では結構な完成度を誇っていると思うのだけど、そういうラインも立ち消えになっちゃいましたなァ。凄く勿体無い、と思うのだけど…。」と、デザイン面に対し一定の評価はしつつも、劇中での扱いの悪さや一般ウケが悪かった事ばかりを強調している。
- 上述した様に、本来ならば自費出版の同人誌に載せるべきの内容であり、日本全国の書店向けに大量に出版される漫画雑誌に載せる評論記事としては著しく良識を欠いていると言わざるを得ない内容である。
- このイラストエッセイは全国区で大量発売された雑誌媒体に掲載された作品であったことに加え、2003年当時は『機動戦士ガンダムSEED』の大ヒットにより新規のガンダムファンが参入してガンダムエースの発行部数も伸び、隔月誌から月刊誌に移行する様なタイミングであり、また2003年と云う時代は世間にインターネット環境が完全に普及し終えた時期でもあった。
- 上記の事実から見ても、このイラストエッセイにおける無責任で偏った記述内容は、現在も続く「死神シャクティ」と云うネットミームや「カテジナを被害者として擁護して、シャクティを諸悪の権化として叩けば通ぶれる」といったミスリードまで引き起こした「ライト層による誤解の連鎖を招いている極論や暴論」の発生源だと言える。
- やまむらはじめ氏本人がエッセイ内で「あまり語られていないことですが」と前置きしているように、2003年までに一般発売された書籍に載った『機動戦士Vガンダム』関連の記事や漫画作品で(同人誌や上述したことぶきつかさ氏の『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』を除けば)ここまで本作の劇中描写を曲解した極論を綴った評論記事は存在しない事実がそれを裏付けている。
- シャクティにのみ関して言えば、富野監督はもちろんの事、業界関係者や著名人がこの様に悪し様な見識を公式の場で記した書物や文献は現在まで一切存在しないのである。
- また、2003年は『機動戦士Vガンダム』の10周年記念という節目でもあり、翌2004年1月にはやまむらはじめ氏の念願だった本作初のDVD化も行われたが、皮肉なことに各メディアや世間の反応は非常に冷たいものだった。
- このイラストエッセイは本作から再評価の絶好の機会を奪っただけでなく、作品に対する誤解の連鎖まで発生させてしまい、現在でも「Vガンダムはガンダムシリーズ随一の不人気作品でマイノリティ向けのカルトアニメ」だと世間から認識されるに留まってしまっている要因の一つになったのである。
- なお、やまむらはじめ氏は「小学校の時からずーっと富野由悠季の小説やらエッセイを読んできた」と自負するほどの「自称・富野作品マニア」であり、『アニメージュ』に連載の名物コーナー『ニュータイプ人生相談 富野に訊け!!』では挿絵を担当しており、徳間書店オフィスでの打ち合わせで富野監督と何度も面会しているようで、「ハッキリ言ってただの役得狙いです…」とX(Twitter)で自慢げに語っている。
全方位において多数存在する。
富野由悠季
『機動戦士Vガンダム』の放送も終盤に差し掛かった時期、富野監督は次回作としてサンライズが企画していた「火星を舞台にしたスペースオペラ作品」である『機動戦士ポルカガンダム』の監督依頼を断固拒否し、代わりに愛弟子の今川泰宏氏を監督に指名して、「ここまでVガンダムで滅茶苦茶やったんだから、次は戦争ものではなくロボットでプロレスをやるように。いいかい、プロレスだよ。それ以外は絶対にやっちゃいけないよ。」と指示した。
その結果誕生したのが、 「皆さんお待ちかね!」 の『機動武闘伝Gガンダム』である。
富野監督が「プロレス」と言った原因はバンダイ側から当時大流行していた『ストリートファイターII』の様な「格闘ゲーム要素」を要求されたからである。
『機動戦士Vガンダム』より5年後の1998年8月1日、「ガンダム20周年」に向けての大がかりな企画である『ガンダム・ビッグバン・プロジェクト』の一環として大規模なイベント『ガンダム・ビッグバン宣言』がパシフィコ横浜の国立横浜国際会議場「国立大ホール」で開催された。
このイベント会場内で行われた豪華ゲスト陣による対談トークショーで、翌1999年から放送される『∀ガンダム』でキャラクターデザインを担当する『あきまん』こと安田朗氏に対して富野監督が冗談半分のリップサービスではあるとはいえ「僕はTVゲームそのものが好きではないんですが、格闘ゲームは特に大嫌いです。あんなので喜んでる人間は最低です。」とまで言い放ったのは、恐らく上述した『ポルカガンダム』企画時のゴタゴタが原因である(安田氏はCAPCOM在籍時に『ストリートファイターII』のキャラクターデザインを手掛けていた)。
