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概要

ロトスコープとは、モデルの動きをトレースした作画をアニメーションさせる手法。

最も一般的なものは、動画撮影などを行って入手した画像の上から、ソフトやツールを通して描き込みをしたりして創っている。背景は実写的描写だが、描かれている人物や物がイラスト調になるため、一風変わった作品が出来上がる。

動画撮影→トレースという手順を取る以上、通常よりも制作時間と費用が掛かるが、実写の動きをトレースしているために大変精巧な動きを見せることができる。


動きが複雑になりがちなダンスシーンや楽器の演奏シーン、格闘シーンなどの、より現実的な人の身体の動きを再現するようなシーンでは効果的に取り入られており、こちらについては好意的な評価をなされることも多い。


3Dモデルを利用したアニメーション(トゥーンレンダリングなどで、線と面で構成される2次元的表現に寄せたものが代表的である)や、現実の人間の動きを3Dモデルで再現するモーションキャプチャの普及により数としては減りつつあるものの、2023年現在でも広く使われている技術である。

また、3Dで制作した映像をロトスコープにて描き起こす方法や、トゥーンレンダリングされた3DCGとロトスコープ両方が使われることも多く、前者では『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン※が、後者では『信長協奏曲』や『花とアリス殺人事件』などがある。


一方、日本では全編にわたってロトスコープを用いた商業作品があまりないため、馴染みのない視聴者も多い。作画枚数をあえて抑えたリミテッド・アニメーションが用いられることが大半の日本のアニメに対し、フルアニメーション(寄り)の動き方になりがちであることから「ぬるぬる動きすぎて(現実的すぎて)気持ち悪い」と違和感を覚えるような人も少なくない。


また日本でのロトスコープは、上記の例のように顔や体型などはアニメ絵に変えるのが普通である。日本のアニメでは初となる全編ロトスコープの『惡の華』は顔も実写寄りにしてしまったたため「(キャラクターの表情や動きなどが)リアルすぎて気持ち悪い」「漫画と絵が全く違う」「普通に実写で良かったのではないか」「リアルなキャラの動きと、『アニメらしい』声優の演技が乖離している」といった意見が多数の視聴者により寄せられ炎上する事態となった。


※正確には「モーションキャプチャを付けたモデルによる実写映像を撮影して簡易3DCGに起こし、カメラワークなどを指定、そこからCGと実写をガイドとして手描きでアニメを作る」という手順が踏まれており、ロトスコープとはまた少し違った手法が取られている。→参考


ロトスコープを使用した海外アニメ


ロトスコープを使用した日本アニメ


また、コンピュータゲームにおけるアニメパターン制作にこの技法が用いられることもあり、特に1980〜90年代に有名な作品が多くリリースされている。

代表的な例としては「プリンス・オブ・ペルシャ」や「カラテカ」が挙げられ、当時の解像度の低い機種の中にあって、驚くほどに滑らかなアニメパターンによるリアルな動きを実現したアクションゲームとして有名である。

他に有名な作品としてはAMIGAの「フラッシュバック」や、ニンテンドーDSの「ウィッシュルーム」などがある。


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