概要
動作や形が少しずつ異なる絵や人形などを一コマずつ撮影し、映写した時に画像が連続して動いて見えるようにする技術。また、その技法を用いて制作された映像作品全般を指す語。「アニメ」と略してよばれることが多い。
アニメーションの種類
制作素材による分類
セルアニメーション
動かない背景画の上に、少しずつ違う動きを描いたセル画を重ねて撮影する。商業用アニメーションの主要な制作手法。一般にアニメといえばこのセルアニメのことを指している場合が多い。
1990年代以降は、パソコンの発展・普及に伴い、紙に描かれた原画をスキャナーに取り込んで(トレース)、アニメーション部分の彩色(仕上げ)と 背景画とアニメーション部分を合成する過程(撮影)をコンピュータで行うデジタルアニメ化している。また後述のCGアニメーションと併用されることもある。対象の動きを補正する人間の目の機能によって、絵が動いて見えるのがアニメーションであるが、当然ながら作画枚数が多いほど滑らかなアニメーションとなる。ただし、人間の目が認識できる限界が1秒に50枚程度とされているため、作画枚数をさらに増やしても認識不能な無駄な絵を差し込んでいるだけである。
とはいえ、作画枚数という明確な基準は(CGアニメーションが主流になる以前は)宣伝としてウケやすかったため、作画枚数を誇るためにアニメーターの労力を増加させている会社は未だに数多く、アニメーターの闇の一つにもなっている。
デジタルアニメ
コンピューターを駆使して制作されたアニメーション。現在はデジタル技術が一般化したため、ほぼすべてのアニメがデジタルアニメと言っても良い。
トゥーンレンダリングやモーションキャプチャーなど、様々な技術がある。
特徴的なのは、日本アニメをはじめとするセルルックの場合は2Dと実写との融合に注目しているのに対して、CGアニメーションは単純に現実に近づけた3D映像を作ることに注目している点にある。
CGアニメーション
CGにより、撮影のプロセスを経ることなく、各コマの静止画像を順番に作成して、一連の動画に仕上げる手法。
「子供番組の予算の枠内でもフルCGによる作画崩壊無い高品質のアニメーションが製作できる」体制がほぼ確立したため、(日本以外の)海外アニメ制作などでは2000年代後期の時点で主流となっている。
CGと言う言葉がさす範囲が広いため、広義には後述のセルルックアニメーションもCGアニメーションの範囲に入るが、どちらかと言うと単純に実写に近いアニメを作ることに着目している点が違う。
セルルックCGアニメーション
CGによって手描きアニメーション風の作画(セル画)でレンダリングする手法。
「手描き風の表現による親しみやすい表現と懐かしさ」が最大の特色であり、2Dの映像と3Dの映像をいかに融合することができるか。と言う点に着目している点で単なるCGアニメーションとは差別化されている。
ストップモーションアニメ
コマ撮りと呼ばれる手法で製作されたアニメ。
最大の特徴は、CGアニメやセルアニメとは違い、実写であるという点。
人形アニメ
人形など立体物を少しずつ動かしながらコマ撮りする。パペットアニメーションとも呼ばれる。
クレイアニメ
粘土を用いて作られた造形物をコマ撮りしていく。
画の動かし方による分類
フルアニメーション(full animation)
ムービーフィルムは、上映時、1秒につき24コマの画を映している。その24コマすべてに違う絵を割り当て、リアルで滑らかな動きを表現するアニメーション手法のこと。
なお「日本初のフルアニメーション漫画映画」は日本動画株式会社制作の白黒漫画映画『すて猫トラちゃん』である。
(※これは日本におけるフルアニメーションの概念であり、海外などでは別の意味で用いられる言葉なので注意)
リミテッドアニメーション(Limited animation)
1秒間24コマのうち、1コマごとすべてに違う画を割り当てず、3コマごとに画を割り当てて撮影したアニメーション。フルアニメでは「1秒に24枚」の画を使うところを、「1秒間に8枚」の画を使えば済むため、制作時間やコストを大幅に減らす事が出来る。
なお「世界初のリミテッドアニメーション漫画映画」はワーナー・ブラザーズ制作の総天然色漫画映画『The Dover Boys』である。
関連画像
なお、アニメを評論したがる者の中には、映像としてのアニメーションの出来そのものよりも、声優やキャラクターデザイン、キャラクターの好き嫌いなどを中心として、的外れな持論を展開して作品の善し悪しを語っているケースが少なからず存在する。
語源
アニメーション(英 : animation)という言葉はラテン語のアニマ、アニミズムに由来している。
アニマとは霊魂や魂、アミニズムとは命を吹き込む、活動させるといった意味がある。「止まっている絵に命を吹き込む」という意味からアニメーションという言葉が生まれた。
ダンス
ダンスにおけるアニメーション(Animation)は、ストリートダンスのスタイルの一種。アニメーションダンス。よくロボットダンスと混同されがちだが別物である。
全身の筋肉と関節を駆使し、スローモーションやパントマイムのように演じるスタイルである。激しい動きをするダンスではないのだが、通常ではありえない不思議な動きをすることから、ダンスに興味がない人からも「スゴい」と言われることが多いスタイルである。
アニメ業界の問題点
日本では、アニメーターなど 商業用アニメーションの制作現場で働く人間が正当な評価や報酬を受け取る事が少ない。そのためアニメ業界は非常に離職率が高く、慢性的な人材不足に悩まされている。詳細は『アニメーター』の頁を参照の事。
表記揺れ
関連タグ
懐かしアニメ 海外アニメ OVA アニメ映画 テレビアニメ(TVアニメ) 短編アニメ 自主制作アニメ
脚本 絵コンテ レイアウト(L/O) ラフ原 原画 動画 中割り
カッティング / 編集 アフレコ / アテレコ マーキング ダビング
作画用紙 / レイアウト用紙 / 修正用紙 / 原画用紙 / 動画用紙
カメラワーク PAN 付けPAN フォロー フェードイン フェードアウト オーバーラップ ワイプ
作画ミス 色パカ 作画崩壊(ヤシガニ / キャベツ) 逆作画崩壊 神作画
演出 … アニメーション演出家 アニメーション監督(一覧あり)
作画 … アニメーター 動画マン 原画マン 作画監督 総作画監督 キャラクターデザイン
撮影 … 撮影監督
外部リンク
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