なお、この時に富野監督は後に有名となる「エヴァは潰したい!」「庵野には負けん!」といった強気な発言もしていた。
原作者であり総監督である御大の言葉を借りれば、「このような結果」となってしまった事態には色々と要因があるのだが、敢えて言うならサンライズが、本作終了直後にバンダイ(現バンダイナムコ)からの買収を受けるという決定事項を、富野監督とスタッフ達には隠していたという事実が大きく影響しているのは間違い無いだろう。
なお、富野監督は(少なくとも2004年時点では)本件を許していなかったが、2017年10月15日付けのORICON NEWSのインタビューでは過去に自らがサンライズに売り渡した『ガンダム』の著作権と会社への思いについて以下のように答えている。
富野監督「当時は著作権もあいまいな時代でしたので、3本目の『ガンダム』の時に著作権をちゃんと自分で取れるようにとストーリーを描き、映画化も視野に入れて作りました。スポンサーを騙しながら、そういう仕掛けをつくっていったわけです(笑)。つまり、『ガンダム』は自分が“生き延びるために仕掛けた”ことなので、命拾いした作品、という印象です。」
「人気がここまで継続したことを考えれば、僕自身の“命拾い”というだけの生易しいものではありませんでした。実を言うと、僕ひとりが発案して『ガンダム』が成功したわけではなく、キャラクターデザインの安彦良和君、メカニカルデザインの大河原邦男君がいたから、でもないんです。どういうことかというと、著作権があり、映像化権があり、商品化権があり、それぞれの権利を獲得し、それを分け合うためのシステムをどう作っていったか。そして、それを会社という組織でみんなが意識したから今のガンダムがあるんです。この総体的な動きについては、10年くらいたって気づきました。」
「ガンダムの著作権は“まる買い”だったために腹立たしい気分もありましたが、だからこそサンライズは作品を作り続けてこられたわけです。」
「もし、ガンダムの著作権を僕ひとりで管理していたら、マーケットは今みたいに広がっていないと思います。そう考えると、“ガンダム”は長生きしたと思っています。」
「その点、日本におけるアニメコンテンツの著作権管理の仕方も『ガンダム』が開拓していった部分はあって、結果的に僕個人も生かされたし、ガンダム周辺の企業全体も生かされたと思っています。」
声優
本作にサブ及びゲストのキャラクターとして出演した声優陣の多くは後の平成ガンダムシリーズとなる『G』~『X』以降も続投されることとなり、後続作品でメインキャラに昇格しているという例も多い。
トマーシュ・マサリク役の関智一氏が、本作の次回作である『機動武闘伝Gガンダム』では主人公のドモン・カッシュを演じた例が最も顕著である(なお、関氏はその後の『W』でもOZ専属技師のメーザー役として続投されている)。
本作は劇中のキャラクターが次々と若くして死亡していったように、演じた声優陣も比較的近い年齢同士で構成されてるにもかかわらず、クロノクル役の檀臣幸氏(50歳没)、マリア役の篠原恵美氏(61歳没)、タシロ役の中村秀利氏(60歳没)、ユカ役の田中敦子氏(61歳没)、ストライカー/トランプ役の藤原啓治氏(55歳没)、偽ジン・ジャハナム役の松尾銀三氏(49歳没)と、惜しまれつつも早世している御仁が多い作品である。
キャラクターを演じた声優のみならず、キャラクターのデザインを担当したアニメーターの逢坂浩司氏も44歳の若さで亡くなっている。
また、亡くなってはいなくともマーベット役の白石文子氏やオデロ役の中田雅之氏など、出番の多いメインキャラクターを演じた声優であっても諸事情により既に声優界を引退済み(特に前者は「この仕事では食べていけない」とはっきり廃業した旨を明かしている)で、最早復帰は絶望的というケースが多々ある。
このため本作はゲーム作品のキャラクター参戦に際しても、かなり早い段階からライブラリーや代役に頼らざるを得なかったガンダム作品でもある。特筆すべきは「逝去ないし引退した声優の音声は差し替えず極力ライブラリ出演を行う」方針であった『スーパーロボット大戦』におけるケースで、『α外伝』から(GBAソフトの為ボイスがなかった『D』を除いて)『30』で再参戦するまで20年もの歳月を要する事になった。
