概要
1963年10月12日北海道生まれ。兄はギタリストの今剛。「今」は青森県土着の名字であり、北海道にも多い。
大友克洋のアシスタント、漫画家を経て、押井守のもとでアニメーターとして活動。1997年に『パーフェクトブルー』でデビュー。『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』などを手がける。
夢と現実が交差する作風を特徴とする。緻密かつリアリティにこだわった描写に定評があり、「萌え」要素がほとんどない、日本アニメ界では異色の監督であった。
主にマッドハウスを拠点に活動。細部まで丁寧に描き込まれた絵コンテは単体でも評価が高い。一般的な劇場作品に比べると著しく低予算(1億円〜3億円程度)であるのにもかかわらず、映像的にも非常に質が高い作品を作り続けた。この点は美術監督池信孝、ジブリ出身のアニメーター安藤雅司らの貢献も大きい。
漫画作品としては、大友克洋監督の実写映画「ワールド・アパートメント・ホラー」の漫画化したものがある。
その他、アニメージュで、『風の谷のナウシカ』連載後の作品として、押井守を原作者に起用し、「セラフィム 2億6661万3336の翼」という作品(お約束で「華南」@キリスト教より、バセットハウンド、東方の三賢者が出る。但し、「鎖国状態の中国が群雄割拠しまくって分断国家に」「ガスパル、メルキオル、バルタザル&合法ロリは鎖国状態での中国国内の諸外国をさまよう」「押井作品なのに客を怖がらせるための飛ぶものがイコンとして拝まれる」など一種異様なものになっている)の連載をしていたが、才能のある人同士のお約束で、制作に関しての言い合いが齟齬を生み、頓挫している。後述する、早すぎる死の後、掲載されたもののみが単行本として発行された。
膵臓癌により2010年8月24日死去。享年46歳。
『オハヨウ』の発表後、次回作として『夢みる機械』の制作に着手したが、2010年に体調を崩し、5月に病院で診断を受けたところ末期の膵臓癌と診断され、さらには余命半年の宣告を受ける。生前から「自分のエンジンはアルコールとカフェインとニコチンで動いている」とブログで公言するほどの不摂生な生活を送っていた事が原因だった。
宣告された後は、身の回りの整理をしながら亡くなる前日までブログを更新するなどしていた。ただ、存命中は自分が病気であることは伏せていた。
作品一覧
監督作品
『パーフェクトブルー(PERFECT BLUE)』(1997年)
『千年女優』(2001年)
『東京ゴッドファーザーズ』(2003年)
『妄想代理人』(2004年)
『パプリカ』(2006年)
『オハヨウ』(2007年)
『夢みる機械』(2010年/未完)
その他作品
『老人Z』(1991年)美術設定・レイアウト・原画
『機動警察パトレイバー2theMovie』(1993年)レイアウト
『彼女の想いで』(1995年)脚本