放映話数や順序に関する話
本作は話数の面でもTVアニメのガンダムシリーズの中で、全51話という『SDガンダムフォース』に次ぐ2番目の話数を持っている。
『1stガンダム』は全43話。『機動戦士ガンダムSEED』や『∀ガンダム』は全50話。『SDガンダムフォース』は最大の全52話となっており、SD作品を除いた場合は本作がトップとなる。
TVシリーズのガンダム作品としては本作は『機動戦士ガンダムΖΖ』から7年ぶり、放送終了タイミング含めても6年ぶりで、(もちろんその間にも劇場版やOVAこそ発表されていたものの)この空白は2024年現在に至っても過去最長であり、このためTVシリーズに10年以上も空白があった仮面ライダーシリーズやウルトラマンシリーズのような事態は免れている。
『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』から『機動戦士ガンダム水星の魔女』も7年だが、こちらは分割2クールだったため放送終了からは5年半ほどしか空いていない。そしてこの期間内にも『ガンダムビルドシリーズ』の方はしっかり制作されていた。
本作は序盤に各話時系列と話数にズレがあり、第1話「白いモビルスーツ」は時系列上は4話と5話の途中の話となる。
これは番組タイトルを冠した主役機であるVガンダムが第4話まで登場しないことに難色を示したバンダイに忖度したサンライズ側がアニメ放映開始のギリギリになって無理やり放送話数を組み替えた為に起きた話数ズレである。
一応、2話~4話までは冒頭にナレーションによる説明が入り、サブタイトル後とエンディング直前にはVガンダムを整備するウッソの現在の状況が描かれており、ストーリー自体は「シャクティによる回想」という形にして整合性が取られているものの、この作品を時系列順に楽しみたい場合、2話→3話→4話→1話→5話以降……の順に見る方が物語を整理しやすい。
放送局
当初は第3作目の『伝説の勇者ダ・ガーン』で勇者シリーズを終了させ、その次番組として従来通り名古屋テレビが担当する予定だった。
しかしテレビ朝日が『クレヨンしんちゃん』と『美少女戦士セーラームーン』と共にANNネットワーク拡大運動に活用すべく「全国ネットのゴールデンタイムで放送する」事を条件に名古屋テレビから企画と権利を買収した。
セーラームーンシリーズと共にANNネットワーク拡大運動を支える筈だった平成ガンダムシリーズだが、序盤から躓く羽目になった。
(『機動戦士Vガンダム』の放送に纏わるゴタゴタについては徳間書店刊の月刊アニメ誌『アニメージュ』1994年7月号の富野由悠季氏と庵野秀明氏の対談インタビューより引用。)
ガンダムシリーズの権利を譲渡した名古屋テレビ(メ~テレ)は勇者シリーズ続行へ変更。
テレビ朝日側は全国枠の放送枠に空き枠が出来る1993年10月スタートを希望していたが、バンダイ側のゴリ押しで半年繰り上げとなった為、ローカルセールス枠での放送を余儀なくされた(放送期間中に開局した山口朝日放送は当時は未ネット)。
当然の事ながらサンライズのアニメーション制作スケジュールは滅茶苦茶になり、富野監督がお怒り奉ったのも無理は無く、上記の怒りもこの放送開始繰り上げに伴う制作スケジュールのゴタゴタとも無関係ではあるまい。
もしもゴールデンタイムでの放送が実現していたら、木曜夜19時半か、または土曜夜19時半に編成されたかも知れない。
(この経緯は『富野由悠季 全仕事』でメ~テレプロデューサーの談話より抜粋。)
そして、この内容が災いし、次番組の『機動武闘伝Gガンダム』以後、系列局からのネット拒否が相次ぎ、放送局は徐々に減っていった。一方の勇者シリーズはシリーズ終了まで放送局数を保持した。
その後、テレ朝はガンダムシリーズを手放すことになる(ただしメ~テレ枠で『機動戦士ガンダムUC』のTV編集版を放送しているため完全には縁が切れてはいない。「CGアニメーション+特撮版のガンダム」である『G-SAVIOUR』もメ~テレが制作委員会として関わっている)。
ついでにテレ朝はセーラームーンシリーズも手放している(特撮版がTBS系で放送)が、その代わりに仮面ライダーシリーズが毎日放送からテレ朝系に戻った。
ある意味、再びの腸捻転である。
テレ朝から解放されたガンダムはフジテレビに移り『∀ガンダム』を放送するが、放送時間はテレ朝時代同様金曜夕方17時台のローカル枠で遅れネットすらなく全く放送されない地域も少なくなかった。
しかしフジの都合によりまたもやガンダムシリーズは毎日放送(TBS系列)へ再移籍する。
この時点でようやく全国ネット枠を確保し、歴代シリーズ中一番好条件の編成と優遇された。
21世紀ガンダムは放送局の関係上毎日放送のカラーが強いがテレビ東京系でもガンダム作品をいくつか放送してはいる。ちなみにNHKでも再編集版ではあるものの『機動戦士ガンダムTHEORIGIN』を放送している。後は日テレ系を残すのみとなったのだが…。
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前述の通り、名古屋テレビは『勇者特急マイトガイン』を導入しガンダムシリーズの穴を埋めたが、その次作『勇者警察ジェイデッカー』放送中にサンライズがバンダイに買収される事件が起きる。
勇者シリーズのスポンサーはタカラ(現:タカラトミー)だった為(それ以外にも要因はあるが)シリーズは存廃の危機を迎えたが、関係者の尽力で『勇者王ガオガイガー』迄延命する事が出来た。
一方のガンダムシリーズは前述のスポンサー要望の放送前倒しや放送枠の確保の件などでゴタゴタが起き、なおかつスケジュールの圧迫が枠終了まで尾が引く結果となった。
庵野秀明
『機動戦士Vガンダム』のアニメーション制作には『新世紀エヴァンゲリオン』で有名なGAINAXも参加している。
庵野秀明氏は富野由悠季監督作品の大ファンで、特に『伝説巨神イデオン』から強い影響を受けており、1988年公開の劇場版アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の制作時に庵野氏がGAINAXとして参加したエピソードが有名で、ラー・カイラム等の戦艦のデザインは全てGAINAXが担当している。
『機動戦士Vガンダム』の劇中に登場するラー・カイラム級戦艦やクラップ級巡洋艦の設定画は、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の時に描かれた設定画からTVアニメ用に線を減らしたものである。
庵野氏が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主役機コンペ時に描いた初代ガンダムのイメージそのもののνガンダムのラフデザインを見た富野由悠季氏が激怒し「庵野なんて○んじゃえばいいのよ!」と言い放った話は有名である。
1993年当時もGAINAXに所属していた庵野氏は、『機動戦士Vガンダム』にかなり入れ込んでおり、自ら富野監督に直談判してGAINAXとして制作協力を志願した程であり、「『機動戦士Vガンダム』がなければ『新世紀エヴァンゲリオン』の様な作品は作らなかった」と後に語っている。
『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公である碇シンジの名前は、ウッソの名前の由来である「嘘」の対義となる「真実」から名付けられた。
しかし、富野監督の『新世紀エヴァンゲリオン』に対しての評価はかなり厳しく、エヴァの第1話のオンエアを視聴した富野監督は苦痛から視聴を打ち切ってしまい、後日「申し訳ないけど1話すらまともに観れなかったよ」と庵野氏に伝えると「1話だけでも観ていただければ満足です」と返答され、この時に富野監督は大激怒したと云う。
その後はメディア上で以下の様な否定的な発言を残している。
「本来、たとえば今話題になっている『エヴァンゲリオン』なんていうアニメは作品じゃないはずなんだと。」
「だけどそういうものを俎上に上げてしまう。そういうカルチャー論、サブカルチャー論って言葉で何でも認めていく。それはサブカルチャーの側の問題というより、すでに評論する側も全てデジタル化している。これは、かなり深刻でやばいぞって思います。」
「と言っても、オンエアの一本しか観れなかったです。それ以上は観られなかった。エヴァが、僕みたいな年代とか、僕みたいな感覚を持つ人間から見た時に、あのキャラクターは生きてるキャラクターではない、と感じます。」
「ドラマは、生気ある人によって描かれるはずなのに、その根本を無視している。かくも腺病質なキャラクターとメカニックで、ドラマらしいものを描けるというのは、頭の中で考えていることだけを描いていることで、短絡的に言えば、電脳的だと。」
「セックスにしたって生きているから出来ることでしょ?その境界線を分かっていない年代、つまり、ビデオとかインターネット上のオ◯ンコ見てセ◯ズリかいているだけで、生のセックスに興味を持てない、本物の女性を怖がる病理現象があるだけで、さっき言った『死ぬこと』が実感出来ないっていうことが一緒になった感性の人々の実在を見せつけられただけで、そう、あれはカルテに見えるんですね。」
(1997年1月発行・別冊宝島『このアニメがすごい!』富野由悠季インタビューより抜粋。インタビュアー・切通理作)
「(エヴァについては)これ以上は勘弁して下さい。もうある意味で言い過ぎましたから、言っちゃいけないと思います。それと、この2、3ヶ月で心境が変わってきたところがあって、さっき言ったように庵野くん個人に対しては、富野がいたおかげで、お前がこうなったとしたならば、それについてはごめんね、ということで止めさせておいてください。」
「『エヴァ』に関しては『エヴァ』を直接作った…ガイナックスというグループが成立したプロセスが持っている、あのグループに入ったときに個までがガイナックスになっていってしまうという、そういう妖しさを排除していかなくてはいけないんだ、と言えるのは僕の立場でしかないと思います。そういう気をつけた作品を作りたいと思っています。」
「上手に表現出来るかどうかわからないし、僕が今後作品を作らせてもらえるかどうかも未定です。ただやれるとするならば、庵野くんに対する“ごめんね”ではなく、もっと重要なことがメッセージに入ってくると思います。」
「それはここまで膨れ上がった、ビジュアルっていうものを、こういうふうに愛せるようになった世代に、違うものをきちんと投入しなくちゃいけない、というのが僕にとっての責任だと思います。富野ファンがまだいてくれるとするならば、その20代、30代の人たちに“富野まだやってんのあのバカ、アニメか、ロボットか、うーん、いいじゃない?”って言われる作り方をしたい。その年代が楽しんでくれるものは、今のティーンエイジャーも観てくれるだろう、と思っています。」
「我々が作りあげた情報化社会で育った子供たちが『エヴァ』を作ったわけですから、『エヴァ』の12年後に出てくる『エヴァ』はもっときっとイヤだろうな、その子供たちを叱咤激励出来る50代でありたいな、と思います。」
(月刊ニュータイプ1997年7月号・富野由悠季インタビューより抜粋。)
これらが上述した「エヴァは潰したい!」「庵野には負けん!」といった発言に繋がっており、何はともあれ、1996年〜1997年に世間で巻き起こった「エヴァンゲリオンブーム」への対抗心と危機感がひとつの原動力となり、1998年に富野監督がリハビリとして『ブレンパワード』を制作し、更に1999年の『∀ガンダム』でアニメーション監督として完全復活を果たした事実は庵野氏の大きな功績だと言えるだろう(これは、同時期に『もののけ姫』の劇場公開時に引退宣言をしたかと思いきや、2001年に『千と千尋の神隠し』でシレッと復帰した宮崎駿監督にも当て嵌まる)。
アイキャッチ
本作のアイキャッチは全て異なっており、全51話×A・Bパート2種の計102枚の静止画で構成され、全部繋げると一つのアニメーションになるというパラパラ漫画方式をとっている。
シリーズ
機動戦士ガンダムF91 ←機動戦士Vガンダム→ 機動武闘伝Gガンダム
宇宙世紀
機動戦士ガンダムF91←機動戦士Vガンダム→宇宙世紀の終焉。時は流れ、∀ガンダムのコレクト・センチュリー=C.C.の時代へ移行。
宇宙世紀(富野由悠季シリーズ)
機動戦士クロスボーン・ガンダム←機動戦士Vガンダム→ガイア・ギア
非映像作品
機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人←機動戦士クロスボーン・ガンダムゴースト→機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST→機動戦士クロスボーン・ガンダムX-11
『プロジェクト・エクソダス』を描いた長谷川裕一による『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズの続編。『ゴースト』は本作の裏史と言え、『DUST』は本作や『ゴースト』よりも先の世界観が舞台。『X-11』は『DUST』の裏側を描いた作品となっている。
いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!(本作の公式パロディ漫画)
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